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第24話 エリーゼマリーナとパーティー 後編

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パーティーが終わり、それぞれ帰り始める
「イールス様、王立学院に必ず一緒に通います」
アリシナが真剣にイールスを見ている
「アリシナ、その前に試験を受けないと…」
クレーシアがアリシナに言うと、アリシナが黙り込む
「絶対に頑張る…イールス様と一緒に通います!!」
アリシナが、いきなり大声をあげ、恥ずかしさで、顔が真っ赤になっている
「アリシナ様、クレーシア様、フレシカ様御無理をなされないようにして下さい、試験で落とされる可能性も有ります」
真剣にそれぞれの顔を見ている
「イールス様、絶対に一緒に通います」
アリシナが真剣に言い、帰っていき、後ろ姿をイールスが見送っている

「リーシア、恥ずかしい姿を晒して…」
女性がやって来て言う
「シンシリア御姉様、申し訳ありません」
リーシアノリアが慌てて謝っている
「人と話せたのは良いですね…」
女性がイールスを微笑みながら見てから、リーシアノリアを見て言う
「お初にお目にかかります。イールスと申します。以後お見知りおきをお願いします」
慌てて挨拶をすると、女性が笑いだす
「シンシリア・ルーゼントですわ! 噂のイールスと仲良くなったのは、良いことですわ」
シンシリアが上機嫌で言うと、リーシアノリアが驚いている

噂の? そんなに噂になっているの? それにルーゼント伯爵家? 面倒になるかな?

「ロイホールです。宜しくお願いします」
ロイホールが慌てて挨拶をする
「イールス、エリーゼマリーナ様やクレーシア様と仲良かったようですが、どちらが好みなのですか?」
シンシリアが笑顔で聞く
「え? 好み? 申し訳ありませんが、友達なので…」
「友達? その年なら、婚約も視野に選ばれたら良いのですわ! リーシアノリアも候補探し中です。どうですか?」
シンシリアが笑顔で聞く
「え? 何を? え? …えーーー! 大変申し訳ありませんが、私等、下賤な身ですので、御冗談は遠慮して欲しいと思います」
イールスが慌てて言うと、リーシアノリアが驚いてキョロキョロしている
「残念ですわ…良い縁談になりそうなのに…」
シンシリアが呟き、リーシアノリアを連れて帰っていく

「イールス、帰りますわ」
メサリアが微笑みながら見ている
「メサリア様、もう宜しいのでしょうか?」
「今日は楽しかったですわ」
メサリアが笑顔で言うと、馬車に向かって歩いていく

馬車に乗り、屋敷に向かい始める
「イールス、また少女を助けたようですね…噂になっていますよ」
メサリアが微笑みながら、イールスを見ている
「困っていたので、助けました」
「目立つ事が好きなのですか…120点ですわ」
メサリアが笑顔で言う

「メサリア様、教えて欲しいのですが、シンシリア・ルーゼント様は、ルーゼント伯爵家で宜しいのでしょうか?」
「シンシリアは、ルーゼント伯爵家の長女ですわ」
「リーシアノリア様は、シンシリア様の妹様ですか?」
真剣に聞くと、リーシアノリアの事を説明しながら、ロイホールを見る

「イールス、それは、婚約を申し入れられて、断ったのですね…うふふ、良い土産話が出来ましたわ!! シンシリアも弟だと知らずに…それもシンシリアの妹を助けたなんて…知ったら、叫ぶ姿が目に浮かびますわ」
メサリアが笑みを浮かべている

え? もしかして…シンシリア様と仲が悪いのですか? 後が怖いかも…

「歳からしたら、ロイホール様の方が、良いと思ったのですが…」
少し不安そうに、ロイホールを見てから、言う
「イールス!! 良いですわ!! 200点ですわ」
メサリアが、満足そうに笑いだして、ロイホールを見ている
「え? だから横に居ても、話さなかったのですか?」
ロイホールが驚いてイールスを見ている

屋敷に戻り、メサリアは、ヘルクドールの元に向かう
「メサリア、帰っていたのか?」
「御父様、イールスは最高ですわ!!」
メサリアが満面の笑顔で言う
「何か有ったのか?」
ヘルクドールが驚きながら、メサリアを見ている

「エストリアナ子爵家の長女クレーシアに、エストリアナ準男爵家の令嬢アリシナ、カリウスバーゼ騎士爵家の令嬢フレシカ、バーランムーア侯爵家の分家の令嬢エリーゼマリーナとエリーゼマリーナの友達の令嬢達…今日は、ルーゼント伯爵家の令嬢リーシアノリアまで知り合いに…ふふふ、シンシリアなんて、イールスにリーシアノリアを貰わないか言ってきてましたわ!!」
メサリアが上機嫌で言う
「ちょっと待て!! エストリアナ子爵は、政敵だぞ!! ルーゼント伯爵家も…政敵だ!! イールス何故そんなに知り合いが!!」
ヘルクドールが慌てて叫ぶ
「イールスの性格とボルクスゼラス男爵家のゲイゼーラを1対3で倒したので、イールスの噂は、かなり拡がっていますわ! それも家柄を言わないので、更に興味を引いてますわ」
「ロイホールは?」
ヘルクドールが頭を抱えながら聞く
「ダメですわ!! イールスは、リーシアノリア様と歳が近いから、気を効かせたのに、気が付いてないですわ!! しっかりしなさいですわ!!」
メサリアが少し不機嫌そうに言う
「後が煩いな…フレールがなんて言うか…」
「イールスも冒険者に成ると、宣言してますわ!! 直ぐにでも婚約出来るのに…勿体無い、 アリーオも弟と言うぐらい気に入ってますわ…」
メサリアが残念そうに言う
「有名に成りすぎだ…フレールが知ったら…悩みが増える」
ヘルクドールが溜め息混ざりに考え込んでいる
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