桑田少年の品定め

泉出康一

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エピローグ 『ナルカミライネ』

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初めまして。私は観測者。この世界を記録する一個体。

「これらの世界だろ。」

そうかもしれない。だが、私の中ではこの世界もまた、一なる世界から生まれたもの。歯車になり損ねた一本の枝だ。
ところで、どうだった?この世界について、キミの見解を求む。

「…別に。俺らの出る幕は無かった。」

確かにね。だがそれでいい。奴もそう思って作った世界だ。

「…これで終わりか?」

あぁ。奴の使徒は死んだ。もうこの世界に用はない。後日談はあるがね。聞いていくかい?

「…俺は奴を追う。」

せっかちな男だ。キミに与えられた時間は無限だというのに…

「…」

それがキミの使命だからかい?

「…あぁ。」

この世界の使徒が言っていたな。使命を果たした後、自分は一体どうなるのか。
キミには選択する権利がある。使命を果たした後、どうするかを。彼女達とは違う。だってキミはオリジナルなんだから。

「…俺は…」

まあ、口にする必要は無い。キミが望めば叶えられる。使命を果たしたキミは、もうそういう存在になっているのだから。

「…」

行こうか、ライネ。次の世界へ。
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