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第8品 『躊躇なさすぎ植松』
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夜、桑田の家の近く、住宅街にて…
「植松ぅぅぅぅう!!!」
「それな。」
その時、植松のフードの中からパキナが現れた。
「無事だったのね!桑田!」
「お前ら…」
桑田は涙を流した。
地面に倒れたコンドムが唸っている。
「まずいわ!コイツが目を覚ます前に片付けなくちゃ!植松!」
「おけ。」
植松はバットを振り上げた。
「うぉおぉい!!!ちょ待てよ!殺すん⁈」
「宿主には申し訳ないけど、それしか方法がない。処女でもないし、それ以前に男だし…宿主を殺す以外、この人に取り憑いたヒニン族を倒す方法が無いの…」
桑田はとても悔しそうな表情をした。
「それな。」
再び植松はバットを振り上げた。
「待って!待ってくれよ!コイツ、俺の父さんやねん!」
パキナと植松は目を丸くして桑田と桑田の父を交互に見た。
「何とか…何とか、助かる方法ないん?かな…」
その時、コンドムが目を覚まし、桑田に襲いかかった。
次の瞬間、辺りに血飛沫が飛んだ。
「チッ…邪魔しやがって…」
植松が身を呈してコンドムの攻撃から桑田を守っていた。
植松は左腕を切断されている。
「…痛過ぎやわ…」
植松は気を失い、地面に倒れた。
「植松…ッ!!!」
「まぁいい。俺様の頭ぶん殴ってくれた礼だ。桑田圭人、次はお前だ。今度は油断しねぇ…!!!」
「ッ⁈」
コンドムは凄まじい殺気を放った。
「立って!桑田!戦うのよ!」
「た、戦うって…そんなん…」
相手はヒニン族に取り憑かれた自身の父親。それだけならまだ戦えたかもしれない。
しかし、相手は父親であるうえに素手で人間の腕を切断するパワーを持っている。
そんな相手に呆気に取られ、桑田は戦意喪失している。
「大丈夫!アンタなら出来るわ!」
「無理やって!!!」
「無理じゃない!アンタは、今までやって来た事をやればいいの!」
「今までやってきた事…」
「…私を信じて。」
コンドムは桑田に襲いかかってきた。
「ごちゃごちゃうるせぇぞぉぉぉぉお!!!」
「『口説』!!!」
その時、コンドムの雰囲気が変わった。
「うっ…頭が…け、圭人…ッ!」
「父さん⁈」
パキナは桑田の前に出て目を見た。
「出会った時に言ったわよね。私なら、ヒニン族に取り憑かれた者を正気に戻せるって。」
「でもコレって…」
「そう。一時的。アンタが口説くのに必要な時間だけ。」
桑田の父は苦しそうな表情をしている。
「圭人…」
次の瞬間、桑田の父は再び桑田の首を絞めた。
「ぐぁッ…!!!」
「クソッ…ふざけたマネしやがって…」
パキナは驚いた。
「私の力が効いてない…⁈」
しかし、コンドムは苦しそうな表情を浮かべている。
「いや、効いてはいるようね…でも、私の『口説』を妨害するなんて…」
その時、桑田の父は再び話し始めた。
「圭人…!!!」
正気を取り戻した桑田の父は桑田を離した。
「ゴホッ!ゴホッ!父さん…!」
「俺の…中に…何かが居る……助けてくれ…圭人…!!!」
「ご、ごめん…父さん…俺、どうしていいか…分からん…」
「圭人……父さんを………こ…殺せ…!!!」
「そ、そんな事出来るわけ…」
「このままじゃ…父さんは…お前を……貴様を殺す!…クワタケイトォォォォォォォオ………頼む!!!」
「…」
桑田はバットを拾った。
「やめろ!……早く…殺し…て……やめろぉぉぉぉお…!!!」
次の瞬間、桑田はバットを真横に投げ飛ばした。
「…やっぱ…俺には出来へん…」
桑田が放り投げたバットは、側の家の前に置いてある植木鉢に当たった。
植木鉢はバラバラに砕けた。
「ギャハハハハハハハハ!!!ざまぁみろ!!!テメェの負けだ!!!桑田けい…」
次の瞬間、桑田の父は割れた植木鉢の破片で自身の喉を掻き切った。
「がはッ……テ、テメェ……」
桑田の父は首から大量の血を流して地面に倒れた。
「父さん…ッ!!!」
桑田は父親の側へ駆け寄った。
「父さん!!!」
「圭人…ごめんな…お前に…殺せ、なんて…ホント…ごめんな…ゴホッ!ゴホッ!」
「嫌や…嫌や!!!父さん!!!!死なんといて!!!」
「ごめんな…ごめんな、圭人…」
「母さんも……父さんまで死んだら、俺…もうどうしてええか…」
「…本当に…ごめん……」
桑田は泣きじゃくり、父親に抱きついた。
「嫌やぁぁぁぁぁぁぁあ!!!死なんとってぇぇやぁぁぁぁぁあ!!!」
桑田の父は何度も何度も謝った。死の間際まで。
桑田は泣き続けた。父親が死んだ後も。
TL高校、地下にて…
耳の尖った3人の少年少女たちが話をしている。
「コンドムさんが死にました。」
「そんな事より、警察とやらを何とかした方が良いのでは?」
「警察は洗脳人間の確保が仕事。僕らヒニン族の仕業とは誰も気付きませんって。それより今は桑田圭人です。女王様の命令通り、先に奴を始末しましょう。」
その時、1人のスキンヘッドの少年が一歩前に出た。
「我に任せろ。秒で致す。」
「大丈夫ですか?」
「心配は要らん。我をコンドムと一緒にするなよ。このアンゼンビ様をな…!」
「植松ぅぅぅぅう!!!」
「それな。」
その時、植松のフードの中からパキナが現れた。
「無事だったのね!桑田!」
「お前ら…」
桑田は涙を流した。
地面に倒れたコンドムが唸っている。
「まずいわ!コイツが目を覚ます前に片付けなくちゃ!植松!」
「おけ。」
植松はバットを振り上げた。
「うぉおぉい!!!ちょ待てよ!殺すん⁈」
「宿主には申し訳ないけど、それしか方法がない。処女でもないし、それ以前に男だし…宿主を殺す以外、この人に取り憑いたヒニン族を倒す方法が無いの…」
桑田はとても悔しそうな表情をした。
「それな。」
再び植松はバットを振り上げた。
「待って!待ってくれよ!コイツ、俺の父さんやねん!」
パキナと植松は目を丸くして桑田と桑田の父を交互に見た。
「何とか…何とか、助かる方法ないん?かな…」
その時、コンドムが目を覚まし、桑田に襲いかかった。
次の瞬間、辺りに血飛沫が飛んだ。
「チッ…邪魔しやがって…」
植松が身を呈してコンドムの攻撃から桑田を守っていた。
植松は左腕を切断されている。
「…痛過ぎやわ…」
植松は気を失い、地面に倒れた。
「植松…ッ!!!」
「まぁいい。俺様の頭ぶん殴ってくれた礼だ。桑田圭人、次はお前だ。今度は油断しねぇ…!!!」
「ッ⁈」
コンドムは凄まじい殺気を放った。
「立って!桑田!戦うのよ!」
「た、戦うって…そんなん…」
相手はヒニン族に取り憑かれた自身の父親。それだけならまだ戦えたかもしれない。
しかし、相手は父親であるうえに素手で人間の腕を切断するパワーを持っている。
そんな相手に呆気に取られ、桑田は戦意喪失している。
「大丈夫!アンタなら出来るわ!」
「無理やって!!!」
「無理じゃない!アンタは、今までやって来た事をやればいいの!」
「今までやってきた事…」
「…私を信じて。」
コンドムは桑田に襲いかかってきた。
「ごちゃごちゃうるせぇぞぉぉぉぉお!!!」
「『口説』!!!」
その時、コンドムの雰囲気が変わった。
「うっ…頭が…け、圭人…ッ!」
「父さん⁈」
パキナは桑田の前に出て目を見た。
「出会った時に言ったわよね。私なら、ヒニン族に取り憑かれた者を正気に戻せるって。」
「でもコレって…」
「そう。一時的。アンタが口説くのに必要な時間だけ。」
桑田の父は苦しそうな表情をしている。
「圭人…」
次の瞬間、桑田の父は再び桑田の首を絞めた。
「ぐぁッ…!!!」
「クソッ…ふざけたマネしやがって…」
パキナは驚いた。
「私の力が効いてない…⁈」
しかし、コンドムは苦しそうな表情を浮かべている。
「いや、効いてはいるようね…でも、私の『口説』を妨害するなんて…」
その時、桑田の父は再び話し始めた。
「圭人…!!!」
正気を取り戻した桑田の父は桑田を離した。
「ゴホッ!ゴホッ!父さん…!」
「俺の…中に…何かが居る……助けてくれ…圭人…!!!」
「ご、ごめん…父さん…俺、どうしていいか…分からん…」
「圭人……父さんを………こ…殺せ…!!!」
「そ、そんな事出来るわけ…」
「このままじゃ…父さんは…お前を……貴様を殺す!…クワタケイトォォォォォォォオ………頼む!!!」
「…」
桑田はバットを拾った。
「やめろ!……早く…殺し…て……やめろぉぉぉぉお…!!!」
次の瞬間、桑田はバットを真横に投げ飛ばした。
「…やっぱ…俺には出来へん…」
桑田が放り投げたバットは、側の家の前に置いてある植木鉢に当たった。
植木鉢はバラバラに砕けた。
「ギャハハハハハハハハ!!!ざまぁみろ!!!テメェの負けだ!!!桑田けい…」
次の瞬間、桑田の父は割れた植木鉢の破片で自身の喉を掻き切った。
「がはッ……テ、テメェ……」
桑田の父は首から大量の血を流して地面に倒れた。
「父さん…ッ!!!」
桑田は父親の側へ駆け寄った。
「父さん!!!」
「圭人…ごめんな…お前に…殺せ、なんて…ホント…ごめんな…ゴホッ!ゴホッ!」
「嫌や…嫌や!!!父さん!!!!死なんといて!!!」
「ごめんな…ごめんな、圭人…」
「母さんも……父さんまで死んだら、俺…もうどうしてええか…」
「…本当に…ごめん……」
桑田は泣きじゃくり、父親に抱きついた。
「嫌やぁぁぁぁぁぁぁあ!!!死なんとってぇぇやぁぁぁぁぁあ!!!」
桑田の父は何度も何度も謝った。死の間際まで。
桑田は泣き続けた。父親が死んだ後も。
TL高校、地下にて…
耳の尖った3人の少年少女たちが話をしている。
「コンドムさんが死にました。」
「そんな事より、警察とやらを何とかした方が良いのでは?」
「警察は洗脳人間の確保が仕事。僕らヒニン族の仕業とは誰も気付きませんって。それより今は桑田圭人です。女王様の命令通り、先に奴を始末しましょう。」
その時、1人のスキンヘッドの少年が一歩前に出た。
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