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第1品 『大事な話』
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私立TL高校、下駄箱置き場の前にて…
夕焼けが差し込む中、ニ人の男女が面と向かって話をしている。
「に、西本…舞香…さん…」
「えーっと…三組の桑田圭人くんだよね?どうしたの?」
「あ…あのさぁ…ちょっと大事な話があんねんけどさぁ…お、おおお、おおれおれお俺とぉぉぉぉぉお!!!付き合ってくれへんかなぁぁぁぁあ!!!」
「…ごめん、無理。」
「えっ…」
西本舞香は半笑いで走り去った。
「…」
振られた男子生徒の名は桑田圭人。高校三年生で、学校一の陰キャで有名。タラコ唇が特徴の、ちょっぴりお茶目な男の子。
私立TL高校、地下一階、男子トイレにて…
先程フラれた桑田が憂さ晴らしの為に、個室トイレでこっそりヌいていた。
「ハァ…ハァ…ヌンブゥゥゥゥゥゥウッ!!!」
なんか出た。
「ハァ…ハァ…ハァ……………帰ろ。」
用を足した桑田が個室トイレを出ようとした。
その時、何処からともなく女性の声が聞こえてきた。
「学校のトイレでヌくなんて、よっぽど溜まってるようね!」
「おっが⁈だ、誰やねん!」
桑田は辺りを見渡した。
しかし、男子トイレ内には桑田以外、誰もいなかった。
「出て来いや!オラァ!」
すると次の瞬間、トイレ内が強い光で覆われた。
「うわっ!まぶしっ!」
しばらくすると光は弱まった。
「目ぇ悪なるわ!なんやねん…⁈」
桑田が目を開けると、そこには耳の尖った黒髪の美少女が立っていた。
「おっがば⁈」
桑田は驚きのあまり声が出た。
「おっがば?」
「ななな、なんやねん⁈お前!ココ男子トイレやぞ!ゴラァ!ありがとう。」
するとその時、美少女は桑田の手を掴んだ。
「あっ…♡(女の子の肉…♡)ありがとう。」
「私、アナタのような人をずっと探していたの!」
「ど、どういう事やねん?」
「私はパキナ。ヤーリマン王国から来た性霊よ!」
「精霊⁈」
「違う違う。性霊。性別の性の方よ。間違えないでね。」
「訳ワカメやっわぁ!」
「そうなるのも無理ないわ。私達性霊や魔法の存在は、人間には認知されていないもの…でも聞いて!もうアナタにしか頼めないの!」
「知らんわッ!俺、もう帰るでッ!」
「話を聞いて!コレは私達性霊だけじゃなく、人類が滅びるかもしれないのよ!」
「人類が滅びる?何言ってんねん!早よ帰らせろ!ゴラァ!」
「お願い!大事な話なの!」
「ぬぐぁあッ!!?!??!!!?!」
その時、桑田の中のナニカが弾けた。
「大事な話やとぉぉぉぉお!!?!」
「え、えぇ…そう。とても重要な話よ。」
「大事な話なら聞かなアカンなぁ。」
桑田は洗面台に腰を掛け、大事な話を聞く体勢を整えた。
「私達性霊は人間の性を活力とする種族。つまり、人間の性行為が私達の食事って事。」
パキナは続けた。
「そして、私達は人間から活力をもらったお返しに、無事受精を行えるように魔法でサポートしているの。」
桑田は上の空でいい加減な相槌を打っている。
「人間の繁栄と性霊は大きく関わってきた。しかし、それが今、途絶えようとしている。」
「イカれてるわ。」
「ヒニン族という、禁欲を活力とするアンチ性霊種族が五千年ぶりに復活したの。そして、復活したヒニン族はヤーリマン王国を一夜のうちに滅ぼしてしまった。ヒニン族の魔力は私達性霊とは桁違いなのよ。」
「チャンチャン。」
「終わらすな、唇。」
「誰が唇じゃい!」
「性霊が私しかいない今、人間の繁栄は衰退したも同然。その上、ヒニン族が人間に禁欲の魔法をかければ、人類は間違いなく滅びるわ!」
「ええやん、別に。俺がフラれるこんな世界滅びればええねん。」
「本当にそれでいいの⁈一生エッチ出来ないのよ!」
「おっが⁈」
「いいえ、もしかしたら去勢されるかも…」
「いやぁあああぁぁーーー!!!」
「だからお願い!私に協力して!一緒に世界を救って!」
「で、でもさぁ…なんで俺なん?」
「性欲がめちゃくちゃ強いからよ。」
「喧嘩売ってんのか?」
「私達性霊は、普段はヤーリマン王国で暮らしているけど、元々は人間に取り憑いて生きる種族。性霊の魔法は、取り憑いた人間の性欲が強い程威力が増すの。アナタは抜群に性欲がエグいわ!」
「なんか嬉しくないわぁ。」
次の瞬間、パキナはビー玉くらいの黄色い光となって、桑田の胸ポケットに入った。
「普段はここにいるから、困ったことがあったら言ってね。」
「あのさぁ。俺、具体的に何すればいいん?」
するとその時、パキナは何かを感じ取った。
「…来たわ。ヒニン族よ。」
「え⁈敵⁈」
「大丈夫。ヒニン族は人間に直接危害を加える事は出来ないの。それに、取り憑かれるのは処女だけだしね。」
「んでさぁ。俺、何すれば良いんよ?」
「取り憑かれた人の処女を奪うの。そうすれば取り憑いていたヒニン族は死ぬわ。」
「処女を奪うって…そんなん無理やわ!」
「大丈夫!私の魔法なら、禁欲の魔法をかけられた人間にも普通に会話できるわ。後は君の口説きテクの見せ所よ!」
「(それが無理やねんて…)」
「はい!じゃあ!行け!ゴー!」
桑田はヒニン族に取り憑かれた女子の元へ走った。
夕焼けが差し込む中、ニ人の男女が面と向かって話をしている。
「に、西本…舞香…さん…」
「えーっと…三組の桑田圭人くんだよね?どうしたの?」
「あ…あのさぁ…ちょっと大事な話があんねんけどさぁ…お、おおお、おおれおれお俺とぉぉぉぉぉお!!!付き合ってくれへんかなぁぁぁぁあ!!!」
「…ごめん、無理。」
「えっ…」
西本舞香は半笑いで走り去った。
「…」
振られた男子生徒の名は桑田圭人。高校三年生で、学校一の陰キャで有名。タラコ唇が特徴の、ちょっぴりお茶目な男の子。
私立TL高校、地下一階、男子トイレにて…
先程フラれた桑田が憂さ晴らしの為に、個室トイレでこっそりヌいていた。
「ハァ…ハァ…ヌンブゥゥゥゥゥゥウッ!!!」
なんか出た。
「ハァ…ハァ…ハァ……………帰ろ。」
用を足した桑田が個室トイレを出ようとした。
その時、何処からともなく女性の声が聞こえてきた。
「学校のトイレでヌくなんて、よっぽど溜まってるようね!」
「おっが⁈だ、誰やねん!」
桑田は辺りを見渡した。
しかし、男子トイレ内には桑田以外、誰もいなかった。
「出て来いや!オラァ!」
すると次の瞬間、トイレ内が強い光で覆われた。
「うわっ!まぶしっ!」
しばらくすると光は弱まった。
「目ぇ悪なるわ!なんやねん…⁈」
桑田が目を開けると、そこには耳の尖った黒髪の美少女が立っていた。
「おっがば⁈」
桑田は驚きのあまり声が出た。
「おっがば?」
「ななな、なんやねん⁈お前!ココ男子トイレやぞ!ゴラァ!ありがとう。」
するとその時、美少女は桑田の手を掴んだ。
「あっ…♡(女の子の肉…♡)ありがとう。」
「私、アナタのような人をずっと探していたの!」
「ど、どういう事やねん?」
「私はパキナ。ヤーリマン王国から来た性霊よ!」
「精霊⁈」
「違う違う。性霊。性別の性の方よ。間違えないでね。」
「訳ワカメやっわぁ!」
「そうなるのも無理ないわ。私達性霊や魔法の存在は、人間には認知されていないもの…でも聞いて!もうアナタにしか頼めないの!」
「知らんわッ!俺、もう帰るでッ!」
「話を聞いて!コレは私達性霊だけじゃなく、人類が滅びるかもしれないのよ!」
「人類が滅びる?何言ってんねん!早よ帰らせろ!ゴラァ!」
「お願い!大事な話なの!」
「ぬぐぁあッ!!?!??!!!?!」
その時、桑田の中のナニカが弾けた。
「大事な話やとぉぉぉぉお!!?!」
「え、えぇ…そう。とても重要な話よ。」
「大事な話なら聞かなアカンなぁ。」
桑田は洗面台に腰を掛け、大事な話を聞く体勢を整えた。
「私達性霊は人間の性を活力とする種族。つまり、人間の性行為が私達の食事って事。」
パキナは続けた。
「そして、私達は人間から活力をもらったお返しに、無事受精を行えるように魔法でサポートしているの。」
桑田は上の空でいい加減な相槌を打っている。
「人間の繁栄と性霊は大きく関わってきた。しかし、それが今、途絶えようとしている。」
「イカれてるわ。」
「ヒニン族という、禁欲を活力とするアンチ性霊種族が五千年ぶりに復活したの。そして、復活したヒニン族はヤーリマン王国を一夜のうちに滅ぼしてしまった。ヒニン族の魔力は私達性霊とは桁違いなのよ。」
「チャンチャン。」
「終わらすな、唇。」
「誰が唇じゃい!」
「性霊が私しかいない今、人間の繁栄は衰退したも同然。その上、ヒニン族が人間に禁欲の魔法をかければ、人類は間違いなく滅びるわ!」
「ええやん、別に。俺がフラれるこんな世界滅びればええねん。」
「本当にそれでいいの⁈一生エッチ出来ないのよ!」
「おっが⁈」
「いいえ、もしかしたら去勢されるかも…」
「いやぁあああぁぁーーー!!!」
「だからお願い!私に協力して!一緒に世界を救って!」
「で、でもさぁ…なんで俺なん?」
「性欲がめちゃくちゃ強いからよ。」
「喧嘩売ってんのか?」
「私達性霊は、普段はヤーリマン王国で暮らしているけど、元々は人間に取り憑いて生きる種族。性霊の魔法は、取り憑いた人間の性欲が強い程威力が増すの。アナタは抜群に性欲がエグいわ!」
「なんか嬉しくないわぁ。」
次の瞬間、パキナはビー玉くらいの黄色い光となって、桑田の胸ポケットに入った。
「普段はここにいるから、困ったことがあったら言ってね。」
「あのさぁ。俺、具体的に何すればいいん?」
するとその時、パキナは何かを感じ取った。
「…来たわ。ヒニン族よ。」
「え⁈敵⁈」
「大丈夫。ヒニン族は人間に直接危害を加える事は出来ないの。それに、取り憑かれるのは処女だけだしね。」
「んでさぁ。俺、何すれば良いんよ?」
「取り憑かれた人の処女を奪うの。そうすれば取り憑いていたヒニン族は死ぬわ。」
「処女を奪うって…そんなん無理やわ!」
「大丈夫!私の魔法なら、禁欲の魔法をかけられた人間にも普通に会話できるわ。後は君の口説きテクの見せ所よ!」
「(それが無理やねんて…)」
「はい!じゃあ!行け!ゴー!」
桑田はヒニン族に取り憑かれた女子の元へ走った。
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