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第1章『チハーヤ編〜ポヤウェスト編』
第21障『空飛ぶ鉄板』
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インキャーン王国、闘技場、コート内にて…
ラッシーとジャックが戦っている。
「コレで終わりだ…!ア~ハ~ハ~ハ~ハ~!!!『感嘆の波動劇』!!!」
衝撃波がラッシーを襲う。
「『自走』!!!」
すると、衝撃波の進行方向が変わり、ジャックに跳ね返ってきた。
「俺の『自走』は進行させる能力。地面だろうと、向かい風だろうと、俺の思いのまま動かせる!」
ジャックは実況席の方へ飛ばされた。
「ア~レ~!!!」
実況席にて…
ジャックが実況席の机の上に落ちてきた。
「こんにちは~!!!」
「はい、こんにちは。」
コート内にて…
ラッシーがシーオとワンチャの元へやってきた。
「ごめん、倒し損ねた…」
「どうするよ⁈ワンチャンやれるか⁈」
シーオは少し悩んだ後に妙案が閃いたようだ。
「…ワンチャ。とびきりデカいの頼む。」
「お、おう…!『鉄板』!!!」
ワンチャンは縦横3m程の鉄板を創造した。
「(ドピュっと何する気だ…?)」
ワンチャはその巨大な鉄板を軽く上に投げた。
「ジャンプして鉄板に掴まれ!」
次の瞬間、シーオ達はジャンプした後、鉄板に掴まった。
「『物操』!!!」
すると、鉄板はシーオ達を連れて上昇した。
実況席にて…
「なんと!ワンチャ選手が作り出した巨大な鉄板をシーオ選手が操作!これは空飛ぶ絨毯ならぬ空飛ぶ鉄板!どんどん上に上昇していくぅ!」
コート内にて…
シーオ達は鉄板に乗り、天井近くまで上昇した。
「(何故だ⁈シーオのタレントは、他の物に触れたら解除されるはず…なのに何故、鉄板に人が乗れんだ…⁈俺の早合点だったのか…⁈)」
いや、ニキの考えは外れてはいなかった。
「(俺の『物操』は、操作中の物体が他の物体に触れれば解除される。しかし、操作する前にワンチャとラッシーが鉄板に掴まっていたのなら、それは操作対象物の付属品として解除対象の他物体では無くなる!)」
シーオが言う付属品とは、タレント発動時に操作対象物に接触している物体を意味する。今の場合、ワンチャとラッシーがそれだ。
シーオの『物操』は、生物には効果が無い。しかし今、ワンチャとラッシーは操作対象物の付属品として操作される。この2つの矛盾により、以下の条件が成り立つ。
操作対象物の付属品が生物の場合、操作対象にはならないが解除対象にもならない。
つまり、ラッシーとワンチャが操作中の鉄板に触れても、『物操』が解除されないのだ。また、シーオ自身もタレント発動時に操作対象物に触れている為、解除対象から外される。これらの条件により、彼らは鉄板に乗り、宙を飛ぶ事が出来たのだ。
「まさかアイツら、第3クオーター終了まで、あぁやってドピュっと浮いてるつもりか⁈」
「えっちゃ、でもボールはこっちあんねんで。今のうちやん。点取ろうや。」
その時、ニキは言った。
「いや、第3クオーター終了まで1分を切った。60点差をひっくり返すのは無理だ。それに、インターバルでオナブとマツイが回復して立て直されたら、第4クオーターじゃもう巻き返せねぇ。」
それを聞いたナツカは頭を抱えてしまった。
「つまり、ワシらが勝つ為には、この第3クオーターでアイツら全員戦闘不能にしねぇとダメって事か…」
そこへ、実況席からジャックが帰ってきた。
「俺に任せろ~!!!アハハ~ン!!!『感嘆の波動劇』!!!」
ジャックは上空のシーオ達に向けて、衝撃波を放った。
「来たぞ!ラッシー!」
「おう!『自走』!!!」
ラッシーが衝撃波を跳ね返した。
衝撃波がナツカ達を襲う。
「ちゃぁぁぁあ!!!」
「アラ~~~!!!」
ナツカ達は吹き飛ばされた。
「いってぇ…頭打った…」
「あれ???俺ってもしかして役立たずぅ???」
ジャックはやっと自身の身の丈がわかったようだ。
エッチャは自身の上を跳ねていくボールを見て、何か思いついたようだ。
「えっちゃ、それなら…!『球丸』!!!」
エッチャは床の一部を球体化させた。
「はい、雷尿。」
雷尿はその球を受け取った。エッチャが何を考えているのか雷尿はすぐにわかった。
「ドピュっと喰らえッ!」
雷尿はその球をシーオ達に向けて放った。
「鉄板に当てて操作を解除する気か。」
「跳ね返すか?」
ラッシーはタレントを使おうとしたが、シーオの前に手を出した。
「いや、あの程度、回避できる。それに、当たったところですぐ様タレントを発動すれば、連続で飛んでいられる。ラッシーはPSIを温存しておけ。もう残り少ないだろ。」
「わかった。」
シーオが鉄板を操作しようとしたその時、雷尿は叫んだ。
「『勃起』!!!」
次の瞬間、雷尿が放った球が巨大・硬質化した。
「「「でかぁ⁈」」」
シーオ達は回避できない。
「ワンチャンやられる…⁈」
「いや!まだだ!『物操』解除!」
シーオは鉄板の操作を解除した。そして、シーオは飛んできた巨大・硬質化した球に触れた。
「『物操』!!!」
シーオは飛んできたその巨大な球を操作し、ナツカ達の元へ飛ばした。
「やめろ!その高さから落ちたら、ドピュっと死ぬぞ!」
シーオの『物操』の対象は一物体のみ。巨大・硬質化した球を操っている今、落下を防ぐ手段はない。雷尿もそれを何となく分かっていた。
「覚悟の上だッ!」
シーオはラッシーとワンチャの顔を見た。
「2人とも、ごめん…」
しかし、ラッシーとワンチャの顔は笑っている。
「謝んなよ。」
「そやぞ。ワンチャンやれる!」
シーオはそんな2人に、心から感謝した。
「…あぁ!」
巨大・硬質化した球がナツカ達に向かって飛んでくる。
「えっちゃ、ナツカ!」
「てやんでぃ!」
その時、シーオはあることに気づき絶望した。
「(そうだ…!ナツカ・チハーヤには『微分魔法』があったんだ…!)」
死ぬ覚悟で報いた一球。しかし、ナツカの『微分魔法』なら、その方向を変える事ができる。全くの無意味、そうシーオは後悔した。
「微分魔法!『y=0』!!!」
次の瞬間、ナツカはシーオ達の落下方向を変えた。
「「「⁈」」」
シーオ達は地面に落下する寸前に、落下速度の向きが床と水平に変わり、致命傷を免れた。
「なんで…⁈」
巨大・硬質化した球がナツカ達の目の前まで迫ってきた。
「すまねぇ、みんな…もうPSIが無ぇ…!」
ナツカはもう微分魔法を使えない。
ニキは雷尿に助けを求めた。
「雷尿のだんな!『勃起』を!」
「ごめん…俺ももう、ドピュっとPSI切れだ…!」
「いや、そうじゃなくて…!」
ニキにはまだ言いたいことがあったがもう間に合わない。
「えっちゃ、死ぬぅぅう!」
「アハ~!!!オワタ~!!!」
皆、反射的に目を瞑り、衝撃に備えた。
しかし、なかなか衝撃はこなかった。
恐る恐る目を開けると、ナツカ達の目の前で巨大・硬質化した球が静止していた。
「えっ…」
シーオが球を止めたのだ。
「なぜ俺たちを助けた…?あの場合、俺たちが死んでも、お前らの反則負けにはならない。そうだろ?」
シーオは実況席にいたイオに目を合わせた。
「え、えぇ。死者が出ても、それが相手チームの直接的な攻撃でない、かつ、故意でない場合、反則負けにはなりません。先の状況も、それに該当するでしょう。」
シーオはナツカ達に話しかけた。
「まさか知らなかったのか。」
それにエッチャが答える。
「えっちゃ、知ってるわ。」
すると、シーオは再び問いかけた。
「じゃあ、どうしてだ⁈」
エッチャに代わり、ナツカが答える。
「死ぬ事は無ぇって思っただけダ。」
「え…?」
「たかが試合で死ぬなんてアホらしいダろ。」
雷尿もナツカに続く。
「ドピュっとナツカの言う通りだ。命を賭けるなんて馬鹿らしいよ。」
「でも俺が『物操』を解除しなかったら、お前ら怪我じゃすまなかったぞ…?」
「でも、ドピュっと止めてくれたじゃないか。」
「…」
その時、ニキが雷尿に耳打ちした。
「そもそも雷尿のだんなが、あの時にタレントを解けばよかったんじゃねぇですかい?アッシらに球が当たる直前に。」
「あっ…」
雷尿はやっと気づいたようだ。それを誤魔化すかの如く、雷尿は構えを取った。
「さ、さぁ!仕切り直しだ!ドピュっとかかって来い!」
ラッシーとワンチャは構えた。しかし、シーオは構えを取らなかった。
「もうやめよう。ワンチャ、ラッシー。」
「何でだ!あと数10秒だ!それさえ凌げれば、第4クオーターで仕切り直せる!」
「そやぞ!しかもコイツら弱ってるし!ワンチャンやれる!」
「それはこっちも同じだ。それに、コイツらの事、知っちまったからな。もう殴れねぇよ。」
ラッシーは構を解いた。
「シーオ…」
シーオは雷尿に話しかけた。
「俺たちの負けだ。今度、普通のバスケやろうぜ。」
雷尿も構を解いた。
「あぁ!」
実況席にて…
「シーオ選手!なんと自ら負けを宣言しました!そして見て下さい!彼らの姿を!戦いを通して友情が芽生えております!熱い!まるで少年漫画のようです!」
コート内にて…
「次の試合、頑張れよ!」
「もちろん!」
雷尿とシーオは握手を交わそうと、手を伸ばした。
「隙ありぃ!!!『感嘆の波動劇』!!!」
次の瞬間、ジャックは衝撃波を創造し、シーオ達を吹き飛ばした。
「うわぁぁぁぁあ!!!」
シーオ達は壁に激突し、気絶した。
「おっしゃぁぁあ!!!俺の勝ちぃぃいぃいぃいぃいぃい!!!」
雷尿はジャックを見た。
「…お前、何してんの?」
第1試合、勝者、チーム『カメッセッセ』。
ラッシーとジャックが戦っている。
「コレで終わりだ…!ア~ハ~ハ~ハ~ハ~!!!『感嘆の波動劇』!!!」
衝撃波がラッシーを襲う。
「『自走』!!!」
すると、衝撃波の進行方向が変わり、ジャックに跳ね返ってきた。
「俺の『自走』は進行させる能力。地面だろうと、向かい風だろうと、俺の思いのまま動かせる!」
ジャックは実況席の方へ飛ばされた。
「ア~レ~!!!」
実況席にて…
ジャックが実況席の机の上に落ちてきた。
「こんにちは~!!!」
「はい、こんにちは。」
コート内にて…
ラッシーがシーオとワンチャの元へやってきた。
「ごめん、倒し損ねた…」
「どうするよ⁈ワンチャンやれるか⁈」
シーオは少し悩んだ後に妙案が閃いたようだ。
「…ワンチャ。とびきりデカいの頼む。」
「お、おう…!『鉄板』!!!」
ワンチャンは縦横3m程の鉄板を創造した。
「(ドピュっと何する気だ…?)」
ワンチャはその巨大な鉄板を軽く上に投げた。
「ジャンプして鉄板に掴まれ!」
次の瞬間、シーオ達はジャンプした後、鉄板に掴まった。
「『物操』!!!」
すると、鉄板はシーオ達を連れて上昇した。
実況席にて…
「なんと!ワンチャ選手が作り出した巨大な鉄板をシーオ選手が操作!これは空飛ぶ絨毯ならぬ空飛ぶ鉄板!どんどん上に上昇していくぅ!」
コート内にて…
シーオ達は鉄板に乗り、天井近くまで上昇した。
「(何故だ⁈シーオのタレントは、他の物に触れたら解除されるはず…なのに何故、鉄板に人が乗れんだ…⁈俺の早合点だったのか…⁈)」
いや、ニキの考えは外れてはいなかった。
「(俺の『物操』は、操作中の物体が他の物体に触れれば解除される。しかし、操作する前にワンチャとラッシーが鉄板に掴まっていたのなら、それは操作対象物の付属品として解除対象の他物体では無くなる!)」
シーオが言う付属品とは、タレント発動時に操作対象物に接触している物体を意味する。今の場合、ワンチャとラッシーがそれだ。
シーオの『物操』は、生物には効果が無い。しかし今、ワンチャとラッシーは操作対象物の付属品として操作される。この2つの矛盾により、以下の条件が成り立つ。
操作対象物の付属品が生物の場合、操作対象にはならないが解除対象にもならない。
つまり、ラッシーとワンチャが操作中の鉄板に触れても、『物操』が解除されないのだ。また、シーオ自身もタレント発動時に操作対象物に触れている為、解除対象から外される。これらの条件により、彼らは鉄板に乗り、宙を飛ぶ事が出来たのだ。
「まさかアイツら、第3クオーター終了まで、あぁやってドピュっと浮いてるつもりか⁈」
「えっちゃ、でもボールはこっちあんねんで。今のうちやん。点取ろうや。」
その時、ニキは言った。
「いや、第3クオーター終了まで1分を切った。60点差をひっくり返すのは無理だ。それに、インターバルでオナブとマツイが回復して立て直されたら、第4クオーターじゃもう巻き返せねぇ。」
それを聞いたナツカは頭を抱えてしまった。
「つまり、ワシらが勝つ為には、この第3クオーターでアイツら全員戦闘不能にしねぇとダメって事か…」
そこへ、実況席からジャックが帰ってきた。
「俺に任せろ~!!!アハハ~ン!!!『感嘆の波動劇』!!!」
ジャックは上空のシーオ達に向けて、衝撃波を放った。
「来たぞ!ラッシー!」
「おう!『自走』!!!」
ラッシーが衝撃波を跳ね返した。
衝撃波がナツカ達を襲う。
「ちゃぁぁぁあ!!!」
「アラ~~~!!!」
ナツカ達は吹き飛ばされた。
「いってぇ…頭打った…」
「あれ???俺ってもしかして役立たずぅ???」
ジャックはやっと自身の身の丈がわかったようだ。
エッチャは自身の上を跳ねていくボールを見て、何か思いついたようだ。
「えっちゃ、それなら…!『球丸』!!!」
エッチャは床の一部を球体化させた。
「はい、雷尿。」
雷尿はその球を受け取った。エッチャが何を考えているのか雷尿はすぐにわかった。
「ドピュっと喰らえッ!」
雷尿はその球をシーオ達に向けて放った。
「鉄板に当てて操作を解除する気か。」
「跳ね返すか?」
ラッシーはタレントを使おうとしたが、シーオの前に手を出した。
「いや、あの程度、回避できる。それに、当たったところですぐ様タレントを発動すれば、連続で飛んでいられる。ラッシーはPSIを温存しておけ。もう残り少ないだろ。」
「わかった。」
シーオが鉄板を操作しようとしたその時、雷尿は叫んだ。
「『勃起』!!!」
次の瞬間、雷尿が放った球が巨大・硬質化した。
「「「でかぁ⁈」」」
シーオ達は回避できない。
「ワンチャンやられる…⁈」
「いや!まだだ!『物操』解除!」
シーオは鉄板の操作を解除した。そして、シーオは飛んできた巨大・硬質化した球に触れた。
「『物操』!!!」
シーオは飛んできたその巨大な球を操作し、ナツカ達の元へ飛ばした。
「やめろ!その高さから落ちたら、ドピュっと死ぬぞ!」
シーオの『物操』の対象は一物体のみ。巨大・硬質化した球を操っている今、落下を防ぐ手段はない。雷尿もそれを何となく分かっていた。
「覚悟の上だッ!」
シーオはラッシーとワンチャの顔を見た。
「2人とも、ごめん…」
しかし、ラッシーとワンチャの顔は笑っている。
「謝んなよ。」
「そやぞ。ワンチャンやれる!」
シーオはそんな2人に、心から感謝した。
「…あぁ!」
巨大・硬質化した球がナツカ達に向かって飛んでくる。
「えっちゃ、ナツカ!」
「てやんでぃ!」
その時、シーオはあることに気づき絶望した。
「(そうだ…!ナツカ・チハーヤには『微分魔法』があったんだ…!)」
死ぬ覚悟で報いた一球。しかし、ナツカの『微分魔法』なら、その方向を変える事ができる。全くの無意味、そうシーオは後悔した。
「微分魔法!『y=0』!!!」
次の瞬間、ナツカはシーオ達の落下方向を変えた。
「「「⁈」」」
シーオ達は地面に落下する寸前に、落下速度の向きが床と水平に変わり、致命傷を免れた。
「なんで…⁈」
巨大・硬質化した球がナツカ達の目の前まで迫ってきた。
「すまねぇ、みんな…もうPSIが無ぇ…!」
ナツカはもう微分魔法を使えない。
ニキは雷尿に助けを求めた。
「雷尿のだんな!『勃起』を!」
「ごめん…俺ももう、ドピュっとPSI切れだ…!」
「いや、そうじゃなくて…!」
ニキにはまだ言いたいことがあったがもう間に合わない。
「えっちゃ、死ぬぅぅう!」
「アハ~!!!オワタ~!!!」
皆、反射的に目を瞑り、衝撃に備えた。
しかし、なかなか衝撃はこなかった。
恐る恐る目を開けると、ナツカ達の目の前で巨大・硬質化した球が静止していた。
「えっ…」
シーオが球を止めたのだ。
「なぜ俺たちを助けた…?あの場合、俺たちが死んでも、お前らの反則負けにはならない。そうだろ?」
シーオは実況席にいたイオに目を合わせた。
「え、えぇ。死者が出ても、それが相手チームの直接的な攻撃でない、かつ、故意でない場合、反則負けにはなりません。先の状況も、それに該当するでしょう。」
シーオはナツカ達に話しかけた。
「まさか知らなかったのか。」
それにエッチャが答える。
「えっちゃ、知ってるわ。」
すると、シーオは再び問いかけた。
「じゃあ、どうしてだ⁈」
エッチャに代わり、ナツカが答える。
「死ぬ事は無ぇって思っただけダ。」
「え…?」
「たかが試合で死ぬなんてアホらしいダろ。」
雷尿もナツカに続く。
「ドピュっとナツカの言う通りだ。命を賭けるなんて馬鹿らしいよ。」
「でも俺が『物操』を解除しなかったら、お前ら怪我じゃすまなかったぞ…?」
「でも、ドピュっと止めてくれたじゃないか。」
「…」
その時、ニキが雷尿に耳打ちした。
「そもそも雷尿のだんなが、あの時にタレントを解けばよかったんじゃねぇですかい?アッシらに球が当たる直前に。」
「あっ…」
雷尿はやっと気づいたようだ。それを誤魔化すかの如く、雷尿は構えを取った。
「さ、さぁ!仕切り直しだ!ドピュっとかかって来い!」
ラッシーとワンチャは構えた。しかし、シーオは構えを取らなかった。
「もうやめよう。ワンチャ、ラッシー。」
「何でだ!あと数10秒だ!それさえ凌げれば、第4クオーターで仕切り直せる!」
「そやぞ!しかもコイツら弱ってるし!ワンチャンやれる!」
「それはこっちも同じだ。それに、コイツらの事、知っちまったからな。もう殴れねぇよ。」
ラッシーは構を解いた。
「シーオ…」
シーオは雷尿に話しかけた。
「俺たちの負けだ。今度、普通のバスケやろうぜ。」
雷尿も構を解いた。
「あぁ!」
実況席にて…
「シーオ選手!なんと自ら負けを宣言しました!そして見て下さい!彼らの姿を!戦いを通して友情が芽生えております!熱い!まるで少年漫画のようです!」
コート内にて…
「次の試合、頑張れよ!」
「もちろん!」
雷尿とシーオは握手を交わそうと、手を伸ばした。
「隙ありぃ!!!『感嘆の波動劇』!!!」
次の瞬間、ジャックは衝撃波を創造し、シーオ達を吹き飛ばした。
「うわぁぁぁぁあ!!!」
シーオ達は壁に激突し、気絶した。
「おっしゃぁぁあ!!!俺の勝ちぃぃいぃいぃいぃいぃい!!!」
雷尿はジャックを見た。
「…お前、何してんの?」
第1試合、勝者、チーム『カメッセッセ』。
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