桑田転生

泉出康一

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第9良『煩悩とラブドール』

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撮影から2週間後、イラナチ王国、玉座の間にて…

「貴様ら!なんて物を売りに出しているんだ!」

桑田とフェーラは国王に説教を受けていた。

「子供が間違えてビデオを観たらどうする!」
「それはいわゆる、別角度からのラッキースケベですやんww」

国王は桑田のその応答に、さらに腹を立てた。
それを察したチンスコが会話に介入してきた。

「お待ち下さい!王よ!彼らは子供が立ち入る事ができない風俗店のみ、AVを販売しております!何も問題はありませんよ!」

しかし、国王の怒りは止まらない。

「AVなどという卑猥な物、売りに出すなど認めん!」

すると、桑田は立ち上がった。

「風俗店はオッケーやのにAVはアカンってどないなってんねん!」

するとその時、国王は桑田に言い放った。

「黙れ!とにかく販売は禁止だ!わかったな!」

チンスコの部屋にて…

「アイツ、いつか絶対わからせたる…」

桑田,フェーラ,チンスコは今後の活動について話し合っていた。

「そや!俺があのアホ国王わからせるトコ、ビデオで撮ってAVにして売ればええねん!一石二鳥やで!」
「需要が限られてくるよ、それ…」

チンスコは的確にツッコんだ。

「これからどうします…?」

フェーラは不安そうに桑田に尋ねた。

「無視する。」
「え…」
「あんなん無視すればええねん。」

桑田は話を続けた。

「次はストーリー性のあるAV撮りたいわぁ!JCと男教師の純愛とか!」

それを聞いたフェーラは動揺した。

「で、でも…」

しかし、桑田は相変わらずニヤニヤしている。

「大丈夫大丈夫♡安心して♡JC役の娘は、成人した小柄な女優さんにやってもらうから♡僕、そういう所はちゃんとしてんねんよ♡え~へ~へ~♡」
「そうじゃなくて…」

すると、チンスコが桑田に話しかけた。

「そんな事したら、本当に処刑されるよ。」

それを聞いた桑田は、ニヤニヤをやめた。

「もうAV制作はできない。それを踏まえた上で、今後について話し合おう。」
「…」

桑田は悲しそうな表情をした。

「他に無いのかい?AV以外で作れそうな、異世界の叡智は?」
「他に作れそうな物…うーん…」

桑田は腕を組んで悩んでいる。

「あ、あの…」

その時、フェーラが桑田に尋ねた。

「圭人さんがこの前言っていた…あの…ラブドール…というのは…?」

すると次の瞬間、桑田は叫んだ。

「それやァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!!!!!」

チンスコは耳を塞いだ。

「うっるっさ…」

桑田は人差し指を天に掲げた。

「次はラブドールやッ!!!」

昼、フェーラの部屋にて…

「人を作るんですか⁈」

フェーラは桑田からラブドールについて話を聞いていた。

「いやいやいや!人形よ!かっわゆい女の子を模した人形ちゃん!」

フェーラは首を傾げた。

「そんな物作って、果たして需要なんてあるんですか?」
「あぁるに決まっとるやろがい!!!」

すると、桑田が豹変した。

「エッチを出来ない男にとって、ラブドールとは即ち彼女・恋人・嫁・オナホと同義!僕も舞香と付き合うまでは108体のラブドールを押し入れに保存してた!人間の煩悩の数だけ、ラブドールに需要はある!」
「な、なるほど…」

フェーラは桑田の圧に恐怖している。

「んで、作れる?」
「あ、はい。人形の錬成は錬金術の初歩ですから。材料さえあれば今すぐにでも。」

数時間後…

「出来ましたー!」

フェーラは桑田に完成したラブドールを見せた。

「コレって…」
「はい。私です。」

なんと、フェーラは自身の等身大人形を作り上げたのだ。その人形の体には、ローブが巻かれていた。

「最初は美人なお姉さんを作ろうと思ったんですけど、等身大は意外と難しくて…試しに私を作ってみたんです。」

その人形はフェーラそっくりだ。

「リアリティを求めるなら、やはり身長や骨格など、体の情報が必要になります。だから、ラブドールのモデルになってくれる人を探さないと…」

次の瞬間、桑田はフェーラ人形の胸を揉んだ。

「ちょ!やめてください!!!」

フェーラは桑田を止めた。

「え~へ~へ~♡柔らかハッピーやっわぁ♡コレ、この感触、フェーラちゃんと同じ?♡」

フェーラは桑田をビンタした。

「あてッ!!!」

桑田は地面に倒れ込む拍子に、フェーラ人形のローブを引っ張ってしまった。
すると次の瞬間、フェーラ人形の体が露わになった。

「ぬぶぶぅうえ⁈」

桑田はフェーラ人形の股をガン見した。

「アソコもフェーラちゃんも同じですかァァァァア!!!?!?!」
「見るなァァァァア!!!」

フェーラは桑田の顔面に蹴りを入れた。

「ありがとう…ございます…♡」

一方その頃、魔王城、玉座の間にて…

ツノの生えた成人男性のような魔物が玉座に座っている。彼こそがこの世界の魔王、イクノスキデスである。

「うぅ…ッ!」

そして、その前には傷だらけで倒れている勇者パーティーの裕介,伊織,綾,瑞樹がいた。どうやら、魔王との戦いに敗北したようだ。

「異世界の勇者、か…実力に見合わぬ、大層な肩書きだな。」

その時、魔王は眼鏡をかけた側近の男魔物に声をかけた。

「其奴らを牢へ閉じ込めておけ。」
「始末なされないのですか?」
「それで済めばとっくにやっている。早くしろ。」
「かしこまりました。」

すると、側近の魔物はその部下の魔物と共に、勇者パーティーを牢屋へと運んでいった。

「ふぅ…」

その時、魔王は手元にあった水晶を覗いた。
その水晶にはイラナチ王国の一部が映されていた。

「まったく、この国は一体何を考えているのやら……ん?」

その時、魔王はとある物を見つけた。

「こ、これは…⁈」
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