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閑話 北小路 レイナ

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 これは、レイナから見た事実・・です。イラッとするかもしれません;;;
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 レイナのお願いは皆、叶えられた。
 レイナは家では王女様。欲しい物は何でも買って貰えるの。パパもママも私に怒ったりなんかしない。
 だから、お外に出て大人に注意されるって意味分かんなかった。なんで?レイナがする事は何でも正しい筈でしょ?嫌な事を言われたら、パパに言うの……。
 苛められたって言えば、次の日にはその人はいなくなるんだぁ!澪ちゃんを取られたくないって言えば、その子は引っ越して消えて行く――。
 あ、澪ちゃんてね?私の大大大好きなお友達ね!ママに言ったら、そう言う特別なお友達は親友って言うんですって!素敵!!レイナと澪ちゃんは特別なお友達なのね?親友って好きな言葉になったわ。
 それから、レイナは可愛いのよ?
 会う人皆に可愛いって褒められるんだから。澪ちゃんもまぁまぁ可愛いけど、レイナの可愛さには敵わないってパパもママも言ってたわ。
 ママはレイナがこんなに可愛いから、きっと大きくなったら会う男性ひと、会う男性ひとレイナの事好きになってしまうから困っちゃいそうねって。やだ、レイナどうしよう?一番格好良くって、素敵な人をカレシにしようっと。パパは、お願いだからすぐにお嫁に行かないでくれって言うの。
 大丈夫よ。結婚って大人にならないと出来ないんでしょう??パパってば気が早いのね。
 
 ――どうしてかしら?

 ??何故かしら、小学校のクラスの子達が仲良くしてくれないわ……。
 ママに聞いたら、レイナが可愛すぎて近付けないんだって。成程――それならしょうがないわよね。でも大丈夫よ。澪ちゃんがいるもん。親友がいれば、他のお友達なんて別にいらないわ。だって親友って特別なのよ??きっと友達100人分位には、あたいする思うの。
 だから私の澪ちゃんを取ろうとする人は大嫌い。だから、毎回パパに言うわ。酷い事する子がいるのよって。
 
 ――何回か、澪ちゃんにも酷い事を言われたわ。

 ママに相談したら、それはレイナの事が大好きで構って欲しいから言うんですって!なんだぁ!!もう澪ちゃんてば、そう言ってくれればいいのに!!ふふ――私も澪ちゃんの事が大好きよ!!!
 
 ――そうだ!私、大好きな人が増えたの。
 
 が困っていた時にさっそうと助けてくれた人よ。胸がドキドキしたわ!ママに聞いたら恋だって教えてくれたわ。初恋ね!
 けれど、その人とはその後、会えなかったの……。けど、お医者さんみたいだったわ。それをママに言ったら、なら看護師さんになると良いかもって……勉強はどちらかと言うと嫌いだけど頑張ったわ。
 澪ちゃんも看護師を目指してるみたいだったし……。お友達の子が教えてくれたの。澪ちゃんが3個隣の駅前の本屋さんで、看護医療系の赤本を立ち読みしてたんですって。
 その子はその近くの塾に通っていたから分かるけど、澪ちゃんは何でそんな遠くの本屋に行ったのかしら。家の近くにも、最寄駅にも本屋さんあるのに……。
 それで、パパに聞いたの。澪ちゃん、看護医療系の学校行くみたいだけれど、何処に行くのかなって。
 暫くしたら、パパが教えてくれたわ。だから、一緒の所に行く事にしたの。澪ちゃんには内緒よ?ビックリさせたいの。きっと喜んでくれるわね。
 
 ――運命だわ!

 彼がいたの――彼よ!!
 私の初恋の人、一之瀬昴さんって言うんですって!!ママに言ったら、それはもう結婚する運命なんじゃないかって――やだ、まだ気が早いわよ、ママ。
 けど、一之瀬レイナかぁ……。ちょっと似合うんじゃないかしら。昴さんは美形だし、レイナの横に立っても似合うと思うのよね。きっと子供も可愛いわ!!

 ――どうして?

 拒絶されたわ……何故かしら。院長にも怒られたの。
 パパに言ったら、困った顔をされたわ。今まで、私に酷い事を言う人はパパに言えばいなくなったのに……院長先生も看護師長もいなくならない。
 私にキツクあたる先輩もよ?どうしてかしら。
 ママにも相談したの。昴さんが私を受け入れてくれないって……。ママも困った顔をしながら言ったわ。もしかしたら照れているのかもしれないわね――って。
 ねぇ、パパママ――どうしてそんなに困った顔をするの?私が結婚したい人がいるって言ってから変よ??
 
 ――……何で、思い通りにならないのかしら……。

 病院を解雇されたわ。私が悪いのですって。しかも澪ちゃんから叩かれたのよ。私は親友じゃ無いんですって。おかしいでしょ?おかしいわよね??
 何でこんな事になったのかしら。
 暫く家から出して貰えなくなったわ。私は騒いでも意味が無いって理解したの。パパもママも困った顔をしてるだけで、私のお願いを叶えてくれないって理解したのよ。
 どうして急にこんな事になったんだろう……。だから私は物分かりが良い振りをしたの。だって、騒いでて私が頭がオカシイ子だって思われたままだったら、外に出して貰えないじゃない?
 昴さんにも、澪にも会いに行けないでしょ?きっと誤解があると思うのよ。だから、話し合わなくちゃ……。
 食欲が失せて、大人しくなった私は散歩がしたいって言ったの。部屋に閉じこもってばかりいたら、気が変になりそうだって。パパとママは最初渋ったけれど、監視付きで許可がでたわ。
 だから、私はただ散歩した。もう大丈夫だって信用されるように。
 
 ――上手くいっちゃった♪

 数日後、私は自由に外出できることになっていたわ!我ながら女優ね!!けどお財布は持たせて貰えなかったの。お金が無ければ移動手段が無いからだと思うわ。
 けれど、私はこっそり定期を持って出た。チャージ式のものよ。定期の中には元々お金もチャージしてあるし、後半年位は期限があるから病院の最寄り駅までなら普通に行ける。

 ――昴さんと澪ちゃんに会いに行けるわ!

 流石に病院には行けない。次に来たら通報って言われちゃったし……。
 昴さんと話せそうなのは通勤中だけど……彼、車通勤なのよね。だから、夜中に家を抜け出してタクシーで彼の家の近くまで行ったの。
 通りすがりの家の庭に放って置かれてた金属製のバットを借りたわ。
 それで、昴さんの車を壊しちゃった。これだけやれば、乗れないよね??ふふふ。後は、病院の前の喫茶店で彼が出て来るのを待つだけ――。

 ――あ、澪ちゃんだわ。
 
 どうしよう……澪ちゃんとも話したいけど……。ううん、昴さんがまだ出て来てない。澪ちゃんとは家が近いもの、後で行けばいいわ……。
 そうして待つ事、暫く――昴さんが出て来たの。私は会計に手間取りながら、後を追ったわ。本当はすぐに声を掛けたかったのに、彼の足が速かった事と、どうやって声を掛けたら良いのか緊張しちゃって声が出ない……。こんな気持ち初めて……不安――なのかしら?
 そうやって逡巡しながら付いて行った時――澪ちゃんに追いついた昴さんが、澪ちゃんに話しかけるのが見えた。ここからじゃ遠くて何を話しているのか良く分からないけれど、視力が良い私には見えたの。
 
 ――昴さんが、柔らかい笑顔を浮かべてる――澪ちゃんも楽しそうに笑ってる……

 姿を

 見た事無い。私、見た事無い――澪ちゃんのあんな笑顔も、昴さんのあんなに優しい顔も。
 それにどうして、あそこに私はいないの???

 何で?ねぇ、おかしいわ??

 私の中で、何かが音をたててブツリと切れた。
 二人とも手に入らないのなら――ねぇ?そぉでしょ??

 ふふふ――ふふふふふふ――……………………   きっと、一緒なら――寂しくないよね??
 これで二人は、私のもの――
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 済みません;閑話一話だけ増やします。レイナ父視点です……。
  もう少しだけ、お付き合い下さいm(_ _)m
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