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第11話 ヒロイン流、好感度の下げ方。
しおりを挟む――確かにあったわぁ……そんなエピソード。
攻略対象でレイナの一番のお気に入りはアルだったけど、他のキャラもそれなりに好きだったので裏設定集とかの内容まで説明されたんだよね。興奮してるレイナに付き合わされて夜通し。
明日、期末テストだから勉強会しようって言われて無理矢理お泊まり会させられたのに、中身はゲームの設定の話ばかり――。本当にあの時は殺意が湧いたわ。
それでも平均点以上取れたのは、日頃の復習の成果だと思う。担任の先生には、いつもより点数が低かった事を「悩み事か?」と心配されたけど、理由を話したら大変同情されました。
レイナ?赤点とって追試だったよ。
設定の話に戻るけど、エドガー様はヒロインと本編前に出会ってるんだよね。
それが試験会場。
エドガーが落したペンを拾うヒロイン。少しだけ話して、エドガーは彼女に好意を持つんだけど、勉強ばっかりしていた彼は、ヒロインに対しての気持ちを自覚出来ない。
そして、試験で「負けた」事で好意と悔しい気持ちがごちゃまぜになって、ヒロインに辛く当たってしまうのだ。
多分だけど、設定には「ペンを拾って、好意を持たれた」という事実しか書かれていない訳ですよ。んで、あのヒロインは更なる好意を求めて例のごとく暴走したんじゃないかなぁ……。
――それが、好感度を下げるとは思わずに。
はっきり言えばエドガー様とリリベル様の関係は良好である。
リリベル様はエドガー様と読む本の趣味が合うらしく、彼の専門である魔法の方の話にも付いていけるいける位の才媛だ。リリベル様曰く、エドガー様は口に出して好意を示してくれる訳ではないそうだけど、無言で花を差し出して真っ赤になる様子が可愛いらしい。
口では憎まれ口を叩こうとも、チラチラと覗く好意が分かりやすいので、リリベル様的には「可愛らしい方」なのだ。ツンデレかな?エドガー様。
リリベル様はしっかりエドガー様の事を好きらしいので、はっきり言えばヒロインはお邪魔虫にしかならないだろう。
「……それは、酷い目にあったね……」
「本当だよ!まぁ、学園で見かけないから、多分落ちたんだと思うんだけどその女。ざまあみろだね!」
エドガー様、エドガー様――多分その人試験に落ちたんじゃなくて、現在謹慎中だから学園にいないだけだと思うよ??チラリとアルと目を合わす――言った方がいいかな?いいよね??――そう言うやり取り。
私達が、エドガー様の言葉に同意せずおかしな挙動をしているので、ベルナドット様とクリス先輩が訝しげにこちらを見ている。
「言い難いんだが……その彼女は多分、入学していると思う」
アルの言葉にエドガー様がギョッとした顔をした。
「多分ですけれど、その方、今謹慎中の方では?あんな風な方――そうそう何人もいないと思いますの……」
「――それって――」
予想がついたらしいベルナドット様とクリス先輩が驚いた顔をする。反対に理解していないのは噂に興味が無いエドガー様だけだ。けれど、自分が首席になれなかった原因が学園にいるかもしれないと言う事は理解りてくれたみたいで、物凄く嫌そうな顔をしている。
それから、アルと私の身に起こった事を小声で説明した。アルとしては、彼等も攻略対象だからって事なんだと思う。情報を共有してヒロインに警戒して貰いたいって感じだね。
説明が進むごとに、ベルナドット様の顔が赤くなっていく――もちろん怒りで。エドガー様の視線は凍りつきそうな位に絶対零度だし、クリス先輩は無表情になった。
「そういう事ですので、ピンクの髪のエリシャ・ネージュと仰る名前の方には注意された方が良いかと……」
彼女の見た目を教えたら、何故だろう?ベルナドット様とクリス先輩の顔が同時に歪んだ。
Oh……もしかしてですが、お二人も心当たりがある感じです??
まず、エドガー様がげんなりした顔で口を開いた。その内容を聞いて私達は彼女の行動力に呆れたのだった。
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<このお話について>
短編、長編の選択で短編を選択しているのですが、短編と言うより中編になりそうです。
アルファポリス様の設定上、中編の設定がありませんので作品情報の書き込みに中編になりそうな旨、書き足させて頂きました。
宜しくお願い致します。
本日も、『乙女ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、トラウマ級の幼馴染を撃退したい。』を読みに来て頂きありがとうございました! 夜乃トバリ
応援ありがとうございます!
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