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悪役令嬢エヴァンジェリンの災難①
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人が沢山いるのに薄暗い食堂と言うものは、何とも不思議な雰囲気だった。
食事をしていたものは手を止め――食事が終わった者も何がはじまるのかと立ち去らず――。
聞こえて来る噂から判断するに、悪役令嬢と呼ばれているエヴァンジェリンが事の中心にいるらしい。彼女は、無表情のまま婚約者であるセドリックの話を聞いていた。
セドリックの横には涙を浮かべた可憐なマリ―ロッテ。それから、有力貴族の子息達が3人、マリ―ロッテを守るようにエヴァンジェリンを睨みつけている。
エヴァンジェリンの横には、何故か嬉しそうな顔を隠しきれない侍女が控えていた。確かエヴァンジェリンが家から連れて来ていた侍女だ。
セドリックの話を聞いたこの場にいる者達は、あぁ、あの侍女も酷い目にあっていてエヴァンジェリンの破滅を心から喜んでいるに違いないと、同情の目を侍女に向けていた。
さて、エヴァンジェリンを断罪する空気が満ちていた食堂だけれど、黒い箱から映される映像に最初は皆驚いた。テストと書かれたその映像には、この学園の建物などが鮮明に映されていたからだ。
こんなに鮮明にその人そのままの絵が動いて声も聞こえる――。とても素晴らしい技術だと皆が思った。
実写映像と言われるそれは、まだ人々の認知する所では無く誰もが動く絵と言った認識だった。誰もがこの映像の中に、エヴァンジェリンの非道な行動が映し出されると信じていた。
セドリックは、小型の虫の形をした撮影道具をエヴァンジェリンの周囲に配置していた事を明かし、それ以外にも、マリ―ロッテが危険にさらされるかもしれないと思われる場所に映像を撮影する装置を設置したと皆に告げた。
その言葉を聞いて、顔を青褪めさせた者がいる――エヴァンジェリン?いいや、マリ―ロッテだ。
彼女は頻りにセドリックの服の裾を引っ張り「そういうのは別室で――」とか「やっぱり、やめませんか??」とか言っていたけれど、正義感に燃えるセドリックには届かなかった。
初めに映された映像には、何も無い白い画面に『編集、ロディック』と書かれ、更に『長い映像を短く纏めたけど、手は加えられないから実際にあった事だよ』と書かれていた。
『にゃあぁん!』
『リツ!うふふふ!!元気にしてた?もう!可愛い子ね!!』
まずそこに映されたのはエヴァンジェリンだった。黒い仔猫と戯れて、見た事の無い可愛らしい笑顔で子猫を抱きしめる。あれは校舎の裏側で、生徒達に飼われている猫だ――。
これを見た者達は、目を瞠った。この子猫には数多の名前が付けられているものの、警戒心が強く、人に慣れない触らせてくれない――だが、そこが可愛い!――と有名な子猫だったからだ。
その子猫が嬉しそうに、エヴァンジェリンにされるがままになっている……。そして、信じられないくらいに可愛いエヴァンジェリンの姿――。
「俺達、何を見てるんだ?」「嘘でしょ?」
ヒソヒソと周囲から声がそんな声が聞こえた。
エヴァンジェリンは凍りついて茫然自失。とても何かを言える状態では無い。出て来た映像がエヴァンジェリンだった為、ホッと息を吐いたマリ―ロッテにも気が付かなかった。
何よりも困惑した顔をしているのはセドリック。見ているものが信じられない。自分の前でエヴァンジェリンがこんな顔をして笑った事が無かったからだ。
その笑顔は、セドリックの心をブチ抜いていた。ようは、好みだったのである。多分、ギャップ萌えというやつではなかろうか??
セドリックは曲がった事が嫌いなだけで、マリ―ロッテに恋をしていた訳では無かったので、婚約者の笑顔に一目ぼれする事もあるだろうと思う。多分――……婚約を破棄しようとしていたけれど……。
『聞いてくれる?リツ――また、睨まれてるって思われちゃったの……本当に嫌になっちゃう。目つきが悪いだけなのに、性格最悪だって思われてるし……我儘だって言った事――無いのよ?お邸の皆は、慰めてくれるけど……何もしてないのに怖がられるのってツライわ――』
そう言って、エヴァンジェリンはポロリと涙を零した。
その儚げな様子に、何人かの男子の心臓がズキュンと鳴った。単純である。
『お友達はリツだけよ?はぁ、可愛いなぁ……。でも、こんな風にリツを愛でてる所を見られても、苛めてるって思われるんだろうなぁ……』
『にゃあん』
子猫が、寂しげに笑うエヴァンジェリンの頬を舐めた。
エヴァンジェリンが擽ったそうにしながらクスクスと笑う。
『ありがとう、リツ――慰めてくれるのね……いいこ』
エヴァンジェリンが、リツの額に口付を落した。
セドリックがそれを見て言いようのない嫉妬を燃え上がらせる。内心、私の婚約者なのに!と思ってそうだけれど、もう一度言おう――彼は婚約破棄しようとしてたはずだよね?と……。
『おばあさまがね?また、お母様に『悪役令嬢を産んだ女』って言ったのよ――……酷いと思わない??……お母様が『こんな風に産んでしまってごめんなさい――』って謝る度に私、泣きたくなるの……お母様は何も悪く無いわ。私が、悪役令嬢でも、皆に誤解されるような性格じゃなきゃ良かったのだけど……だけど、おばあさまは、お母様が悪いと言うの。お母様の事も、私の事も、お嫌いなのね……内孫の筈だけど、毎日無視されるもの。マリ―ロッテが羨ましい……ヒロイン顔のあの子は、おばあさまのお気に入りだものね……せめて、マリ―ロッテの爪の先くらいの社交性が私にあればなぁ……』
「マリ―ロッテ嬢、どういう事だ?君の祖母は、エヴァンジェリンと一緒になって君を苛めているんじゃ――??」
「え?えっと、それはぁ……」
セドリックは聞いていた状況と違う――そう思いながら、マリ―ロッテに小声で問い質した。セドリックに嘘をついていて同情をかっていたマリ―ロッテは、シドロモドロになりながら、目を逸らす。
セドリックの心の中に初めてマリ―ロッテに対する疑念が湧いた。
『分かってるの。マリ―ロッテはヒロイン顔だもの――いつか、私――セドリック様に婚約破棄される運命なのよ……。きっと二人は素晴らしい恋で結ばれるんでしょうね……物語だと大体そうなんだし。私はどうなるのかしら……追放されたら、山奥に行こうかな?そうしたら、誰にも誤解されないもの……あぁ、でも家族や、家の皆に会えなくなるのは寂しいわ。自宅に幽閉されるのが一番理想かしら?でも、政略結婚にも使えないゴク潰しが増えても申し訳無いわね――……そしたら、修道院行きが一番良いのかしら??あそこなら、家族は会いに来てくれると思うのよ??けど、上手く馴染めるか不安だわ……また怖がられたらどうしよう……それに、最悪のパターンもあるかもしれないわよね……』
落ち込んだ顔をする、エヴァンジェリンにセドリックが息を飲んだ。
ついでに、食堂にいた全ての生徒がこの光景に見入っている……。
セドリックは婚約破棄される事を哀しむエヴァンジェリンの様子に、胸がキリキリと締めつけられていた――すでに、破棄って言っちゃったけど。
セドリックは、先程の自分の発言を後悔した。正義感に突き動かされたからと言って、一方の発言だけを信じてエヴァンジェリンに事前に聞こうとしなかった事を――。それから、今日の計画ギリギリになってしまったが為に、証拠を事前に確認し無かった自分を殴りたくなった。
『処刑――されないといいなぁ……怖いよ――リツ――誤解されたまま、処刑とかになったらどうしよう……うぅ……嫌だよぅ――』
『にぃ!にぃにぃ!!』
ボロボロと泣きはじめたエヴァンジェリンに子猫が慰めるように頬を舐めた。
この場にいた生徒達のほとんどがこのエヴァンジェリンの慟哭に心を揺らされ、そして後悔をし始めていた。
セドリックは唇を噛みしめて己の所業を呪った。婚約者をこれ程、不安に思わせ傷付けていたと知ってショックを受けていたのだ……そして、エヴァンジェリンをこの不安から解放して幸福にしてやりたいと心から思った。
「私達――酷い事をしていたのじゃないかしら――?」「嘘ぉ――悪役令嬢ってこんな性格だったの――??」
『――……ありがとう、リツ。私の事ばかり話してしまってごめんね……泣いたら少しだけ元気が出たわ!今日はリツの好きなチュルリナを持って来たのよ?今、あげるからね??』
涙をハンカチで拭いたエヴァンジェリンは、哀しそうな気持ちを隠す様に笑うと猫用のゴハンを取り出した。
その健気な様子に、セドリックの胸が締めつけられた。彼の頭の中には疑問が渦巻いていた。マリ―ロッテから聞いていたエヴァンジェリンの姿とはかけ離れた姿を見せられて混乱していたのだ。
周囲の噂でも、エヴァンジェリンは悪女に相応しい性格の持ち主の筈だった――それが何故――??
セドリックは知らなかったが、その噂はマリ―ロッテがあからさまにならないように流したものだった。引っ込み思案で友人が作れないだろうエヴァンジェリンの性格を見越しての行動だ。
黙っているだけで、他を睨んでいると誤解されるエヴァンジェリンである。一度噂が立てば、それが真実だと思われるのに時間は掛からなかったのだ……。
食事をしていたものは手を止め――食事が終わった者も何がはじまるのかと立ち去らず――。
聞こえて来る噂から判断するに、悪役令嬢と呼ばれているエヴァンジェリンが事の中心にいるらしい。彼女は、無表情のまま婚約者であるセドリックの話を聞いていた。
セドリックの横には涙を浮かべた可憐なマリ―ロッテ。それから、有力貴族の子息達が3人、マリ―ロッテを守るようにエヴァンジェリンを睨みつけている。
エヴァンジェリンの横には、何故か嬉しそうな顔を隠しきれない侍女が控えていた。確かエヴァンジェリンが家から連れて来ていた侍女だ。
セドリックの話を聞いたこの場にいる者達は、あぁ、あの侍女も酷い目にあっていてエヴァンジェリンの破滅を心から喜んでいるに違いないと、同情の目を侍女に向けていた。
さて、エヴァンジェリンを断罪する空気が満ちていた食堂だけれど、黒い箱から映される映像に最初は皆驚いた。テストと書かれたその映像には、この学園の建物などが鮮明に映されていたからだ。
こんなに鮮明にその人そのままの絵が動いて声も聞こえる――。とても素晴らしい技術だと皆が思った。
実写映像と言われるそれは、まだ人々の認知する所では無く誰もが動く絵と言った認識だった。誰もがこの映像の中に、エヴァンジェリンの非道な行動が映し出されると信じていた。
セドリックは、小型の虫の形をした撮影道具をエヴァンジェリンの周囲に配置していた事を明かし、それ以外にも、マリ―ロッテが危険にさらされるかもしれないと思われる場所に映像を撮影する装置を設置したと皆に告げた。
その言葉を聞いて、顔を青褪めさせた者がいる――エヴァンジェリン?いいや、マリ―ロッテだ。
彼女は頻りにセドリックの服の裾を引っ張り「そういうのは別室で――」とか「やっぱり、やめませんか??」とか言っていたけれど、正義感に燃えるセドリックには届かなかった。
初めに映された映像には、何も無い白い画面に『編集、ロディック』と書かれ、更に『長い映像を短く纏めたけど、手は加えられないから実際にあった事だよ』と書かれていた。
『にゃあぁん!』
『リツ!うふふふ!!元気にしてた?もう!可愛い子ね!!』
まずそこに映されたのはエヴァンジェリンだった。黒い仔猫と戯れて、見た事の無い可愛らしい笑顔で子猫を抱きしめる。あれは校舎の裏側で、生徒達に飼われている猫だ――。
これを見た者達は、目を瞠った。この子猫には数多の名前が付けられているものの、警戒心が強く、人に慣れない触らせてくれない――だが、そこが可愛い!――と有名な子猫だったからだ。
その子猫が嬉しそうに、エヴァンジェリンにされるがままになっている……。そして、信じられないくらいに可愛いエヴァンジェリンの姿――。
「俺達、何を見てるんだ?」「嘘でしょ?」
ヒソヒソと周囲から声がそんな声が聞こえた。
エヴァンジェリンは凍りついて茫然自失。とても何かを言える状態では無い。出て来た映像がエヴァンジェリンだった為、ホッと息を吐いたマリ―ロッテにも気が付かなかった。
何よりも困惑した顔をしているのはセドリック。見ているものが信じられない。自分の前でエヴァンジェリンがこんな顔をして笑った事が無かったからだ。
その笑顔は、セドリックの心をブチ抜いていた。ようは、好みだったのである。多分、ギャップ萌えというやつではなかろうか??
セドリックは曲がった事が嫌いなだけで、マリ―ロッテに恋をしていた訳では無かったので、婚約者の笑顔に一目ぼれする事もあるだろうと思う。多分――……婚約を破棄しようとしていたけれど……。
『聞いてくれる?リツ――また、睨まれてるって思われちゃったの……本当に嫌になっちゃう。目つきが悪いだけなのに、性格最悪だって思われてるし……我儘だって言った事――無いのよ?お邸の皆は、慰めてくれるけど……何もしてないのに怖がられるのってツライわ――』
そう言って、エヴァンジェリンはポロリと涙を零した。
その儚げな様子に、何人かの男子の心臓がズキュンと鳴った。単純である。
『お友達はリツだけよ?はぁ、可愛いなぁ……。でも、こんな風にリツを愛でてる所を見られても、苛めてるって思われるんだろうなぁ……』
『にゃあん』
子猫が、寂しげに笑うエヴァンジェリンの頬を舐めた。
エヴァンジェリンが擽ったそうにしながらクスクスと笑う。
『ありがとう、リツ――慰めてくれるのね……いいこ』
エヴァンジェリンが、リツの額に口付を落した。
セドリックがそれを見て言いようのない嫉妬を燃え上がらせる。内心、私の婚約者なのに!と思ってそうだけれど、もう一度言おう――彼は婚約破棄しようとしてたはずだよね?と……。
『おばあさまがね?また、お母様に『悪役令嬢を産んだ女』って言ったのよ――……酷いと思わない??……お母様が『こんな風に産んでしまってごめんなさい――』って謝る度に私、泣きたくなるの……お母様は何も悪く無いわ。私が、悪役令嬢でも、皆に誤解されるような性格じゃなきゃ良かったのだけど……だけど、おばあさまは、お母様が悪いと言うの。お母様の事も、私の事も、お嫌いなのね……内孫の筈だけど、毎日無視されるもの。マリ―ロッテが羨ましい……ヒロイン顔のあの子は、おばあさまのお気に入りだものね……せめて、マリ―ロッテの爪の先くらいの社交性が私にあればなぁ……』
「マリ―ロッテ嬢、どういう事だ?君の祖母は、エヴァンジェリンと一緒になって君を苛めているんじゃ――??」
「え?えっと、それはぁ……」
セドリックは聞いていた状況と違う――そう思いながら、マリ―ロッテに小声で問い質した。セドリックに嘘をついていて同情をかっていたマリ―ロッテは、シドロモドロになりながら、目を逸らす。
セドリックの心の中に初めてマリ―ロッテに対する疑念が湧いた。
『分かってるの。マリ―ロッテはヒロイン顔だもの――いつか、私――セドリック様に婚約破棄される運命なのよ……。きっと二人は素晴らしい恋で結ばれるんでしょうね……物語だと大体そうなんだし。私はどうなるのかしら……追放されたら、山奥に行こうかな?そうしたら、誰にも誤解されないもの……あぁ、でも家族や、家の皆に会えなくなるのは寂しいわ。自宅に幽閉されるのが一番理想かしら?でも、政略結婚にも使えないゴク潰しが増えても申し訳無いわね――……そしたら、修道院行きが一番良いのかしら??あそこなら、家族は会いに来てくれると思うのよ??けど、上手く馴染めるか不安だわ……また怖がられたらどうしよう……それに、最悪のパターンもあるかもしれないわよね……』
落ち込んだ顔をする、エヴァンジェリンにセドリックが息を飲んだ。
ついでに、食堂にいた全ての生徒がこの光景に見入っている……。
セドリックは婚約破棄される事を哀しむエヴァンジェリンの様子に、胸がキリキリと締めつけられていた――すでに、破棄って言っちゃったけど。
セドリックは、先程の自分の発言を後悔した。正義感に突き動かされたからと言って、一方の発言だけを信じてエヴァンジェリンに事前に聞こうとしなかった事を――。それから、今日の計画ギリギリになってしまったが為に、証拠を事前に確認し無かった自分を殴りたくなった。
『処刑――されないといいなぁ……怖いよ――リツ――誤解されたまま、処刑とかになったらどうしよう……うぅ……嫌だよぅ――』
『にぃ!にぃにぃ!!』
ボロボロと泣きはじめたエヴァンジェリンに子猫が慰めるように頬を舐めた。
この場にいた生徒達のほとんどがこのエヴァンジェリンの慟哭に心を揺らされ、そして後悔をし始めていた。
セドリックは唇を噛みしめて己の所業を呪った。婚約者をこれ程、不安に思わせ傷付けていたと知ってショックを受けていたのだ……そして、エヴァンジェリンをこの不安から解放して幸福にしてやりたいと心から思った。
「私達――酷い事をしていたのじゃないかしら――?」「嘘ぉ――悪役令嬢ってこんな性格だったの――??」
『――……ありがとう、リツ。私の事ばかり話してしまってごめんね……泣いたら少しだけ元気が出たわ!今日はリツの好きなチュルリナを持って来たのよ?今、あげるからね??』
涙をハンカチで拭いたエヴァンジェリンは、哀しそうな気持ちを隠す様に笑うと猫用のゴハンを取り出した。
その健気な様子に、セドリックの胸が締めつけられた。彼の頭の中には疑問が渦巻いていた。マリ―ロッテから聞いていたエヴァンジェリンの姿とはかけ離れた姿を見せられて混乱していたのだ。
周囲の噂でも、エヴァンジェリンは悪女に相応しい性格の持ち主の筈だった――それが何故――??
セドリックは知らなかったが、その噂はマリ―ロッテがあからさまにならないように流したものだった。引っ込み思案で友人が作れないだろうエヴァンジェリンの性格を見越しての行動だ。
黙っているだけで、他を睨んでいると誤解されるエヴァンジェリンである。一度噂が立てば、それが真実だと思われるのに時間は掛からなかったのだ……。
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