【完結済】病弱な姉に婚約者を寝取られたので、我慢するのをやめる事にしました。

夜乃トバリ

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おまけ メリヌの結末。

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 予想以上にメリヌは解雇だけではちょっと……と言う声が聞こえたので『おまけ』を追加する事にしました。(イラッとにご注意ください)書き切れなかった部分の補足となります。長くて済みません;;
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 ある冬の、とても暖かい日の事である――メリヌは、冷えた指先を抱えながらその光景に見入っていた。買い物へ行く近道の公園で、ある家族が幸福そうに散歩をしているのが見えたのだ――。
 その幸福そうな家族が、今のメリヌの不幸な境遇を際立たせているように見えて重苦しい気持になる。
 
 ――どうして、こんな事に――

 ふと、メリヌの脳裏にそんな言葉が浮かんだ。
 そして、何年も前のあの事件――自分が不幸になった日を思い出したのだった――。

 ※  ※  ※

 その家には二人の娘がいた。
 病弱で、儚げに笑う優しいエウリカと、気がきかなくて可愛く無いシシュリカ――それがメリヌの認識だった。
 お邸に勤める数年前――メリヌに縁談が持ち上がった。貴族では無い商人の息子、それも次男坊だ――。メリヌの実家は没落したとはいえ貴族――プライドが残っているメリヌはその縁談に不満だった。
 相手の男性は、小太りで冴え無い風貌――6歳程年が上だった。その男性が笑うとガタガタの歯が見えてそれも嫌だった。だからメリヌはその結婚が嫌で嫌で堪らなかった。
 憤懣やるかたない気持ちを抱えて、メリヌは公園の噴水の縁に座って一人で泣いていたのだ。
 噴水に座って涙していたメリヌに声をかけてくれたのは、家族と散歩に来たらしいエウリカだった。『どうしたの?』と天使のように美しいエウリカから声を掛けられてメリヌは自分の境遇を語った。
 少しだけ脚色されたその話は、エウリカの興味を引いたらしい。

 『そうなの……お金が無いから、嫁ぐように言われているのね??』

 そう――お金があれば良いのだ。家族が暮らしていけるだけのお金があれば……。エウリカは、思い立ったようにレーン子爵……つまりは父親に何かを相談しに戻った。
 その時に初めてメリヌは彼等の後ろにポツンと立つシシュリカを認めた。子爵夫人の後ろに隠れるようにしていて気がつかなかったのだ……。この時にはレウリオはおらず、メリヌが彼に会うのはもっと後の事だった。
 
 『貴族であろうと、平民であろうと良くある事情ではあるが……ここで会ったのも何かの縁だろう――君は我が家で働く気はあるかね?』

 戻って来たエウリカはニコニコとした笑顔で、父親を連れて来たのだ。
 そしてメリヌは告げられた言葉に希望を見た――働いて家族を養えれば『結婚』という犠牲を強いられずに済むのだと……。メリヌは酒飲みで仕事をしない父親は大嫌いだったけれど、母親と、双子の弟――それからまだ幼い妹は大切だった。
 だから、自分が犠牲にならず彼等も生きていけるであろうこの提案は、天から伸びる蜘蛛の糸さながらに救いの手として見えたのだ。そして、この天使のような美しいエウリカにとても感謝した。
 また、彼女が身体が弱い事を知ると、とても心を痛めたのだった。それからのメリヌの日々は一番、幸福であったろう。その献身を認められ、エウリカの専属侍女として抜擢された頃が特に輝いていた時のように思う。
 その陰にはシシュリカの辛い状況があったのだけれど、メリヌは気付こうともしなかった。むしろ、率先してシシュリカを傷付けた側であったのだから……。
 その幸福に陰りが見え始めたのは、シシュリカにユーベルという婚約者が出来てからの事だった。

 『シシュリカが羨ましいわ……』

 『エウリカ様――……エウリカ様ならきっと、もっと素敵な求婚者が現れますわ!』

 『――……ダメなの……お父様とお母様は……私を誰かの妻にするお気持ちは無いみたい』

 苦しそうに笑うエウリカに、メリヌの心は軋んだ。
 何と言う事だろう!子爵様はエウリカ様を可愛がってらっしゃると思っていたのに、こんな差別をするのか――と。理由を知らされぬ立場でいながら憤った。
 この時『何故?』と言う気持ちを持って侍女長に聞いたのなら、侍女長はある程度の事情を教え諭したかもしれない。
 けれど、メリヌは『シシュリカ様が先に婚約者だなんておかしいと思います!エウリカ様こそが先に婚約すべきでは??子爵様は、おかしいです!!』――なんて侍女長に言ったものだから『使用人の範疇を超えた発言です!立場を弁えなさい!!』と怒られる事になった。メリヌは、不満ではあったものの、言い過ぎて解雇にでもなっては堪らないと――『申し訳ありませんでした……』と謝罪した。
 ここで侍女長が『エウリカ様を慕っているが故の誤った発言だろう――』と仏心を出さず、レーン子爵に報告していれば少しは何か変わったかもしれないけれど、結果はそうはならなかった。
 身体が弱いエウリカに味方に立ってくれる侍女がいるのは、エウリカの心の慰めになっているようだから――と、侍女長はこの件を胸に秘めて終わったのだから。
 
 『どうしよう、メリヌ――私、ユーベル様のことが好きみたいなの……』

 そう聞いた時――涙を浮かべて話すエウリカに、メリヌの心は張り裂けそうだった。
 エウリカは、悲劇のヒロインを演じているだけなのだが心優しい『聖女』のようなお嬢様像が出来上がっているメリヌには気が付きようが無い。
 シシュリカさえいなければ!そんな気持ちを持つ事が多くなり、シシュリカを見かける度にイヤガラセをしたり陰口を言う事が増えた。
 シシュリカは、黙っているだけなのでメリヌの暗い心は満たされた。可哀想なエウリカ様の仇を取ったような気持ちになったからだった。
 そんな中、ユーベルもまたエウリカに惹かれている事実をメリヌは知る事になる――。

 ――私が、エウリカ様の幸福の橋渡しをしなければ!

 それが、破滅の道程であるとも知らずに、メリヌはそんな気持ちを抱いた。
 敬愛するエウリカの為に、その言葉だけを盲信してメリヌはユーベルとエウリカの気持ちを繋いだのだ。それは、シシュリカに対する暗い優越感を齎せた。
 計らずしも、同じ思いをエウリカが抱いていたのは何の偶然だろうか。或る意味とても良く似た主従だったと言えるかもしれない……。
 エウリカの――メリヌの幸福が終わりを告げたのは、メリヌの行動がキッカケだった。メリヌは、シシュリカを傷付けて優越感に浸りたかっただけだったが、その行動は全てを一変させた。
 結果メリヌは――私兵に連れられ、乱暴に独房に入れられた。
 暫くは呼べど叫べど誰も来ず、メリヌは不安な気持ちで一杯だった。

 ――きっとエウリカ様が助けに来て下さる――。

 噴水で泣いていたメリヌを見つけ出し、救ってくれたように……。けれど、待てど暮らせどエウリカは助けに来なかった。
 それは、レウリオがメリヌが独房に入れられた事をエウリカに知られないようにしていたからなのだけれど……。
 もし、知っていたとしても、エウリカがメリヌの事を助けたかどうかは怪しい。自分に有利になると思えば助けただろうが……。現に、色々と暴露された時のエウリカはメリヌの心配などしなかった。
 ただ、自分が不利な証言をされるかもしれないと思った時だけ、メリヌの存在を思い出し――上手く丸め込まなければと思っただけだったのだから。
 エウリカにとってメリヌは舞台を彩る部品パーツに過ぎなかった。
 『病弱で優しいお嬢様』を作る為に丁度良かったから拾ってあげた・・・・・・に過ぎない。病弱で優しいお嬢様に救われ――献身的に尽くす侍女――それは見た目には心温まる光景だ。
 メリヌは、そんな事は知らなかったからエウリカが助けに来ない状況が理解できなかった。
 次の日、レウリオが二人が不貞行為を始めた状況を確認しに来た。メリヌは思いきってエウリカの事を聞いた――メリヌがこんな状況になって、エウリカが心を痛めているのではないかと思ったからだ。
 
 『エウリカ?助けに来る訳が無いだろう――?アイツは自分の事しか考えられない女なのだろうからな――……』

 もしやエウリカに何かあったのだろうかと――心配していたメリヌはレウリオの言葉が分からなかった。
 エウリカはメリヌの状況を知らない――けれど、レウリオは過去の状況や、現在のユーベルと行っている秘密の裏切り行為を鑑みて、メリヌの状況を知っていたとしても、エウリカは助けようとしないのではないか?と考えていた。
 その推察は正しかっただろうけれど、エウリカの本当の姿を知らないメリヌにとっては信じがたい話であった。

 『お前がいなくても気にもしていないぞ??』

 レウリオの言葉――そこに関しては本当だった。
 メリヌが体調を崩したと説明されたエウリカは『そうなの――……早く良くなると良いわね?』と言ったものの、その後、メリヌを心配するような言葉は発せられなかったからである。
 何日も、専属侍女が体調を崩したままなのだ――本当に心優しい者ならば、その事を気にするし見舞いに行こうとするのではないだろうか??
 もし、そんな発言があれば『エウリカ様に風邪をうつしてしまっては大変だから――』と侍女に止めさせる予定だったレウリオは、エウリカがメリヌを何も心配しない事にも不信感を募らせていた。
 メリヌもまた、その事にショックを受けたようだった。自分がエウリカを支えている――そう自負していたメリヌの心に罅が入った瞬間だった。
 孤独な独房に於いて、その罅は次第に大きく育つ――そしてエウリカへの不信に育った。自分を生贄に、全ての罪を押し付けられるのでは――?という疑心暗鬼を齎す萌芽となり、次にレウリオが来た時に或る事を告げるキッカケになった。

 ――自分の身は自分で守らないといけないんだわ!

 メリヌが話したのは、ユーベルにかつて聞かれた事だ。

 『ねぇ、メリヌ――シシュリカがいなければ――エウリカと幸福に暮らせるだろうか――……』

 それは、メリヌの心の内にずっとあった呟きだった。
 それとまったく同じ事をユーベルは言ったのである。ユーベルはその後慌てて『忘れて欲しい』と言ったけれど、メリヌの目にはその発言は真剣な思いだと見えていた。
 ユーベルのその目が――睨むように門から入って来るシシュリカが乗った馬車を見ていたからだ。
 その後、ユーベルは何食わぬ顔で――さも、自分も今来たかのようにエウリカを応接室で出迎えたのだけれど……。あの目の中にあったのは何だろう――自分と恋人の仲を引き裂く者に対しての憎しみが近かったかもしれない。
 メリヌは、自分への保身の為に、その事実を少し脚色してレウリオに話した。その発言から警戒したレウリオが証拠集めを慎重にした結果が、エウリカとユーベルの破滅を決定づけた事をメリヌは知らない。
 何故なら、詳しい説明などは無く――全てに決着がついた後、彼女は鞭を打たれ――その後解雇されたのだから。
 子爵家で起こった全ての事を口外しない魔法契約の書類にサインしながら、メリヌは考えていた。

 ――逃げよう。

 痛む背中を抱えながら、メリヌはそんな事を考えていた。弟妹も大分大きくなったし、母は心配だが子爵家を解雇されたメリヌを今度こそ父親が売ると思ったからだ。
 だから、メリヌは子爵家を出た後逃げる気だった。けれど、レウリオが――親切そうにメリヌを家まで送る手配をしていたのである。『その背中では歩くのも大変だろう?』と。
 その言葉を聞いた時の絶望――メリヌは正しく、それが親切などでは無い事を理解した。そしてメリヌは逃げられないように、執事長に伴われて実家に帰らされた。
 それから執事長は、父親に『子爵家に不利益になる事をしたため』――紹介状無しで解雇したと説明して帰ったのである。メリヌは父親に殴られた後――自室に監禁された。
 逃げるのを防止するためだ。
 そして、メリヌにとって不本意な婚姻があっという間に整えられた。高額なお金を支払われて父親は満足そうだった――弟妹は不安そうだったけれど、母親がメリヌの助けを求める手を取る事は無かった。ただ、目を逸らして背中を向けた――。母もまた家族を守る為にメリヌを見捨てたのだと、彼女が理解した瞬間だった。
 結婚相手は貴族だった。子爵家の嫡男――それだけ見れば好条件に見える話である。
 けれど、好条件な人物が金で妻を買ったりするだろうか……?もちろん、そんな訳は無い。その男には愛人がいた。平民の女で元々娼婦だった女だ。認知した子供もいるが、そんな身上の相手と結婚なんてさせられない。
 だから体面の為に、男の両親がメリヌを妻として買ったのだ。今は平民の暮らしをしているが、元々は男爵家の娘――侍女として働いていた経験もある。ようは彼等にとってメリヌが都合が良かったのだ。
 夫となった男は、メリヌに癇癪持ちで老いた両親の世話を任せた。
 生贄を与えておけば、両親の機嫌が良かったからだ。この両親の所為で、家には使用人が居着かなかったので、逃げられないメリヌは無料タダで使える使用人に他ならなかった。
 自分は愛人の元に行き――たまに帰ってくればメリヌを殴る蹴る。メリヌは義両親からも愚鈍な嫁だと散々杖で殴られた。
 逃げたくても自由に出来るお金は無く――もし離婚する場合は、実家に払われたお金をメリヌが・・・・返済する契約が結ばれていた。
 それを放棄して逃げれば、犯罪者である。メリヌは逃げるに逃げられない状況にあった。

 ――なぜ、こんな事になったんだろう……。

 寝不足で疲れた身体を押してメリヌは買い物に出た――料理人が、夜逃げしたからである。
 手足が冷たい――やつれてしまった為に体力が落ちているのだろう。重たい足を引きずるように歩きながらメリヌはふと――ある家族に気が付いた。
 公園で父親と楽しそうに遊ぶ姉弟――それから、母親に抱かれた赤子――。
 孫を見守る優しげな夫妻――シシュリカとレウリオ達家族だった。その後ろには優しい笑顔を浮かべる侍女が控えていた。

 ――デリア……。

 その侍女は、メリヌが解雇される少し前に雇われた娘だった。

 『このお邸の使用人は少しおかしいと思います。シシュリカ様だって子爵家のお嬢様なのに――』

 そうメリヌに言って来た侍女だ。あの時は、何を言うのだと馬鹿にしたものだったが……。
 メリヌは、自分と彼女の立場の違いに愕然とする思いだった。
 ふと、こんな思いが浮かんだ。もし、シシュリカの方についていたら――あの場に居るのはメリヌでは無いか――?と。そしてもっと遡って――あの冴え無い商家の次男坊と結婚していたのなら――それなりに幸福な人生を送れただろうかと……。
 実際、メリヌが嫌ったその男は、心優しい青年だった。商才もあったので、暖簾分けされた店を任され――大変繁盛していた。今では妻と子と幸福に暮らしている。
 その妻は、夫を立てる良妻賢母を絵に描いたかのような人であったので、メリヌが妻になるよりも幸福な家庭を築けたと言える。
 
 ――何で、私はこんな不幸なんだろう。
 
 幸せそうな家族を見ながら、メリヌは自分の惨めさを実感していた。けれど、ついぞ、その理由が自分にあると言う事に気付かなかった。
 あの時、あぁしていたら?こうしていたら??とは思うものの、自分の行動の失敗を思うだけで、自分が『何』をしてきたのかの自覚が無いのだ。
 悪い事は、外から齎されるもの――自分が原因だとは気付けない。眩しいばかりの光景から目を逸らし――メリヌは『何で私ばっかり……』そう考えながらその場を立ち去った。
 彼女の生活は、変わらないまま――。自分の引き寄せた現実を認められないまま終わるのだろう……。
____________________________________________________

 数多くのお気に入り設定、感想、誤字報告ありがとうございます!!

 ①作品の表紙を変更しました。
 夜乃の作品では、世界観を同一にしている物語があります(今の所、チラッと名前が出てきたりするだけですが;)。今後更新するにあたり、世界観を同一にする世界の物語は表紙を同一にし――色違いで変化をつける予定です。
 ②レーン子爵のお仕事を変えようか思案中です。外交官で家に居ない事が多いのは、エウリカの病状を心配しているのに難しいかな?と……。王城限定の外交官とか――無理ですかね……。

 この話を投稿する為に、一時的に『完結』が外れる事になりました。レウリオの補足の話を追加した後、再び『完結』設定にさせて頂きます。
 本日中に投稿予定です。宜しくお願い致しますm(_ _)m
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