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第13話 兄
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一年前、久々に実家に帰ったあの日、レウリオはシシュリカに恋をした――。
『お兄様!お帰りなさい!!』
レウリオはその声に顔を上げ、二階の踊り場に立つシシュリカを見て、思わず、手にしていた本を取り落した。
明るい日差しの中――階段を嬉しそうに駆け降りて来る美しい娘――。
妹だった筈の少女はその日から、レウリオにとっての最愛となった。けれど、既にユーベルとの婚約は結ばれた後で――シシュリカが頬を染めて嬉しそうだったから、レウリオは自分を『兄』なのだからと律して来たのだ。
それなのに……。
ユーベルの裏切りが、シシュリカを傷付け――兄でいようとしたレウリオの気持ちを踏みにじった。押さえつけていたレウリオのシシュリカへの恋心は燃え盛り、彼女を傷付けた者たちを殺してやりたい気持ちでこの場にいるのだ。だから、レウリオは一切の容赦をする気が無かった――。
レウリオとシシュリカの前には、ラットウェイ子爵に殴られて土下座をするユーベルの姿――。
この謝罪のようなモノだって、ラットウェイ子爵が殴りつけて強制されたからこその行動で、ユーベルから自発的にされたものでは無かった。
ユーベルは憐れな風を装ってシシュリカに謝罪していたけれど、寧ろ、シシュリカはそのユーベルの頭を押さえつけ、一緒に土下座をしているラットウェイ子爵の方を憐れに思っていた。
「おじさま、どうか立って下さいませ……そんな風にしていたら、お話も出来ませんわ――」
シシュリカがそう言ってラットウェイ子爵の手を取り立たせた。シシュリカはラットウェイ子爵にだけそう言ったのだけれど、ラットウェイ子爵より先に立ちあがったのはユーベルだった。
レウリオはその姿を見て呆れたけれど、シシュリカが何も言わずにラットウェイ子爵を労わっていたので口を噤んでいた。ユーベルは、自分が父親にこんなに殴られるとは思っていなかったので、グワングワンと痛い頭を抱えながら混乱していた。
どうすれば、怒れる父親を宥め――レーン子爵夫妻を納得させられるだろうか……。そう考えながら、睨んで来るレウリオの視線から目を逸らし、床に座り込むエウリカを見た……。
混乱していたユーベルは、エウリカのさっきの形相に気が付いていなかった。だから、彼にとってエウリカはまだ愛しの恋人のままだった。そして、エウリカの事を可愛がっているレーン子爵夫妻を思い出す……。
あれだけ愛情を注いでいたのだから――責任を取ってエウリカと結婚すれば許して貰えるんじゃないか――?ユーベルはそんな事を考えていた。
流石のユーベルもレーン子爵家からの援助が無くなるような状況は、避けたかったらしい。
「わ、私は――シシュリカと言う婚約者がありながら、エウリカを愛してしまった――……!申し訳ありませんでした!!責任を取ってエウリカと結婚させて下さい――……!!」
そんなユーベルの様子を見て、エウリカも、それが一番良い案だと結論を出さざるを得なかった。口だけの証拠では無く、これだけ詳らかにされてしまったのだ。最早、妹の婚約者を愛してしまって苦悩する姉――という方向に持って行くしか無いと震える足で立ちあがった。
愛するユーベルを取られたく無かったと言えば、少しはマシな状況になるかもしれないと潤んだ瞳で周囲を見回し、震える唇を開いた――。
「ごめんなさい……シシュリカ――私のお腹の中には、ユーベルの赤ちゃんがっ!!」
その演技は迫真のものだった。エウリカの本性がバレていなかったら、全員騙されたかもしれない。
もちろん、エウリカは妊娠などしていない。
この両親と、ラットウェイ子爵は人情に厚いタイプだったから、お腹に子供がいると言えば無体な事はされないし、自分達の事を簡単に許すだろうと踏んでの発言だった。
実際に結婚を認められればその嘘を真実にすれば良い。万が一子供が出来無かったとしても、流産した事にして次を待てば良いだけだとエウリカは考えたのだ。
「エウリカ!」
三文芝居のように、固く抱き合う二人――。
ユーベルはこれで何とかなるだろうとほくそ笑み、エウリカも自分の演技に酔いながら家族達が『それなら仕方が無い――』と言う言葉を待った。しかし――
「いい加減にして頂戴――エウリカ。貴女が妊娠するなんて事――ありえないわ」
冷たく凍えた声がした――。レーン子爵夫人が、眦をキツくしてエウリカを見ていたのだ。「え――?お母様――そんな事――無いわ、私――」とエウリカが哀しそうに言うのを嫌悪を込めた瞳で見ながら、子爵夫人が言葉を続ける。
「エウリカ、貴女――妊娠できる身体じゃ無いのよ」
「「え?」」と呟かれた声は、エウリカとシシュリカのもの――ユーベルは茫然としながら腕の中のエウリカを見下ろした。ポカンとした顔のエウリカは、子爵夫人が何を言っているのか分からないと言う表情だ。
「お前の身体が弱いのは、2歳の時に『魔女の奇病』にかかったからだ――」
レーン子爵が硬い口調でそう告げた。
『魔女の奇病』――幼い時に罹る事が多い病気だ。その症例は数少なく、何故発病するのか分かっていない。
症状は20日程度の高熱――ほとんどがそのまま死亡する。快癒しても後遺症が残る事が多く、その後遺症の一つが年に数回の発熱。そして酷い時には再発し――今度こそ、その命を散らすのだ。
――あぁ、だから……。
シシュリカは両親がエウリカを優先した理由を理解した。
レーン子爵夫妻は、月に何度も熱を出すエウリカの生が短いものだと考えていたのだろう。その熱の半分以上が、シシュリカに対する嫌がらせだとも知らずに……。
「25日――貴女が熱に苦しめられた日数よ。お医者様に、毎日今日が峠だって言われたわ――だから、貴女の熱が下がった時――とても嬉しかったのよ?――例え、子供を持てない身体になったとお医者様に言われても……」
幼い娘が苦しんでいるのに、代わってやれない自分達――。レーン子爵夫妻は、エウリカを失うかもしれなかった25日間の苦しみを良く覚えていた。
だからこそ、エウリカが熱を出すとそれを思い出してしまいシシュリカへの対応が疎かになってしまっていたのだ。
レウリオが妻を迎えた後、家督をゆずり敷地内に小さな家を建てエウリカと子爵夫妻で暮らそうとしていたのも、エウリカが子供を望めないから――。
血を繋げない娘の嫁ぎ先は、ほぼ無い。良くて後妻か悪くて妾だ。愛娘にそんな思いをさせたく無かったレーン子爵夫妻は、子供が産めない事実もエウリカに言うのは忍びなかったので、『身体が弱いから――』と言う事を理由にしてエウリカを守ろうとしていたのだ――けれど――……。
「何によ――それ……」
エウリカは呆然とそう呟き、この状況にシシュリカも息を飲んでいた。レウリオは知っていたのかその表情を変える事は無かったけれど、シシュリカの苦しそうな表情を見て確認するように黒い箱に目を落とした。
「――……子供が出来ない……?いや、それでも結婚は――あぁ、でも跡継ぎが……?」
ユーベルが途方に暮れた様子で、そう呟いた。
想定外の状況に、どうすれば良いのか分からないとでもいうように、オロオロとエウリカを見たりラットウェイ子爵を見たりした。
レウリオはこの状況に一瞬迷うような顔をしたけれど、エウリカとユーベルを完膚なきまでに叩き潰す気でいたので、黒い箱から水晶を取り出し、服の内ポケットに入っていた別の水晶を取りつける――。
シシュリカがそれを見て縋るようにレウリオを見たけれど、レウリオは硬い表情で首を振った。
____________________________________________________
誤字修正(2021.03.31)
出さざるおえなかった→出さざるを得なかった
上記修正しました。恥ずかしい誤字をしております……。なぜ『お』で打つのか、私にも不明です……。
誤字報告、ありがとうございました!
『お兄様!お帰りなさい!!』
レウリオはその声に顔を上げ、二階の踊り場に立つシシュリカを見て、思わず、手にしていた本を取り落した。
明るい日差しの中――階段を嬉しそうに駆け降りて来る美しい娘――。
妹だった筈の少女はその日から、レウリオにとっての最愛となった。けれど、既にユーベルとの婚約は結ばれた後で――シシュリカが頬を染めて嬉しそうだったから、レウリオは自分を『兄』なのだからと律して来たのだ。
それなのに……。
ユーベルの裏切りが、シシュリカを傷付け――兄でいようとしたレウリオの気持ちを踏みにじった。押さえつけていたレウリオのシシュリカへの恋心は燃え盛り、彼女を傷付けた者たちを殺してやりたい気持ちでこの場にいるのだ。だから、レウリオは一切の容赦をする気が無かった――。
レウリオとシシュリカの前には、ラットウェイ子爵に殴られて土下座をするユーベルの姿――。
この謝罪のようなモノだって、ラットウェイ子爵が殴りつけて強制されたからこその行動で、ユーベルから自発的にされたものでは無かった。
ユーベルは憐れな風を装ってシシュリカに謝罪していたけれど、寧ろ、シシュリカはそのユーベルの頭を押さえつけ、一緒に土下座をしているラットウェイ子爵の方を憐れに思っていた。
「おじさま、どうか立って下さいませ……そんな風にしていたら、お話も出来ませんわ――」
シシュリカがそう言ってラットウェイ子爵の手を取り立たせた。シシュリカはラットウェイ子爵にだけそう言ったのだけれど、ラットウェイ子爵より先に立ちあがったのはユーベルだった。
レウリオはその姿を見て呆れたけれど、シシュリカが何も言わずにラットウェイ子爵を労わっていたので口を噤んでいた。ユーベルは、自分が父親にこんなに殴られるとは思っていなかったので、グワングワンと痛い頭を抱えながら混乱していた。
どうすれば、怒れる父親を宥め――レーン子爵夫妻を納得させられるだろうか……。そう考えながら、睨んで来るレウリオの視線から目を逸らし、床に座り込むエウリカを見た……。
混乱していたユーベルは、エウリカのさっきの形相に気が付いていなかった。だから、彼にとってエウリカはまだ愛しの恋人のままだった。そして、エウリカの事を可愛がっているレーン子爵夫妻を思い出す……。
あれだけ愛情を注いでいたのだから――責任を取ってエウリカと結婚すれば許して貰えるんじゃないか――?ユーベルはそんな事を考えていた。
流石のユーベルもレーン子爵家からの援助が無くなるような状況は、避けたかったらしい。
「わ、私は――シシュリカと言う婚約者がありながら、エウリカを愛してしまった――……!申し訳ありませんでした!!責任を取ってエウリカと結婚させて下さい――……!!」
そんなユーベルの様子を見て、エウリカも、それが一番良い案だと結論を出さざるを得なかった。口だけの証拠では無く、これだけ詳らかにされてしまったのだ。最早、妹の婚約者を愛してしまって苦悩する姉――という方向に持って行くしか無いと震える足で立ちあがった。
愛するユーベルを取られたく無かったと言えば、少しはマシな状況になるかもしれないと潤んだ瞳で周囲を見回し、震える唇を開いた――。
「ごめんなさい……シシュリカ――私のお腹の中には、ユーベルの赤ちゃんがっ!!」
その演技は迫真のものだった。エウリカの本性がバレていなかったら、全員騙されたかもしれない。
もちろん、エウリカは妊娠などしていない。
この両親と、ラットウェイ子爵は人情に厚いタイプだったから、お腹に子供がいると言えば無体な事はされないし、自分達の事を簡単に許すだろうと踏んでの発言だった。
実際に結婚を認められればその嘘を真実にすれば良い。万が一子供が出来無かったとしても、流産した事にして次を待てば良いだけだとエウリカは考えたのだ。
「エウリカ!」
三文芝居のように、固く抱き合う二人――。
ユーベルはこれで何とかなるだろうとほくそ笑み、エウリカも自分の演技に酔いながら家族達が『それなら仕方が無い――』と言う言葉を待った。しかし――
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「エウリカ、貴女――妊娠できる身体じゃ無いのよ」
「「え?」」と呟かれた声は、エウリカとシシュリカのもの――ユーベルは茫然としながら腕の中のエウリカを見下ろした。ポカンとした顔のエウリカは、子爵夫人が何を言っているのか分からないと言う表情だ。
「お前の身体が弱いのは、2歳の時に『魔女の奇病』にかかったからだ――」
レーン子爵が硬い口調でそう告げた。
『魔女の奇病』――幼い時に罹る事が多い病気だ。その症例は数少なく、何故発病するのか分かっていない。
症状は20日程度の高熱――ほとんどがそのまま死亡する。快癒しても後遺症が残る事が多く、その後遺症の一つが年に数回の発熱。そして酷い時には再発し――今度こそ、その命を散らすのだ。
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シシュリカは両親がエウリカを優先した理由を理解した。
レーン子爵夫妻は、月に何度も熱を出すエウリカの生が短いものだと考えていたのだろう。その熱の半分以上が、シシュリカに対する嫌がらせだとも知らずに……。
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幼い娘が苦しんでいるのに、代わってやれない自分達――。レーン子爵夫妻は、エウリカを失うかもしれなかった25日間の苦しみを良く覚えていた。
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血を繋げない娘の嫁ぎ先は、ほぼ無い。良くて後妻か悪くて妾だ。愛娘にそんな思いをさせたく無かったレーン子爵夫妻は、子供が産めない事実もエウリカに言うのは忍びなかったので、『身体が弱いから――』と言う事を理由にしてエウリカを守ろうとしていたのだ――けれど――……。
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エウリカは呆然とそう呟き、この状況にシシュリカも息を飲んでいた。レウリオは知っていたのかその表情を変える事は無かったけれど、シシュリカの苦しそうな表情を見て確認するように黒い箱に目を落とした。
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ユーベルが途方に暮れた様子で、そう呟いた。
想定外の状況に、どうすれば良いのか分からないとでもいうように、オロオロとエウリカを見たりラットウェイ子爵を見たりした。
レウリオはこの状況に一瞬迷うような顔をしたけれど、エウリカとユーベルを完膚なきまでに叩き潰す気でいたので、黒い箱から水晶を取り出し、服の内ポケットに入っていた別の水晶を取りつける――。
シシュリカがそれを見て縋るようにレウリオを見たけれど、レウリオは硬い表情で首を振った。
____________________________________________________
誤字修正(2021.03.31)
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