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終章 愛される王妃は王宮生活を謳歌する
4.二人だけの結婚式と戴冠式
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王は宣旨を出して、私との婚姻解消を撤回した。
貴族の方々はとても喜んでくれて、私と王の部屋には毎日、彼らの領地から届いた名産品の贈り物があふれた。
近隣の国からもお祝いが届き、お騒がせしてすみません…という感じだった。
庶民はなんだかよく判らなかったようだが(私付きの小姓や侍女たちの家族談による)、まあとにかく王妃様が戻ってきたんなら良かったんじゃないの、という感じらしい。
私は公務をこなしつつお庭の改造に着手し、シモンと相談しながら精力的に進めていった。
王やジェルヴェも積極的に参加してくれて、私の思い通りの庭にしていく。
有名な建築家に設計をお願いしたという小さな宮殿は、最初はバルバストル公爵の要望でアンヌ=マリーのために建てられようとしていたらしい。
しかし、私が輿入れして割とすぐに王(当時は王太子)が建築家に変更を打診し、少しずつ最初の設計とは変えて私をイメージした宮殿にしていったのだという。
正方形の白い建物は、ケーキのようで可愛らしい。
窓がシンメトリーに配置され、幾何学的な表情もあり、私はとても気に入った。
内装はまだ未完成のところもあったけど、私の好みにして良いということで、私はルーマデュカ風とメンデエル風を建築家といろいろ考えながら融合させていった。
忙しい日々の中、季節は確実に進んでゆき、ルーマデュカに春が来た。
木々は葉が芽吹き花は咲き乱れ、王の部屋から眺める景色は遠くの方まで彩美しく染められていて私は暇があると飽かずに眺めた。
私の小さな庭にもシモンが丹精してくれた花々が美しく咲き乱れ、王と私は二人で、或いは友人たちと、また或いは侍女や小姓、クラウスたちと四阿でのピクニックを楽しんだ。
晩春のころ、もう暑くなってくる手前に、私と王は予てから計画していたことを実行に移した。
プチ・ル・エーヴルの礼拝堂で、二人だけの結婚式と戴冠式を行ったのだ。
王は私を離婚したまま、ルーマデュカに連れ帰ってもなし崩しのまま王妃として公務をしサロンを開き一緒に暮らしている私の待遇について考えていたらしい。
小さなお庭で、咲き誇る花を愛でながら二人でお茶をしていた時に王が言いだした。
「私とリンスターは、戴冠式の後に離婚したままだ。
私が正式にメンデエルへ求婚をしに行ってリンスターを連れ帰り、また宣旨を出したことで、巷間の理解としてはそなたは私の妃で公の場でも承認されているが、神の前できちんと誓ってそなたをもう一度妻にしたい。
それもあって、プチ・ル・エーヴルに礼拝堂を作らせたのだ」
そう言って王は私の手を取り、指先にキスして握った。
「私ともう一度、二人だけで結婚式をしよう。
戴冠も再度、そなたと国を治めていく覚悟を共有したい」
私は嬉しくて、涙をこぼす。
アンヌ=マリーとバルバストル公爵に遠慮して、見つめあうことさえ許されなかった結婚式を、二人だけで…
私は手を握る王の手に頬を寄せ「嬉しい…」と呟いた。
王は私を抱きしめて「愛しいリンスター、神の前でも夫婦になろう」と囁き、髪に何度も口づけた。
私は改めて王から贈られたウェディングドレスを着て、長いベールを被り、プチ・ル・エーヴルの礼拝堂の入り口で正装した王と腕を組み、祭壇まで歩いていく。
祭壇には司教様がいて、高窓に取り付けられた神の子の像を仰ぎ祝詞を捧げる。
そして私たちは神の御前で永遠の愛を誓い、口づけを交わした。
司教様は言祝ぎの言葉を唱え、私たちは夫婦になった。
それから私はベールを取り、戴冠を授かった。
首にまでずしんと来る重みに、この国の王妃としての責任を感じ、身が引き締まる思いがする。
王は「美しい、最高の妃だ」と囁いた。
ホントかなあ…
それは言い過ぎって言うか、王って結構、雰囲気に感情を左右されやすいよね。
まあでも、褒めてくれたんだから、今くらいは額面通り受け取って喜んでおこう。
冠は重いのでまたベールに替え、王と腕を組んで礼拝堂の外へ出ると、たくさんの人々がいて、色鮮やかな花びらをぱあーっと撒いた。
驚いて立ちすくむ私に、王が苦笑して囁く。
「秘密裏に進めていたはずだったんだが…
こういうことはなかなか、隠し果せないものだな。
皆がどうしても祝いたいと言ってくれて、こうなってしまった」
私と王が進んでいくと、皆がおめでとうございます陛下!陛下妃陛下万歳!と口々に言いながら花びらを撒いてくれる。
私は涙で視界が霞み、皆の笑顔を見たいと思うのにうつむいてしまった。
王が優しく私の涙を拭ってくれて「私たちが幸せになって、そして皆も幸せにするように、二人で力を合わせていこう」と言って、私は強くうなずいた。
これから先、辛いことや悲しいことがあっても、二人なら。
あなたと一緒ならきっと乗り越えていける。
貴族の方々はとても喜んでくれて、私と王の部屋には毎日、彼らの領地から届いた名産品の贈り物があふれた。
近隣の国からもお祝いが届き、お騒がせしてすみません…という感じだった。
庶民はなんだかよく判らなかったようだが(私付きの小姓や侍女たちの家族談による)、まあとにかく王妃様が戻ってきたんなら良かったんじゃないの、という感じらしい。
私は公務をこなしつつお庭の改造に着手し、シモンと相談しながら精力的に進めていった。
王やジェルヴェも積極的に参加してくれて、私の思い通りの庭にしていく。
有名な建築家に設計をお願いしたという小さな宮殿は、最初はバルバストル公爵の要望でアンヌ=マリーのために建てられようとしていたらしい。
しかし、私が輿入れして割とすぐに王(当時は王太子)が建築家に変更を打診し、少しずつ最初の設計とは変えて私をイメージした宮殿にしていったのだという。
正方形の白い建物は、ケーキのようで可愛らしい。
窓がシンメトリーに配置され、幾何学的な表情もあり、私はとても気に入った。
内装はまだ未完成のところもあったけど、私の好みにして良いということで、私はルーマデュカ風とメンデエル風を建築家といろいろ考えながら融合させていった。
忙しい日々の中、季節は確実に進んでゆき、ルーマデュカに春が来た。
木々は葉が芽吹き花は咲き乱れ、王の部屋から眺める景色は遠くの方まで彩美しく染められていて私は暇があると飽かずに眺めた。
私の小さな庭にもシモンが丹精してくれた花々が美しく咲き乱れ、王と私は二人で、或いは友人たちと、また或いは侍女や小姓、クラウスたちと四阿でのピクニックを楽しんだ。
晩春のころ、もう暑くなってくる手前に、私と王は予てから計画していたことを実行に移した。
プチ・ル・エーヴルの礼拝堂で、二人だけの結婚式と戴冠式を行ったのだ。
王は私を離婚したまま、ルーマデュカに連れ帰ってもなし崩しのまま王妃として公務をしサロンを開き一緒に暮らしている私の待遇について考えていたらしい。
小さなお庭で、咲き誇る花を愛でながら二人でお茶をしていた時に王が言いだした。
「私とリンスターは、戴冠式の後に離婚したままだ。
私が正式にメンデエルへ求婚をしに行ってリンスターを連れ帰り、また宣旨を出したことで、巷間の理解としてはそなたは私の妃で公の場でも承認されているが、神の前できちんと誓ってそなたをもう一度妻にしたい。
それもあって、プチ・ル・エーヴルに礼拝堂を作らせたのだ」
そう言って王は私の手を取り、指先にキスして握った。
「私ともう一度、二人だけで結婚式をしよう。
戴冠も再度、そなたと国を治めていく覚悟を共有したい」
私は嬉しくて、涙をこぼす。
アンヌ=マリーとバルバストル公爵に遠慮して、見つめあうことさえ許されなかった結婚式を、二人だけで…
私は手を握る王の手に頬を寄せ「嬉しい…」と呟いた。
王は私を抱きしめて「愛しいリンスター、神の前でも夫婦になろう」と囁き、髪に何度も口づけた。
私は改めて王から贈られたウェディングドレスを着て、長いベールを被り、プチ・ル・エーヴルの礼拝堂の入り口で正装した王と腕を組み、祭壇まで歩いていく。
祭壇には司教様がいて、高窓に取り付けられた神の子の像を仰ぎ祝詞を捧げる。
そして私たちは神の御前で永遠の愛を誓い、口づけを交わした。
司教様は言祝ぎの言葉を唱え、私たちは夫婦になった。
それから私はベールを取り、戴冠を授かった。
首にまでずしんと来る重みに、この国の王妃としての責任を感じ、身が引き締まる思いがする。
王は「美しい、最高の妃だ」と囁いた。
ホントかなあ…
それは言い過ぎって言うか、王って結構、雰囲気に感情を左右されやすいよね。
まあでも、褒めてくれたんだから、今くらいは額面通り受け取って喜んでおこう。
冠は重いのでまたベールに替え、王と腕を組んで礼拝堂の外へ出ると、たくさんの人々がいて、色鮮やかな花びらをぱあーっと撒いた。
驚いて立ちすくむ私に、王が苦笑して囁く。
「秘密裏に進めていたはずだったんだが…
こういうことはなかなか、隠し果せないものだな。
皆がどうしても祝いたいと言ってくれて、こうなってしまった」
私と王が進んでいくと、皆がおめでとうございます陛下!陛下妃陛下万歳!と口々に言いながら花びらを撒いてくれる。
私は涙で視界が霞み、皆の笑顔を見たいと思うのにうつむいてしまった。
王が優しく私の涙を拭ってくれて「私たちが幸せになって、そして皆も幸せにするように、二人で力を合わせていこう」と言って、私は強くうなずいた。
これから先、辛いことや悲しいことがあっても、二人なら。
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読ませて頂いて有難うございました。
感想ありがとうございます。
大変嬉しくまた有り難く思っております!
読みやすいと仰って頂けることは、文章力にも筆力にもストーリーテラーの才能にもまったく全然自信のない作者にとりましては最高にして最大のお言葉であります。
ありがとうございます。
登場人物たちの勝手な動きに作者がついていけず、スタバで2時間ぼさーっと考える、なんてこともありました笑
完結してホントに良かったです。
これも、このような駄作を読んでくださる暖かく心の広い読者の皆様がいてくださるからで、感謝の念に堪えません。
姉は…そうですね、言われてみれば愛妾向きかも。
でも嫉妬深そうだからな…ウザがられてポイなんてことも?
こちらこそ最後までお読みいただきありがとうございました。
またいつかどこかでご縁のあることを願って止みません。