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第八章 崩御と弾劾
3.意見のすり合わせ
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私たちは再び居間に移動し、とりあえず食事を摂る。
ジェルヴェとオーギュスト、クリスティーヌは王太子との会見の結果を知りたそうにしていたが、今は使用人の目も耳もあるし(信頼はしているけれど、話の内容が物騒に過ぎるので)話はできなかった。
「宮殿内にハラルフードが用意されているようになり、大変感謝しています。
部下の話では、市中の店にも置いてあるとか。
有難いことです」
ソロモンはそう言って両手を合わせる。
司厨長の配慮かな。
世界を渡り歩いてきたというあのシェフはやっぱりすごい。
私の前ではとても優しくて楽しい、お腹の突き出たおじさんだけれど、仕事にはとても厳しくて研究熱心で非常に頼りになる。
王太子は、ちゃんと食事摂れてるのかな…
とても疲れているようで最初からあまり顔色の良くなかった王太子を思い出して少し心配になった。
司厨長に相談してみようかしら。
王太子の好きな食べ物をアレンジして栄養価高い食事を作ってもらおう。
好きな食べ物を知らんけど。
アンヌ=マリーがあんな状態だし、詐欺事件のこともあって心配しているのだろう。
陛下のお加減も一進一退で、ガレアッツォ翁もこれ以上よくなられることはないだろうと言っていた。
私たちは楽しく食事を済ませ、片付けが終わるとソファの方に移動して人払いし、お茶を飲みながら話を始めた。
経緯は先ほど話してあるので、王太子との会見の模様と、そしてこれからの善後策を話し合う。
「そうか…フィリベールも最近元気がないなとは思っていました。
陛下のお加減についての心配だろうと考えていたのですが、アンヌ=マリー嬢もそんな状態だったのですね。
宮廷内でも、アンヌ=マリー嬢の言動について、最近特にエキセントリックだという噂はありました。
まあでも王太子のご愛妾ですしね、あまり悪くは言えないですよね」
ジェルヴェは私の隣に陣取り、苦い口調で話す。
「わたくしはネックレス事件の行方も気になりますけれど…
アンヌ=マリー様は相当打撃を受けていらっしゃるのではないかしら。
20日には、わたくしもエスコフィエ侯爵夫人のお誕生パーティに招かれておりますの。
ちゃんといつも通り振るまえるか、不安になってまいりましたわ」
クリスティーヌが細い両手で頬を抑える。
「私とご一緒に居ましょう、クリスティーヌ嬢。
二コラが話してくれた紋章から、どなたがこの作戦に荷担しているかが解りました。
まだ他に仲間がいると思われますし、20日までさまざまなパーティーにご一緒に参加して探りましょう」
オーギュストはクリスティーヌに優しく微笑みかけ、クリスティーヌは頬を染めてうなずいた。
「スレイマン殿下、先ほどのお話ですが…」
遠慮がちにクラウスが声をかけ、ソロモンは、ん?とクラウスの方へ顔を向ける。
「体術柔術に長けた兵を貸してくださるというのは本当でしょうか。
敵を生け捕りにできれば一番であると思ってはおりましたので」
ソロモンはお茶をひとくち口に含んでにこりと微笑む。
「本当だよもちろん。
成功した暁には、いろいろ考えてることもあるから、私も無料貸出しというわけではないしね」
そう言って、私の顔を見て楽しそうに笑った。
え、なに、策士の笑み…
「また皆で集まるときには、場所はここにしよう。
宮廷に出入りする者たちは皆、王太子妃の存在など歯牙にもかけていない、現在はね。
ここで私たちが何の話をしていても疑われることはないから一番安心な場だ」
ま、そうね、その通り。
私はジェルヴェの言葉にうなずく。
「しかし、この先はどうなるかな…」
と小さく呟いた言葉が聞こえていたのは私だけかもしれない。
メッセージの伝え方を皆で決めて、その日は解散になった。
ジェルヴェとオーギュスト、クリスティーヌは王太子との会見の結果を知りたそうにしていたが、今は使用人の目も耳もあるし(信頼はしているけれど、話の内容が物騒に過ぎるので)話はできなかった。
「宮殿内にハラルフードが用意されているようになり、大変感謝しています。
部下の話では、市中の店にも置いてあるとか。
有難いことです」
ソロモンはそう言って両手を合わせる。
司厨長の配慮かな。
世界を渡り歩いてきたというあのシェフはやっぱりすごい。
私の前ではとても優しくて楽しい、お腹の突き出たおじさんだけれど、仕事にはとても厳しくて研究熱心で非常に頼りになる。
王太子は、ちゃんと食事摂れてるのかな…
とても疲れているようで最初からあまり顔色の良くなかった王太子を思い出して少し心配になった。
司厨長に相談してみようかしら。
王太子の好きな食べ物をアレンジして栄養価高い食事を作ってもらおう。
好きな食べ物を知らんけど。
アンヌ=マリーがあんな状態だし、詐欺事件のこともあって心配しているのだろう。
陛下のお加減も一進一退で、ガレアッツォ翁もこれ以上よくなられることはないだろうと言っていた。
私たちは楽しく食事を済ませ、片付けが終わるとソファの方に移動して人払いし、お茶を飲みながら話を始めた。
経緯は先ほど話してあるので、王太子との会見の模様と、そしてこれからの善後策を話し合う。
「そうか…フィリベールも最近元気がないなとは思っていました。
陛下のお加減についての心配だろうと考えていたのですが、アンヌ=マリー嬢もそんな状態だったのですね。
宮廷内でも、アンヌ=マリー嬢の言動について、最近特にエキセントリックだという噂はありました。
まあでも王太子のご愛妾ですしね、あまり悪くは言えないですよね」
ジェルヴェは私の隣に陣取り、苦い口調で話す。
「わたくしはネックレス事件の行方も気になりますけれど…
アンヌ=マリー様は相当打撃を受けていらっしゃるのではないかしら。
20日には、わたくしもエスコフィエ侯爵夫人のお誕生パーティに招かれておりますの。
ちゃんといつも通り振るまえるか、不安になってまいりましたわ」
クリスティーヌが細い両手で頬を抑える。
「私とご一緒に居ましょう、クリスティーヌ嬢。
二コラが話してくれた紋章から、どなたがこの作戦に荷担しているかが解りました。
まだ他に仲間がいると思われますし、20日までさまざまなパーティーにご一緒に参加して探りましょう」
オーギュストはクリスティーヌに優しく微笑みかけ、クリスティーヌは頬を染めてうなずいた。
「スレイマン殿下、先ほどのお話ですが…」
遠慮がちにクラウスが声をかけ、ソロモンは、ん?とクラウスの方へ顔を向ける。
「体術柔術に長けた兵を貸してくださるというのは本当でしょうか。
敵を生け捕りにできれば一番であると思ってはおりましたので」
ソロモンはお茶をひとくち口に含んでにこりと微笑む。
「本当だよもちろん。
成功した暁には、いろいろ考えてることもあるから、私も無料貸出しというわけではないしね」
そう言って、私の顔を見て楽しそうに笑った。
え、なに、策士の笑み…
「また皆で集まるときには、場所はここにしよう。
宮廷に出入りする者たちは皆、王太子妃の存在など歯牙にもかけていない、現在はね。
ここで私たちが何の話をしていても疑われることはないから一番安心な場だ」
ま、そうね、その通り。
私はジェルヴェの言葉にうなずく。
「しかし、この先はどうなるかな…」
と小さく呟いた言葉が聞こえていたのは私だけかもしれない。
メッセージの伝え方を皆で決めて、その日は解散になった。
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