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もふってよいのだぞ?

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薄暗く雑然とした研究室で、1人の男が高笑いをしていた。明るい癖のある茶髪は腰まで伸びており、顔立ちは凛々しく整っている。すらっと背が高く、細身ながらバランスのとれた身体付きをしている。馬鹿みたいに高笑いをしていなければ、まるで物語に登場する王子様のように美しい男だ。


「ふははははっ!!待っていろ!ダーリン!俺の魅力にメロメロになるがいいわぁ!はーっはっはっはっは!!」


男は高笑いを止め、開発したばかりの魔術を展開させた。
魔術が発動した後、男の姿は無くなり、1匹の獣が現れた。明るい茶色い毛並みに、つぶらな黒い瞳、やや長めの毛並みをした大型犬である。すっとした凛々しい顔立ちで、まるで猟犬のようだ。
大型犬は突進するように研究室のドアを開け、真っ直ぐに愛しのダーリンの元に駆け出した。

これは馬鹿な天才バスティアーンの求愛の物語である。






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ブローズは爽やかな朝の陽射しを浴びながら、のんびりと朝市で買い物をしていた。ブローズは魔術師として王宮で働いており、普段は中々朝市に来ることはできない。たまの休みの日に朝市で新鮮な食料品を買い、自炊をするのがブローズの楽しみである。
職場には天才だが馬鹿な同僚がいて、何かと気疲れする日々を過ごしている。休みの日にこうしてのんびりと買い物を楽しまないと、正直やっていられない。少し高めの肉の塊を買った。今夜は思い切って貰い物の高級ワインで煮てみようかと思う。ブローズは下戸だから、お高い希少性の高いワインでも躊躇なく料理に使う。
柔らかい春の風がブローズの褪せた色合いの金髪を揺らした。魔術の媒体に使うことあるので、髪は腰のあたりまで長く伸ばしている。癖はないが、猫っ毛なので絡まりやすいのが悩みだ。ブローズは、地味な色合いの金髪に、ありふれた青い瞳を持ち、顔立ちも極々普通である。背はひょろりと高いが、猫背なので普通に見える。
目当てのものを買ったブローズが、道端の隅っこに寄り、分厚いレンズの眼鏡を外してハンカチでレンズを拭いていると、背後から『わふっ!』と犬の鳴き声がした。眼鏡をかけながら振り返れば、大きな明るい茶色の犬が尻尾をぶんぶん振りながらお座りしていた。ブローズは頬を緩めて、まるで猟犬のように凛々しい顔立ちの犬の前にしゃがんだ。犬を驚かせないように、静かにゆっくりと犬の顔の下に手を差し出した。犬はふんふんとブローズの手の匂いを嗅ぎ、ブローズの指先をペロッと舐めた。ブローズは笑みを浮かべて、犬を驚かせないようにゆっくりと首の辺りを撫でた。豊かな長めの毛並みに沿って優しく撫でると、犬が嬉しそうに益々尻尾を大きく振り、飛びつくようにしてブローズの頬を舐めてきた。ブローズは小さく笑い声を上げた。
ブローズは大の犬好きである。お別れするのがどうしても辛いので、子供の頃に愛犬を亡くして以来、犬を飼ってはいない。時折、近所の老爺の家の愛犬を散歩させてもらっている。老爺は足が悪く、中々愛犬を満足に散歩させてあげられない。犬は飼いたくないが、犬が大好きなブローズは、老爺から愛犬の散歩を請け負っている。

ブローズの肩に前足を置いて、犬がペロペロとブローズの顔を舐め回している。顔が涎まみれになるが、完全にご褒美である。ブローズは笑いながら、逞しく締まった犬の背中を撫で回した。


「ははっ。お前、どこの子だ?懐っこいなぁ」

「ブリアード家の子だな」

「そっかー。ブリアード家の……ん?」

「ん?」

「なんか今誰か喋ったな」

「俺が喋ったな」

「あ、飼い主さんが近くにいるのか」

「喋ったのは俺だな」

「他所様のわんこを撫で回しちゃったなぁ。飼い主さんに謝らないと」

「謝る必要はないぞ。もっと撫でろ」

「やー。変だなぁ。近くに飼い主さんも誰もいないなぁ」

「2人っきりだな。ダーリン」


わふっと満足気に小さく声を出し、犬がぐりぐりと濡れた鼻先をブローズの頬に押しつけた。
気づきたくなかったことに気づいてしまった。嫌な予感がビシバシする。背中を冷たい汗が流れていく。
犬が喋る訳がない。ましてや、馬鹿な天才、いや天才だけど馬鹿の声を出す訳がない。
ブローズはすっと撫で回していた犬の身体から手を離した。パッと立ち上がると、犬が尻尾をぶんぶん振りながらブローズを見上げてきた。
ブローズは眼鏡を外して、目頭を強く押さえた。


「……僕、疲れ過ぎてるんだな。帰って寝よう」

「うむ。俺が抱き枕になってやろう」

「やー。だめだー。本当に疲れてるー。幻聴が聴こえるなんてヤバいなー」

「幻聴ではないぞ」

「犬が喋る訳がない」

「当たり前だ。俺は天才バスティアーン・ブリアード様だ」

「よし。帰って寝よう。僕は何も見なかった」

「さぁ!ダーリン!思う存分もふもふするがいいぞ!」


すたすたとその場から早歩きで歩き出したブローズの足に絡みつくようにして、喋る犬がついてくる。完全に知り合いの声に似ているが、関わり合ったら負けである。ブローズは嫌な汗をだらだら流しながら、できるだけ足元を見ないように真っ直ぐに家へと帰った。





------
「おぉ。ここがダーリンの家か。狭くてボロいが中々いいな。ダーリンの匂いで満ちている」


知り合いの声で喋る犬はブローズの家まで着いてきて、ちゃっかり家の中にまで入ってきた。見た目はすごく好みの犬だ。凛々しくて格好良く、つぶらな瞳が愛らしい。でも喋っている。ブローズは自分の頭がおかしくなったのかと、頭を抱えてソファーにぐったりと座り込んだ。
居間中の匂いを嗅いで回っていた犬が、ブローズの膝にちょこんと顎を乗せた。ぐぅっ。可愛い。知り合いの声で喋る非常識な犬だが、見た目だけは可愛い。今すぐ撫で回したい。
ブローズがギリギリと奥歯を噛み締めて、犬を撫で回したい衝動に堪えていると、犬が口を開いた。


「ダーリン。ダーリンの大好きな犬になったんだ。ちゃんと責任とって飼ってくれ」

「なんの責任!?ていうか、本当にバスティアーンなのか!?」

「そうだぞ」

「その姿は何事だ!?今度は何をやらかしやがった!」

「ダーリンの好きな犬になってみただけだ。ほれ。もふってもよいのだぞ?ふわふわだぞ?もふもふだぞ?愛いであろう?ん?ん?」

「くっ……つぶらな瞳で見つめるなっ……」

「くくくっ。素直になってしまえ。俺を撫でたいのだろう?」

「ぼ、僕は屈しないぞっ!なんでこんな馬鹿な真似をやらかしたんだ!早く元に戻れ!」

「だってー。ダーリンがいつになっても俺に愛を囁いてくれないしー。撫でてもくれないしー」

「僕は異性愛者だ」

「俺の美しさは男女のそれを超越している」

「馬鹿か。どこからどう見ても男だろ」

「元に戻る方法は1つだけだ」

「方法がちゃんとあるなら、さっさと戻れ。明後日は重要会議だぞ」

「セックスだ」

「……は?」

「セックスをすれば元に戻る」

「……誰と誰が?」

「俺とダーリンに決まっているだろ」

「……他に戻る方法は」

「ないな」

「……こんのぉ、馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!」

「はーっはっはっは!俺を元に戻したければセックスをしろぉ!」

「犬とセックスなんてできるかぁぁぁぁ!!獣姦じゃないかっ!変態じゃないか!!」

「え?そういう意味で犬が好きなんじゃないのか?」

「違うわ馬鹿ぁぁぁぁ!!そんな訳あるかぁぁぁぁ!!」

「えー。いや、俺はまたてっきり……」

「なんっで!そんなあり得ない性癖だと思ってたんだよ!人を何だと思ってるんだ!!」

「美しい俺に惚れない犬好きの変態」

「殴っていいか」

「動物虐待反対」

「あぁぁぁぁもう!!この馬鹿っ!ほんと馬鹿っ!どうしようもない馬鹿っ!!」

「そんなに興奮すると血圧が上がるぞ」

「だ・れ・の・せ・い・だ・と」

「ふふん。ダーリンの愛しのハニーたる俺だな」

「全力で殴りたい」

「もふもふなら好きなだけしていいぞ」

「くっそぉ!このっ!このっ!」

「わふぅっ!あぁん!ダーリンのテクニシャンッ!!」

「こんのぉ!いい毛並みしやがってぇぇ!!」

「ふははははっ!!俺の素敵な毛並みに酔いしれるがいいわ!」

「この馬鹿ぁぁぁぁぁぁ!!」


ブローズはなんとか落ち着くまで、犬改め馬鹿のもふもふな毛並みを撫で回しまくった。

ブローズは自分用に珈琲を淹れた。馬鹿には本人のリクエストで、少しだけ温めた牛乳を深皿に注いでやった。珈琲の香りで少しだけ気分が落ち着いた。


「バスティアーン」

「ん?なんだ。ダーリン」

「本当にセックスしか解除の方法はないのか」

「ない。それもダーリン限定だ。そう魔術を開発したからな」

「……ほんとヤダこの馬鹿。無駄に才能があるから性質が悪すぎ……」

「俺としては、このまま犬として飼ってくれても構わんのだが」

「それは無理だ。明後日の会議はお前が主体なんだぞ。次の研究予算をもぎ取る為の大事な会議だ。今すぐでも元に戻ってもらわないと困る。魔術師長も絶対ブチ切れるぞ」

「……魔術師長を怒らせるのはちょっと……」

「考えなしの馬鹿野郎め。魔術師長に怒られてしまえ」


ブローズ達の上司である魔術師長は、普段はとても穏やかな優しい人物だが、怒るとめちゃくちゃ怖い。いい歳してガチで泣いちゃうくらい怖い。
怒られるところを想像したのか、馬鹿が股の間に尻尾を潜り込ませ、きゅーんと情けない声を出した。ピンと立っていた耳までしゅんとしている。くっそ腹立つことに、くっそ可愛い。相手は馬鹿なのに。
ブローズが貧乏揺すりをして、馬鹿を撫で回したい衝動に堪えていると、馬鹿が鼻先をブローズの腹にぐいぐい押しつけてきた。


「しょうがないから抱いてくれ。ダーリン。あ、初めてだから優しくしてくれ」

「できるか馬鹿」

「頑張れ」

「頑張ってどうこうできる問題じゃない。犬相手に勃つ訳ないだろ」

「うーん。ちょっぴり計算外。大喜びのダーリンに獣のように犯されることを想定していたんだが」

「お前はどんだけ人のことを変態認定してやがったんだ」

「よし。ダーリン」

「何だ」

「しょうがないから俺が抱こう。尻を出してくれ。本当は抱かれたかったんだが、ダーリンのダーリンが使い物にならないのなら仕方がない」

「色々言いたいことはあるが、とりあえずお前を殴りたい」


ブローズはギリギリと奥歯を強く噛み締めた。
馬鹿を元に戻さないと、ブローズまで魔術師長に怒られてしまう。何故かブローズは馬鹿のお世話係に認定されてしまっている。馬鹿の方が一応先輩なのだが、天才だが馬鹿なことばかりをやらかす馬鹿のお目付け役を押しつけられて早5年。何度胃に穴が開くような思いをしたか、分からない。
今回は過去最大の馬鹿をやらかしやがった。きゅんきゅんと子犬のように可愛く鳴く馬鹿が心底可愛くて腹が立つ。ブローズは苛立ちを抑える為に、馬鹿の身体をわしゃわしゃと撫で回した。

馬鹿の腹まで思う存分撫で回した後、ブローズは腹を括ってズボンとパンツを脱ぎ捨てた。据わった目で寝室へと移動する。こうなればヤケだ。ヤッてやろうではないか。
馬鹿はご機嫌に尻尾をふりふりしながらブローズの後を着いてきて、寝室に入るなり、ブローズのベッドに飛び上がった。枕の匂いを嗅いで、ぶんぶんと派手に尻尾を振っている。

ブローズは台所から取ってきたオリーブ油の瓶をぽんっとベッドに転がして、ベッドの上に上がった。腰の辺りに手を当てて、直腸に浄化魔術をかける。
馬鹿に言われるがままに四つん這いになり、上体を伏せて、尻だけを高く上げた体勢になった。
馬鹿にすんすんと尻の匂いを嗅がれる。ブローズは死んだ魚と親友になれそうな濁った目で、大きな溜め息を吐いた。


「はぁはぁ……ダーリンのアナル……ダーリンのアナル……」

「気持ちが悪い」

「ダーリンのアナルは可愛いな。思っていたよりも色が濃い。それにちょっと毛が生えている」

「解説するな」

「わふっ!ペロペロしちゃうぞ!」

「元に戻ったら顔面の形が変わるまで殴る。絶対にだ」

「はぁはぁ……ダーリン、ダーリン……アナルも可愛いぞ」


ぬるっとしたものがブローズのアナルに触れた。べろべろと大きな舌でアナルを舐め回される。中々に屈辱である。アナルを舐められるなんて初めてだ。娼婦にだってされたことがない。ちなみに、ブローズは素人童貞である。恋人なんてできたことはない。
馬鹿の熱い舌で舐められまくっているアナルがじわじわ気持ちいいのが尚更腹が立つ。舌先を捻り込ませるようにして、アナルの中も舐められた。背筋がぞわぞわして、なんだか変な声が出てしまいそうだ。ものすごく腹立たしいが、気持ちがいい。どうやらブローズはアナルの才能があったようである。死ぬまで知りたくなかった。
ブローズは、ふっ、ふっ、と浅く速い呼吸をもらしながら、馬鹿にアナルを舐められる快感に堪えた。

馬鹿が満足するまでアナルを舐め回された後、ブローズはオリーブ油を使って、馬鹿が見ている前で自分でアナルを解した。馬鹿が舐めたくらいじゃ絶対にアナルが切れる。痛い思いをしたくないし、流血沙汰も嫌だ。ブローズは嫌嫌ながら、自分のアナルに指を突っ込んだ。
時間をかけて指が3本入るまでアナルを慣らした。途中で見つけてしまった噂に聞く前立腺の刺激で、ブローズは完全に勃起してしまった。ちなみに、ブローズが指で自分のアナルを慣らしている間、馬鹿はずっとブローズの尻肉や内腿辺りを舐め回していた。
ぬちゅぬちゅと粘着質な音をさせながらアナルに指を抜き差ししていると、馬鹿がブローズの指を舐めた。


「ダーリン。そろそろ大丈夫だろう」

「はっ、くぅ……」

「ん?ん?気持ちいいのか?ダーリン。俺の前でアナルに指を突っ込んでオナニーするのが」

「そんな訳あるか」

「わふわふ。ダーリン。そんなにはしたなくアナルをひくひくさせてたら説得力ないぞ」

「ぶん殴りたい」


ブローズは額に青筋を浮かべて、ぬぽっと指をアナルから引き抜いた。馬鹿がブローズの背に伸し掛かってくる。素直に重い。
オリーブ油で濡れたアナルに、固いものが触れた。オリーブ油の滑りを借りて、ずるぅっと奥深くまで一気に熱くて長い固いものがアナルの中に入ってくる。
ブローズは異物感と圧迫感が苦しくて、低く唸った。
すぐに馬鹿が腰を振り始めた。太くて長いものが内壁をゴリゴリ擦りながら、激しく動き回っている。


「ダーリンッ、ダーリンッ、あぁ……堪らなく気持ちいい」

「はっはっはっ、くっ、うぁっ、ふぐっ」

「あぁぁぁ、出るっ、出てしまうっ」

「とっとと、出せっ!」

「ダーリンッ!ダーリンッ!わふーんっ!!」

「あぁぁぁぁぁっ!!」


めちゃくちゃにアナルの奥を突き上げられ、一際強く突き上げれたかと思えば、熱いものが腹の奥に広がった。馬鹿犬に中に射精された。
精液を出し切るようにずりゅずりゅと何度もペニスをアナルに抜き差しされ、その後、息も絶え絶えな状態のブローズの尻に繋がったまま尻をくっつけるように、馬鹿が百八十度方向転換した。ペニスの根元が瘤のように膨れ上がっていて、こうなると長い射精を終えるまでペニスを抜くことができない。
ブローズは半べそをかきながら、どんどん熱く膨れていく自分の下腹部を手で押さえた。

小半刻を過ぎて、漸く馬鹿のペニスがブローズのアナルから抜け出ていった。ブローズのアナルはぽっかり口を開けてしまい、栓をしていたペニスが無くなると、ぶりゅぶりゅっと排泄のような音を立てて馬鹿の精液が飛び出てしまった。
恥ずかしさを感じる余裕もない。ブローズはぜぃぜぃと掠れた息を吐きながら、ぐったりとベッドに力なく伏せった。


「ダーリン」


馬鹿の声が頭上からして、ブローズはのろのろと枕に伏せていた顔を上げた。腹立つくらい凛々しく整った美しい男が、楽しそうな笑みを浮かべてブローズを見下ろしていた。


「戻ったぞ」

「……なぐる」

「ふふっ。その前に……」

「あ、あぁっ!?」

「あぁっ。ダーリンの中は堪らなく気持ちがいいな」

「ちょっ、やめっ、なんでっ」

「こんな美味しそうなダーリンをいただかない道理はないだろう?」

「こんのっ、ばかぁぁぁぁぁぁ!」

「あぁっ!そんなに締めないでくれ、ダーリン。気持ちよすぎて出てしまうじゃないか」

「あっ!あっ!あっ!あぁっ!うご、うごくなぁ!」

「はっはっは。無理だ」

「ひんっ!んぁっ!やぁ!あぁっ!」

「ん?ん?ここか?ここがいいのか?」


犬の時程ではないが、大きな太いペニスが蕩けたブローズのアナルの中を掻き回して、ゴリゴリ内壁を激しく擦ってくる。太いカリで前立腺をぐりぐりされると、堪らなく気持ちよくて、ブローズはきゅっと馬鹿のペニスをキツくアナルで締めつけた。前立腺ばかりを集中的にごりごり擦られたかと思えば、長いストロークでガンガン奥までアナルの中を激しくペニスで擦られまくる。目の裏がチカチカするような強烈な快感に襲われ、ブローズは啜り泣きながら喘いだ。シーツに擦れるブローズのペニスは萎えることなく勃起したままで、射精したくて堪らず、ペニスをシーツに押しつけるように腰が勝手にくねってしまう。
俯せに寝転がったブローズの身体に覆いかぶさった馬鹿が激しく腰を使いながら、ブローズの肩に噛みついてきた。鋭い痛みに、ブローズは大きな声を上げて、アナルでキツく馬鹿のペニスを締めつけ、まるで漏らすかのようにシーツに射精した。
身体をビクビク震わせてイッているブローズのアナルの中を、馬鹿のペニスが容赦なく暴れ回っている。ブローズは堪らず意味のない声を上げて、身体を震わせた。

結局、ブローズが開放されたのは、夜も更けた頃だった。






------
ブローズは腰とアナルの痛みに呻きながら、ベッドの下に全裸で正座させた馬鹿をビシッと指さした。


「おい。馬鹿」

「なんだ。ダーリン」

「この事は忘れろ。なんなら記憶が無くなるまで僕が殴る」

「嫌だ。ダーリンとの甘い初夜の記憶を忘れる訳がないだろう」

「どこが甘い初夜だ。駄犬」

「ふふっ。そんなこと言ってー。ダーリンだって何度もイッてたじゃないか。まさか初めてなのに中でイクとは思わなかった」

「その口を縫いつけられたいか」

「ダーリンはいやらしいな」

「殴る。むしろ顔面を擦り下ろす」

「私の童貞を捧げたのだから、当然責任はとってくれるよな?ダーリン」

「断る。嫌だ」

「ダーリン」

「……なに」

「愛してるよ。ダーリンが気に入ったのなら、また犬の姿にもなろう。ダーリンが俺を愛してくれるのなら、どんな形でも構わない」

「……セックスは2度としない」

「犬の姿では?でもダーリンだって気持ちよさそうだったぞ?」

「殴りたい」

「ふふん。図星か。ダーリン」


ブローズは額に青筋を浮かべて、ギリギリと奥歯を強く噛み締めた。
浮かれた様子の馬鹿にとても腹が立つ。今すぐ動けるのなら、全力で殴るのに。
そんなブローズの様子を見ながら、馬鹿がにっこりと笑った。


「ダーリン。俺から逃げられると思うなよ?なにせ、俺は稀代の天才バスティアーン様だ。いっそダーリンを監禁するのも吝かではないな」

「やめろ」

「でも一緒に仕事をするのも楽しいから、今はまだ自由でいさせてあげよう。ふふっ。俺って優しいなぁ」

「優しい人間は監禁するとか言わない」

「はっはっは。ダーリン」

「なんだよ」

「愛してる。早く俺に絆されてくれよ」

「……絶対やだ」


ブローズは大きな溜め息を吐いた。

結局、10年後には絆されて2人で一緒に暮らし始めるのだが、それはまた別のお話で。



(おしまい)

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