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年が変わる頃、急ピッチで建築されていた新たな神殿が完成した。
神子達は皆8割方、魔力が回復しており、リーもつい一週間前に元の姿に戻っていた。
年が変わる前に終わらせてしまおうと、完成の二日後に封印結界を張ることになった。
ミーシャ達は今回は着いていかない。
そこで、結界を張り終えた後、軽くつまめるようにと、冬季休みで帰ってきていたマーシャル達と一緒に、オニギリやサンドイッチを作って、同行する神官長のムティファに持たせた。
マーサ達を見送った後、皆で温かくて甘いミルクセーキを飲みつつ、暫し、まったりした。
「やれやれ、やっと終わったな」
「まだ終わってないぞ。今日の結界でまた魔力を大量に消費するからな。暫くは皆、うちで養生するだろうよ」
「まぁ、でも瘴気がらみは、これで一段落だろう?」
「まぁな」
「皆、無事に終わって良かったね」
「だなぁ」
「でも、髪を切っちゃったのが勿体ないわ。私、母上やマーサ様達の長い髪好きだったのに」
「結界の要にするんだから仕方がないさ。それに、生きてればそのうちまた伸びるよ」
「そうだけどなぁ……」
「まぁ、気持ちは分からんでもないがな」
「皆とっても綺麗だものね」
「ねー」
「ミーシャはどうするんだ?マーサ達が完全に回復するまで、こっちにいるのか?」
「んー。いやぁ?職場からは封印結界を張るまでは、って言われてるから、年が明けて、規定の冬季休み明けには王都に戻るわ」
「あぁ、じゃあ戻りはミィも一緒か」
「そうなるわね」
「ミーシャがいなくなると、ステーキ要員とカレー要員が一度にいなくなることになるなぁ」
「しょうがないさ。ミーシャだって本来は王宮で働いているんだから」
「戻る前にカレーのスパイス調合だけ、作り置きしといてくれるか?」
「いいわよ。なんだったら、王都に戻った後も、なくなったら送るわよ」
「頼む。マーサを除いたら、ミーシャのカレーが一番旨いからな」
「ふふっ。ありがと」
皆がミルクセーキを飲み終わると、立ち上がって其々動き出した。ミーシャもお腹を空かせて帰ってくるであろうマーサ達のために昼食の準備に取りかかった。
ーーーーーー
魔力が十分ではなく、ヘロヘロの状態で帰って来たマーサ達だが、一仕事を終えたと、皆晴れ晴れとした顔をしていた。
それを見て、ようやく終わったのだと、心から安堵した。
ミーシャは冬季休み明けには王都に戻る旨をマーサ達に伝えた。
リー達が、寂しくなると言ってくれたことが嬉しかった。
ーーーーーー
それから、あっという間に年が明けて、冬季休みもあと一日という日の午前中にミーシャ達は王都に戻ることにした。
長く家を空けているため、仕事に行く前に家を少々片付けないといけないためだ。
神子達を含め、家族皆に見送られた。
リーには、完全復活したら火竜に乗って王都に会いに行くと言われた。
ミーシャは嬉しくて、家族と同じようにハグをして別れた。
とても大変な日々だったが、皆生きていて、新たな大事な友達もできた。
ミーシャは弟達と共に晴れ晴れとした顔で転移陣に入った。
神子達は皆8割方、魔力が回復しており、リーもつい一週間前に元の姿に戻っていた。
年が変わる前に終わらせてしまおうと、完成の二日後に封印結界を張ることになった。
ミーシャ達は今回は着いていかない。
そこで、結界を張り終えた後、軽くつまめるようにと、冬季休みで帰ってきていたマーシャル達と一緒に、オニギリやサンドイッチを作って、同行する神官長のムティファに持たせた。
マーサ達を見送った後、皆で温かくて甘いミルクセーキを飲みつつ、暫し、まったりした。
「やれやれ、やっと終わったな」
「まだ終わってないぞ。今日の結界でまた魔力を大量に消費するからな。暫くは皆、うちで養生するだろうよ」
「まぁ、でも瘴気がらみは、これで一段落だろう?」
「まぁな」
「皆、無事に終わって良かったね」
「だなぁ」
「でも、髪を切っちゃったのが勿体ないわ。私、母上やマーサ様達の長い髪好きだったのに」
「結界の要にするんだから仕方がないさ。それに、生きてればそのうちまた伸びるよ」
「そうだけどなぁ……」
「まぁ、気持ちは分からんでもないがな」
「皆とっても綺麗だものね」
「ねー」
「ミーシャはどうするんだ?マーサ達が完全に回復するまで、こっちにいるのか?」
「んー。いやぁ?職場からは封印結界を張るまでは、って言われてるから、年が明けて、規定の冬季休み明けには王都に戻るわ」
「あぁ、じゃあ戻りはミィも一緒か」
「そうなるわね」
「ミーシャがいなくなると、ステーキ要員とカレー要員が一度にいなくなることになるなぁ」
「しょうがないさ。ミーシャだって本来は王宮で働いているんだから」
「戻る前にカレーのスパイス調合だけ、作り置きしといてくれるか?」
「いいわよ。なんだったら、王都に戻った後も、なくなったら送るわよ」
「頼む。マーサを除いたら、ミーシャのカレーが一番旨いからな」
「ふふっ。ありがと」
皆がミルクセーキを飲み終わると、立ち上がって其々動き出した。ミーシャもお腹を空かせて帰ってくるであろうマーサ達のために昼食の準備に取りかかった。
ーーーーーー
魔力が十分ではなく、ヘロヘロの状態で帰って来たマーサ達だが、一仕事を終えたと、皆晴れ晴れとした顔をしていた。
それを見て、ようやく終わったのだと、心から安堵した。
ミーシャは冬季休み明けには王都に戻る旨をマーサ達に伝えた。
リー達が、寂しくなると言ってくれたことが嬉しかった。
ーーーーーー
それから、あっという間に年が明けて、冬季休みもあと一日という日の午前中にミーシャ達は王都に戻ることにした。
長く家を空けているため、仕事に行く前に家を少々片付けないといけないためだ。
神子達を含め、家族皆に見送られた。
リーには、完全復活したら火竜に乗って王都に会いに行くと言われた。
ミーシャは嬉しくて、家族と同じようにハグをして別れた。
とても大変な日々だったが、皆生きていて、新たな大事な友達もできた。
ミーシャは弟達と共に晴れ晴れとした顔で転移陣に入った。
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