一年間ハッスルしないと死ぬ魔法をかけられたんだが、相手は心底嫌いな奴ぅぅ!!

丸井まー(旧:まー)

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27:開き直るか否か

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 ライアンは、ここ暫く悩んでいた。レックスのことを可愛いと認めるか否か。認めたくはないのだが、ライアンの手料理をもりもり美味そうに食べたり、楽しそうにキスをしてセックスをするレックスが、最近、どうにも可愛く思えて仕方がない。眠るレックスに、こっそりキスをしてしまうくらいである。

 犬猿の仲だったレックスのことを好きだとは認めたくないし、可愛く思っていることも認めたくない。が、ちょっとでも油断すると、態度や行動に出ている気がする。
 レックスの好物を頻繁に作っているし、セックスをする時以外でもたまにくっついてくるレックスを殴る気が起きない。むしろ、レックスがくっついてくると、気分がいい。

 素直に認めたくはない。が、認めてしまわないといけない気もしてくる。年越しの日を過ぎ、新年を迎えて、早くも一ヶ月。レックスとの今の生活は、あと三ヶ月程で終わってしまう。ライアンは、割と最近、レックスがいない生活を思い描けない自分に気づいてしまった。これは由々しき事態である。

 仮に、ライアンがレックスのことを好きだと仮定する。レックスに愛を囁く自分を想像して、ライアンはぞわっと鳥肌が立った。無い。素直に気持ちが悪い。相手はレックスだ。レックスに『好き』だの『愛してる』だの言うなんて、キモ過ぎる。

 しかしである。レックスの存在がライアンの中に深く入り込んでいるのも、素直に認めたくはないが、事実である。レックスに愛を囁くなんてことは死んでもしたくないが、レックスと今の生活を続けたい気はする。セックスは、流石に回数を減らしたいが、それでもレックスとセックスがしたいし、毎日美味そうに幸せそうにライアンの手料理を食べるレックスを見続けたい。

 ライアンは、悶々と悩みながら、手早く昼食を作り上げた。今日の昼食は、レックスの好物の一つである、揚げた鶏肉に卵ソースをかけたものだ。温野菜サラダや野菜スープと共に居間に運べば、レックスがテーブルの上を見て、キラキラと嬉しそうに目を輝かせた。全くを以て不本意だが、正直可愛い。ガツガツと美味しそうに食べるレックスを眺めていると、不思議な満足感で胸の中が満たされる。

 認めたくはない。認めたくはないのだが、そろそろ認めなくてはいけないのだろうか。ライアンは、むぅっと唇を尖らせたまま、無言で目をキラキラと輝かせてお代わりをねだってくるレックスから、キレイに空っぽになった皿を受け取り、山盛りにお代わりをついでやった。

 昼食の後片付けが終わったら、今日も今日とてセックスの時間である。
 ライアンが熱いシャワーを浴びて全裸で自分の部屋に行くと、レックスが布団に包まって丸くなっていた。ぴょこっと布団から顔を出したレックスが、ライアンに声をかけてきた。


「さっさと来いよ。さみぃ」

「デブだから寒くもねぇだろ」

「誰がデブだごらぁ」

「てめぇだ。デブ。腹肉掴めるレベルのデブ」

「てめぇの飯が美味いのが悪い」

「他人のせいにすんな。デブ」


 ライアンはすたすたとベッドに近づき、ベッドに上がって、レックスが包まっている布団の中に潜り込んだ。レックスの体温で温くなっている布団の中が心地いい。
 ライアンは、布団の中でレックスの身体を抱きしめ、レックスの唇にキスをした。ちゅっ、ちゅっ、と戯れ合うようにお互いの唇を優しく吸い合う。触れているレックスの肌の感触にムラッとして、自然とペニスが勃起してしまう。

 もっと、レックスに深く触れたい。ライアンは、気が済むまでレックスと長いキスをすると、レックスの肌に舌を這わせ始めた。邪魔な掛け布団を蹴り落として、レックスの肌を舌で味わう。ちょっとだけぷっくりと肥大した気がする乳首を、レックスが好きな力加減でちゅくちゅく吸うと、レックスが気持ちよさそうな声を上げながら、ライアンの髪をかき混ぜるように、ライアンの頭を撫で回した。別に嬉しくなんかない。いや、ぶっちゃけると、ちょっと嬉しい。本当に不本意であるが、レックスとイチャついているようで、割と気分がいい。

 ライアンは、レックスの身体を舐め回し、四つん這いになったレックスのアナルまで舐めまくりながら、頭の片隅で、ぼんやりと思った。もういっそのこと、開き直った方がマシではないだろうか。悶々と悩むのにも、なんだか疲れてきた。レックスに対して、『好き』だの『愛してる』だの、言う気は更々ない。だが、レックスがいない生活には、もう戻れる気がしない。

 ライアンは、丁寧にレックスのアナルを指で解した後、自然とガチガチに勃起したペニスをレックスのアナルに押し込みながら、尻えくぼがあるレックスの白い尻を撫で回した。レックスの尻は、少しだけ肉付きがよくなり、むにむにと揉めるようになっている。レックスの尻肉を揉みしだき、腰を振りながら、レックスの脇腹を撫で、むにっと微妙に掴めるようになった腰のあたりの肉を掴んで、レックスの尻に下腹部を強く打ちつける。部屋に響くレックスの汚い喘ぎ声が、妙に興奮を煽ってくる。肉付きがよくなったレックスの白い尻肉が、下腹部を打ちつける度に、ぶるんぶるんと微かに揺れるのが、絶妙にいやらしい。

 ライアンは、快感の頂点を目指しながら、レックスに気づかれないように、溜め息を吐いた。
 本当に認めたくないのだが、どうやら自分の残りの人生には、レックスという存在が必要らしい。
 レックスと一緒に食事をして、レックスとセックスをして、レックスと一緒に眠る。それが当たり前になってしまっている。

 レックスの中に精液を吐き出しながら、ライアンは、どうすれば、魔法がとけた後もレックスと一緒に暮らせるのかを考え始めた。このまま何も言わずにいたら、レックスとの生活は終わってしまう。それはよろしくない。が、何をどう言ったらいいのか、いまいちよく分からない。

 ライアンが眉間に皺を寄せて考えていると、レックスが顔だけで振り返った。レックスの顔は真っ赤に染まり、潤んだ瞳がとろんとしている。レックスの蕩けた顔を見ただけで、ライアンのペニスは再び元気いっぱいになった。


「おい。抜け。次は俺が動く」

「早々と1人でイクなよ」

「ちゃんとてめぇをイカせますぅー」

「言い方うっざ」


 ライアンは、ずるぅっとレックスのアナルからペニスを引き抜いた。ころんと仰向けに寝転がったライアンの身体にレックスが跨り、元気いっぱいに勃起しているペニスの竿を掴んで、熱く蕩けたアナルにペニスの先っぽを押しつけた。そのまま、レックスが気持ちよさそうに口角を上げて、アナルでライアンのペニスを飲み込んでいく。

 両手を後ろ手につき、膝を立てて足を広げたレックスが、アナルでライアンのペニスを扱き始めた。レックスの中は素直に気持ちがいい。レックスが動くのに合わせて、ぶらんぶらんと揺れる割とデカいレックスのペニスも、なんだかいやらしくて興奮する。

 ライアンは、なんとなくレックスに両手を伸ばした。レックスが、仰け反り気味だった体勢を変え、ライアンの手を握ってきた。両手の指を絡めた状態で、レックスが再び動き始める。

 ライアンは、ぎゅっと絡めた指に力を入れて、気持ちよさそうに、楽しそうに、喘ぎながら動いているレックスをじっと見つめた。

 素直に認めたくはない。が、蕩けた顔で気持ちよさそうに喘ぐレックスが可愛く思えて仕方がない。

 ライアンは、溜め息一つで諸々諦めた。
 もう開き直ってしまおう。レックスは可愛いし、魔法がとけた後もレックスと共に暮らしたい。ずっと寝食を共にして、時々喧嘩をしながら、一緒に歳をとっていきたい。

 ライアンは、汚い喘ぎ声を上げながら触れていないペニスから精液を派手に飛ばしているレックスの中に射精しつつ、口を開いた。


「おい。死ぬまで一緒に暮らさねぇか」


 イッて蕩けた顔をしていたレックスが、きょとんとした顔をした。

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