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5:まともなセックス練習開始

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 レックスは、午前中いっぱい空き巣の聞き取り調査をした。聞き取り調査の相棒で同期のマクシミリアンが、自分の手帳を眺めながら声をかけてきた。


「体調はどうだ? レックス」

「腰とケツがいてぇ」

「まだ魔力欠乏症の症状は出てない感じか?」

「いや。じわじわ身体が怠くなってきてる」

「初期症状か。お前も災難だなぁ。まぁ、自業自得だけど」

「俺が悪いんじゃない。いつも喧嘩をふっかけてくる下手くそ野郎が悪い」

「はいはい。どっちもどっちだ。医務室に寄ってから帰れよ。報告はしておくから」

「頼んだ。はぁ……1年もこんな状態とか、本気で嫌過ぎる」

「お前らが隊長をキレさせたからだろー。諦めろ」

「他人事だと思って。こんにゃろう。あーー。1年も恋人すらつくれねぇじゃん」

「セックスの相手はいるんだから、別にいいだろ」

「相手が嫌過ぎる」

「ま、諦めろ」


 レックスは拗ねて唇を尖らせたまま、マクシミリアンと一緒に軍の建物に入り、そのまま医務室に直行した。
 医務室で腰とアナルを診てもらって、大量の湿布と炎症を抑える軟膏を貰った。余程酷い時以外は、これで対処しろと。扱いが雑過ぎて、なんだか泣きたくなる。
 レックスは大量の湿布類が入ったずっしり重い袋を持って、じわじわと重怠くなる身体で仮住まいの官舎へと帰った。

 まだ普通に動けるが、それでもじわじわと身体が重怠くなっている。レックスは、2日サボっていた洗濯を仕掛けてから、ライアンが帰ってくるまでに、簡単に部屋の掃除をした。二回ともベッドではなく床でセックスをしたので、局地的に汚れている。掃除が終わる頃に洗濯も終わり、レックスは不本意ながら、2人分の洗濯物をベランダに干した。

 洗濯物を干し終えた頃に、ライアンが帰ってきた。微かに息苦しくなってきている。まだ平気な程度だが、恐らく、あと一刻もすれば、本格的に不調になるだろう。
 買い物をして帰ってきたらしいライアンが、台所へ向かった。

 レックスは、洗濯物を干し終えたので、脱衣場に洗濯籠を置きに行き、昼食が出来上がるまで、居間のソファーで、午前中の聞き取り内容をまとめる作業をした。

 腹立つくらい無駄に美味しい昼食を食べ、少し食休みをすると、レックスは、ライアンに声をかけた。


「おい。セックスすんぞ」


 ライアンが、露骨に嫌そうに顔を顰めた。レックスだって心底嫌だが、ヤラないと本気で死ぬから仕方がない。
 今日はまだ余裕がある。余裕があるうちに、ライアンに丁寧なアナルの解し方を叩き込み直し、ついでにレックスのアナル開発をする。痛いだけで気持ちよくないセックスは、セックスに非ず。レックスは、ヤリチンと呼ばれる程度には恋多き男だが、だからこそ、セックスはいつも丁寧に優しく思いやりをもって楽しんでいる。お互いに楽しめないセックスなんて、単なる独りよがりのオナニープレイだ。ヤる価値すら無い。

 レックスは、顰めっ面のライアンに軽く蹴りを入れてから、自室に向かった。
 腹立つくらい悪趣味なピンク色の掛け布団を雑に床に落とすと、レックスはベッドの側で服を脱ぎ捨てた。全裸でベッドに上がり、シーツの上に胡座をかいて座った。

 やる気なさそうな顔のライアンも服を脱ぎ捨て、ベッドに上がってきた。ライアンが顰めっ面で、声をかけてきた。


「ケツ出せ。とっとと終わらせる」

「今日は、まともなセックスの為の練習だ。下手くそ野郎」

「あ゛? 昨日はちゃんとしただろうが」

「不十分過ぎるわ。あれをまともなセックスと呼べるか。チンカス」

「ぶっ飛ばすぞごらぁ!」

「おぉん? やってみろごらぁ!」


 レックスは素早くベッドの上に立ち上がり、気が済むまでライアンと殴り合った。

 お互いに荒い息を吐く頃には、じわじわと魔力欠乏症の症状が進みつつあった。ライアンのせいで時間を無駄にしてしまった。レックスは舌打ちをしてから、ライアンの脛を軽く蹴った。


「おい。そろそろ始めねぇと昨日の二の舞いだ」

「チッ。しょうがねぇ」

「ちゃんと俺の言うとおりにヤれよ」

「上から目線が心底うぜぇ」

「てめぇが下手くそ過ぎるからだろうが」


 レックスは嫌々ながらベッドに仰向けに寝転がり、腰に手を当てて、直腸に浄化魔法をかけた。ほんの僅かな魔力しか使っていないのに、身体の怠さと地味な息苦しさが増す。
 レックスは屈辱にイラッとしながら、自分の膝裏を持って、両足を大きく広げた。


「昨日みたいに、いきなり指を突っ込むなよ。アナルの表面を指の腹でマッサージするみてぇに解してから、ゆっくり、ゆーーーーっくり指を入れろ」

「面倒くせぇ」

「うるせぇ。やれ」

「チッ」

「舌打ちすんな。下手くそ野郎」


 ライアンが面倒くさそうな顔で、水魔法を発動させた。切れてはいないが、未だに熱をもってじんわり痛むアナルに、冷たく濡れたライアンの指が触れる。心底気持ちが悪い。が、我慢である。ライアンの指が、くるくると円を描くように、アナルの表面を撫で回した。レックスは意識して大きく呼吸をして、アナルの力を抜いた。


「おい。ゆーーーーっくり指を入れろ。ゆーーーーっくりだぞ」

「へいへい」


 ライアンの太い指が、ゆっくりとアナルの中に入ってきた。痛みは然程無いが、異物感が気持ち悪い。アナルを拡げようと雑に指を回しているライアンに、レックスは舌打ちをしてから声をかけた。


「おい。前立腺を探せ。多分、もうちょい奥らへんだ」

「なんだそりゃ」

「男のケツのいいところ」

「探す必要あんのかよ」

「ありまくりじゃ。ボケカス。気持ちよくなれねぇだろうが!」

「うるっせぇ。チッ」

「うぅーー。きめぇ……きめぇ……」


 腹の中を探るライアンの指の動きが、なんとも気持ちが悪い。レックスは、自分にはアナルの才能がまるで無いのかもしれないと思った。アナルの才能がまるで無かったら、1年も悲惨な生活を送ることになる。前立腺はちゃんと感じることを祈りつつ、レックスは膝裏を持つ手に力を入れて、腹の中を探られる気持ち悪さに耐えた。

 ライアンの指がある一点に触れた瞬間、レックスはビクッと身体を震わせて、ひゅっと息を呑んだ。経験したことがない強烈な刺激が、背を駆け上がった。前立腺で間違いないと思う。レックスは、ライアンに声をかけた。


「おい。今のとこ、そこが俺の前立腺だ。優しく円を描くように指の腹で擦れ」

「命令すんな。お子ちゃまチン毛野郎」

「てめぇがもじゃもじゃ過ぎるだけじゃ! チン毛野郎!」

「おらよ」

「う゛っ、はっ、ん゛っ……あ゛ぁっ……」

「喘ぐな。きめぇ」

「う、うるせぇ……優しくトントンしろ。~~~~っ、あ゛ぁっ……」


 発見したばかりの前立腺を、優しく指の腹でトントン刺激されると、強烈な快感が脳天へと突き抜けていく。ぶっちゃけ、ペニスを舐められたり、ペニスを突っ込んだりするよりも、気持ちがいい。アナルの才能があって一安心である。ちゃんと気持ちよくなってきた。

 レックスは喘ぎ混じりにライアンに声をかけ、指を増やさせた。二本の指で前立腺を挟むようにくりくりされると、堪らなく気持ちがいい。昨日、一昨日は勃起しなかったレックスのペニスが、今日はちゃんと勃起した。今すぐにでも自分のペニスを扱いて射精したいが、まだ我慢である。

 レックスは、顰めっ面のライアンに時折指示をしながら、しっかりと優しくアナルを解させた。

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