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2:ヤるしかねぇ

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 レックスは嫌々ながら、ライアンと共に、隊長から聞かされた家族用の官舎に向かった。家族用の官舎の三階の角部屋が、1年間限定の住処となる。

 レックスは、身体の怠さと息苦しさで、小さく溜め息を吐いた。魔力欠乏症の初期症状が既に始まっている。クソッタレな魔法をかけやがった『暁の魔女』と、それを依頼したっぽい上司に嫌がらせでもしてやりたいが、やったが最後、泣きを見るのはこっちの方である。心底腹が立つ。

 家族用の官舎は、風呂トイレと広めの台所、居間の他に、二部屋あった。どちらかが、レックスの部屋なのだろう。向かい合っている片方の部屋を開ければ、真っ先に悪趣味なピンク色の布団がのっている馬鹿デカいベッドが見えた。心底イラッとすることに、枕はピンク色のハート型である。

 もう一つの部屋を見れば、同じ仕様だった。レックスは、徐々に強まる不調も相まって、イライラがピークに達した。バーンッと持っていた鞄を床に叩きつけて、レックスは叫んだ。


「ふっざけんな!! クソッタレロリババア!!」

「うるせぇ。叫ぶな。猿野郎」

「うるっせぇ! こんな巫山戯た所に住めるかーー!!」

「腹立つことに同感だが、どうしようもねぇ。主にてめぇのせいだ。チンピラ野郎」

「あ゛ぁ? おめぇのせいだろうが。真面目ちゃんぶりっこ野郎。ぶりぶりぶりぶりうぜぇんだよ。一生便所に閉じこもってろ」

「あ゛? やんのか? ごらぁ!」

「上等だごらぁ!!」


 レックスはイライラをぶつけるように、ライアンに殴りかかった。が、ライアンのムカつく顔面に拳が届く前に、その場にへなへなと崩れ落ちた。倦怠感と息苦しさが割と本気でヤバい。怒鳴ったせいか、益々息苦しくなっている。レックスは喉元を手で押さえて、驚いた顔をしているライアンを見上げた。


「……おい。粗チン野郎」

「誰が粗チンだ。ヤリチンクソ野郎」

「ロリババアの魔法、マジもんみてぇだ」

「あ゛?」

「……魔力欠乏症の症状がどんどん進んできてる」

「おい。胸元の印を確認しろ」

「命令すんな。カス」


 レックスは微かに震える指で軍服の上着のボタンを外し、下に着ていたシャツのボタンも外した。自分の心臓のあたりを見れば、薄いピンク色のハートの印があった。ライアンの方を見上げれば、ライアンも自分の軍服とシャツをはだけて、心臓の位置のハートの印を確認していた。ライアンのハートの印は、かなり濃いめのピンク色をしていた。
 ライアンが、チッと舌打ちをした。レックスも舌打ちをしたい心境だが、息苦しくて、それどころではない。


「ガチじゃねぇか。おい。クソヤリチン。今すぐケツ出せ。お前、男とヤリまくってんだから、ケツは慣れてんだろ」

「ざーんねん。俺はバリタチですぅ。ケツはピッカピカの処女だぜ!!」

「はぁ!? クッソ面倒くせぇ!」

「うるせぇ! ばーか! ばーか! ~~っ、こほっ……」


 呼吸をする度に、ひゅーひゅーと掠れた音がするようになってきた。予想以上に、魔力が無くなっていく感覚が早い。若干、意識が朦朧としてきた。
 レックスは両刀なので、男も女もイケる。だが、抱く専門だったので、アナルを使ったことは無い。一生、アナル処女の予定だった。

 レックスは、じわじわと感じ始めた死の予感に、小さく悪態をついて、腹を括った。こんな巫山戯た死に方したくない。相手は心底嫌いな奴だが、いっそ自動で動くディルドだと思えばいい。
 ベッドまで行く気力すら無い。レックスは、ひゅー、ひゅー、と掠れた息を吐きながら、震える手でズボンのベルトを外し、なんとかズボンとパンツをまとめてずり下ろした。

 レックスは、のろのろとライアンに背を向けて四つん這いになり、顔だけで振り返った。


「とっとと突っ込んで3秒で出しやがれ」

「3秒で出せるかボケ。クッソ。しょうがねぇ」


 ライアンが心底嫌そうな顔で、ガシガシと自分の頭を掻いた。ライアンの顔色も悪くなっている。魔力過多症の症状が出始めているのだろう。

 レックスは自分の腰に触れて、なけなしの魔力で、直腸に浄化魔法をかけた。ほんの僅かしか魔力を使っていないのに、一気に身体がキツくなる。四つん這いの状態をキープするのもしんどくて、レックスはへなへなと床に突っ伏して、尻だけを上げた状態になった。

 本格的に朦朧とし始めた意識の中で、ライアンが舌打ちをする音が聞こえた。解してもいない未開拓のアナルに、熱くて硬いものが触れたかと思えば、メリメリと狭いアナルを抉じ開けるようにして、硬くて太いものがアナルの中に入ってきた。瞬間、激痛が走るが、低く唸ることしかできない。朦朧とする意識の中で、絶対にケツが切れたな……と思いながら、レックスは、どんどん深く入ってくるライアンのペニスがもたらす痛みに、ギリッと奥歯を噛み締めた。

 ライアンは、確か、女専門だった筈だ。男同士の安全なセックスの仕方など知らないのかもしれない。本気で使えねぇ奴だと思いながら、レックスは、アナルの中で激しく動き始めたライアンのペニスの感触に、小さく悲鳴じみた声を上げた。クッソ痛すぎて、本気で泣きたくなる。が、泣いたら負けな気がするから、何がなんでも泣きたくはない。

 ライアンのペニスは、無駄に太くて長く、レックスのアナルの中をみっちりと満たし、遠慮も配慮も無く、ずんずんずこずこ腹の奥深くを突き上げてくる。腹の一番奥を突き上げられると、脳天に鋭い痛みが突き抜ける。気持ちよさなんて欠片もない。ただ、痛くて痛くて堪らない。

 レックスがあまりの痛みに低く唸っていると、遠慮なしに激しく腰を振っているライアンが、バシーンッとレックスの尻を叩いた。痛いし、心底イラッとする。


「おい。出すぞ」

「~~~~っ、とっとと、だせっ!」


 ライアンが一際強く、レックスの腹の奥深くを突き上げ、痛みしか感じないところを硬いペニスの先っぽでぐりぐりしてきた。次の瞬間、ぶわっと自分の魔力が戻ってくる感覚がした。
 気絶寸前だったレックスは、あぁ……と溜め息混じりに小さく喘いだ。ほんの少しだけ、呼吸が楽になる。だが、まだまだ全然足りない。

 レックスは、酷く痛むアナルにわざと力を込めて、射精しているライアンのペニスをアナルで締めつけた。瞬間、激痛が走る。


「~~~~っ、クッソいてぇんじゃ! 下手くそ!!」

「うるせぇ! 突っ込めっつったのはてめぇだろうが!」

「クッソ! まだ足りねぇ……さっさと出しやがれ!」

「チッ。言われなくてもっ!」

「あ゛ぁ!?」


 微妙に柔らかくなっていたライアンのペニスが、またアナルに出入りし始めた。徐々に硬くなるライアンのペニスがもたらす痛みが、かなりキツい。これは終わった後に、男同士のセックスの仕方を教えこまないと、レックスの身が保たない。
 レックスは、完全に自分の魔力が戻るまで、激痛を堪えながら何発もライアンに中出しされた。

 ぜぇ、ぜぇ、と掠れた息を吐きながら、レックスはのろのろと起き上がった。床で擦れた膝が地味に痛いし、何よりアナルと腰がクッッソ痛い。痛過ぎて動きたくないレベルで、クソ痛い。

 レックスはのろのろと立ち上がって、はぁ、はぁ、と荒い息を吐いているライアンの顔面に拳を叩き込んだ。


「がはっ!? っ、てめぇ!!」

「こんの……下手くそがぁぁぁぁ! クッソいてぇんだよ! ケツ切れたじゃねぇか!!」

「あ゛? 男同士のヤリ方なんぞ知るかぁぁぁぁ!! てめぇで勃起したのが奇跡じゃ! ボケカス!!」

「そこに座れ! 正座しろ! 男同士のセックスのヤリ方を叩き込んでやる!!」

「あ゛? いらねぇわ! クソヤリチン野郎!」

「いるんだよ! ボケカスがぁぁ! 毎回こうだと俺のケツが死ぬだろうが!! 毎回毎回流血沙汰になりてぇのか!」

「…………チッ」

「舌打ちすんな。下手くそ野郎」


 レックスは、アナルと腰の激痛にイライラしながら、不貞腐れた顔をしているライアンをその場に座らせ、仁王立ちの状態で、男同士の安全なセックスの仕方を語り始めた。仁王立ちなのは、アナルが痛過ぎて、座れないからだ。仁王立ちの状態でも、かなりキツくて、足が微かに震えている。

 レックスは、心の中で『暁の魔女』を呪いながら、淡々と男同士の安全なセックスのヤリ方をライアンに教えこんだ。

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