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若人よ。刮目せよ!
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ディーンはニヤニヤと笑いながらエロ雑誌に載っている写真を眺めていた。裸体の女達がいやらしいポーズで写っている。たゆんたゆんのおっぱい達が実に素晴らしい。ディーンは筋金入りのおっぱい好きである。巨乳も普通乳も貧乳も等しく愛でられる。どれも違って、どれも良い。其々に魅力がある。女のおっぱい程素晴らしいもの等この世にはない。
ディーンが鼻の下を伸ばしてエロ雑誌を眺めていると、ビシッと脳天に強く何かが当たり、頭に激痛が走った。
「いぎゃっ!?」
「ディーン。このボケ。サボってんじゃねぇぞ」
「うげっ。課長」
ディーンが痛む頭を手で押さえて涙目で振り返れば、直属の上司であるハリーが額に青筋を浮かべて、分厚い本を片手に立っていた。
ディーンは魔法省の経理課で働いている。18歳で就職してから5年が経つ。それなりに一人前になったと自負しているが、経理課のオッサン達にとっては、ディーンはまだまだ青二才の若造らしい。
ディーンは唇を尖らせて、ハリーを見上げた。
経理課の課長をしているハリーは、40代前半のオッサンである。いつも淡い色合いの金髪を後ろに撫でつけており、少し広めの額を出している。顔立ちは普通である。すごく普通のそこら辺に転がっているようなオッサンである。薄い水色の瞳は、ちょっと神経質な印象を抱く。若干太めの中背中肉の身体つきで、下っ腹が少し出ている。実に普通のオッサンである。口が悪いが、面倒みは割といい。ディーンは、ハリーに経理課の人間として育ててもらった感じである。
ディーンは自分では男前な方だと思っている。合コンでお持ち帰りができたり、たまに彼女ができる程度には女に好かれる顔立ちをしているし、髪型は常に流行りのものにしている。服装にも気を配っている。黒い髪もそれなりに手入れをしていて天使の輪っかができる程キレイだし、女に好かれるように日頃から肌の手入れもしている。濃い緑色の瞳が素敵だと言われることが割とある。ディーンは女にモテたくて努力しているタイプの男前である。
「課長。いてぇっす」
「仕事中に何読んでんだ。このボケ」
「ちょーっと眺めてただけですよぉ。あ、こっちの書類は全部終わってます」
「仕事は速いんだよなぁ。このサボり魔」
「サボってねぇっす。ちゃんとやることはやってますー」
「仕事が終わっても職場でエロ雑誌を読むな。家で読め。つーか、それが終わったんなら次の仕事を聞きに来い」
「いやいや。課長。会議でいなかったじゃないですか」
「お?口答えするのはこの口か?ん?ん?」
「いひゃいいひゃいいひゃい」
ハリーが尖らせたままのディーンの唇を指で摘み、ぐいぐいと強く引っ張った。素直に痛い。ディーンはペシペシと唇を摘んでいるハリーの手の甲を叩いた。
ハリーはすごく真面目なので、ディーンが仕事の合間にエロ雑誌を読んでいると、いつも怒る。やることはやっているのだし、サボっている訳ではない。単なる休憩である。疲れた心を女のおっぱいで癒やしているだけだ。
小一時間ハリーから説教をされ、ディーンは追加で渡された仕事を始めた。エロ雑誌はハリーに没収された。勤務時間終了後に返してくれるらしい。
今日は仕事が終わったら合コンの予定である。ディーンの友達がセッティングした合コンで、可愛い子が多いと評判の飲食店で働いている女達が来るそうだ。残業する気は欠片もない。ディーンはサクッと仕事を片付けるべく、真剣に仕事に取り掛かった。
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ディーンはぶすっとした顔で不貞腐れて歩いていた。遅い時間帯でも明るい繁華街を1人でたらたらとした足取りで歩いている。今日の合コンはハズレだった。女達は確かに可愛かったが、ディーンの友達が連れてきたイケメンに皆持っていかれた。ディーン自身は初めて会うイケメンだった。会った瞬間、自分とは次元が違うレベルのイケメンだと思っちゃったくらい格好いいイケメンだった。イケメンは性格もイケメンなのか、話上手の聞き上手で細やかな気配りができ、合コンをとても盛り上げてくれた。女達が揃って夢中になるのが納得できるイケメンっぷりだったが、そのお陰で今夜は誰もお持ち帰りができなかった。お持ち帰りする満々だったし、性格と身体の相性が良かったら、そのまま恋人になるのもありだと思っていたのだが。
ディーンは少しだけ悩んでから、歓楽街の方へと足を向けた。バーで適当に女を引っ掛けるか、いっそ娼館にでも行こう。今夜は一人寝をする気分じゃない。
ディーンは、たまにどうしようもなく人肌が恋しくなる時がある。元々スケベなことが大好きなのだが、それを差っ引いても、時々むしょうに寂しくて堪らなくなることがある。
数日前からそんな気分になっていて、タイミングよく友達から合コンに誘われて嬉しかったのに、今回はダメだった。合コンがダメならナンパを試みて、それもダメだったら娼館に行くしかない。
ディーンは適当に目に入ったバーの中へと足を踏み入れた。
初めて訪れたバーは、とても落ち着いた雰囲気で、大人の男の社交場みたいな空気があった。完全にバーの中に入ってしまってから、ディーンはしまったと後悔した。今時の若者感丸出しのディーンは完全に浮いている。場違い感が半端ない程、此処は上品な落ち着いた大人の空間である。今すぐ此処から立ち去りたいが、バーカウンターの近くまでスタスタと歩いてきてしまっている。このまま引き返して、すごすごと帰るのも何だか格好悪い。
やべぇなぁ。どうしようと、ディーンが焦っていると、右手の方から名前を呼ばれた。声がした方を見れば、ハリーが1人でカウンター席に座っていた。まさかの救世主現る。ディーンはパァッと顔を輝かせて、いそいそとハリーの側に移動した。さも此処で待ち合わせをしていましたみたいな顔をして。
酒が入っているからか、目元が赤く染まっているハリーがディーンを見上げて、口を開いた。
「こんなとこで何してんだ。お前」
「課長~。マジで助かりましたっ!」
「はぁ?」
「適当に入ったんすけどぉ、なんか場違い感やべぇし」
「まぁ、普通の若者向けのバーじゃないしな。此処」
「でしょー。入ってから『やべぇ!』って思って。マジで焦りました」
「あー。その様子だと、マジで知らないで入ったんだな」
「ガチで大人向けの店って知ってたら入ってないっす」
「そうじゃねぇよ。ちょっと耳貸せ」
「えー。なんすか?」
何故か呆れた顔をしたハリーがちょいちょいと指で近寄るように指示してきたので、ディーンは椅子に座っているハリーに近づいて、耳をハリーの口に近づけるように少し屈んだ。ハリーから酒と男物の香水の匂い、それから煙草の匂いがする。ハリーは、普段は香水なんて洒落たものは着けていない。ハリーが煙草を吸っているところを見たこともない。ディーンが嗅ぎなれない匂いに違和感を覚えていると、ハリーの吐息が耳にかかり、少ししゃがれた低い声が小さく響いた。
「此処、男専門が一晩の相手を探す店」
「…………は?」
「2階があんだよ。相手が見つかれば、店員に金を払って、そのまま2階でヤれる」
「……マジのマジのマジ?」
「マジ」
ディーンは驚き過ぎて固まった。噂では聞いたことがある。歓楽街に男が好きな男が集まるバーがあると。その噂を聞いた時に、やべぇ世界だよなと、友達と一緒に笑った覚えがある。マジのマジでマジか。
固まったディーンの頬をハリーが指先で摘み、ぐいーっと引っ張った。地味に痛い。小さく溜め息を吐いて、ハリーがディーンの頬から指を離した。ハリーがいつもよりお洒落な感じのするジャケットの上着の内ポケットから財布を取り出し、紙幣を何枚かカウンターの上に置いた。
「しょうがねぇ。一緒に出るぞ」
「へ?」
「紳士の皮を被ったオッサン達に食われたいのなら止めねぇけど」
「助けてくださいお願いします」
ディーンは直角に深く頭を下げた。店内にいるのは上品な感じの紳士達ばかりである。年齢層が高めなのだが、まさかの飢えた狼の群れだった。
ハリーがペシッと軽くディーンの頭を叩き、椅子から立ち上がった。ディーンよりも少し背が低いハリーに腕を掴まれて、ディーンはそのままバーから抜け出した。
バーのドアから外に出た瞬間、ディーンは大きな溜め息を吐いた。危ないところだった。偶然にもハリーがいなかったら、今頃紳士のフリをしたスケベ親父にケツを掘られていたかもしれない。知らないバーに1人で入るのダメ絶対。ディーンは教訓として、その事を胸に刻んだ。
そういえば、何故ハリーはこのバーにいたのだろうか。まさかの男専門なのだろうか。しかし、ハリーは離婚したことがあると聞いた覚えがある。確か子供もいた筈だ。
ディーンは深く考えずに、ハリーに疑問を投げかけた。
「課長って男が好きなんすか?」
「ん?おぉ。まぁな。正確に言えば両刀だ」
「へー」
普通にあっさりと肯定されてしまった。どう反応したらいいのか、いまいち分からない。こんなに身近に男が好きな男がいたとは。
ディーンが少々困って目を泳がせていると、ハリーがジャケットの内ポケットから煙草の箱を取り出して、煙草を咥え、魔法で指先に灯した火で煙草に火を着けた。ふぃーっと煙草の煙を吐き出すハリーの横顔は、なんだか知らない人みたいだ。いや、ハリーとプライベートで会うような仲ではないので、当然知らないことばかりなのだろうが。
ハリーが煙草を咥えたまま、目だけでディーンの方を見た。
「お前、今日は合コンだったんじゃないのか?」
「合コンでしたよ。お持ち帰りできなかったから、適当にバーでナンパしようかなって」
「ふーん。ヤる気が失せたから1杯だけ付き合えよ。奢ってやるから」
「お。マジっすか。タダ酒あざーっす」
「普通のバーに行くぞー」
「はーい」
ディーンは咥え煙草のまま歩き出したハリーと並んで歩き始めた。今のハリーは、仕事中のクソ真面目な雰囲気とは全然違う。なんだか、遊び慣れた大人みたいな感じだ。違和感が半端ない。職場の飲み会は年に何回かあって、ハリーとも普通に一緒に飲んだことがあるが、その時の雰囲気とも全然違う。ハリーはハリーなのだが、なんだか知らない人みたいだ。
ディーンはハリーに連れられて、若者もいるような賑やかなバーに入った。
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ディーンは酒で熱くなった頬をテーブルにくっつけ、大きな溜め息を吐いた。テーブルのひんやりとした感触が気持ちいい。
「あー。スケベしたーい。おっぱいおっぱい」
「飲み過ぎだ。ボケ。俺は尻派だ」
「えー。おっぱいの方がいいでしょ。おっぱい最高。おっぱい万歳」
「乳にしか目がいかんとは、お前もまだまだだな。大人の男はなぁ、尻を見るんだよ。尻を」
「しりぃ?いやまぁ、尻も嫌いじゃねぇけどぉ。やっぱおっぱいでしょ。おっぱい万歳」
「若造め」
ディーンはヘラヘラと笑いながら、隣に座っているハリーを見上げた。ハリーは煙草を片手にキツい蒸留酒を飲んでいる。1杯だけとか言いつつ、もう既に数時間一緒に酒を飲んでいる。ディーンは完全に酔っていた。ハリーも酔っているのだろう。普段なら言わないようなことを楽しそうに口にしている。
ハリーがぐいっと一息でグラスの蒸留酒を飲み干し、酒臭い息を吐いた。
「あー。ヤりてぇ」
「あっは。課長もヤりたいんじゃん」
「今頃はなぁ、俺のプリケツにちんこ咥えこんでた筈なんだよ」
「ぶっは!プリケツ!オッサンのプリケツ!!きっつー!」
「言っておくが、俺のプリケツはそれなりに人気なんだぞ」
「オッサンに人気のオッサンのプリケツ」
「自慢じゃないが、俺の尻はすこぶる形がいい。まさにプリッとしたケツだ。あれだ。桃尻ってやつ」
「やーめーてー。桃見る度に課長のケツを連想しちゃうじゃないですかー。ぶふっ。オッサンの桃尻!ぶはははははっ!!」
ディーンは妙にツボに嵌って、ゲラゲラと笑い転げた。オッサンのプリッとした桃尻とか誰得だ。ものすごくしょうもないのだが、何故だが非常に楽しい。多分酔ってるからだと思う。ハリーも隣でゲラゲラ笑っていて、すごく楽しそうだ。
ハリーがニヤニヤ笑いながら、ふぅーっと煙草の煙をディーンの顔に吹きかけた。
「見てみるか?俺のプリケツ」
「ぶっは!マージでー。見るー」
「おー。プリケツ顔面に押しつけてやるよ」
「だははっ!カンチョウしていいっすか」
「やめろボケ。痔になんだろ」
子供の頃に悪ふざけの遊びでやっていたカンチョウの仕草をすると、ハリーが笑いながらディーンの頭をペシッと軽く叩いた。
めちゃくちゃ酔っている2人は、会計をしてから、そのまま近くの連れ込み宿へと向かった。ハリーのプリケツとやらを拝む為である。オッサンの自称プリケツとは一体どんなものなのだろう。ディーンはハリーと肩を組んで、下らないことを喋ってゲラゲラ笑いながら、連れ込み宿の中へと入った。
連れ込み宿の部屋に入ると、ハリーがいそいそとズボンを脱ぎ始めた。ディーンはベッドに座って、ゲラゲラ馬鹿笑いしながらオッサンのストリップを眺めた。こちらに背を向けてズボンを脱いだハリーの尻は、確かに男のものにしては肉付きがよく、プリッとしていた。歳の割にそんなに垂れていない。ハリーはパンツは穿いているのだが、そのパンツがおかしい。後ろから見たら、尻の上の方と尻たぶの両サイドに幅広の黒い紐があるだけである。肝心の尻の部分は丸出しで、パンツの存在意義が殆ど行方不明になっている。女が穿いていたら最高にドスケベだが、オッサンが穿いていたら笑いの種にしかならない。
ディーンはハリーの尻を指差しながら、ゲラゲラと笑い転げた。
「パンツやべぇ!!なんすかそのパンツ!!」
「色っぺぇだろ」
「パンツの意味ねぇじゃん!ほぼ丸見えっ!!」
「ちゃんとちんこは優しく包まれているぞ」
「ぶっは!やめて!股間見せないで!だはははははっ!!」
くるっとハリーが振り返り、シャツの裾を捲り上げて、股間を見せてきた。布面積は小さいが、ペニスはちゃんとパンツの黒い布に包まれていた。優しく包まれているかまでは分からない。
再びハリーがくるっと回り、自分のプリッとした尻をペシペシと片手で叩いた。ぷるぷると尻の肉が振動で揺れている。
「刮目しやがれ。若人。これがプリケツだ」
「ぶっは!!ちょっ!やめてっ!腹筋が死んじゃうっ!!」
「おっぱいよりいいだろー」
「ちょっ、ちょっ、じわじわ近づいてくんのやめてっ!笑うっ!笑うっ!」
「おらおらー」
ちょこちょことした足取りでじわじわとハリーが後退して、ディーンに近づいてきた。絵面が面白過ぎてヤバい。やっているのが普段クソ真面目なハリーだというのも面白過ぎてヤバい。笑い過ぎて腹筋が死にそうなくらい面白過ぎる。
ディーンは馬鹿みたいに笑いながら、目の前に近づいてきたハリーのプリッとした生尻を両手で掴んだ。女の尻よりも弾力がある。肌の質感は年食っている感じしかしないが、プリッとした弾力のある柔らかさは結構新鮮である。なんとなく、むにむにとハリーの尻肉を揉んでみる。不思議な程楽しい。
「オッサンのプリケツ~。マジでプリップリじゃないっすかー」
「だろー?実に評判がいいプリケツだからな」
「わーお。ぷりんぷりーん」
ディーンはハリーの尻肉を下から手でぽよんぽよん揺らした。ぐいっと指先で尻肉を限界まで押し上げ、尻肉から手を離すと、ぽよよんっと尻肉が揺れながら元のプリケツ状態に戻る。面白過ぎてヤバい。自分でも訳がわからない程面白い。
ディーンはハリーの尻を手でぽよんぽよんしながら、自分の股間を見下ろし、ハリーのプリケツに向かって話しかけた。
「課長ー。なんか知らねぇけど、ちんこ勃ったー」
「あー?ちんこ擦りつけてみるか?俺のプリケツに」
「ぶっふ!!やるー」
首を捻って顔だけで振り返ったハリーがニヤニヤ笑っていた。ディーンは笑いながらぽよんぽよんとハリーの尻肉を手で揺らし、何故か股間がテントを張ってしまっているズボンとパンツを脱ぎ捨てた。
ハリーがベッドに上がって俯せに寝転がった。ハリーは変なパンツを穿いたままだ。ディーンは笑いながら半勃ちの自分のペニスを片手で掴んだ。ハリーのプリッとした尻肉に、自分のペニスをすりすりと擦りつける。ハリーの毛の生えていない尻の肌の感触が、妙に楽しくて笑えてくる。
ディーンのペニスは何故だかドンドン固く大きくなっていった。ハリーが両手で自分の尻肉を掴み、大きく広げた。むにぃっと広がった尻肉の間に、縦に割れているアナルがあった。遊びまくっている女のアナルがこんな感じになっているのを見たことがある。ハリーも遊んでいるらしい。普段は全然そんな風には見えないけれど。オッサンのアナルなのに、妙にいやらしい。微妙にひくひくと収縮している様子が丸見えで、まるで誘っているみたいだ。
ハリーがクックッと楽しそうに笑いながら、両手で掴んだ尻肉を開いたり閉じたりし始めた。縦割れのいやらしいアナルが見えたり、隠れたりする。
「ちんこ挟んでやるよ」
「うぇーい。うりゃ」
「くはっ。お前のちんこ、デケェ」
「自慢の相棒だもんで」
「ちんこ熱いなー。かてぇし」
「俺、若いもん。ピチピチの20代だし」
「あっそ。おら」
「んっ。ふはっ」
ディーンがハリーの尻の谷間にペニスを擦りつけると、ハリーが両手で尻肉を押さえて、尻肉でディーンのペニスを挟んだ。ディーンのペニスの下3分の1くらいがハリーの尻肉に埋まっている。ディーンは笑いながら、腰を振って勃起したペニスをハリーのアナルや尻肉に擦りつけた。おかし過ぎる状況なのに、馬鹿みたいに楽しくて、馬鹿みたいに興奮してきた。ディーンは自分の尻肉を押さえているハリーの両手に手を重ねて、興奮するがままに腰を激しく動かし、早々とハリーの腰の辺りに精液を吐き出した。なんか出ちゃった。
ディーンが射精すると、ハリーが吹き出して、ゲラゲラ笑った。
「いくらなんでもはっやいぞ。お前」
「う、うっせぇ。なんか出ちゃったんだもん」
「ふはっ」
ゆるゆると腰を振って射精しているペニスをハリーの尻に擦りつけていると、ハリーが自分の尻から手を離し、ベッドに手をついて上体を起こした。ハリーが顔だけで振り返って、にまぁっと笑った。
「もっと楽しいことしてやるよ。若造」
「プリケツで?」
「プリケツで」
ディーンはハリーと目を合わせて、同時に吹き出した。バーで飲んだ酒に変なものが入っていたんじゃないかと思う程、面白くて仕方がない。
ディーンは馬鹿みたいに笑いながら、すりすり擦りつけていたペニスをハリーの自称プリケツから離した。
ディーンは堪らず低く喘いだ。こちらに背を向けているハリーのアナルに勃起したペニスが咥えられており、意外な程キツく締まるアナルで、ペニスを激しく扱かれている。ハリーのプリッとした尻が激しく上下に動き、ぶるんぶるんっと小刻みに尻肉が揺れている。頭もペニスも完全に馬鹿になっている。ハリーにペニスを舐められて、ハリーが自分でアナルを解すところを眺めて、今はハリーのアナルでペニスを扱かれている。馬鹿みたいに気持ちがいいし、訳が分からないが酷く興奮している。ハリーのアナルは皺を伸ばしきってディーンの赤黒い太くて長い自慢のペニスをがっつり飲み込み、ペニスが熱く柔らかい肉壁で包み込まれ、括約筋でキツく締めつけられる。ペニスの先っぽが肉の壁みたいなところに当たる度に、ハリーが低く掠れた声で喘いで、更にキツくディーンのペニスをアナルで締めつけてくる。
「あっ!おっ!はっ、あーーっ!くっそいいっ!」
「課長ー。課長のプリケツ、マジでやべぇ」
「ははっ!俺もっ、お前の、ちんこ、いいっ」
「はっ、あーーっ。課長。動きてぇ」
「ん。……ぁ、はぁ……」
ディーンの言葉で、ハリーが腰の動きを止めた。ゆっくりとした動きでディーンのペニスを引き抜くと、ハリーが四つん這いになり、片手で尻肉を掴んで、アナルの辺りの尻肉をぐにぃっと広げた。ローションで濡れたアナルが丸見えになる。ハリーのアナルはぽっかり口を開けていて、大きく収縮している。酷くいやらしい。
仰向けに寝転がっていたディーンは起き上がり、ハリーのプリケツの前で膝立ちになり、ローションと腸液で濡れた自分のペニスを片手で掴んで、ひくつくハリーのアナルにペニスの先っぽを押しつけた。両手でハリーの尻肉を掴み、勢いよく腰を動かして、ハリーの奥深くへとペニスを突っ込む。
「おぁっ!?」
「あー。マジやべぇ。課長の気持ちいいとこって、多分ここら辺でしょ」
「ふっ!あぁっ!そうっ!そこだっ!」
「あっは!めちゃくちゃ締まるっ。やっべー。きーもちーいー」
「あぁぁぁぁっ!!いいっ!んぅっ!んんんんっ!!」
ペニスを半分程引き抜き、ハリーが自分で擦りつけていた辺りをペニスのカリでぐりぐりしてやれば、ハリーの腰や尻が震えて、キツくアナルが締まった。気持ちよすぎて堪らない。ディーンはハリーの気持ちいいところを気が済むまでぐりぐりすると、勢いよくハリーの中の行き止まりまでペニスを押し込み、速く激しく大きなストロークで腰を振り始めた。奥の行き止まりを突き上げると、先っぽが腸壁に吸いつかれるような感じがして、ぬるつく熱い腸壁がペニスの竿に絡みついてきて、括約筋がいっそ痛い程キツく締まって、頭の中が真っ白になる程気持ちがいい。このままハリーの中に射精することしか考えられない。
ディーンはハリーの震える腰を強く掴み、無我夢中で腰を振った。パンパンパンパンッとハリーの尻とディーンの下腹部の肌がぶつかり合う音が響く程、強く下腹部をハリーの尻に打ちつける。下腹部を打ちつける度にハリーの尻肉がぶるんぶるんと揺れ、徐々に肌が赤く染まっていくハリーの尻がなんだかすごくいやらしい。オッサンの尻なのに。
「あぁぁぁぁっ!くっそ!イクッ!イクッ!」
「はっはっはっ、あー、俺も、むりっ、出るっ」
「ふっ!あっ!あっ!あっ!あぁぁぁぁぁぁっ!」
「んあっ、あーーーーっ」
パァンと一際強くハリーの尻に下腹部を打ち付け、ぐりぐりとハリーの奥深くにペニスの先っぽを押しつけながら、ディーンは思いっきり精液を吐き出した。びゅるびゅると勢いよく尿道を精液が駆け抜け、頭の中が痺れるような快感が満ちていく。ディーンは口角を上げて、ゆるゆると腰を振り、ビクビクと身体を震わせているハリーの中に全て精液を出し切った。マジで気持ちよかった。でも、まだ足りない。
ディーンはハリーのアナルから射精を終えて萎えたペニスを引き抜いた。ハリーの汗が滲む尻肉を両手で掴んで大きく広げて、いやらしくて気持ちよかったアナルを眺める。ぽっかりと口を開けて大きく収縮しているハリーの縦割れアナルから、こぽぉっと白いディーンの精液が溢れ出し、赤い会陰を伝って、陰嚢へと垂れていき、シーツの上へと落ちていった。
ハリーの身体の下のシーツを見れば、ディーンの精液以外でも濡れていた。間違いなく、ハリーの精液だろう。ハリーはペニスを弄らなくても、アナルだけでイケるらしい。楽しさが止まらない。
ディーンは荒い息を吐いているハリーの身体を仰向けに寝転がらせ、着たままだったハリーのシャツのボタンを外し始めた。現れた男のものとは思えない程ぷっくりと肥大した乳首を指先で摘んで弄りながら、ディーンは興奮するがままにハリーの唇に噛みついた。
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ディーンは、顔を両手で覆って項垂れたまま意味のない声を上げているハリーを眺めて、ボリボリと腹を掻いた。
お互いに素っ裸で、汚れて乱れたシーツの上で胡座をかいて座っている。すっかり酔いは覚めている。4発も射精したら、そりゃあ酔いも覚める。ハリーも酔いが覚めたのだろう。ディーンが満足して、蕩けまくったハリーのアナルからペニスを引き抜き、並んで寝転がってうとうとしていると、ぐったりとしていたハリーがむくっと起き上がって、今の状態になった。
ディーンは何やら懺悔のような言葉をブツブツ垂れ流しているハリーに声をかけた。
「課長ー」
「俺はなんてことを……ノンケの男を手篭めに……しかも馬鹿丸出しな誘い方で……」
「課長ー」
「もうダメだ……死んで詫びるしかない……」
「いやいや。死なないでくださいよ」
「…………あぁぁ……無理……なんかもう無理……」
「課長。課長。ちょっと聞いてくださいよ」
「……なんだ」
「課長のプリケツにハマったんで、責任とってください」
「…………は?」
「なんかマジで新たな扉開いちゃった感あるし。責任とって結婚してください」
「いやいやいやいや。お前は何を言っている」
「課長のプリケツのせいだし」
「落ち着け?とりあえず落ち着け?」
「先に言っとくけど、俺は結構重い方なんで」
「は?」
「とりあえず一眠りしたら指輪買いに行きましょうよ。お揃いのやつ」
「おっも!!正気か!?」
「正気っす。明日課長の家に引っ越すんで。あ、俺は浮気は許さない主義っす」
「はぁっ!?」
「ちゃんと毎日構ってくださいよ」
「いやいやいや。待て?落ち着け?頼むから落ち着いてくれ?」
「あ、職場には休み明けに報告しとかなきゃ」
「待ってくれ!頼むからちょっと待ってくれ!!」
「え?何を?」
「ディーン。いい子だ。いい子だから落ち着け?頼むから、本当に頼むから落ち着いてくれ?」
「うぇーい。ダーリンに褒められたー」
「ダーリン!?誰がっ!?」
「課長っすね。あ、ハリーさんって呼んだ方がいいか」
「はぁ!?」
「ハリーさん」
「あ?」
「逃げられると思わないでくださいね。俺、マジで重いんで。歴代彼女に重過ぎて無理ってフラれてるくらい重いんで」
「…………マジで?」
「マジで」
ハリーの顔が引き攣った。ディーンは、にーっと笑って、ハリーの手を両手で握った。
ディーンは毎回重過ぎて無理だとフラれる程度には、恋人に対して重い。オッサンのプリケツという新たな世界への扉を開いてしまったし、ハリーとのセックスは非常に楽しくて気持ちがよかった。ハリーのことを恋愛的な意味で好きかと聞かれたら今は首を傾げるが、これでも一応ハリーのことは尊敬しているし、ディーンなりに慕っていた。本人に言ったことはないけど。もしかしたら、ハリーならディーンを受け止めて、思いっきり愛してくれるかもしれない。
ディーンが期待を込めてハリーを見つめると、ハリーが遠い目をして、大きな溜め息を吐いた。
「……うん。俺も男だ。責任はとる」
「よっしゃ!言質とったーー!!」
「ディーン」
「はーい」
「言っておくが、俺も本命には重い方だぞ。本格的に男に目覚める前に、それで嫁さんに捨てられてるからな」
「ふーん。やべぇ。俺らお似合い過ぎじゃね?似た者同士じゃん。ハリーさん。ハリーさん」
「ん?」
「ちょっとずつお互い知り合っていきましょうよ」
「……そうだな」
「とりあえず明日から同棲して」
「明日は急過ぎるわ。ボケ」
ディーンはヘラっと笑って、呆れた顔をしているハリーに顔を寄せ、ハリーの唇に触れるだけのキスをした。
ディーンは本当に翌日にハリーの家である一軒家に引っ越し、呆れて微妙に引いているハリーと一緒に暮らし始めた。
10年経っても、2人の指には揃いの指輪がある。オッサンと呼ばれる歳になったディーンは、珈琲を飲む年相応に老けたハリーを頬杖をついて眺めて、ニヤニヤと笑った。
「なんだ」
「いやぁ。刮目してただけ」
「はぁ?」
「俺のダーリンは今日も素敵ー。惚れ直すー」
「あっそ」
ぶっきらぼうに言い捨てたハリーの皺のある目尻が微かに赤く染まっている。ディーンはニヤニヤと笑いながら手を伸ばし、照れた顔をしているハリーの眉間の深い皺を指先でうりうりと撫で回した。
(おしまい)
ディーンが鼻の下を伸ばしてエロ雑誌を眺めていると、ビシッと脳天に強く何かが当たり、頭に激痛が走った。
「いぎゃっ!?」
「ディーン。このボケ。サボってんじゃねぇぞ」
「うげっ。課長」
ディーンが痛む頭を手で押さえて涙目で振り返れば、直属の上司であるハリーが額に青筋を浮かべて、分厚い本を片手に立っていた。
ディーンは魔法省の経理課で働いている。18歳で就職してから5年が経つ。それなりに一人前になったと自負しているが、経理課のオッサン達にとっては、ディーンはまだまだ青二才の若造らしい。
ディーンは唇を尖らせて、ハリーを見上げた。
経理課の課長をしているハリーは、40代前半のオッサンである。いつも淡い色合いの金髪を後ろに撫でつけており、少し広めの額を出している。顔立ちは普通である。すごく普通のそこら辺に転がっているようなオッサンである。薄い水色の瞳は、ちょっと神経質な印象を抱く。若干太めの中背中肉の身体つきで、下っ腹が少し出ている。実に普通のオッサンである。口が悪いが、面倒みは割といい。ディーンは、ハリーに経理課の人間として育ててもらった感じである。
ディーンは自分では男前な方だと思っている。合コンでお持ち帰りができたり、たまに彼女ができる程度には女に好かれる顔立ちをしているし、髪型は常に流行りのものにしている。服装にも気を配っている。黒い髪もそれなりに手入れをしていて天使の輪っかができる程キレイだし、女に好かれるように日頃から肌の手入れもしている。濃い緑色の瞳が素敵だと言われることが割とある。ディーンは女にモテたくて努力しているタイプの男前である。
「課長。いてぇっす」
「仕事中に何読んでんだ。このボケ」
「ちょーっと眺めてただけですよぉ。あ、こっちの書類は全部終わってます」
「仕事は速いんだよなぁ。このサボり魔」
「サボってねぇっす。ちゃんとやることはやってますー」
「仕事が終わっても職場でエロ雑誌を読むな。家で読め。つーか、それが終わったんなら次の仕事を聞きに来い」
「いやいや。課長。会議でいなかったじゃないですか」
「お?口答えするのはこの口か?ん?ん?」
「いひゃいいひゃいいひゃい」
ハリーが尖らせたままのディーンの唇を指で摘み、ぐいぐいと強く引っ張った。素直に痛い。ディーンはペシペシと唇を摘んでいるハリーの手の甲を叩いた。
ハリーはすごく真面目なので、ディーンが仕事の合間にエロ雑誌を読んでいると、いつも怒る。やることはやっているのだし、サボっている訳ではない。単なる休憩である。疲れた心を女のおっぱいで癒やしているだけだ。
小一時間ハリーから説教をされ、ディーンは追加で渡された仕事を始めた。エロ雑誌はハリーに没収された。勤務時間終了後に返してくれるらしい。
今日は仕事が終わったら合コンの予定である。ディーンの友達がセッティングした合コンで、可愛い子が多いと評判の飲食店で働いている女達が来るそうだ。残業する気は欠片もない。ディーンはサクッと仕事を片付けるべく、真剣に仕事に取り掛かった。
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ディーンはぶすっとした顔で不貞腐れて歩いていた。遅い時間帯でも明るい繁華街を1人でたらたらとした足取りで歩いている。今日の合コンはハズレだった。女達は確かに可愛かったが、ディーンの友達が連れてきたイケメンに皆持っていかれた。ディーン自身は初めて会うイケメンだった。会った瞬間、自分とは次元が違うレベルのイケメンだと思っちゃったくらい格好いいイケメンだった。イケメンは性格もイケメンなのか、話上手の聞き上手で細やかな気配りができ、合コンをとても盛り上げてくれた。女達が揃って夢中になるのが納得できるイケメンっぷりだったが、そのお陰で今夜は誰もお持ち帰りができなかった。お持ち帰りする満々だったし、性格と身体の相性が良かったら、そのまま恋人になるのもありだと思っていたのだが。
ディーンは少しだけ悩んでから、歓楽街の方へと足を向けた。バーで適当に女を引っ掛けるか、いっそ娼館にでも行こう。今夜は一人寝をする気分じゃない。
ディーンは、たまにどうしようもなく人肌が恋しくなる時がある。元々スケベなことが大好きなのだが、それを差っ引いても、時々むしょうに寂しくて堪らなくなることがある。
数日前からそんな気分になっていて、タイミングよく友達から合コンに誘われて嬉しかったのに、今回はダメだった。合コンがダメならナンパを試みて、それもダメだったら娼館に行くしかない。
ディーンは適当に目に入ったバーの中へと足を踏み入れた。
初めて訪れたバーは、とても落ち着いた雰囲気で、大人の男の社交場みたいな空気があった。完全にバーの中に入ってしまってから、ディーンはしまったと後悔した。今時の若者感丸出しのディーンは完全に浮いている。場違い感が半端ない程、此処は上品な落ち着いた大人の空間である。今すぐ此処から立ち去りたいが、バーカウンターの近くまでスタスタと歩いてきてしまっている。このまま引き返して、すごすごと帰るのも何だか格好悪い。
やべぇなぁ。どうしようと、ディーンが焦っていると、右手の方から名前を呼ばれた。声がした方を見れば、ハリーが1人でカウンター席に座っていた。まさかの救世主現る。ディーンはパァッと顔を輝かせて、いそいそとハリーの側に移動した。さも此処で待ち合わせをしていましたみたいな顔をして。
酒が入っているからか、目元が赤く染まっているハリーがディーンを見上げて、口を開いた。
「こんなとこで何してんだ。お前」
「課長~。マジで助かりましたっ!」
「はぁ?」
「適当に入ったんすけどぉ、なんか場違い感やべぇし」
「まぁ、普通の若者向けのバーじゃないしな。此処」
「でしょー。入ってから『やべぇ!』って思って。マジで焦りました」
「あー。その様子だと、マジで知らないで入ったんだな」
「ガチで大人向けの店って知ってたら入ってないっす」
「そうじゃねぇよ。ちょっと耳貸せ」
「えー。なんすか?」
何故か呆れた顔をしたハリーがちょいちょいと指で近寄るように指示してきたので、ディーンは椅子に座っているハリーに近づいて、耳をハリーの口に近づけるように少し屈んだ。ハリーから酒と男物の香水の匂い、それから煙草の匂いがする。ハリーは、普段は香水なんて洒落たものは着けていない。ハリーが煙草を吸っているところを見たこともない。ディーンが嗅ぎなれない匂いに違和感を覚えていると、ハリーの吐息が耳にかかり、少ししゃがれた低い声が小さく響いた。
「此処、男専門が一晩の相手を探す店」
「…………は?」
「2階があんだよ。相手が見つかれば、店員に金を払って、そのまま2階でヤれる」
「……マジのマジのマジ?」
「マジ」
ディーンは驚き過ぎて固まった。噂では聞いたことがある。歓楽街に男が好きな男が集まるバーがあると。その噂を聞いた時に、やべぇ世界だよなと、友達と一緒に笑った覚えがある。マジのマジでマジか。
固まったディーンの頬をハリーが指先で摘み、ぐいーっと引っ張った。地味に痛い。小さく溜め息を吐いて、ハリーがディーンの頬から指を離した。ハリーがいつもよりお洒落な感じのするジャケットの上着の内ポケットから財布を取り出し、紙幣を何枚かカウンターの上に置いた。
「しょうがねぇ。一緒に出るぞ」
「へ?」
「紳士の皮を被ったオッサン達に食われたいのなら止めねぇけど」
「助けてくださいお願いします」
ディーンは直角に深く頭を下げた。店内にいるのは上品な感じの紳士達ばかりである。年齢層が高めなのだが、まさかの飢えた狼の群れだった。
ハリーがペシッと軽くディーンの頭を叩き、椅子から立ち上がった。ディーンよりも少し背が低いハリーに腕を掴まれて、ディーンはそのままバーから抜け出した。
バーのドアから外に出た瞬間、ディーンは大きな溜め息を吐いた。危ないところだった。偶然にもハリーがいなかったら、今頃紳士のフリをしたスケベ親父にケツを掘られていたかもしれない。知らないバーに1人で入るのダメ絶対。ディーンは教訓として、その事を胸に刻んだ。
そういえば、何故ハリーはこのバーにいたのだろうか。まさかの男専門なのだろうか。しかし、ハリーは離婚したことがあると聞いた覚えがある。確か子供もいた筈だ。
ディーンは深く考えずに、ハリーに疑問を投げかけた。
「課長って男が好きなんすか?」
「ん?おぉ。まぁな。正確に言えば両刀だ」
「へー」
普通にあっさりと肯定されてしまった。どう反応したらいいのか、いまいち分からない。こんなに身近に男が好きな男がいたとは。
ディーンが少々困って目を泳がせていると、ハリーがジャケットの内ポケットから煙草の箱を取り出して、煙草を咥え、魔法で指先に灯した火で煙草に火を着けた。ふぃーっと煙草の煙を吐き出すハリーの横顔は、なんだか知らない人みたいだ。いや、ハリーとプライベートで会うような仲ではないので、当然知らないことばかりなのだろうが。
ハリーが煙草を咥えたまま、目だけでディーンの方を見た。
「お前、今日は合コンだったんじゃないのか?」
「合コンでしたよ。お持ち帰りできなかったから、適当にバーでナンパしようかなって」
「ふーん。ヤる気が失せたから1杯だけ付き合えよ。奢ってやるから」
「お。マジっすか。タダ酒あざーっす」
「普通のバーに行くぞー」
「はーい」
ディーンは咥え煙草のまま歩き出したハリーと並んで歩き始めた。今のハリーは、仕事中のクソ真面目な雰囲気とは全然違う。なんだか、遊び慣れた大人みたいな感じだ。違和感が半端ない。職場の飲み会は年に何回かあって、ハリーとも普通に一緒に飲んだことがあるが、その時の雰囲気とも全然違う。ハリーはハリーなのだが、なんだか知らない人みたいだ。
ディーンはハリーに連れられて、若者もいるような賑やかなバーに入った。
------
ディーンは酒で熱くなった頬をテーブルにくっつけ、大きな溜め息を吐いた。テーブルのひんやりとした感触が気持ちいい。
「あー。スケベしたーい。おっぱいおっぱい」
「飲み過ぎだ。ボケ。俺は尻派だ」
「えー。おっぱいの方がいいでしょ。おっぱい最高。おっぱい万歳」
「乳にしか目がいかんとは、お前もまだまだだな。大人の男はなぁ、尻を見るんだよ。尻を」
「しりぃ?いやまぁ、尻も嫌いじゃねぇけどぉ。やっぱおっぱいでしょ。おっぱい万歳」
「若造め」
ディーンはヘラヘラと笑いながら、隣に座っているハリーを見上げた。ハリーは煙草を片手にキツい蒸留酒を飲んでいる。1杯だけとか言いつつ、もう既に数時間一緒に酒を飲んでいる。ディーンは完全に酔っていた。ハリーも酔っているのだろう。普段なら言わないようなことを楽しそうに口にしている。
ハリーがぐいっと一息でグラスの蒸留酒を飲み干し、酒臭い息を吐いた。
「あー。ヤりてぇ」
「あっは。課長もヤりたいんじゃん」
「今頃はなぁ、俺のプリケツにちんこ咥えこんでた筈なんだよ」
「ぶっは!プリケツ!オッサンのプリケツ!!きっつー!」
「言っておくが、俺のプリケツはそれなりに人気なんだぞ」
「オッサンに人気のオッサンのプリケツ」
「自慢じゃないが、俺の尻はすこぶる形がいい。まさにプリッとしたケツだ。あれだ。桃尻ってやつ」
「やーめーてー。桃見る度に課長のケツを連想しちゃうじゃないですかー。ぶふっ。オッサンの桃尻!ぶはははははっ!!」
ディーンは妙にツボに嵌って、ゲラゲラと笑い転げた。オッサンのプリッとした桃尻とか誰得だ。ものすごくしょうもないのだが、何故だが非常に楽しい。多分酔ってるからだと思う。ハリーも隣でゲラゲラ笑っていて、すごく楽しそうだ。
ハリーがニヤニヤ笑いながら、ふぅーっと煙草の煙をディーンの顔に吹きかけた。
「見てみるか?俺のプリケツ」
「ぶっは!マージでー。見るー」
「おー。プリケツ顔面に押しつけてやるよ」
「だははっ!カンチョウしていいっすか」
「やめろボケ。痔になんだろ」
子供の頃に悪ふざけの遊びでやっていたカンチョウの仕草をすると、ハリーが笑いながらディーンの頭をペシッと軽く叩いた。
めちゃくちゃ酔っている2人は、会計をしてから、そのまま近くの連れ込み宿へと向かった。ハリーのプリケツとやらを拝む為である。オッサンの自称プリケツとは一体どんなものなのだろう。ディーンはハリーと肩を組んで、下らないことを喋ってゲラゲラ笑いながら、連れ込み宿の中へと入った。
連れ込み宿の部屋に入ると、ハリーがいそいそとズボンを脱ぎ始めた。ディーンはベッドに座って、ゲラゲラ馬鹿笑いしながらオッサンのストリップを眺めた。こちらに背を向けてズボンを脱いだハリーの尻は、確かに男のものにしては肉付きがよく、プリッとしていた。歳の割にそんなに垂れていない。ハリーはパンツは穿いているのだが、そのパンツがおかしい。後ろから見たら、尻の上の方と尻たぶの両サイドに幅広の黒い紐があるだけである。肝心の尻の部分は丸出しで、パンツの存在意義が殆ど行方不明になっている。女が穿いていたら最高にドスケベだが、オッサンが穿いていたら笑いの種にしかならない。
ディーンはハリーの尻を指差しながら、ゲラゲラと笑い転げた。
「パンツやべぇ!!なんすかそのパンツ!!」
「色っぺぇだろ」
「パンツの意味ねぇじゃん!ほぼ丸見えっ!!」
「ちゃんとちんこは優しく包まれているぞ」
「ぶっは!やめて!股間見せないで!だはははははっ!!」
くるっとハリーが振り返り、シャツの裾を捲り上げて、股間を見せてきた。布面積は小さいが、ペニスはちゃんとパンツの黒い布に包まれていた。優しく包まれているかまでは分からない。
再びハリーがくるっと回り、自分のプリッとした尻をペシペシと片手で叩いた。ぷるぷると尻の肉が振動で揺れている。
「刮目しやがれ。若人。これがプリケツだ」
「ぶっは!!ちょっ!やめてっ!腹筋が死んじゃうっ!!」
「おっぱいよりいいだろー」
「ちょっ、ちょっ、じわじわ近づいてくんのやめてっ!笑うっ!笑うっ!」
「おらおらー」
ちょこちょことした足取りでじわじわとハリーが後退して、ディーンに近づいてきた。絵面が面白過ぎてヤバい。やっているのが普段クソ真面目なハリーだというのも面白過ぎてヤバい。笑い過ぎて腹筋が死にそうなくらい面白過ぎる。
ディーンは馬鹿みたいに笑いながら、目の前に近づいてきたハリーのプリッとした生尻を両手で掴んだ。女の尻よりも弾力がある。肌の質感は年食っている感じしかしないが、プリッとした弾力のある柔らかさは結構新鮮である。なんとなく、むにむにとハリーの尻肉を揉んでみる。不思議な程楽しい。
「オッサンのプリケツ~。マジでプリップリじゃないっすかー」
「だろー?実に評判がいいプリケツだからな」
「わーお。ぷりんぷりーん」
ディーンはハリーの尻肉を下から手でぽよんぽよん揺らした。ぐいっと指先で尻肉を限界まで押し上げ、尻肉から手を離すと、ぽよよんっと尻肉が揺れながら元のプリケツ状態に戻る。面白過ぎてヤバい。自分でも訳がわからない程面白い。
ディーンはハリーの尻を手でぽよんぽよんしながら、自分の股間を見下ろし、ハリーのプリケツに向かって話しかけた。
「課長ー。なんか知らねぇけど、ちんこ勃ったー」
「あー?ちんこ擦りつけてみるか?俺のプリケツに」
「ぶっふ!!やるー」
首を捻って顔だけで振り返ったハリーがニヤニヤ笑っていた。ディーンは笑いながらぽよんぽよんとハリーの尻肉を手で揺らし、何故か股間がテントを張ってしまっているズボンとパンツを脱ぎ捨てた。
ハリーがベッドに上がって俯せに寝転がった。ハリーは変なパンツを穿いたままだ。ディーンは笑いながら半勃ちの自分のペニスを片手で掴んだ。ハリーのプリッとした尻肉に、自分のペニスをすりすりと擦りつける。ハリーの毛の生えていない尻の肌の感触が、妙に楽しくて笑えてくる。
ディーンのペニスは何故だかドンドン固く大きくなっていった。ハリーが両手で自分の尻肉を掴み、大きく広げた。むにぃっと広がった尻肉の間に、縦に割れているアナルがあった。遊びまくっている女のアナルがこんな感じになっているのを見たことがある。ハリーも遊んでいるらしい。普段は全然そんな風には見えないけれど。オッサンのアナルなのに、妙にいやらしい。微妙にひくひくと収縮している様子が丸見えで、まるで誘っているみたいだ。
ハリーがクックッと楽しそうに笑いながら、両手で掴んだ尻肉を開いたり閉じたりし始めた。縦割れのいやらしいアナルが見えたり、隠れたりする。
「ちんこ挟んでやるよ」
「うぇーい。うりゃ」
「くはっ。お前のちんこ、デケェ」
「自慢の相棒だもんで」
「ちんこ熱いなー。かてぇし」
「俺、若いもん。ピチピチの20代だし」
「あっそ。おら」
「んっ。ふはっ」
ディーンがハリーの尻の谷間にペニスを擦りつけると、ハリーが両手で尻肉を押さえて、尻肉でディーンのペニスを挟んだ。ディーンのペニスの下3分の1くらいがハリーの尻肉に埋まっている。ディーンは笑いながら、腰を振って勃起したペニスをハリーのアナルや尻肉に擦りつけた。おかし過ぎる状況なのに、馬鹿みたいに楽しくて、馬鹿みたいに興奮してきた。ディーンは自分の尻肉を押さえているハリーの両手に手を重ねて、興奮するがままに腰を激しく動かし、早々とハリーの腰の辺りに精液を吐き出した。なんか出ちゃった。
ディーンが射精すると、ハリーが吹き出して、ゲラゲラ笑った。
「いくらなんでもはっやいぞ。お前」
「う、うっせぇ。なんか出ちゃったんだもん」
「ふはっ」
ゆるゆると腰を振って射精しているペニスをハリーの尻に擦りつけていると、ハリーが自分の尻から手を離し、ベッドに手をついて上体を起こした。ハリーが顔だけで振り返って、にまぁっと笑った。
「もっと楽しいことしてやるよ。若造」
「プリケツで?」
「プリケツで」
ディーンはハリーと目を合わせて、同時に吹き出した。バーで飲んだ酒に変なものが入っていたんじゃないかと思う程、面白くて仕方がない。
ディーンは馬鹿みたいに笑いながら、すりすり擦りつけていたペニスをハリーの自称プリケツから離した。
ディーンは堪らず低く喘いだ。こちらに背を向けているハリーのアナルに勃起したペニスが咥えられており、意外な程キツく締まるアナルで、ペニスを激しく扱かれている。ハリーのプリッとした尻が激しく上下に動き、ぶるんぶるんっと小刻みに尻肉が揺れている。頭もペニスも完全に馬鹿になっている。ハリーにペニスを舐められて、ハリーが自分でアナルを解すところを眺めて、今はハリーのアナルでペニスを扱かれている。馬鹿みたいに気持ちがいいし、訳が分からないが酷く興奮している。ハリーのアナルは皺を伸ばしきってディーンの赤黒い太くて長い自慢のペニスをがっつり飲み込み、ペニスが熱く柔らかい肉壁で包み込まれ、括約筋でキツく締めつけられる。ペニスの先っぽが肉の壁みたいなところに当たる度に、ハリーが低く掠れた声で喘いで、更にキツくディーンのペニスをアナルで締めつけてくる。
「あっ!おっ!はっ、あーーっ!くっそいいっ!」
「課長ー。課長のプリケツ、マジでやべぇ」
「ははっ!俺もっ、お前の、ちんこ、いいっ」
「はっ、あーーっ。課長。動きてぇ」
「ん。……ぁ、はぁ……」
ディーンの言葉で、ハリーが腰の動きを止めた。ゆっくりとした動きでディーンのペニスを引き抜くと、ハリーが四つん這いになり、片手で尻肉を掴んで、アナルの辺りの尻肉をぐにぃっと広げた。ローションで濡れたアナルが丸見えになる。ハリーのアナルはぽっかり口を開けていて、大きく収縮している。酷くいやらしい。
仰向けに寝転がっていたディーンは起き上がり、ハリーのプリケツの前で膝立ちになり、ローションと腸液で濡れた自分のペニスを片手で掴んで、ひくつくハリーのアナルにペニスの先っぽを押しつけた。両手でハリーの尻肉を掴み、勢いよく腰を動かして、ハリーの奥深くへとペニスを突っ込む。
「おぁっ!?」
「あー。マジやべぇ。課長の気持ちいいとこって、多分ここら辺でしょ」
「ふっ!あぁっ!そうっ!そこだっ!」
「あっは!めちゃくちゃ締まるっ。やっべー。きーもちーいー」
「あぁぁぁぁっ!!いいっ!んぅっ!んんんんっ!!」
ペニスを半分程引き抜き、ハリーが自分で擦りつけていた辺りをペニスのカリでぐりぐりしてやれば、ハリーの腰や尻が震えて、キツくアナルが締まった。気持ちよすぎて堪らない。ディーンはハリーの気持ちいいところを気が済むまでぐりぐりすると、勢いよくハリーの中の行き止まりまでペニスを押し込み、速く激しく大きなストロークで腰を振り始めた。奥の行き止まりを突き上げると、先っぽが腸壁に吸いつかれるような感じがして、ぬるつく熱い腸壁がペニスの竿に絡みついてきて、括約筋がいっそ痛い程キツく締まって、頭の中が真っ白になる程気持ちがいい。このままハリーの中に射精することしか考えられない。
ディーンはハリーの震える腰を強く掴み、無我夢中で腰を振った。パンパンパンパンッとハリーの尻とディーンの下腹部の肌がぶつかり合う音が響く程、強く下腹部をハリーの尻に打ちつける。下腹部を打ちつける度にハリーの尻肉がぶるんぶるんと揺れ、徐々に肌が赤く染まっていくハリーの尻がなんだかすごくいやらしい。オッサンの尻なのに。
「あぁぁぁぁっ!くっそ!イクッ!イクッ!」
「はっはっはっ、あー、俺も、むりっ、出るっ」
「ふっ!あっ!あっ!あっ!あぁぁぁぁぁぁっ!」
「んあっ、あーーーーっ」
パァンと一際強くハリーの尻に下腹部を打ち付け、ぐりぐりとハリーの奥深くにペニスの先っぽを押しつけながら、ディーンは思いっきり精液を吐き出した。びゅるびゅると勢いよく尿道を精液が駆け抜け、頭の中が痺れるような快感が満ちていく。ディーンは口角を上げて、ゆるゆると腰を振り、ビクビクと身体を震わせているハリーの中に全て精液を出し切った。マジで気持ちよかった。でも、まだ足りない。
ディーンはハリーのアナルから射精を終えて萎えたペニスを引き抜いた。ハリーの汗が滲む尻肉を両手で掴んで大きく広げて、いやらしくて気持ちよかったアナルを眺める。ぽっかりと口を開けて大きく収縮しているハリーの縦割れアナルから、こぽぉっと白いディーンの精液が溢れ出し、赤い会陰を伝って、陰嚢へと垂れていき、シーツの上へと落ちていった。
ハリーの身体の下のシーツを見れば、ディーンの精液以外でも濡れていた。間違いなく、ハリーの精液だろう。ハリーはペニスを弄らなくても、アナルだけでイケるらしい。楽しさが止まらない。
ディーンは荒い息を吐いているハリーの身体を仰向けに寝転がらせ、着たままだったハリーのシャツのボタンを外し始めた。現れた男のものとは思えない程ぷっくりと肥大した乳首を指先で摘んで弄りながら、ディーンは興奮するがままにハリーの唇に噛みついた。
------
ディーンは、顔を両手で覆って項垂れたまま意味のない声を上げているハリーを眺めて、ボリボリと腹を掻いた。
お互いに素っ裸で、汚れて乱れたシーツの上で胡座をかいて座っている。すっかり酔いは覚めている。4発も射精したら、そりゃあ酔いも覚める。ハリーも酔いが覚めたのだろう。ディーンが満足して、蕩けまくったハリーのアナルからペニスを引き抜き、並んで寝転がってうとうとしていると、ぐったりとしていたハリーがむくっと起き上がって、今の状態になった。
ディーンは何やら懺悔のような言葉をブツブツ垂れ流しているハリーに声をかけた。
「課長ー」
「俺はなんてことを……ノンケの男を手篭めに……しかも馬鹿丸出しな誘い方で……」
「課長ー」
「もうダメだ……死んで詫びるしかない……」
「いやいや。死なないでくださいよ」
「…………あぁぁ……無理……なんかもう無理……」
「課長。課長。ちょっと聞いてくださいよ」
「……なんだ」
「課長のプリケツにハマったんで、責任とってください」
「…………は?」
「なんかマジで新たな扉開いちゃった感あるし。責任とって結婚してください」
「いやいやいやいや。お前は何を言っている」
「課長のプリケツのせいだし」
「落ち着け?とりあえず落ち着け?」
「先に言っとくけど、俺は結構重い方なんで」
「は?」
「とりあえず一眠りしたら指輪買いに行きましょうよ。お揃いのやつ」
「おっも!!正気か!?」
「正気っす。明日課長の家に引っ越すんで。あ、俺は浮気は許さない主義っす」
「はぁっ!?」
「ちゃんと毎日構ってくださいよ」
「いやいやいや。待て?落ち着け?頼むから落ち着いてくれ?」
「あ、職場には休み明けに報告しとかなきゃ」
「待ってくれ!頼むからちょっと待ってくれ!!」
「え?何を?」
「ディーン。いい子だ。いい子だから落ち着け?頼むから、本当に頼むから落ち着いてくれ?」
「うぇーい。ダーリンに褒められたー」
「ダーリン!?誰がっ!?」
「課長っすね。あ、ハリーさんって呼んだ方がいいか」
「はぁ!?」
「ハリーさん」
「あ?」
「逃げられると思わないでくださいね。俺、マジで重いんで。歴代彼女に重過ぎて無理ってフラれてるくらい重いんで」
「…………マジで?」
「マジで」
ハリーの顔が引き攣った。ディーンは、にーっと笑って、ハリーの手を両手で握った。
ディーンは毎回重過ぎて無理だとフラれる程度には、恋人に対して重い。オッサンのプリケツという新たな世界への扉を開いてしまったし、ハリーとのセックスは非常に楽しくて気持ちがよかった。ハリーのことを恋愛的な意味で好きかと聞かれたら今は首を傾げるが、これでも一応ハリーのことは尊敬しているし、ディーンなりに慕っていた。本人に言ったことはないけど。もしかしたら、ハリーならディーンを受け止めて、思いっきり愛してくれるかもしれない。
ディーンが期待を込めてハリーを見つめると、ハリーが遠い目をして、大きな溜め息を吐いた。
「……うん。俺も男だ。責任はとる」
「よっしゃ!言質とったーー!!」
「ディーン」
「はーい」
「言っておくが、俺も本命には重い方だぞ。本格的に男に目覚める前に、それで嫁さんに捨てられてるからな」
「ふーん。やべぇ。俺らお似合い過ぎじゃね?似た者同士じゃん。ハリーさん。ハリーさん」
「ん?」
「ちょっとずつお互い知り合っていきましょうよ」
「……そうだな」
「とりあえず明日から同棲して」
「明日は急過ぎるわ。ボケ」
ディーンはヘラっと笑って、呆れた顔をしているハリーに顔を寄せ、ハリーの唇に触れるだけのキスをした。
ディーンは本当に翌日にハリーの家である一軒家に引っ越し、呆れて微妙に引いているハリーと一緒に暮らし始めた。
10年経っても、2人の指には揃いの指輪がある。オッサンと呼ばれる歳になったディーンは、珈琲を飲む年相応に老けたハリーを頬杖をついて眺めて、ニヤニヤと笑った。
「なんだ」
「いやぁ。刮目してただけ」
「はぁ?」
「俺のダーリンは今日も素敵ー。惚れ直すー」
「あっそ」
ぶっきらぼうに言い捨てたハリーの皺のある目尻が微かに赤く染まっている。ディーンはニヤニヤと笑いながら手を伸ばし、照れた顔をしているハリーの眉間の深い皺を指先でうりうりと撫で回した。
(おしまい)
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感想をありがとうございますっ!!
本当に嬉しいです!!
笑っていただけて、めちゃくちゃ嬉しいですーー!!
執筆の時に、人様には見せられない顔でニヤニヤしながら楽しく書いたので、笑っていただけて本当に嬉しいです!
温かいお言葉をいただけて、私もめちゃくちゃ幸せな気分です!!
本当に!全力で!ありがとうございますっ!!
まーさんの作品めっちゃ好きです!
感想をありがとうございますっ!!
本当に嬉しいです!!
嬉し過ぎるお言葉をいただけて、感無量であります!!(泣)
本当に心の奥底からありがとうございますっ!!
いつも全力で楽しんで書いております。
私の『楽しいっ!』をお楽しみいただけることが、何よりも嬉しいです!!
重ねてになりますが、本当にありがとうございますっ!!!!