31 / 31
黒と白が交われば
しおりを挟む
「カミロ。好きだから一緒にいて」
カミロはジャファーの突然の言葉に、ピシッと固まった。
カミロは職場から帰宅し、寒かったのでシャワーを浴びている真っ最中だ。熱めのシャワーのお湯を浴びながら、髪を洗っていた。当然、全裸だ。
「あ、コンディショナーは俺がやるわ。どうせアンタやらないだろ?身体は洗った?」
「……あぁ」
ジャファーが脱衣場と風呂場との間のドアを閉めたかと思えば、すぐに全裸の状態で風呂場に入ってきた。
カミロが中途半端に洗っていた髪をきっちり洗い、1度髪の泡をお湯で流してから、今度はコンディショナーをカミロの髪に馴染ませていく。鼻歌を小さく歌っているくらい、ジャファーはご機嫌だ。
カミロはジャファーに言われたことが理解できなくて、かなり混乱していた。
ジャファーに『好きだから一緒にいて』と言われた。どういう意味だ。カミロはジャファーの『好き』という感情が欲しい。『好きだから一緒にいて』とは、ジャファーはカミロのことが『好き』だという認識でいいのだろうか。
突然やって来て(いつものことだが)、突然そんなことを言い出したジャファーに、頭が疑問符だらけになる。
ジャファーがコンディショナーをつけたカミロの髪をお湯で洗い流し、混乱して固まっているカミロの身体をあちこち撫で回して、舐め回して、自分の『ちんこ』をカミロの『まんこ』に突っ込んで、カミロがはっと硬直から戻る頃には、カミロは思いっきり喘いで『潮』を吹いて『イッた』後だった。
ジャファーに熱めのお湯で全身の汗と、『まんこ』の中から垂れてくるジャファーの『精液』を流され、脱衣場に移動して全身をタオルで拭かれ、服を着せられ、髪を乾かされた。ジャファーは化粧水などでカミロの肌の手入れをし、香油を使って髪の手入れまでやってから、カミロを子供のように抱っこして、部屋のベッドへと移動した。
帰宅した直後に空調を入れたので部屋の中は暖かい。冷えていたベッドの布団の中も、シャワーを浴びて暖まっている身体で2人で潜り込めば、すぐに暖かくなる。
ジャファーが未だに頭の中が疑問符だらけで混乱しているカミロの身体を抱きしめ、カミロの額にキスをした。
「で?」
「え?」
「返事は?」
「……返事?」
「俺、一応アンタにプロポーズしたんだけど」
「ぷろぽーず」
「結婚の申し込みのこと」
「けっこん」
「俺とずっと一緒にいてよ。子供はアンタが欲しくなった時でいいし。つーか、アンタがいればそれでいいし。俺と一緒に暮らして、毎日一緒に俺が作った飯食ってよ。風呂も一緒がいいし、寝るのも一緒がいいし、アンタとセックスしてぇし。俺の残りの人生めちゃくちゃ長いからさ。俺が死ぬまで俺の人生に付き合ってよ」
「…………」
「カミロ」
「……あ、あぁ」
「アンタが好きだよ。アンタの残りの人生を共に歩む権利を俺にちょーだい」
カミロはジャファーの言葉を飲み込めなくて呆然としながらも、何故だか勝手に目から涙が流れ始めた。感情が高ぶり、自分の今の感情を自分で把握できなくて、言葉にも上手くできなくて、カミロははくはくと何度も口を開けたり閉じたりした。
ジャファーと向かい合うような形でベッドの上で布団を被って横になっており、緩くジャファーに抱きしめられている。すぐ目の前にジャファーの顔があり、ジャファーの黒い瞳は怖いくらい真剣な色をしていた。ジャファーと出会った頃は、ジャファーの黒い瞳に浮かぶ感情なんて全然分からなかったが、今ではある程度分かるようになっている。真剣にジャファーはカミロが『好き』で『結婚』したいらしい。
カミロは小さく震える声を絞り出した。
「……わ、わ、私は……」
「うん」
「……私、は……ジャファーが好きだ……」
「うん。じゃあさ、結婚して一緒に生きよう。お互い死ぬまでずっと。カミロ」
「…………」
「アンタを愛してるよ。死ぬまで離れないからさ。あとざっくり450年くらい、俺に付き合ってよ。お互いジジイとババアになっても、抱きしめあって、キスをして、一緒に寝よう。俺が作った飯をしこたま食べてよ。俺、アンタが俺が作った飯食ってるとこをさ、見んの好きなんだわ」
「…………いいのか、私で……」
「アンタがいいの」
「……仕事、辞めたくない」
「何で辞める必要あんのさ。アンタ、仕事大好きだろ」
「……あぁ」
「アンタが俺との子供がほしくなって、子供を産んでも、なんなら俺が子供の世話をするし。アンタは好きに働けよ。俺も好き勝手にアンタとアンタの子供の世話を焼くし」
「……いいのか、それで」
「いいんじゃね?俺はアンタが一緒に生きてくれたら、それでいいもん。あ、勿論セックス込みな。俺、アンタとセックスすんの、マジで好きだし」
「…………私も」
「ん?」
「…………私も、ジャファーが、『好き』だ」
「ははっ!やべぇ。両思いじゃん。俺ら」
ジャファーが弾けるような嬉しそうな笑い声を上げ、カミロの唇に触れるだけの『キス』をした。
お互いの額をピタリと当て、鼻先を擦り合わせて、ジャファーが小さく囁いた。
「カミロ」
「あぁ」
「ずっと一緒にいて、幸せになろう。2人で」
「……あぁ」
あぁ。今の感情を上手く言葉にしてジャファーに伝えられたらいいのに。カミロは高鳴る胸と高ぶっている感情が少しでもジャファーに伝わればいいと、ジャファーの身体にすり寄って、ぴったりくっついた。ジャファーの太い腕が、カミロの細い身体をぎゅっとキツく抱きしめてくれる。
勝手に流れているカミロの涙が止まるまで、ジャファーはずっとカミロの身体を抱きしめていてくれた。
ーーーーーー
カミロは賑やかな話し声で目が覚めた。
寝る前にはすぐ隣にいた筈のジャファーの姿はない。カミロがくわぁっと大きく欠伸をして身体を起こすと、賑やかな話し声がどんどん近くなり、寝室のドアが開いた。
パッと小さな身体がカミロがいるベッドに駆け寄り、ベッドによじ登ってきて、カミロの膝に乗って、カミロの首に細くて頼りない腕を回してむぎゅうと抱きついてきた。
「ママ。おはよー」
「……おはよう」
「聞いてよ!パパが剣やっていいって」
「そうか」
「なーも!なーもやるぅ!」
「ナーディルはまだダメ」
「やぁぁぁ!やるのぉぉぉ!!」
「ダーメ」
結婚して50年目に、カミロは長男・バゼットを、その3年後に次男・ナーディルを産んだ。2人ともジャファー譲りの黒髪黒目だ。バゼットは祖父であるリチャードによく似た顔立ちで、ナーディルはどちらかと言えばカミロに似た顔立ちをしている。
抱きついているバゼットの子供体温な身体を緩く抱きしめていると、また眠くなる。昨夜も子供達が寝た後にジャファーとセックスを楽しみ、寝たのは結局朝方だった。カミロは大きく欠伸をして、抱きしめているバゼットごと再びベッドに横になった。
「ママ。また寝るの?」
「……あぁ」
「なーも!なーも!ままとねんねー!」
「えー。じゃあパパも寝るわ」
「ぱぱ、やっ!」
「はっはっは。嫌でも寝るし」
「やぁぁぁぁぁん!ぱぱ、やぁぁぁぁ!」
ナーディルは絶賛イヤイヤ期である。よく分からないところでイヤイヤする。
イヤイヤしているナーディルを抱っこしているジャファーがベッドに近づき、本当にナーディルごと布団に潜り込んできた。
2人の子供達を挟んだまま、ジャファーがカミロの唇に『キス』をした。
「一眠りして起きたら朝飯な。今朝はふわふわパンケーキだぞ。カリカリベーコンとスクランブルエッグ付き」
「あぁ……ジャファー」
「んー?」
「……いや、楽しみだ」
「ははっ。まぁ期待しててよ」
カミロはジャファーに言おうかと思った言葉を飲み込んで、子供達の額に各々『キス』をしてから目を閉じた。
カミロがジャファーのことを『好き』なことは、ジャファーはもうとっくの昔に知っている。わざわざ言う程のことではない。
子供達の体温を感じながら、カミロは胸がぽかぽか温かいのを堪能しつつ、また眠りに落ちた。
家族全員で朝寝を楽しめる『幸せ』を、カミロは確かに感じていた。
『黒』と『白』が交わったら、新しい『灰色』という色ができる。
新しい色がもたらす幸福は何物にも変えがたい。『黒』も『灰色』も、『白』にとって、本当にかけがえのない色になった。
『黒』と『白』が交わる時間は、もっとずっと長く続いていく。沢山の『灰色』を生み出しながら。
《完》
カミロはジャファーの突然の言葉に、ピシッと固まった。
カミロは職場から帰宅し、寒かったのでシャワーを浴びている真っ最中だ。熱めのシャワーのお湯を浴びながら、髪を洗っていた。当然、全裸だ。
「あ、コンディショナーは俺がやるわ。どうせアンタやらないだろ?身体は洗った?」
「……あぁ」
ジャファーが脱衣場と風呂場との間のドアを閉めたかと思えば、すぐに全裸の状態で風呂場に入ってきた。
カミロが中途半端に洗っていた髪をきっちり洗い、1度髪の泡をお湯で流してから、今度はコンディショナーをカミロの髪に馴染ませていく。鼻歌を小さく歌っているくらい、ジャファーはご機嫌だ。
カミロはジャファーに言われたことが理解できなくて、かなり混乱していた。
ジャファーに『好きだから一緒にいて』と言われた。どういう意味だ。カミロはジャファーの『好き』という感情が欲しい。『好きだから一緒にいて』とは、ジャファーはカミロのことが『好き』だという認識でいいのだろうか。
突然やって来て(いつものことだが)、突然そんなことを言い出したジャファーに、頭が疑問符だらけになる。
ジャファーがコンディショナーをつけたカミロの髪をお湯で洗い流し、混乱して固まっているカミロの身体をあちこち撫で回して、舐め回して、自分の『ちんこ』をカミロの『まんこ』に突っ込んで、カミロがはっと硬直から戻る頃には、カミロは思いっきり喘いで『潮』を吹いて『イッた』後だった。
ジャファーに熱めのお湯で全身の汗と、『まんこ』の中から垂れてくるジャファーの『精液』を流され、脱衣場に移動して全身をタオルで拭かれ、服を着せられ、髪を乾かされた。ジャファーは化粧水などでカミロの肌の手入れをし、香油を使って髪の手入れまでやってから、カミロを子供のように抱っこして、部屋のベッドへと移動した。
帰宅した直後に空調を入れたので部屋の中は暖かい。冷えていたベッドの布団の中も、シャワーを浴びて暖まっている身体で2人で潜り込めば、すぐに暖かくなる。
ジャファーが未だに頭の中が疑問符だらけで混乱しているカミロの身体を抱きしめ、カミロの額にキスをした。
「で?」
「え?」
「返事は?」
「……返事?」
「俺、一応アンタにプロポーズしたんだけど」
「ぷろぽーず」
「結婚の申し込みのこと」
「けっこん」
「俺とずっと一緒にいてよ。子供はアンタが欲しくなった時でいいし。つーか、アンタがいればそれでいいし。俺と一緒に暮らして、毎日一緒に俺が作った飯食ってよ。風呂も一緒がいいし、寝るのも一緒がいいし、アンタとセックスしてぇし。俺の残りの人生めちゃくちゃ長いからさ。俺が死ぬまで俺の人生に付き合ってよ」
「…………」
「カミロ」
「……あ、あぁ」
「アンタが好きだよ。アンタの残りの人生を共に歩む権利を俺にちょーだい」
カミロはジャファーの言葉を飲み込めなくて呆然としながらも、何故だか勝手に目から涙が流れ始めた。感情が高ぶり、自分の今の感情を自分で把握できなくて、言葉にも上手くできなくて、カミロははくはくと何度も口を開けたり閉じたりした。
ジャファーと向かい合うような形でベッドの上で布団を被って横になっており、緩くジャファーに抱きしめられている。すぐ目の前にジャファーの顔があり、ジャファーの黒い瞳は怖いくらい真剣な色をしていた。ジャファーと出会った頃は、ジャファーの黒い瞳に浮かぶ感情なんて全然分からなかったが、今ではある程度分かるようになっている。真剣にジャファーはカミロが『好き』で『結婚』したいらしい。
カミロは小さく震える声を絞り出した。
「……わ、わ、私は……」
「うん」
「……私、は……ジャファーが好きだ……」
「うん。じゃあさ、結婚して一緒に生きよう。お互い死ぬまでずっと。カミロ」
「…………」
「アンタを愛してるよ。死ぬまで離れないからさ。あとざっくり450年くらい、俺に付き合ってよ。お互いジジイとババアになっても、抱きしめあって、キスをして、一緒に寝よう。俺が作った飯をしこたま食べてよ。俺、アンタが俺が作った飯食ってるとこをさ、見んの好きなんだわ」
「…………いいのか、私で……」
「アンタがいいの」
「……仕事、辞めたくない」
「何で辞める必要あんのさ。アンタ、仕事大好きだろ」
「……あぁ」
「アンタが俺との子供がほしくなって、子供を産んでも、なんなら俺が子供の世話をするし。アンタは好きに働けよ。俺も好き勝手にアンタとアンタの子供の世話を焼くし」
「……いいのか、それで」
「いいんじゃね?俺はアンタが一緒に生きてくれたら、それでいいもん。あ、勿論セックス込みな。俺、アンタとセックスすんの、マジで好きだし」
「…………私も」
「ん?」
「…………私も、ジャファーが、『好き』だ」
「ははっ!やべぇ。両思いじゃん。俺ら」
ジャファーが弾けるような嬉しそうな笑い声を上げ、カミロの唇に触れるだけの『キス』をした。
お互いの額をピタリと当て、鼻先を擦り合わせて、ジャファーが小さく囁いた。
「カミロ」
「あぁ」
「ずっと一緒にいて、幸せになろう。2人で」
「……あぁ」
あぁ。今の感情を上手く言葉にしてジャファーに伝えられたらいいのに。カミロは高鳴る胸と高ぶっている感情が少しでもジャファーに伝わればいいと、ジャファーの身体にすり寄って、ぴったりくっついた。ジャファーの太い腕が、カミロの細い身体をぎゅっとキツく抱きしめてくれる。
勝手に流れているカミロの涙が止まるまで、ジャファーはずっとカミロの身体を抱きしめていてくれた。
ーーーーーー
カミロは賑やかな話し声で目が覚めた。
寝る前にはすぐ隣にいた筈のジャファーの姿はない。カミロがくわぁっと大きく欠伸をして身体を起こすと、賑やかな話し声がどんどん近くなり、寝室のドアが開いた。
パッと小さな身体がカミロがいるベッドに駆け寄り、ベッドによじ登ってきて、カミロの膝に乗って、カミロの首に細くて頼りない腕を回してむぎゅうと抱きついてきた。
「ママ。おはよー」
「……おはよう」
「聞いてよ!パパが剣やっていいって」
「そうか」
「なーも!なーもやるぅ!」
「ナーディルはまだダメ」
「やぁぁぁ!やるのぉぉぉ!!」
「ダーメ」
結婚して50年目に、カミロは長男・バゼットを、その3年後に次男・ナーディルを産んだ。2人ともジャファー譲りの黒髪黒目だ。バゼットは祖父であるリチャードによく似た顔立ちで、ナーディルはどちらかと言えばカミロに似た顔立ちをしている。
抱きついているバゼットの子供体温な身体を緩く抱きしめていると、また眠くなる。昨夜も子供達が寝た後にジャファーとセックスを楽しみ、寝たのは結局朝方だった。カミロは大きく欠伸をして、抱きしめているバゼットごと再びベッドに横になった。
「ママ。また寝るの?」
「……あぁ」
「なーも!なーも!ままとねんねー!」
「えー。じゃあパパも寝るわ」
「ぱぱ、やっ!」
「はっはっは。嫌でも寝るし」
「やぁぁぁぁぁん!ぱぱ、やぁぁぁぁ!」
ナーディルは絶賛イヤイヤ期である。よく分からないところでイヤイヤする。
イヤイヤしているナーディルを抱っこしているジャファーがベッドに近づき、本当にナーディルごと布団に潜り込んできた。
2人の子供達を挟んだまま、ジャファーがカミロの唇に『キス』をした。
「一眠りして起きたら朝飯な。今朝はふわふわパンケーキだぞ。カリカリベーコンとスクランブルエッグ付き」
「あぁ……ジャファー」
「んー?」
「……いや、楽しみだ」
「ははっ。まぁ期待しててよ」
カミロはジャファーに言おうかと思った言葉を飲み込んで、子供達の額に各々『キス』をしてから目を閉じた。
カミロがジャファーのことを『好き』なことは、ジャファーはもうとっくの昔に知っている。わざわざ言う程のことではない。
子供達の体温を感じながら、カミロは胸がぽかぽか温かいのを堪能しつつ、また眠りに落ちた。
家族全員で朝寝を楽しめる『幸せ』を、カミロは確かに感じていた。
『黒』と『白』が交わったら、新しい『灰色』という色ができる。
新しい色がもたらす幸福は何物にも変えがたい。『黒』も『灰色』も、『白』にとって、本当にかけがえのない色になった。
『黒』と『白』が交わる時間は、もっとずっと長く続いていく。沢山の『灰色』を生み出しながら。
《完》
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
立派な淑女に育てたはずなのに
茜菫
恋愛
愛する男と親友に裏切られた魔女レアケは、森の奥にある古びた塔に住んでいた。
その塔は国が管理しており、魔女には身の回りの世話をする侍女がつけられていた。
ある日、新しい侍女として年若い、口悪い、礼儀のなっていないやせ細った少女がやってきた。
レアケは少女の秘めた才を見出し、少女を立派な淑女に育て、同時に立派な魔法使いに育てた。
少女が塔から去り、数年経ったある日のこと。
「迎えに来ましたよ、私の魔女。さあ、結婚しましょう」
「……いや、あなただれよ!?」
少女を立派な淑女に育てたはずなのに、後に見知らぬ紳士に求婚される魔女の話。
(2024/12/01 改稿)
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる