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10:カートの成長
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カートが寝返りができるようになり、首もすわった。ミゲルもムートもカートの世話にもだいぶ慣れてきている。毎日小さな騒動があるが、カートは大きな病気をすることなく元気に育ってきてくれている。ミゲルも赤ちゃんがいる生活に慣れてきて、少し心の余裕ができてきた。ムートがちょいちょいミゲルをさりげなく甘やかしてくれているというのも大きい。
今日はいよいよ抱っこ紐を使ってのカートのお散歩デビューである。抱っこ紐は首がすわる前から使えるものを買ったが、なんだか怖くて今まで使えなかった。カートを連れて外に出る時は常にミゲルかムートが横抱きしていた。
カートを抱っこ紐で抱っこできれば、両手が空くので、今は殆んどムートに任せている買い物もミゲル1人である程度できるようになる。おんぶでも使える抱っこ紐なので、カートをおんぶして家事もできる。ムートは毎日働いているのだから、少しでもムートの負担を減らしたいミゲルなのである。
説明書を何度も繰り返し読みまくった抱っこ紐を慎重に使って、初めてカートを抱っこ紐つきで抱っこしてみた。何度も紐の結び目を確認して、恐る恐る手を離してみる。特に問題はない。念のため抱っこ紐をつけたミゲルの前に立っていたムートもほっと息を吐いた。
「大丈夫そうだね」
「はい。思っていたより楽です」
「ふふっ。よかった。じゃあ、お散歩行こうか」
「はい」
念のため片手でカートの尻を支えながら、ミゲルはムートと一緒に家を出た。ムートと手を繋いで、家から少し離れた街の広場へと向かう。そういえばムートと手を繋ぐのは久しぶりかもしれない。いつもどちらかがカートを抱っこしているので、両手が塞がっている。なんだか久々にムートと手を繋ぐのがくすぐったい。少しかさついたムートの温かい手を握ったまま、のんびり2人でカートに話しかけながら歩く。
「カート。ほら、鳥がいるよ。とーり」
「雀ですね」
「あー」
「あ、カート。ほら、飛んでいった」
「カート。あれは葉っぱです。葉っぱ」
「桃の木だね。桃だよ、カート。もーも」
「あー」
ご機嫌なカートがにこーっと笑った。実に可愛らしい。広場に着くと、木の下にあるベンチにムートと並んで座った。ムートがぴったりミゲルに寄り添って、ご機嫌なカートの頬を指先でふにふにした。
「ふふーっ。離乳食も始まったし、どんどん大きくなるねぇ」
「そうですね。夜泣きも今のところしてないので助かります」
「ねー。寝ぐずりも前よりマシになってきたよね」
「はい。起きてる時間も寝ている時間も前よりまとまってきた感じですね」
「ハイハイが楽しみだなぁ」
「そうですね。あ、居間をいっそ土足禁止にしますか?床は柔らかい絨毯を敷いてますし、それなりに広いですから、カートがハイハイで動き回るのにいいと思うんですけど」
「そうだね。次の休みに1度絨毯を洗濯しようか。敷き直したら土足禁止で。居間の入り口でスリッパに履き替えるようにしよう。カートが本格的に歩きだしたら、また元通りにするってことで」
「慣れるまでが少し面倒に感じるかもしれませんけど、汚れた絨毯の上をハイハイさせるのは心配ですしね。なんでも口に入れようとするようになるでしょうし」
「そうだね。あ、カート頑張ってる」
「あ、本当だ。これ完全にうんちですね」
「うんちだね」
ぷぷぷーっとカートのお尻から小さな音が聞こえた。むぅっと顔にも力が入っていたカートが脱力する。スッキリしたのか、カートがにこーっと笑った。1度抱っこ紐を外してカートをベンチに寝かせ、オムツを替えてやる。ムートが持っていた鞄に、替えのオムツや着替え、お尻拭きなどは全て入れてきている。手早くオムツを替えてやり、ご機嫌なカートを再び抱っこ紐を使って抱っこする。汚れたオムツなどはムートが専用の臭いや水分が漏れない特殊な袋に入れて、鞄に入れた。
「そろそろ帰ろうか」
「はい。あ、ついでに買い物して帰りますか?」
「そうだね。カートの粉ミルクもそろそろ買い足さなきゃ。赤ちゃん用の石鹸も小さくなってきてるし」
「あ、カートの服もそろそろ買った方がいいかもしれません。ちょっとキツくなってきてます。あとガーゼももう少し買い足した方がいいかもです」
「じゃあ、赤ちゃん用品専門店に行って、その後食料品とか買いに行こうか」
「はい」
先に立ち上がったムートに手を差しのべられ、ミゲルはムートの手を握って立ち上がった。あ、とムートが自分の上着のポケットを片手で探って、端末を取り出した。
「写真撮っとこうよ。抱っこ紐デビュー記念」
「はい」
ムートが端末を弄って、自分達が端末の画面に映るように設定し、カートを抱っこしているミゲルの肩を抱いて、ピッタリくっついた。
「撮るよー」
ムートが端末のボタンを押し、2人揃って笑顔で写真を撮った。たまにこうしてカートも一緒に3人で写真を撮る。ミゲルの端末もカートやムートと一緒に写っている写真でいっぱいである。ミゲルはたまに暇な時に端末の写真を眺めて、ニヤニヤしている。写真で見返すと、カートの成長がよく分かり楽しい。
ムートと手を繋いで、店を回って買い物をしてから家へと帰る。子育ては大変だが、ムートがものすごく協力してくれるから、なんとかなっているし、楽しいことも嬉しいことも多い日々である。
ふっと、何気なくミゲルは空を見上げた。雲が1つもない真っ青な空である。カートも元気だし、ムートは優しい。なんだか幸せだなぁ、と思う、とある日の午後のことだった。
ーーーーーー
カートはちょうど1歳の誕生日の日の夜に、初めて1歩だけ歩いた。カートのお誕生会をして、お風呂から出て、3人で居間の絨毯に座って遊んでいる時だった。カートはムートに掴まって立ち上がり、そのままムートから手を離して1歩足を踏み出し、その後ペタンと座り込んだ。
「ミーちゃん!!見た!?カートが歩いた!!」
「見ました!!カートが歩いたっ!」
「すごいよ!カート!」
「あっ!写真!!」
「あっ!カート。もう1回やってみて。もう1回」
「あー」
「端末っ!端末っ!」
あわあわとミゲルはローテーブルに置いていた自分の端末を取り、急いで端末を弄っていつでも写真が撮れるようにした。
ムートが笑顔でカートを促すと、カートが再びムートに掴まり立ち上がった。カートが立ち上がった瞬間から端末のボタンを連打して、連写する。カートは今度は2歩歩いた。ムートとミゲルは歓声を上げた。バッチリ写真に撮れた。
ムートが座り込んだカートを抱き上げて、嬉しそうに頬擦りした。
「カート!すごいよ!歩けたねぇ」
何度もムートが嬉しそうにカートの頬にキスをする。その姿を1枚写真に撮って、ミゲルも2人に近づいてカートの頬にキスをする。なんとなくニコニコしているムートの唇にもキスをした。ムートの出かけや帰宅した時、それから何気ない時にムートとキスをするのが普通になっている。最初のうちは契約結婚なのに、ここまでする必要あるのかな?と思っていたが、今ではすっかり当たり前になった。
カートを抱っこしたムートとピッタリくっついて、端末で3人で写真を撮る。3人で撮った写真がかなり増えている。専用の魔導製品を使えば端末で撮った写真も現像ができるので、家族のアルバムがどんどん写真で埋まっている。居間に飾ってある写真立ても少しずつ増えてきている。ムートは職場の自分の机にも写真立てに3人の写真を入れて飾っているらしい。多分ミゲルも復職したら同じ事をすると思う。
カートが眠ってしまうまで、ミゲルはムートと一緒に歌を歌ってやったり、ぬいぐるみでカートと遊んでやった。
ーーーーーー
カートに真夜中にミルクを飲ませなければならない時期が過ぎたので、今はミゲルの部屋にカート用のベッドを置いて、ミゲルは自分のベッドで寝ている。夜中にたまにカートがぐずって起こされる時もあるが、カートは殆んど夜泣きをしないので、ミゲルも朝までぐっすり眠れるようになっている。
眠ったカートを赤ちゃん用のベッドに寝かせて、カートの額に優しくキスをすると、ミゲルもベッドに入った。カートは今日初めて歩けたし、順調に成長してくれている。『父さん』と呼ばれる日もそう遠くないかもしれない。カートのベッドを寝転がったまま見て、1人微笑んでいると、部屋のドアがノックされた。そーっと部屋のドアが開き、ムートが顔を覗かせた。ミゲルは起き上がった。
「ミーちゃん。カート寝てる?」
「はい。ぐっすりです」
「よし。じゃあさ、そろそろ一緒に寝ない?カートは夜泣きもしないし」
「はい。いいですよ」
仕事に行くムートが夜中に起こされて睡眠不足になるようではないのなら、ムートと一緒に寝るのは吝かではない。ミゲルはベッドに歩いてきたムートを受け入れる為に、少し壁際にずり動いた。ベッドに上がってきたムートと一緒に横になる。
ムートが顔を近づけてミゲルにキスをしてきたので、素直にミゲルも応えた。唇を触れあわせながら、ムートが小さな声で囁いた。
「しない?カート寝てるし」
「……カート起きませんかね」
「その時はその時だよ」
「はい」
ムートがミゲルの身体を服の上から優しく撫でながら、本格的にキスをしてきた。ミゲルも目を閉じて、ムートと舌を絡めあわせる。
セックスなんて約1年ぶりである。そもそも一緒のベッドに寝るのも1年ぶりだ。居間の絨毯の上で敷き布団を敷いてカートも一緒に昼寝をすることはあっても、夜はずっと別々だった。久しぶりに感じるムートの体温にも匂いにも、なんだか興奮してしまう。
「抱いていい?」
「はい」
ミゲルの首筋に顔を埋めて舌を這わせるムートの頭を優しく撫でた。首筋をぬるぬると這い回るムートの舌の感触が気持ちよくて、ミゲルは思わず熱い息を吐いた。互いに寝間着を脱がせあい、裸で絡み合う。久しぶりにムートにアナルを舐められ、ムートのぺニスを受け入れて、ミゲルはムートから与えられる快感に夢中になった。喘ぎ声が大きくならないよう気をつけながら、ミゲルは久々のムートとのセックスを楽しんだ。
今日はいよいよ抱っこ紐を使ってのカートのお散歩デビューである。抱っこ紐は首がすわる前から使えるものを買ったが、なんだか怖くて今まで使えなかった。カートを連れて外に出る時は常にミゲルかムートが横抱きしていた。
カートを抱っこ紐で抱っこできれば、両手が空くので、今は殆んどムートに任せている買い物もミゲル1人である程度できるようになる。おんぶでも使える抱っこ紐なので、カートをおんぶして家事もできる。ムートは毎日働いているのだから、少しでもムートの負担を減らしたいミゲルなのである。
説明書を何度も繰り返し読みまくった抱っこ紐を慎重に使って、初めてカートを抱っこ紐つきで抱っこしてみた。何度も紐の結び目を確認して、恐る恐る手を離してみる。特に問題はない。念のため抱っこ紐をつけたミゲルの前に立っていたムートもほっと息を吐いた。
「大丈夫そうだね」
「はい。思っていたより楽です」
「ふふっ。よかった。じゃあ、お散歩行こうか」
「はい」
念のため片手でカートの尻を支えながら、ミゲルはムートと一緒に家を出た。ムートと手を繋いで、家から少し離れた街の広場へと向かう。そういえばムートと手を繋ぐのは久しぶりかもしれない。いつもどちらかがカートを抱っこしているので、両手が塞がっている。なんだか久々にムートと手を繋ぐのがくすぐったい。少しかさついたムートの温かい手を握ったまま、のんびり2人でカートに話しかけながら歩く。
「カート。ほら、鳥がいるよ。とーり」
「雀ですね」
「あー」
「あ、カート。ほら、飛んでいった」
「カート。あれは葉っぱです。葉っぱ」
「桃の木だね。桃だよ、カート。もーも」
「あー」
ご機嫌なカートがにこーっと笑った。実に可愛らしい。広場に着くと、木の下にあるベンチにムートと並んで座った。ムートがぴったりミゲルに寄り添って、ご機嫌なカートの頬を指先でふにふにした。
「ふふーっ。離乳食も始まったし、どんどん大きくなるねぇ」
「そうですね。夜泣きも今のところしてないので助かります」
「ねー。寝ぐずりも前よりマシになってきたよね」
「はい。起きてる時間も寝ている時間も前よりまとまってきた感じですね」
「ハイハイが楽しみだなぁ」
「そうですね。あ、居間をいっそ土足禁止にしますか?床は柔らかい絨毯を敷いてますし、それなりに広いですから、カートがハイハイで動き回るのにいいと思うんですけど」
「そうだね。次の休みに1度絨毯を洗濯しようか。敷き直したら土足禁止で。居間の入り口でスリッパに履き替えるようにしよう。カートが本格的に歩きだしたら、また元通りにするってことで」
「慣れるまでが少し面倒に感じるかもしれませんけど、汚れた絨毯の上をハイハイさせるのは心配ですしね。なんでも口に入れようとするようになるでしょうし」
「そうだね。あ、カート頑張ってる」
「あ、本当だ。これ完全にうんちですね」
「うんちだね」
ぷぷぷーっとカートのお尻から小さな音が聞こえた。むぅっと顔にも力が入っていたカートが脱力する。スッキリしたのか、カートがにこーっと笑った。1度抱っこ紐を外してカートをベンチに寝かせ、オムツを替えてやる。ムートが持っていた鞄に、替えのオムツや着替え、お尻拭きなどは全て入れてきている。手早くオムツを替えてやり、ご機嫌なカートを再び抱っこ紐を使って抱っこする。汚れたオムツなどはムートが専用の臭いや水分が漏れない特殊な袋に入れて、鞄に入れた。
「そろそろ帰ろうか」
「はい。あ、ついでに買い物して帰りますか?」
「そうだね。カートの粉ミルクもそろそろ買い足さなきゃ。赤ちゃん用の石鹸も小さくなってきてるし」
「あ、カートの服もそろそろ買った方がいいかもしれません。ちょっとキツくなってきてます。あとガーゼももう少し買い足した方がいいかもです」
「じゃあ、赤ちゃん用品専門店に行って、その後食料品とか買いに行こうか」
「はい」
先に立ち上がったムートに手を差しのべられ、ミゲルはムートの手を握って立ち上がった。あ、とムートが自分の上着のポケットを片手で探って、端末を取り出した。
「写真撮っとこうよ。抱っこ紐デビュー記念」
「はい」
ムートが端末を弄って、自分達が端末の画面に映るように設定し、カートを抱っこしているミゲルの肩を抱いて、ピッタリくっついた。
「撮るよー」
ムートが端末のボタンを押し、2人揃って笑顔で写真を撮った。たまにこうしてカートも一緒に3人で写真を撮る。ミゲルの端末もカートやムートと一緒に写っている写真でいっぱいである。ミゲルはたまに暇な時に端末の写真を眺めて、ニヤニヤしている。写真で見返すと、カートの成長がよく分かり楽しい。
ムートと手を繋いで、店を回って買い物をしてから家へと帰る。子育ては大変だが、ムートがものすごく協力してくれるから、なんとかなっているし、楽しいことも嬉しいことも多い日々である。
ふっと、何気なくミゲルは空を見上げた。雲が1つもない真っ青な空である。カートも元気だし、ムートは優しい。なんだか幸せだなぁ、と思う、とある日の午後のことだった。
ーーーーーー
カートはちょうど1歳の誕生日の日の夜に、初めて1歩だけ歩いた。カートのお誕生会をして、お風呂から出て、3人で居間の絨毯に座って遊んでいる時だった。カートはムートに掴まって立ち上がり、そのままムートから手を離して1歩足を踏み出し、その後ペタンと座り込んだ。
「ミーちゃん!!見た!?カートが歩いた!!」
「見ました!!カートが歩いたっ!」
「すごいよ!カート!」
「あっ!写真!!」
「あっ!カート。もう1回やってみて。もう1回」
「あー」
「端末っ!端末っ!」
あわあわとミゲルはローテーブルに置いていた自分の端末を取り、急いで端末を弄っていつでも写真が撮れるようにした。
ムートが笑顔でカートを促すと、カートが再びムートに掴まり立ち上がった。カートが立ち上がった瞬間から端末のボタンを連打して、連写する。カートは今度は2歩歩いた。ムートとミゲルは歓声を上げた。バッチリ写真に撮れた。
ムートが座り込んだカートを抱き上げて、嬉しそうに頬擦りした。
「カート!すごいよ!歩けたねぇ」
何度もムートが嬉しそうにカートの頬にキスをする。その姿を1枚写真に撮って、ミゲルも2人に近づいてカートの頬にキスをする。なんとなくニコニコしているムートの唇にもキスをした。ムートの出かけや帰宅した時、それから何気ない時にムートとキスをするのが普通になっている。最初のうちは契約結婚なのに、ここまでする必要あるのかな?と思っていたが、今ではすっかり当たり前になった。
カートを抱っこしたムートとピッタリくっついて、端末で3人で写真を撮る。3人で撮った写真がかなり増えている。専用の魔導製品を使えば端末で撮った写真も現像ができるので、家族のアルバムがどんどん写真で埋まっている。居間に飾ってある写真立ても少しずつ増えてきている。ムートは職場の自分の机にも写真立てに3人の写真を入れて飾っているらしい。多分ミゲルも復職したら同じ事をすると思う。
カートが眠ってしまうまで、ミゲルはムートと一緒に歌を歌ってやったり、ぬいぐるみでカートと遊んでやった。
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カートに真夜中にミルクを飲ませなければならない時期が過ぎたので、今はミゲルの部屋にカート用のベッドを置いて、ミゲルは自分のベッドで寝ている。夜中にたまにカートがぐずって起こされる時もあるが、カートは殆んど夜泣きをしないので、ミゲルも朝までぐっすり眠れるようになっている。
眠ったカートを赤ちゃん用のベッドに寝かせて、カートの額に優しくキスをすると、ミゲルもベッドに入った。カートは今日初めて歩けたし、順調に成長してくれている。『父さん』と呼ばれる日もそう遠くないかもしれない。カートのベッドを寝転がったまま見て、1人微笑んでいると、部屋のドアがノックされた。そーっと部屋のドアが開き、ムートが顔を覗かせた。ミゲルは起き上がった。
「ミーちゃん。カート寝てる?」
「はい。ぐっすりです」
「よし。じゃあさ、そろそろ一緒に寝ない?カートは夜泣きもしないし」
「はい。いいですよ」
仕事に行くムートが夜中に起こされて睡眠不足になるようではないのなら、ムートと一緒に寝るのは吝かではない。ミゲルはベッドに歩いてきたムートを受け入れる為に、少し壁際にずり動いた。ベッドに上がってきたムートと一緒に横になる。
ムートが顔を近づけてミゲルにキスをしてきたので、素直にミゲルも応えた。唇を触れあわせながら、ムートが小さな声で囁いた。
「しない?カート寝てるし」
「……カート起きませんかね」
「その時はその時だよ」
「はい」
ムートがミゲルの身体を服の上から優しく撫でながら、本格的にキスをしてきた。ミゲルも目を閉じて、ムートと舌を絡めあわせる。
セックスなんて約1年ぶりである。そもそも一緒のベッドに寝るのも1年ぶりだ。居間の絨毯の上で敷き布団を敷いてカートも一緒に昼寝をすることはあっても、夜はずっと別々だった。久しぶりに感じるムートの体温にも匂いにも、なんだか興奮してしまう。
「抱いていい?」
「はい」
ミゲルの首筋に顔を埋めて舌を這わせるムートの頭を優しく撫でた。首筋をぬるぬると這い回るムートの舌の感触が気持ちよくて、ミゲルは思わず熱い息を吐いた。互いに寝間着を脱がせあい、裸で絡み合う。久しぶりにムートにアナルを舐められ、ムートのぺニスを受け入れて、ミゲルはムートから与えられる快感に夢中になった。喘ぎ声が大きくならないよう気をつけながら、ミゲルは久々のムートとのセックスを楽しんだ。
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