上 下
10 / 16

10:カートの成長

しおりを挟む
カートが寝返りができるようになり、首もすわった。ミゲルもムートもカートの世話にもだいぶ慣れてきている。毎日小さな騒動があるが、カートは大きな病気をすることなく元気に育ってきてくれている。ミゲルも赤ちゃんがいる生活に慣れてきて、少し心の余裕ができてきた。ムートがちょいちょいミゲルをさりげなく甘やかしてくれているというのも大きい。

今日はいよいよ抱っこ紐を使ってのカートのお散歩デビューである。抱っこ紐は首がすわる前から使えるものを買ったが、なんだか怖くて今まで使えなかった。カートを連れて外に出る時は常にミゲルかムートが横抱きしていた。
カートを抱っこ紐で抱っこできれば、両手が空くので、今は殆んどムートに任せている買い物もミゲル1人である程度できるようになる。おんぶでも使える抱っこ紐なので、カートをおんぶして家事もできる。ムートは毎日働いているのだから、少しでもムートの負担を減らしたいミゲルなのである。
説明書を何度も繰り返し読みまくった抱っこ紐を慎重に使って、初めてカートを抱っこ紐つきで抱っこしてみた。何度も紐の結び目を確認して、恐る恐る手を離してみる。特に問題はない。念のため抱っこ紐をつけたミゲルの前に立っていたムートもほっと息を吐いた。


「大丈夫そうだね」

「はい。思っていたより楽です」

「ふふっ。よかった。じゃあ、お散歩行こうか」

「はい」


念のため片手でカートの尻を支えながら、ミゲルはムートと一緒に家を出た。ムートと手を繋いで、家から少し離れた街の広場へと向かう。そういえばムートと手を繋ぐのは久しぶりかもしれない。いつもどちらかがカートを抱っこしているので、両手が塞がっている。なんだか久々にムートと手を繋ぐのがくすぐったい。少しかさついたムートの温かい手を握ったまま、のんびり2人でカートに話しかけながら歩く。


「カート。ほら、鳥がいるよ。とーり」

「雀ですね」

「あー」

「あ、カート。ほら、飛んでいった」

「カート。あれは葉っぱです。葉っぱ」

「桃の木だね。桃だよ、カート。もーも」

「あー」


ご機嫌なカートがにこーっと笑った。実に可愛らしい。広場に着くと、木の下にあるベンチにムートと並んで座った。ムートがぴったりミゲルに寄り添って、ご機嫌なカートの頬を指先でふにふにした。


「ふふーっ。離乳食も始まったし、どんどん大きくなるねぇ」

「そうですね。夜泣きも今のところしてないので助かります」

「ねー。寝ぐずりも前よりマシになってきたよね」

「はい。起きてる時間も寝ている時間も前よりまとまってきた感じですね」

「ハイハイが楽しみだなぁ」

「そうですね。あ、居間をいっそ土足禁止にしますか?床は柔らかい絨毯を敷いてますし、それなりに広いですから、カートがハイハイで動き回るのにいいと思うんですけど」

「そうだね。次の休みに1度絨毯を洗濯しようか。敷き直したら土足禁止で。居間の入り口でスリッパに履き替えるようにしよう。カートが本格的に歩きだしたら、また元通りにするってことで」

「慣れるまでが少し面倒に感じるかもしれませんけど、汚れた絨毯の上をハイハイさせるのは心配ですしね。なんでも口に入れようとするようになるでしょうし」

「そうだね。あ、カート頑張ってる」

「あ、本当だ。これ完全にうんちですね」

「うんちだね」


ぷぷぷーっとカートのお尻から小さな音が聞こえた。むぅっと顔にも力が入っていたカートが脱力する。スッキリしたのか、カートがにこーっと笑った。1度抱っこ紐を外してカートをベンチに寝かせ、オムツを替えてやる。ムートが持っていた鞄に、替えのオムツや着替え、お尻拭きなどは全て入れてきている。手早くオムツを替えてやり、ご機嫌なカートを再び抱っこ紐を使って抱っこする。汚れたオムツなどはムートが専用の臭いや水分が漏れない特殊な袋に入れて、鞄に入れた。


「そろそろ帰ろうか」

「はい。あ、ついでに買い物して帰りますか?」

「そうだね。カートの粉ミルクもそろそろ買い足さなきゃ。赤ちゃん用の石鹸も小さくなってきてるし」

「あ、カートの服もそろそろ買った方がいいかもしれません。ちょっとキツくなってきてます。あとガーゼももう少し買い足した方がいいかもです」

「じゃあ、赤ちゃん用品専門店に行って、その後食料品とか買いに行こうか」

「はい」


先に立ち上がったムートに手を差しのべられ、ミゲルはムートの手を握って立ち上がった。あ、とムートが自分の上着のポケットを片手で探って、端末を取り出した。


「写真撮っとこうよ。抱っこ紐デビュー記念」

「はい」


ムートが端末を弄って、自分達が端末の画面に映るように設定し、カートを抱っこしているミゲルの肩を抱いて、ピッタリくっついた。


「撮るよー」


ムートが端末のボタンを押し、2人揃って笑顔で写真を撮った。たまにこうしてカートも一緒に3人で写真を撮る。ミゲルの端末もカートやムートと一緒に写っている写真でいっぱいである。ミゲルはたまに暇な時に端末の写真を眺めて、ニヤニヤしている。写真で見返すと、カートの成長がよく分かり楽しい。
ムートと手を繋いで、店を回って買い物をしてから家へと帰る。子育ては大変だが、ムートがものすごく協力してくれるから、なんとかなっているし、楽しいことも嬉しいことも多い日々である。
ふっと、何気なくミゲルは空を見上げた。雲が1つもない真っ青な空である。カートも元気だし、ムートは優しい。なんだか幸せだなぁ、と思う、とある日の午後のことだった。








ーーーーーー
カートはちょうど1歳の誕生日の日の夜に、初めて1歩だけ歩いた。カートのお誕生会をして、お風呂から出て、3人で居間の絨毯に座って遊んでいる時だった。カートはムートに掴まって立ち上がり、そのままムートから手を離して1歩足を踏み出し、その後ペタンと座り込んだ。


「ミーちゃん!!見た!?カートが歩いた!!」

「見ました!!カートが歩いたっ!」

「すごいよ!カート!」

「あっ!写真!!」

「あっ!カート。もう1回やってみて。もう1回」

「あー」

「端末っ!端末っ!」


あわあわとミゲルはローテーブルに置いていた自分の端末を取り、急いで端末を弄っていつでも写真が撮れるようにした。
ムートが笑顔でカートを促すと、カートが再びムートに掴まり立ち上がった。カートが立ち上がった瞬間から端末のボタンを連打して、連写する。カートは今度は2歩歩いた。ムートとミゲルは歓声を上げた。バッチリ写真に撮れた。
ムートが座り込んだカートを抱き上げて、嬉しそうに頬擦りした。


「カート!すごいよ!歩けたねぇ」


何度もムートが嬉しそうにカートの頬にキスをする。その姿を1枚写真に撮って、ミゲルも2人に近づいてカートの頬にキスをする。なんとなくニコニコしているムートの唇にもキスをした。ムートの出かけや帰宅した時、それから何気ない時にムートとキスをするのが普通になっている。最初のうちは契約結婚なのに、ここまでする必要あるのかな?と思っていたが、今ではすっかり当たり前になった。
カートを抱っこしたムートとピッタリくっついて、端末で3人で写真を撮る。3人で撮った写真がかなり増えている。専用の魔導製品を使えば端末で撮った写真も現像ができるので、家族のアルバムがどんどん写真で埋まっている。居間に飾ってある写真立ても少しずつ増えてきている。ムートは職場の自分の机にも写真立てに3人の写真を入れて飾っているらしい。多分ミゲルも復職したら同じ事をすると思う。
カートが眠ってしまうまで、ミゲルはムートと一緒に歌を歌ってやったり、ぬいぐるみでカートと遊んでやった。






ーーーーーー
カートに真夜中にミルクを飲ませなければならない時期が過ぎたので、今はミゲルの部屋にカート用のベッドを置いて、ミゲルは自分のベッドで寝ている。夜中にたまにカートがぐずって起こされる時もあるが、カートは殆んど夜泣きをしないので、ミゲルも朝までぐっすり眠れるようになっている。

眠ったカートを赤ちゃん用のベッドに寝かせて、カートの額に優しくキスをすると、ミゲルもベッドに入った。カートは今日初めて歩けたし、順調に成長してくれている。『父さん』と呼ばれる日もそう遠くないかもしれない。カートのベッドを寝転がったまま見て、1人微笑んでいると、部屋のドアがノックされた。そーっと部屋のドアが開き、ムートが顔を覗かせた。ミゲルは起き上がった。


「ミーちゃん。カート寝てる?」

「はい。ぐっすりです」

「よし。じゃあさ、そろそろ一緒に寝ない?カートは夜泣きもしないし」

「はい。いいですよ」


仕事に行くムートが夜中に起こされて睡眠不足になるようではないのなら、ムートと一緒に寝るのは吝かではない。ミゲルはベッドに歩いてきたムートを受け入れる為に、少し壁際にずり動いた。ベッドに上がってきたムートと一緒に横になる。
ムートが顔を近づけてミゲルにキスをしてきたので、素直にミゲルも応えた。唇を触れあわせながら、ムートが小さな声で囁いた。


「しない?カート寝てるし」

「……カート起きませんかね」

「その時はその時だよ」

「はい」


ムートがミゲルの身体を服の上から優しく撫でながら、本格的にキスをしてきた。ミゲルも目を閉じて、ムートと舌を絡めあわせる。
セックスなんて約1年ぶりである。そもそも一緒のベッドに寝るのも1年ぶりだ。居間の絨毯の上で敷き布団を敷いてカートも一緒に昼寝をすることはあっても、夜はずっと別々だった。久しぶりに感じるムートの体温にも匂いにも、なんだか興奮してしまう。


「抱いていい?」

「はい」


ミゲルの首筋に顔を埋めて舌を這わせるムートの頭を優しく撫でた。首筋をぬるぬると這い回るムートの舌の感触が気持ちよくて、ミゲルは思わず熱い息を吐いた。互いに寝間着を脱がせあい、裸で絡み合う。久しぶりにムートにアナルを舐められ、ムートのぺニスを受け入れて、ミゲルはムートから与えられる快感に夢中になった。喘ぎ声が大きくならないよう気をつけながら、ミゲルは久々のムートとのセックスを楽しんだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉

あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた! 弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?

転生皇子の新生活

𝐍 𝐢 𝐚🐾
BL
日本に住む青年九条 翠 (くじょう すい)はナサニエル帝国第3皇子 ルーカスとして、第2の生を受ける。 前世は家族とも疎遠で、あまり良い思い出もない。そんな翠がルーカスとして生き、様々な人に愛され恋をして新しい人生を歩んでいく話。  恋愛はルーカスが学園に入ってから主に進めていこうと思います。 初めて書いたので語彙も少なく、拙いですが、暖かい目で見ていただけると嬉しいです。誤字脱字があれば教えて頂けると嬉しいです!定期的に投稿出来るように頑張ります。 ※強姦表現や虐待表現があります。 ⚠️注意⚠️ この世界の赤子が話し出すのは1歳程ですごく早く、現実とは異なります。 人物紹介の瞳の色の後ろにある( )は、宝石✨️の名前で️す。良ければ調べてみてください!色のイメージがつきやすくなるかも?しれないです!

勇者よ、わしの尻より魔王を倒せ………「魔王なんかより陛下の尻だ!」

ミクリ21
BL
変態勇者に陛下は困ります。

SLAVE 屋敷の奥で〜百回いくまで逃げられない〜🔞

阿沙🌷
BL
秘密の屋敷に囲われている青年の脱走未遂。捕縛された彼の仕置がはじまる。 成人向け、ヤマナシオチナシイミナシ。未成年者の閲覧は厳禁。痛い、救いない、地雷がいっぱい、何でも許せるかた向け。 地雷避けに↓ 序編 Day1 束縛 ローター スパンキング イラマ 乳首責め 挿入 中出し Day2 束縛 フェラ 挿入 連続 Day0 下剤 衆人 前封じ ローター 媚薬 見せしめ Day3 手淫 Day4 拘束 複数 三所責め Day5 拘束 焦らし 集団 水揚げ 媚薬 潮  イラマ ナカイキ Day6 かくれんぼ 踏みつけ ・地下室編 1日目 限界寸 ローションガーゼ 前を責め 2日目 乳首を責め 3日目 前→乳首ときたら最後はアレ ・屋敷編  とりあえず屋敷ものっぽくそれなりにお仕事をしていただく回になる予定。(五月の更新再開後~更新終了は未定) ・藤滝過去編 ・動乱編  構想だけ練っているため、完全に未定。 ✿応援してくださったかた、ありがとうございます!ストレス発散にゴリゴリ書いている当BLですが(本当にBがLしているのか??)、しばらくの間、亀オブ亀更新【めっっっっっっっっちゃ更新が鈍くなります】すみません!また戻ってきますのでその時は藤滝とやっちんにかまってくださいまし~~!!(爆) ✿いつも閲覧ありがとうございます。いつの間にかお気に入りの数が増えていて驚きました。恐れ多いことにございます。読んで頂けて嬉しいです。  ぼちぼちまた、お気に入り80overの時のように、感謝SSを書けたらいいなぁと思います。いつになるかわかりませんが(苦笑)。  本編もなんとな~く、それとな~く、どういうふうに終わらせるのか、少しずつ考えています。にしても、その終着にたどり着くまでの過程で発生する濡れ場シーンのプレイをどうにか書ききらないとなぁ~と。いや、そこがメインなんですが。  屋敷編がひと段落ついたら、次は「わんこプレイ」させたいので(落ち着け)、がんばるぞ~!(とか言いつつ相変わらず鈍足更新になるのでそこのところは……) ✿番外編! お気に入り80overありがとう企画SS→https://www.alphapolis.co.jp/novel/54693141/955607132【完結】 ✿その他の無理矢理系ハードエロシリーズ ・執事は淫らにため息をつく→https://www.alphapolis.co.jp/novel/54693141/473477124 ・習作→https://www.alphapolis.co.jp/novel/54693141/711466966 表紙は装丁カフェさまから。

生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた

キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。 人外✕人間 ♡喘ぎな分、いつもより過激です。 以下注意 ♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり 2024/01/31追記  本作品はキルキのオリジナル小説です。

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!

スイセイ
BL
夜勤バイト明けに倒れ込んだベッドの上で、スマホ片手に過労死した俺こと煤ヶ谷鍮太郎は、気がつけばきらびやかな七人の騎士サマたちが居並ぶ広間で立ちすくんでいた。 どうやらここは、死ぬ直前にコラボ報酬目当てでダウンロードしたBL恋愛ソーシャルゲーム『宝石の騎士と七つの耀燈(ランプ)』の世界のようだ。俺の立ち位置はどうやら主人公に対する悪役ライバル、しかも不人気ゆえ途中でフェードアウトするキャラらしい。 だが、俺は知ってしまった。最初のチュートリアルバトルにて、イケメンに守られチヤホヤされて、優しい言葉をかけてもらえる喜びを。 こんなやさしい世界を目の前にして、前世みたいに隅っこで丸まってるだけのダンゴムシとして生きてくなんてできっこない。過去の陰縁焼き捨てて、コンプラ無視のキラキラ王子を傍らに、同じく転生者の廃課金主人公とバチバチしつつ、俺は俺だけが全力でチヤホヤされる世界を目指す! ※頭の悪いギャグ・ソシャゲあるあると・メタネタ多めです。 ※逆ハー要素もありますがカップリングは固定です。 ※R18は最後にあります。 ※愛され→嫌われ→愛されの要素がちょっとだけ入ります。 ※表紙の背景は祭屋暦様よりお借りしております。 https://www.pixiv.net/artworks/54224680

処理中です...