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第二部
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とても長かったような一夜が明け、翌日。
アーチャが熱を出した。
まだ日も昇らない朝方に、アーチャよりも先に、一緒にベッドで眠っていたケディが気がついた。抱き締めていてそれなりに温かいはずなのに、眠りながらガタガタ震えるアーチャを訝しく思い、額に手で触れるとかなり熱かった。
慌てて風呂場から砦に戻って医者を連れてきた。
アーチャが目覚めたのは、医者を連れてきたケディに起こされてからだった。
熱があると告げられ、キツイ体を起こして、素直に医者の診察を受けた。
「精神的ショックに因るものだな。解熱剤と気持ちが和らぐお茶を出しておこう。三日様子をみて、熱が下がらないようだったら、また呼びなさい」
そう言って医者はケディに見送られて砦へと戻っていった。
(熱なんて出すのいつぶりだ……?)
頭がひどく痛み、体の節々も痛い。体は熱くて堪らないのに、同時にひどい寒気がある。指先ひとつ動かすのも億劫である。
アーチャは煙草なんぞを吸うわりに、意外と健康には気を使っている。健康な体でないと旨い酒が飲めないからだ。
今は休んでいるが、基本的に毎日散歩をして歩き、運動不足にならないようにして、食事も一応多少は考えるようにしている。酒だって、例外はあるが、普段一人の時は晩酌程度にしか飲まない。アルコール中毒なんかになりたくないからだ。
お陰でもう十年以上、風邪一つ引いたことがなかった。
最後に熱を出したのはいつだったか、本気で思い出せない。
久しぶり過ぎる熱があるというこの状況の戸惑う。
熱いのに寒いなんて矛盾した状態の体を、布団のなかで丸める。ケディが医者を見送り、朝食を作っている間、あちこちキツくて眠れない体をもて余していた。
ケディに手伝ってもらって、朝食に麦のミルク粥のようなものを食べた。甘く味付けされたそれは普通に美味しいが、個人的には梅干しののった米の粥が食べたい。もっとも、この世界に来てから米というものを見たことも聞いたこともないので、無理な話なのだが。
処方された苦い解熱剤を水で流し込むと、それだけで力尽きた。
ケディが隣に潜り込んでくる。
すかさず痛む頭を温かくて柔らかいおっぱいに擦りつける。ケディの手が優しくアーチャの頭を撫でた。
体温を分けるように、ゆるく抱き締められる。
アーチャが眠りに落ちるまで、ケディはずっとすぐ隣に寄り添っていた。
次に目が覚めたのは昼過ぎだった。
額に冷たいタオルが置かれていて、それがとても気持ちいい。台所の方から音がするから、ケディは昼食でも作っているのだろう。
寝返りをうって、痛くてろくにものを考えられない頭を枕に押しつける。額からタオルが落ちるが拾う気力も起きない。
目を開けたまま、ぼーっとしていると、ケディが台所からお盆を持ってきた。
「起きたか?」
「……うん」
「飯食って薬飲めよ」
「……うん」
またケディに手伝ってもらって麦のミルク粥を食べた。解熱剤を飲んで、また体をベッドに横たえる。ケディが優しくアーチャの熱い額を撫でた。
「まだ大分熱が高いな」
「……うん」
「とりあえず寝てろ」
「……うん」
「片付けたら湯タンポになってやっから」
「……うん」
体が辛すぎて『うん』しか言えない。
痛みでぼんやりする頭はまるで仕事をしない。暫く一人で辛い体をもて余していると、片付けを終えたケディが戻ってきた。
手には木のコップを持っている。
「処方された茶を持ってきた。汗もかいてるから飲め」
「……うん」
ケディに支えてもらいながら上体を起こす。節々の痛みに眉をしかめながら、コップを受け取り、なにやら落ち着く匂いのするお茶を少しずつ飲む。蜂蜜でも入れたのだろうか。ほんのり甘くて飲みやすい。時間をかけてコップ一杯飲み干すと、頭を優しく撫でられて横になるように促される。大人しく横になると、使用済みのコップをテーブルに置いたケディが隣に潜り込んできた。
動かしづらい体を無理やり動かして、ケディの温かくて柔らかいおっぱいに顔を埋める。ぴたりと耳をくっつけると、規則正しいケディの心音が聞こえる。なんとなく落ち着く。
アーチャはケディの心音を聞きながら、気づけば眠ってしまっていた。
ーーーーーー
翌朝。
目が覚めると、昨日に比べてだいぶ体がマシになっていた。頭痛は少し残っているが、節々の痛みはない。寒気もほとんど無くなっていた。
鼾をかいて眠るケディを揺り起こす。
「治った」
「ん?」
ケディの大きな手が額に優しく触れる。
「だいぶ下がったが、まだ熱があるじゃねぇか」
「そう?でも体はキツくないよ」
「頭痛は?」
「少しだけ」
「寒気は?」
「ない」
「そうか。だが、まだ熱が残ってるから今日も一日寝てろよ」
「んー……分かった」
「普通の飯は食えそうか?」
「食欲はある。お腹すいた」
「じゃあ朝飯作ってくるから、出来上がるまで寝てろ」
「はいよ」
ベッドから降りるケディをなんとなく目で追う。ケディは暖炉の火を起こして、薪を何本も放り込んだ。いつもより使う薪の量が多い気がする。寒かった室内はそんなに時間もかからず暖まってきた。
暖炉の中で火が勢いよく燃えているのを確認すると、ケディは寝巻きのまま台所へと向かった。料理をする物音が聞こえ始める。
アーチャは暖炉の火を見ながら、なんとなくその音を聞いていた。
朝食に卵のサンドイッチとハムのサンドイッチを食べて、念のため解熱剤を飲んだ。
苦い薬に顔をしかめていると、ケディが落ち着く香りのお茶を淹れてくれた。熱いそれをちびちび飲むと、なんだかほっとした。
昨日あれだけ辛かった体がマシになると、風呂に入りたくなった。昨日一日でかなり汗をかいたのだ。肌がベタついて気持ちが悪い。
台所で洗い物をしているケディに声をかけた。
「風呂に入ってくる」
「はぁ?」
ケディが手を拭きながら台所から出てきた。
「アンタまだ熱があるんだぞ。風呂はまだ駄目だ」
「でも汗かいて気持ち悪い 」
「体拭いてやるから、それで今日は我慢しろ」
「えーー」
「が・ま・ん・し・ろ」
「……はぁい」
不貞腐れた顔をするアーチャの頭を撫でると、準備してくるといってケディが風呂場に向かった。それを見送ると、チェストをあさり、替えの寝巻きと下着を引っ張り出した。
ベッドに座って待っていると、然程時間もかからずケディが湯気のたつ桶を持ってきた。一度それをテーブルの上に置き、テーブルごとベッドの近くに移動させる。
薪の量が多いからか、いつもより暖かい室内で服を脱ごうとしたら止められた。ケディが暖炉に行き、更に薪を足す。追加の薪に火が移り燃え始めるのを確認すると、こちらに戻ってきた。
ケディがアーチャの寝巻きを脱がせてくれる。ブラジャーも外して、上半身裸になった。
追加した薪のお陰か、半裸になっても寒くない。ケディは桶の中のお湯にタオルを浸して絞ると、アーチャの顔に温かいタオルを優しく押しつけた。そのまま顔や体を手早く、でもしっかり拭っていく。上半身が終わると上の服を着せ、今度は下を脱がせた。パンツも脱がされて、文字通り全身まるっと温かいタオルで拭われる。服を完全に着せてもらうと、とてもサッパリした。
「ありがと」
「おう」
お礼を言うアーチャの頭を優しく撫でると、片付けをしに行った。それを見送って、布団の中に潜り込む。
うとうとし始めた頃にケディが戻ってきた。隣に潜り込んできたので、もはやアーチャの定位置と化したケディのでかいおっぱいに顔を埋める。温かくて柔らかいおっぱいは、ものすごく落ち着く。ケディはアーチャの好きなようにさせていた。片手でおっぱいをふにふに揉みながら、アーチャは自然と眠りに落ちた。
目が覚める度にケディに世話をしてもらい、アーチャの体調はすぐに良くなっていった。
夜、寝る前には熱も完全に下がっていた。
ケディが熱を確かめるためにアーチャの額に触れる。下がったと主張するアーチャの言うとおりに熱が下がっていることを確認すると、ほっとした顔をした。
そのまま抱き締められて、一緒に布団にくるまる。アーチャは目の前のおっぱいに懐いた。ケディが優しく頭を撫でてくれる。
その感触が心地よくて、またすぐに眠ってしまい、朝まで目が覚めなかった。
アーチャが熱を出した。
まだ日も昇らない朝方に、アーチャよりも先に、一緒にベッドで眠っていたケディが気がついた。抱き締めていてそれなりに温かいはずなのに、眠りながらガタガタ震えるアーチャを訝しく思い、額に手で触れるとかなり熱かった。
慌てて風呂場から砦に戻って医者を連れてきた。
アーチャが目覚めたのは、医者を連れてきたケディに起こされてからだった。
熱があると告げられ、キツイ体を起こして、素直に医者の診察を受けた。
「精神的ショックに因るものだな。解熱剤と気持ちが和らぐお茶を出しておこう。三日様子をみて、熱が下がらないようだったら、また呼びなさい」
そう言って医者はケディに見送られて砦へと戻っていった。
(熱なんて出すのいつぶりだ……?)
頭がひどく痛み、体の節々も痛い。体は熱くて堪らないのに、同時にひどい寒気がある。指先ひとつ動かすのも億劫である。
アーチャは煙草なんぞを吸うわりに、意外と健康には気を使っている。健康な体でないと旨い酒が飲めないからだ。
今は休んでいるが、基本的に毎日散歩をして歩き、運動不足にならないようにして、食事も一応多少は考えるようにしている。酒だって、例外はあるが、普段一人の時は晩酌程度にしか飲まない。アルコール中毒なんかになりたくないからだ。
お陰でもう十年以上、風邪一つ引いたことがなかった。
最後に熱を出したのはいつだったか、本気で思い出せない。
久しぶり過ぎる熱があるというこの状況の戸惑う。
熱いのに寒いなんて矛盾した状態の体を、布団のなかで丸める。ケディが医者を見送り、朝食を作っている間、あちこちキツくて眠れない体をもて余していた。
ケディに手伝ってもらって、朝食に麦のミルク粥のようなものを食べた。甘く味付けされたそれは普通に美味しいが、個人的には梅干しののった米の粥が食べたい。もっとも、この世界に来てから米というものを見たことも聞いたこともないので、無理な話なのだが。
処方された苦い解熱剤を水で流し込むと、それだけで力尽きた。
ケディが隣に潜り込んでくる。
すかさず痛む頭を温かくて柔らかいおっぱいに擦りつける。ケディの手が優しくアーチャの頭を撫でた。
体温を分けるように、ゆるく抱き締められる。
アーチャが眠りに落ちるまで、ケディはずっとすぐ隣に寄り添っていた。
次に目が覚めたのは昼過ぎだった。
額に冷たいタオルが置かれていて、それがとても気持ちいい。台所の方から音がするから、ケディは昼食でも作っているのだろう。
寝返りをうって、痛くてろくにものを考えられない頭を枕に押しつける。額からタオルが落ちるが拾う気力も起きない。
目を開けたまま、ぼーっとしていると、ケディが台所からお盆を持ってきた。
「起きたか?」
「……うん」
「飯食って薬飲めよ」
「……うん」
またケディに手伝ってもらって麦のミルク粥を食べた。解熱剤を飲んで、また体をベッドに横たえる。ケディが優しくアーチャの熱い額を撫でた。
「まだ大分熱が高いな」
「……うん」
「とりあえず寝てろ」
「……うん」
「片付けたら湯タンポになってやっから」
「……うん」
体が辛すぎて『うん』しか言えない。
痛みでぼんやりする頭はまるで仕事をしない。暫く一人で辛い体をもて余していると、片付けを終えたケディが戻ってきた。
手には木のコップを持っている。
「処方された茶を持ってきた。汗もかいてるから飲め」
「……うん」
ケディに支えてもらいながら上体を起こす。節々の痛みに眉をしかめながら、コップを受け取り、なにやら落ち着く匂いのするお茶を少しずつ飲む。蜂蜜でも入れたのだろうか。ほんのり甘くて飲みやすい。時間をかけてコップ一杯飲み干すと、頭を優しく撫でられて横になるように促される。大人しく横になると、使用済みのコップをテーブルに置いたケディが隣に潜り込んできた。
動かしづらい体を無理やり動かして、ケディの温かくて柔らかいおっぱいに顔を埋める。ぴたりと耳をくっつけると、規則正しいケディの心音が聞こえる。なんとなく落ち着く。
アーチャはケディの心音を聞きながら、気づけば眠ってしまっていた。
ーーーーーー
翌朝。
目が覚めると、昨日に比べてだいぶ体がマシになっていた。頭痛は少し残っているが、節々の痛みはない。寒気もほとんど無くなっていた。
鼾をかいて眠るケディを揺り起こす。
「治った」
「ん?」
ケディの大きな手が額に優しく触れる。
「だいぶ下がったが、まだ熱があるじゃねぇか」
「そう?でも体はキツくないよ」
「頭痛は?」
「少しだけ」
「寒気は?」
「ない」
「そうか。だが、まだ熱が残ってるから今日も一日寝てろよ」
「んー……分かった」
「普通の飯は食えそうか?」
「食欲はある。お腹すいた」
「じゃあ朝飯作ってくるから、出来上がるまで寝てろ」
「はいよ」
ベッドから降りるケディをなんとなく目で追う。ケディは暖炉の火を起こして、薪を何本も放り込んだ。いつもより使う薪の量が多い気がする。寒かった室内はそんなに時間もかからず暖まってきた。
暖炉の中で火が勢いよく燃えているのを確認すると、ケディは寝巻きのまま台所へと向かった。料理をする物音が聞こえ始める。
アーチャは暖炉の火を見ながら、なんとなくその音を聞いていた。
朝食に卵のサンドイッチとハムのサンドイッチを食べて、念のため解熱剤を飲んだ。
苦い薬に顔をしかめていると、ケディが落ち着く香りのお茶を淹れてくれた。熱いそれをちびちび飲むと、なんだかほっとした。
昨日あれだけ辛かった体がマシになると、風呂に入りたくなった。昨日一日でかなり汗をかいたのだ。肌がベタついて気持ちが悪い。
台所で洗い物をしているケディに声をかけた。
「風呂に入ってくる」
「はぁ?」
ケディが手を拭きながら台所から出てきた。
「アンタまだ熱があるんだぞ。風呂はまだ駄目だ」
「でも汗かいて気持ち悪い 」
「体拭いてやるから、それで今日は我慢しろ」
「えーー」
「が・ま・ん・し・ろ」
「……はぁい」
不貞腐れた顔をするアーチャの頭を撫でると、準備してくるといってケディが風呂場に向かった。それを見送ると、チェストをあさり、替えの寝巻きと下着を引っ張り出した。
ベッドに座って待っていると、然程時間もかからずケディが湯気のたつ桶を持ってきた。一度それをテーブルの上に置き、テーブルごとベッドの近くに移動させる。
薪の量が多いからか、いつもより暖かい室内で服を脱ごうとしたら止められた。ケディが暖炉に行き、更に薪を足す。追加の薪に火が移り燃え始めるのを確認すると、こちらに戻ってきた。
ケディがアーチャの寝巻きを脱がせてくれる。ブラジャーも外して、上半身裸になった。
追加した薪のお陰か、半裸になっても寒くない。ケディは桶の中のお湯にタオルを浸して絞ると、アーチャの顔に温かいタオルを優しく押しつけた。そのまま顔や体を手早く、でもしっかり拭っていく。上半身が終わると上の服を着せ、今度は下を脱がせた。パンツも脱がされて、文字通り全身まるっと温かいタオルで拭われる。服を完全に着せてもらうと、とてもサッパリした。
「ありがと」
「おう」
お礼を言うアーチャの頭を優しく撫でると、片付けをしに行った。それを見送って、布団の中に潜り込む。
うとうとし始めた頃にケディが戻ってきた。隣に潜り込んできたので、もはやアーチャの定位置と化したケディのでかいおっぱいに顔を埋める。温かくて柔らかいおっぱいは、ものすごく落ち着く。ケディはアーチャの好きなようにさせていた。片手でおっぱいをふにふに揉みながら、アーチャは自然と眠りに落ちた。
目が覚める度にケディに世話をしてもらい、アーチャの体調はすぐに良くなっていった。
夜、寝る前には熱も完全に下がっていた。
ケディが熱を確かめるためにアーチャの額に触れる。下がったと主張するアーチャの言うとおりに熱が下がっていることを確認すると、ほっとした顔をした。
そのまま抱き締められて、一緒に布団にくるまる。アーチャは目の前のおっぱいに懐いた。ケディが優しく頭を撫でてくれる。
その感触が心地よくて、またすぐに眠ってしまい、朝まで目が覚めなかった。
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