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第一部
日常
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騒がしい飯屋の店内。
さほど広くもなく、厨房の熱気や店の主人のどなり声が客たちがいるテーブルにまでそのまま伝わるような、そんな騒がしい店内で、一日の仕事を終えた街の人々が思い思いに飲み食いし、語らっている。
そんな中、テーブルの間を泳ぐように滑るようにスイスイと動き回る女がいた。
肩下程にまで伸びた黒髪を無造作に一つにくくり、浅黒い肌に地味なカーキ色のワンピースとエプロンを身に付け、酔客達に笑顔を振りまきながら、料理を運び注文をとる。
「アーチャ、ダビ酒もいっちょ!!」
「こっちも頼むわぁ!」
「はいよ!ちょっと待ってな!」
アーチャと呼ばれたその女は、元気よく客に応え、これまた器用に狭いテーブルの間をすり抜け、厨房へと向かう。
「ガディさん!ダビ酒二つ追加!!」
「おう!ついでに、こいつも運んで行け!!」
「はいよぉ!」
両腕に酒のなみなみと注がれたジョッキと料理の皿を持ち、テーブルを周る。
「はいよ!お待ち!!」
「おう!俺ぁ、仕事上がりのこれだけが楽しみなんだよ」
「だからって飲みすぎないでよ。こないだみたいに奥さんに叱り飛ばされても知らないよっ」
「がははっ!確かにこないだは凄かったな!えらい剣幕で嫁が殴り込みにきたじゃねぇか!」
「あんたぁ!どんだけ遅くまで飲めば気がすむの!!ってな」
同じテーブルの男が裏声を出して、声真似をすれば、周囲のテーブルの人間も野次を飛ばし、笑い転げる。女も一緒になって笑い転げた。
‐‐‐‐‐‐‐
暗い夜道をカンテラで道を照らしながら、アーチャは歩いていた。
アーチャの家は街のはずれにポツンと建った小さな家だ。周囲には森と畑くらいしかなく、集落からやや離れたところにある。
街の人々の営みの音もなかなか響かぬ、木々のざわめきと獣の声しか届かぬ静かな場所だ。
そんなところにアーチャは一人で住んでいた。
建てつけがあまりよくなく、悲鳴をあげるように軋むドアを開けて家に入る。
台所と風呂トイレ以外は一部屋しかない、本当に小さな一軒家である。持っていたカンテラを部屋の隅にある小さなテーブルに置き、荷物をベッドに放り投げる。
そのまま台所にある貯蔵庫からダビ酒を取り出し、ベッドに腰かけ瓶のままあおる。
アーチャ、谷島篤美がこの世界に召喚されてから2年の月日が経っていた。
城を文字通り摘まみだされた後、訳も分からず呆然としていたところを通りがかった女衒に拾われ、そのまま娼館に売られた。
この世界のこと、社会システムも、通貨価値も、常識も、何も知らない篤美には抗うこともできず、そのままなす術もなくそこで働く他に道などなかった。
(まさか40間近で体を売るはめになるとはな……)
谷島篤美という名前は、この世界の人間には発音しにくいのか、『アチュミ』と舌足らずな呼び方になることが数少ない人との会話によって分かったので、『アーチャ・タニージャ』と名乗るようになった。
幸か不幸か、この世界は西洋系の顔立ち、体格がそのほとんどであり、東洋系の顔立ちが珍しいのか、日課であった散歩によるそこそこしまった体つきがよかったのか、日ごろの肌の手入れが良かったのか(ド●ホルンリンクル万歳!)、実年齢よりもはるかに若く見られ、20代後半の娼婦として売り出された。黒髪黒眼、あるいは南方系の血が強いのか地黒な淡い褐色の肌が珍しかったのか、働き出してからすぐに、そこそこ客がつくようになった。
それからはただただ生きていた。
食うためだけに、生きるためだけに、客として来る男たちに媚び、体を預け、金を貰う。
はじめのころは本当に辛かった。年が年だけにそれなりに経験はあるが、何せ実年齢が実年齢だ。体力的にも厳しいし、やはり知らない世界、それまでの人生経験がほとんど役に立たぬ状況、人種の違う異世界人に抱かれることに精神的苦痛を伴った。この状況下に落とした王族を憎んだ。しかし、それもすぐに慣れた。否、諦めた。
このまま惰性で売れなくなるまでこうして生きていくのかと諦めがつき始めた、そんな頃に客の一人であった裕福な商家の隠居の爺さんに落籍された。
隠居の爺さんの名前はマルコといった。篤美はマルコ爺と呼んでいた。
マルコ爺は変わった客だった。
娼館に来て指名する癖に一切手を出さず、話をして、時折膝の上で眠ったり、評判の菓子などを持ってきてくれたりしていた。
そのマルコ爺に落籍されて、彼が突然あっけなく亡くなるまでの約1年、彼と共に暮らした。
彼は非常に博識な人であった。
本を読むことを好み、篤美に読み書きと、この世界の知識と、生きていくために必要な情報を惜しみなく教えてくれた。
彼と過ごした日々は本当に穏やかなもので、篤美は彼のことがすぐに大好きになり、憎くてたまらなかったこの世界がほんの少し、本当に少しだけ好きになった。(王族は相変わらず憎いが……)
この世界の名前はポピティアという。
一組の男女神によって創られ、一つの大きな大陸と小さないくつかの島々から成る。
人々は創造神を信仰し、魔獣と呼ばれる獣と共に生き、元の世界じゃ夢物語であった魔法が身近にある生活をしている。
篤美が召喚された国はタユラ国という、大陸の最東端にある東部と南部が海に面し北部西部を山に囲まれた小さな国である。
特に目立った産業があるわけではないが、峻険な山脈が隣国との国境にあるからか、戦はほとんどなく、人々の脅威は人を襲うはぐれ魔獣か自然の猛威だけであった。
首都は北部にあり、城の背後は険しい山があり、自然の城壁の役割を果たしていた。
タユラ国は王政であり、王を中心に貴族たちが政を行っている。
この国の王族の、特に王位を継承する者の婚姻は、異世界から召喚した女を娶るというしきたりがある。
なんでも、建国者の嫁が異世界から偶然こぼれ落ちてしまった女だったらしい。以来、国家魔術師という魔術のエキスパート達が、王太子が年頃になると召喚術を行ってきた。……異世界の人間からしてみたらいい迷惑としか言いようがない。
篤美が召喚されたのも、そのしきたりあってのことらしい。
大抵が王太子と年齢的に釣り合う少女が召喚されるらしいが、今回は何故かはるかに年上の篤美が召喚されてしまったわけである。(ちなみに、狸オヤジの説明の時に、元の世界に帰せと胸倉つかんで喚いたら、召喚は一方通行なものであり、帰す術はないと言われた)
ちなみに、勝手な理由で篤美を召喚した揚句、不細工だからと放り出したモブAオウジサマは、その後若くて可愛らしい少女を召喚して、無事結婚したらしい。
その話を聞いた時、聞くに堪えない罵倒が飛び出したのは致し方がないことである。
マルコ爺が亡くなった後は、娼館あがりの女に商家に居場所があるはずもなく、住みよい場所を求めて旅に出た。幸い娼婦時代に稼いだ金とマルコ爺が遺してくれた金があったため、彼が遺したいくつかの本を携えてすぐに旅立つことができた。
二か月ほど旅をし、今の街に小さな家を買って落ち着いたのは、つい半月前である。
国の最西部にあるチュルガという街で、国境やはぐれ魔獣が出やすい山が近いため、厳めしい砦があり、騎士団が常勤している街であるが、そこそこ栄えた大きな街である。
余所者が紛れ込んでもさほど気にされず、飯屋の店員という職もすぐに見つかった。
昼前から深夜まで働き、その帰り道に散歩がてら少し遠回りをして帰るというのが、篤美の生活になった。
休みの日は猫の額ほどの庭で、ハーブを育て、マルコ爺が遺した本を読むという、一人だけの物静かな暮らしをしている。
ようやくこの世界に馴染み始めることができだした。
さほど広くもなく、厨房の熱気や店の主人のどなり声が客たちがいるテーブルにまでそのまま伝わるような、そんな騒がしい店内で、一日の仕事を終えた街の人々が思い思いに飲み食いし、語らっている。
そんな中、テーブルの間を泳ぐように滑るようにスイスイと動き回る女がいた。
肩下程にまで伸びた黒髪を無造作に一つにくくり、浅黒い肌に地味なカーキ色のワンピースとエプロンを身に付け、酔客達に笑顔を振りまきながら、料理を運び注文をとる。
「アーチャ、ダビ酒もいっちょ!!」
「こっちも頼むわぁ!」
「はいよ!ちょっと待ってな!」
アーチャと呼ばれたその女は、元気よく客に応え、これまた器用に狭いテーブルの間をすり抜け、厨房へと向かう。
「ガディさん!ダビ酒二つ追加!!」
「おう!ついでに、こいつも運んで行け!!」
「はいよぉ!」
両腕に酒のなみなみと注がれたジョッキと料理の皿を持ち、テーブルを周る。
「はいよ!お待ち!!」
「おう!俺ぁ、仕事上がりのこれだけが楽しみなんだよ」
「だからって飲みすぎないでよ。こないだみたいに奥さんに叱り飛ばされても知らないよっ」
「がははっ!確かにこないだは凄かったな!えらい剣幕で嫁が殴り込みにきたじゃねぇか!」
「あんたぁ!どんだけ遅くまで飲めば気がすむの!!ってな」
同じテーブルの男が裏声を出して、声真似をすれば、周囲のテーブルの人間も野次を飛ばし、笑い転げる。女も一緒になって笑い転げた。
‐‐‐‐‐‐‐
暗い夜道をカンテラで道を照らしながら、アーチャは歩いていた。
アーチャの家は街のはずれにポツンと建った小さな家だ。周囲には森と畑くらいしかなく、集落からやや離れたところにある。
街の人々の営みの音もなかなか響かぬ、木々のざわめきと獣の声しか届かぬ静かな場所だ。
そんなところにアーチャは一人で住んでいた。
建てつけがあまりよくなく、悲鳴をあげるように軋むドアを開けて家に入る。
台所と風呂トイレ以外は一部屋しかない、本当に小さな一軒家である。持っていたカンテラを部屋の隅にある小さなテーブルに置き、荷物をベッドに放り投げる。
そのまま台所にある貯蔵庫からダビ酒を取り出し、ベッドに腰かけ瓶のままあおる。
アーチャ、谷島篤美がこの世界に召喚されてから2年の月日が経っていた。
城を文字通り摘まみだされた後、訳も分からず呆然としていたところを通りがかった女衒に拾われ、そのまま娼館に売られた。
この世界のこと、社会システムも、通貨価値も、常識も、何も知らない篤美には抗うこともできず、そのままなす術もなくそこで働く他に道などなかった。
(まさか40間近で体を売るはめになるとはな……)
谷島篤美という名前は、この世界の人間には発音しにくいのか、『アチュミ』と舌足らずな呼び方になることが数少ない人との会話によって分かったので、『アーチャ・タニージャ』と名乗るようになった。
幸か不幸か、この世界は西洋系の顔立ち、体格がそのほとんどであり、東洋系の顔立ちが珍しいのか、日課であった散歩によるそこそこしまった体つきがよかったのか、日ごろの肌の手入れが良かったのか(ド●ホルンリンクル万歳!)、実年齢よりもはるかに若く見られ、20代後半の娼婦として売り出された。黒髪黒眼、あるいは南方系の血が強いのか地黒な淡い褐色の肌が珍しかったのか、働き出してからすぐに、そこそこ客がつくようになった。
それからはただただ生きていた。
食うためだけに、生きるためだけに、客として来る男たちに媚び、体を預け、金を貰う。
はじめのころは本当に辛かった。年が年だけにそれなりに経験はあるが、何せ実年齢が実年齢だ。体力的にも厳しいし、やはり知らない世界、それまでの人生経験がほとんど役に立たぬ状況、人種の違う異世界人に抱かれることに精神的苦痛を伴った。この状況下に落とした王族を憎んだ。しかし、それもすぐに慣れた。否、諦めた。
このまま惰性で売れなくなるまでこうして生きていくのかと諦めがつき始めた、そんな頃に客の一人であった裕福な商家の隠居の爺さんに落籍された。
隠居の爺さんの名前はマルコといった。篤美はマルコ爺と呼んでいた。
マルコ爺は変わった客だった。
娼館に来て指名する癖に一切手を出さず、話をして、時折膝の上で眠ったり、評判の菓子などを持ってきてくれたりしていた。
そのマルコ爺に落籍されて、彼が突然あっけなく亡くなるまでの約1年、彼と共に暮らした。
彼は非常に博識な人であった。
本を読むことを好み、篤美に読み書きと、この世界の知識と、生きていくために必要な情報を惜しみなく教えてくれた。
彼と過ごした日々は本当に穏やかなもので、篤美は彼のことがすぐに大好きになり、憎くてたまらなかったこの世界がほんの少し、本当に少しだけ好きになった。(王族は相変わらず憎いが……)
この世界の名前はポピティアという。
一組の男女神によって創られ、一つの大きな大陸と小さないくつかの島々から成る。
人々は創造神を信仰し、魔獣と呼ばれる獣と共に生き、元の世界じゃ夢物語であった魔法が身近にある生活をしている。
篤美が召喚された国はタユラ国という、大陸の最東端にある東部と南部が海に面し北部西部を山に囲まれた小さな国である。
特に目立った産業があるわけではないが、峻険な山脈が隣国との国境にあるからか、戦はほとんどなく、人々の脅威は人を襲うはぐれ魔獣か自然の猛威だけであった。
首都は北部にあり、城の背後は険しい山があり、自然の城壁の役割を果たしていた。
タユラ国は王政であり、王を中心に貴族たちが政を行っている。
この国の王族の、特に王位を継承する者の婚姻は、異世界から召喚した女を娶るというしきたりがある。
なんでも、建国者の嫁が異世界から偶然こぼれ落ちてしまった女だったらしい。以来、国家魔術師という魔術のエキスパート達が、王太子が年頃になると召喚術を行ってきた。……異世界の人間からしてみたらいい迷惑としか言いようがない。
篤美が召喚されたのも、そのしきたりあってのことらしい。
大抵が王太子と年齢的に釣り合う少女が召喚されるらしいが、今回は何故かはるかに年上の篤美が召喚されてしまったわけである。(ちなみに、狸オヤジの説明の時に、元の世界に帰せと胸倉つかんで喚いたら、召喚は一方通行なものであり、帰す術はないと言われた)
ちなみに、勝手な理由で篤美を召喚した揚句、不細工だからと放り出したモブAオウジサマは、その後若くて可愛らしい少女を召喚して、無事結婚したらしい。
その話を聞いた時、聞くに堪えない罵倒が飛び出したのは致し方がないことである。
マルコ爺が亡くなった後は、娼館あがりの女に商家に居場所があるはずもなく、住みよい場所を求めて旅に出た。幸い娼婦時代に稼いだ金とマルコ爺が遺してくれた金があったため、彼が遺したいくつかの本を携えてすぐに旅立つことができた。
二か月ほど旅をし、今の街に小さな家を買って落ち着いたのは、つい半月前である。
国の最西部にあるチュルガという街で、国境やはぐれ魔獣が出やすい山が近いため、厳めしい砦があり、騎士団が常勤している街であるが、そこそこ栄えた大きな街である。
余所者が紛れ込んでもさほど気にされず、飯屋の店員という職もすぐに見つかった。
昼前から深夜まで働き、その帰り道に散歩がてら少し遠回りをして帰るというのが、篤美の生活になった。
休みの日は猫の額ほどの庭で、ハーブを育て、マルコ爺が遺した本を読むという、一人だけの物静かな暮らしをしている。
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