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人嫌い魔法使いはわんこに絆される
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早朝。ブラスが、庭で育てている薬草に水をやっていると、たったったったっと、誰かが走ってくる音が聞こえてきた。また、奴が来やがった。
ブラスが早く水やりを終わらせようとしていると、『おはようございまーす!』と、無駄に元気に話しかけられた。
「おはようございまーす! ブラスさん! いい朝ですね!」
「…………」
ブラスに話しかけてきたのは、明るい茶髪に空色の瞳をした若い男だ。美形ではないが、愛嬌のある顔立ちをしており、にっこーっと笑うと、まるで柔らかいお日様みたいな印象を抱く。人嫌いで陰気なブラスとは、対極にいるような陽気な男だ。
陽気な男、セブリアンが、その場で足踏みをしながら、更に話しかけてきた。
「ブラスさん! 今日、一緒にご飯食べませんか?」
「……断る」
「わぁ! ブラスさんが答えてくれた! やったぁ! 今日はいい日です!」
「…………」
「仕事が終わったら迎えに来ますねー! ブラスさんもお仕事頑張ってくださーい!」
「…………」
セブリアンが、にっこーっと笑って、軽やかな足取りで走り去った。ブラスは、溜め息を吐いた。断ったのに、喜ぶってどうなんだ。というか、断ったのに、今夜も来やがるつもりなのか。
ブラスは、何度も溜め息を連発しながら、水やりを終え、家の中に入った。
ブラスは、魔法省に勤める魔法使いである。主に、医療魔法の研究をしている。自分で言うのもなんだが、人嫌いで陰気な性格をしている。ブラスとて、生まれた頃から人嫌いだった訳ではない。
あれは、忘れもしない10歳の頃。ブラスが通っていた魔法学園で、親友だと思っていた2人の少年から、好きな子がいるのかと聞かれた。誰にも内緒にするから、こっそり教えてと。当時、ブラスには気になる女の子がいた。2人とも親友だし、内緒にしてくれるならと、ブラスは2人にこっそり彼女の名前を教えた。
次の瞬間、2人は教室の教壇の所へ行き、大きく叫んだ。
『ブラスの好きな子はー! ミアーナでぇーす!!』
ブラスは、何が起きたのか、一瞬分からなかった。その時は、授業の合間の小休憩の時間で、教室には、殆どの生徒がいた。当然、密かに想いを寄せていた少女もいた。ブラスは、皆から囃し立てられ、露骨に嫌そうな顔をした少女から、皆が見ている前で『私はブラス君のこと、好きじゃない』と、バッサリフラレた。少女にフラレたことよりも、親友だと思っていた2人の裏切りの方が、ブラスの心を傷つけた。『俺達、親友だよな!』とよく言われていた言葉を信じたブラスが馬鹿だったのだと、家に帰ってから気がついた。『親友』、『友達』、そんなものを信じたブラスが愚かだった。人なんて、簡単に信じてはいけない。まだ幼かったブラスの心に、しっかりとその事が刻み込まれた。
それからは、友達もつくらず、誰ともつるまず、ブラスはずっと1人でいる。歳はそろそろ32歳になるが、結婚する気もない。人なんか信用も信頼もできないし、してはいけない。誰かと結婚生活をするなんて、想像するだけで吐き気がする。ブラスは、一生独身のまま、1人で死んでいきたい。裏切られて傷つくくらいなら、1人の方が余程マシである。
そんな誰も寄せつけずに生きてきたブラスだが、半年前から、変なのに懐かれた。
半年前に、街の一部で大規模な火災が起きた。怪我人が多く、人手が足りないからと、ブラスも救護に駆り出された。そこで、セブリアンと出会った。セブリアンは、家屋に取り残されていた子供を助ける為に、火の中に入り、酷い火傷を負っていた。ブラスは、セブリアンを魔法で治癒した。一度の医療魔法では、治りきらず、それから、何回もセブリアンの治療に行った。そうしたら、何故か、懐かれた。
セブリアンは、騎士である。逞しい身体つきをしており、いつでもニコニコ笑っている。親しみやすいからか、ブラスの家のご近所さんとも、すぐに仲良くなった。セブリアンは、貧相に痩せているブラスを、『もっと健康的になりましょうよ!』と言って、よく食事に誘ってくる、もとい、食事に連行していく。
ブラスは、食事中もそれ以外も、殆ど口を開かないのに、セブリアンは、いつも楽しそうにニコニコ笑っている。セブリアンが、何がしたいのかが分からない。
セブリアンは、今日も食事に誘いに来るのだろう。とても憂鬱である。ブラスは、溜め息を連発しながら、出勤の準備をして、家を出た。
ーーーーーーー
セブリアンは、1日の仕事を終えると、いそいそと帰り支度をして、軽やかな足取りで職場を出た。今日は、ブラスを、美味しい蟹が食べられる店に連れて行こう。
セブリアンは、ブラスのことが大好きである。ブラスは、見た目は地味な黒髪青眼のおっさんだが、セブリアンの生命の恩人である。全身に酷い火傷を負ったセブリアンの生命を助けてくれた。病院に入院したセブリアンに、何度も高度な医療魔法をかけてくれて、火傷で爛れて醜くなっていた顔も、身体も、元通りに治してくれた。
騎士として、また働けるようになったのも、ブラスのお陰である。
セブリアンは、ブラスと仲良くなりたい。セブリアンは、まだ23歳だから、歳は離れているが、そんなことは些事である。ブラスと仲良くなって、できたら、恋人になりたい。セブリアンは、治療中に優しく触れてくれたブラスに、恋をした。我ながら単純なのだが、死の淵にいた時に聞こえた、ブラスの『生きろ! お前が死ぬべき時は今じゃない!』という言葉が、セブリアンの救いとなった。治療後のブラスは、殆ど口をきいてくれないが、それでも、セブリアンが食事に誘うと、嫌そうな顔をしながらも、一緒に食事をしてくれる。ブラスはきっと、すごく優しい人なんだろうなぁと思っている。火傷で醜くなったセブリアンに躊躇なく触れてくれたブラスの優しい手に、もう一度触れてもらいたい。
セブリアンは、今日も今日とて、ブラスに好意を告げまくるつもりである。
セブリアンは、軽やかな足取りで、ブラスの家を目指した。
ブラスの家の玄関の呼び鈴を鳴らすと、魔法省の制服を着たままのブラスが顔を出した。ブラスが露骨に顔を顰めて、セブリアンを見た。ブラスがセブリアンを見てくれるだけで嬉しい。セブリアンは、にっこーっと上機嫌に笑って、口を開いた。
「こんばんはー! お疲れ様です! ご飯、食べに行きましょう!」
「……断る」
「まぁまぁ。蟹が美味しいお店があるんですよ! 蟹は今が旬だし、すっごく美味しいですよ! グラタンが本当に絶品なんです!」
「………………割り勘だからな」
「やったー! はいっ! 早速行きましょう! 寒いから、コートとマフラーをしてきてください!」
ブラスが渋い顔をしたまま、家の中に引っ込んだ。そのまま外で待っていると、コートを着て、マフラーを首に巻いたブラスが出てきた。
セブリアンは、上機嫌にブラスの冷たいほっそりとした手を握って、店に向かって歩き始めた。
「……おい。手を離せ」
「手が冷えてますよー。俺、体温高いから、このまま温めますね!」
「いらん」
「まぁまぁ。えへへへへ。ブラスさんと手を繋いじゃった!」
「はぁ……」
ブラスが渋い顔で、大きな溜め息を吐いた。手を繋いだまま、お目当ての店に着く頃には、ブラスの冷えていた手は、それなりに温かくなっていた。
店内に入り、丸いテーブル席に座って、オススメの料理をいくつか注文すると、セブリアンは、ぶすっとした顔をしているブラスに話しかけた。
「ブラスさん。ブラスさん。そろそろ俺とお付き合いしてくれませんか?」
「……断る」
「ブラスさんのことが好きなんですー! デートしたいです! デート! ブラスさんは行きたいところありますか!?」
「無い」
「あ、じゃあ、じゃあ! 新しくできた魔法書専門店はどうですか!? 俺は門外漢だから、よく分からないんですけど、魔法も使える先輩が、すごく品揃えがいいって褒めてました!」
「……店の場所だけ教えろ」
「一緒に行きましょうね! きっと楽しいですよ! 明後日が休みなんで、明後日はどうですか? 魔法省は公休日ですよね?」
「…………魔法書専門店に行くだけだぞ」
「やったぁ! ブラスさんとデートだ!!」
「デートじゃない」
「ふふっ。2人きりで出かけるなら、それは立派なデートです! つまり、今もデート中なのです!」
「デートじゃない」
「デートなんですー。あ、グラタンきましたよ! 本当に美味しいから、いっぱい食べてくださいね!」
店員が運んできた蟹グラタンを、ブラスが、はふはふと食べ始めた。ブラスの死んだ魚みたいだった目が、ほんの微かに輝く。ブラスは、自覚はないようだが、美味しいものを食べると、普段は死んでる目が、ちょっとだけ輝く。蟹グラタンは、お気に召してもらえたようだ。
セブリアンは、嬉しくなって、自分もはふはふと美味しいグラタンを食べながら、幸せー、とだらしなく顔をゆるめた。
ブラスと一緒に美味しいものが食べられて、次のデートの約束もできて、今日は最高にいい日である。
セブリアンは、ブラスと一緒にお腹いっぱい美味しい料理を食べると、満腹の腹を抱えて、ブラスを家まで送り届けた。
セブリアンは、暗い夜道を軽やかに歩きながら、明後日のデートは何を着ていこうかと、自分が持っている服を頭に思い浮かべた。明後日のデートの時は勿論、明日の、日課である早朝ランニングの時にも、ブラスに会える。セブリアンは、嬉しくて、むふふっと笑った。半年かけて、少しずつだが、ブラスが口を開いてくれることが増えてきた。めちゃくちゃ嬉しい変化である。食事も一緒にしてくれるし、恋人になれるまで、あと一歩な気がする。
セブリアンは、自宅の集合住宅の一室に帰り着くと、夜遅くまで、デートで着ていく服を選んだ。
ーーーーーーー
ブラスは、朝っぱらから憂鬱な溜め息を吐いた。新しくできたという魔法書専門店には行きたいが、それにセブリアンが着いてくるのは、よろしくない。
セブリアンは、美味しい店をよく知っている。ブラスは料理なんてできないから、いつも適当に買ってきたもので食事を済ませているが、セブリアンに食事に連行されるようになってから、舌が肥えてきたのか、いつもの安いだけの惣菜屋の惣菜では、満足できなくなってきている。これもよろしくない。しかし、美味いものは食べたい。
ブラスは、セブリアンがじわじわとブラスの生活に入り込んできているような気がして、眉間に深い皺を寄せた。
ブラスが毛玉だらけのセーターを着て、コートを羽織っていると、玄関の呼び鈴が鳴った。嫌々、玄関に向かい、ドアを開けると、セブリアンが立っていた。ブラスの顔を見るなり、セブリアンが、にっこーっと嬉しそうに笑った。愛嬌のある顔が、更になんか可愛くなる。セブリアンの笑顔は、無駄に温かい印象を受ける。
「おはようございます! ブラスさん! デート日和ですね!」
「……デートじゃない」
「あはっ! 早速出かけましょうか! お昼は、美味しい喫茶店を見つけたから、そこに行きましょうね! ふわふわのオムレツが挟まったサンドイッチが絶品なんです!」
「…………」
ブラスは、いちいち断るのも面倒になって、無言で溜め息を吐いた。
ニコニコ笑っているセブリアンに手を握られた。セブリアンの手は、剣胼胝があってゴツくて硬いが、とても温かい。無言でセブリアンの手を振りほどこうとしたが、無理だったので、早々と諦めた。なんだって、こんな陰気な冴えないおっさんの手を握るんだ。セブリアンは、ものすごく趣味が悪いと思う。
ブラスは、セブリアンに手を握られたまま、新しくできたという魔法書専門店に向かった。
魔法書専門店は、確かに素晴らしい品揃えだった。欲しかった魔法書も置いてあったし、興味を惹かれる魔法書が沢山あった。ブラスは、夢中で店内を何回もぐるぐる回って、数冊の魔法書を買った。いい魔法書を買えて、少し気分がいいブラスが、チラッと隣にいるセブリアンを見ると、セブリアンが楽しそうにニコニコ笑っていた。
ブラスは、不思議に思って、セブリアンに声をかけた。
「おい。お前はつまらないだろう」
「いや? そんなことないですよー。ブラスさんが楽しそうだと、俺も楽しいです!」
「あ、そう」
ニコニコ笑っているセブリアンが、嘘をついているようには見えない。ブラスは、なんとなく眉間に皺を寄せた。セブリアンのことを信用する訳にはいかないが、じわじわと心の奥底で、『セブリアンなら大丈夫なんじゃないか』という思いが湧き出てくる。セブリアンは、いつだって真っ直ぐにブラスを見て、真っ直ぐな言葉をくれる。セブリアンの言葉に、嘘や裏を感じたことが無い。しかし、セブリアンをこれ以上、ブラスの中に受け入れるのは、怖い。
ブラスは、悶々としながらも、セブリアンに手を握られて、魔法書専門店を出た。温かいセブリアンの手を振りほどきたいが、このままでいたい自分がいる。これは、とても危険だ。本当に危険だ。太陽みたいに温かくて、優しいセブリアンのことなんか、ブラスは好きじゃない。好きじゃないったら、好きじゃない。
ブラスは、そんなことを考えながら、美味しいサンドイッチが食べられるという喫茶店に、セブリアンと手を繋いだまま向かった。
夕食まで美味しい店で食べて、ブラスはセブリアンに家まで送られて帰った。『また明日の朝、会いましょうね!』と言って、セブリアンは満面の笑みで帰っていった。
ブラスは、風呂上がりに、新しく買った魔法書をベッドに寝転がって読みながら、むぅと小さく唸った。
セブリアンのことなんか好きじゃない。なのに、セブリアンの温かい手の感触が、中々、自分の手から消えてくれない。ブラスは、セブリアンに握られていた手を、ぐーぱーぐーぱーした。
セブリアンのことは好きじゃない。好きになんかなってはいけない。好きになったところで、どうせ裏切られるのだ。ブラスは、見た目は地味だし、陰気で、いいところなんて特にない。仕事はそれなりにできるが、それだけだ。セブリアンは、ブラスなんかのどこがいいのか。
ブラスは、大きな溜め息を吐くと、もぞもぞと布団の中に潜り込んだ。目を閉じれば、セブリアンの太陽みたいな温かくて柔らかい笑顔が脳裏に浮かぶ。さっさと頭の中から消して寝てしまいたいのに、中々、頭の中からセブリアンの笑顔が消えてくれない。もしや、自分はセブリアンに絆されてしまったのか。そんな訳ないと思いたいが、セブリアンの温かい手の感触や明るい笑顔が、ずっと頭の中にある。
ブラスは、寝落ちるまで、何度も何度も溜め息を吐いた。
翌朝。ブラスがいつもの時間に起きて、買い置きのパンで朝食を済ませ、庭の薬草に水やりをしていると、たったったったっと走ってくる音が聞こえた。
「おはようございまーす! ブラスさん! 昨日は楽しかったですね!」
「…………まぁ、それなりに」
「わぁ! やったぁ! ブラスさんも楽しかったんですね! デート大成功です! あのあの! よかったら、次は飲みに行きませんか!? 美味しいお酒を取り扱ってるバーを知ってるんです!」
「酒は飲まん」
「あ、そうなんですね。えへへ。また一つブラスさんのことを知れちゃいました! 今日はいい日です! お仕事、頑張ってくださいね! 仕事が終わったら迎えに来ますー! 今日は羊肉の煮込みが絶品なお店に行きましょうね!」
「…………」
セブリアンが、にっこーっと本当に嬉しそうに笑って、『また夕方に来まーす!』と走り去って行った。
ブラスは、大きな溜め息を吐きながら、口を手で覆った。どうにもいけない。笑顔のセブリアンが可愛く見える。これはマズい。本当にマズい。
ブラスは、仕事に行く準備をしながら、今夜のセブリアンとの夕食を思って、ほんの微かに口角を上げた。
ブラスが仕事から家に帰り着くと、すぐに玄関の呼び鈴が鳴った。セブリアンだろう。ブラスは、玄関に向かい、玄関のドアを開けた。騎士服を着たままのセブリアンが、ブラスを見るなり、にっこーっと嬉しそうに笑った。
「ブラスさん! お疲れ様です! ご飯、食べましょう!」
「…………………ん」
セブリアンが、ブラスの手を握ってきた。セブリアンの手が温かくて、手を振りほどく気が起きない。マズいなぁ、マズいなぁ、と思いながら、ブラスは、セブリアンと一緒に、今日の夕食をとる店へと向かった。
腹が満腹になるまで、美味しい料理を食べると、セブリアンと一緒に店を出た。セブリアンが連れて行ってくれる店は、外れがない。セブリアンは、食い道楽で、暇な日には、いつも食べ歩きをしているのだそうだ。
満腹の腹を擦るブラスの手を握って、セブリアンが、ニコニコと笑った。
「ブラスさん。そろそろお付き合いしませんか?」
「しない」
「俺、食べるだけじゃなくて、作るのも好きなんです! ブラスさんに、俺のご飯を食べてもらいたいです!!」
「……断る」
「即答じゃない! ってことは、チャンスありますよね! やったぁ!」
「なんでそうなる」
「ブラスさん! 今日、ブラスさんの家にお泊りしてもいいですか!? 美味しい朝ご飯を作りたいです!」
「……材料なんぞ何も無い」
「途中で買って帰ります。遅くまで開いてる店があるんですよ。朝ご飯の材料くらいなら、そこで買えます」
「あ、そ。……好きにしろ」
「やったぁ!!」
ブラスは、にっこーっと嬉しそうに笑うセブリアンから、つっと目を逸らした。セブリアンを家に泊めるのは、あまりよろしくないが、断るのも疲れる。別に、セブリアンの手料理を食べてみたいとか、そういうんじゃない。断じて違う。ただ、食い道楽が作るという料理に、ほんのちょっぴり興味があるだけだ。
ブラスは、ご機嫌なセブリアンとと共に、途中にあった店で買い物をしてから、家に帰った。
家に帰り着くと、先にセブリアンに風呂に入らせた。一応、客室は家にある。埃がすごいけど。セブリアンが風呂に入っている間に、ブラスは魔法を駆使して、客室をなんとかキレイにした。
シーツを洗濯済みのものに替えていると、半裸のセブリアンが客室に入ってきた。今は冬の真っ只中である。見ているだけで寒い。
「おい。服を着ろ」
「お風呂ありがとうございました! 風呂上がりで暑いんですよー」
「筋肉だるまめ」
「ふふー。ブラスさん。ブラスさん」
「なんだ」
「俺と気持ちいいことしませんか?」
「断る」
「まぁまぁまぁまぁ。ちょっとだけ。ちょっとだけ」
セブリアンが、ニコニコ笑って、ブラスの身体をぽすんとベッドに押し倒した。
「おいっ!」
「口で気持ちよくしますねー」
「結構だ!」
「ブラスさん、ご経験は?」
「……無いが」
「やったぁ! ブラスさんの初めてをもらえます!!」
「やらん!」
「口でするだけ! 口でするだけ!」
「あっ! おいっ! 脱がすなっ!」
「わぁ。ブラスさんのおっきいですねー」
セブリアンが、器用に素早く、ブラスのズボンのベルトを外し、下着とまとめてズボンをずり下ろした。使ったことがないペニスや陰嚢が外気に触れる。セブリアンが素早くブラスの股間に顔を寄せて、ブラスの萎えたペニスをやんわりと握って、にっこーっと嬉しそうに笑った。
「いただきまーす!」
「あっ! おいっ! ばかっ! やめろっ! っ、ひんっ!?」
「んむー」
「ちょっ、~~~~っ!」
セブリアンの熱くぬるついた舌が、ブラスのペニスを舐め回し始めた。まるで犬みたいに、ペロペロとペニス全体を舐め回されて、ブラスのペニスは、すぐにむくむくと大きく硬くなった。勃起して自然と剥けたペニスの皮をやんわりと優しく手で更に剥かれ、丸出しになった敏感な亀頭をぬるぬるも舌で円を描くようにして舐め回される。初めての快感に、どっと勢いよく先走りが溢れ出る。セブリアンを止めなきゃいけないのに、気持ちよ過ぎて、止められない。陰嚢まで丁寧に舐められて、ブラスは、変な声が出ないようにするのに必死だった。なんだ。この急展開は。恋人にもなっていないのに、こんないやらしいことをしてもいいのか。駄目だろう。
そんなことを考えながら、ブラスは、こみ上げる射精感をぐっと堪えていた。
ブラスのペニスを頬張って、頭を上下に動かして唇でブラスのペニスを扱いていたセブリアンが、ぷはぁとブラスのペニスから口を離した。
「あー。もう我慢できないです。ブラスさん。俺のお尻で気持ちよくなって」
「…………は?」
いつの間にかズボンと下着を脱いでいたセブリアンが、身体を起こして、ブラスの股間に跨った。なんとなく、セブリアンの股間を見れば、セブリアンのペニスは勃起して、下腹部につきそうな勢いで反り返っていた。
セブリアンがブラスのペニスの竿を握り、腰を下ろした。ペニスの先っぽが、熱くてひくつくものに触れる。
セブリアンを見上げれば、セブリアンが紅潮した顔で、にっこーっと笑った。
「お風呂で慣らしてきたんで……んっ、はぁ……」
「わ、わ、ちょっ、はいっ……てる!」
「あはっ! 挿れてます! んーーっ! ブラスさんのちんちん、すごい、きもちいいっ」
「う、あ……ちょっ、うごくなぁ!」
「あっ、あっ、はぁっ、すご、ブラスさんっ! ブラスさんっ!」
セブリアンが、ブラスのペニスを根元近くまでアナルで飲み込んだかと思えば、すぐにキツく締まるアナルで、ブラスのペニスを扱き始めた。セブリアンが後ろ手に両手をつき、膝を立てて足を大きく広げ、身体ごと上下に動かして、締まりのいいアナルでブラスのペニスを扱いている。初めて感じるセブリアンの熱い体内の感触が、堪らなく気持ちがいい。熱く柔らかい腸壁にペニスが包まれ、キツい括約筋でペニスが締めつけられる。気持ちよ過ぎて、我慢なんてできない。ブラスは、裏返った声を上げて、早々とセブリアンの腹の中に精液をぶち撒けた。
荒い息を吐きながら、セブリアンを見上げれば、セブリアンがうっとりとした顔で、自分の腹を撫でた。
「えへへ。ブラスさんに中出しされちゃった」
セブリアンが、とても嬉しそうに、にへっと笑った。その後で、にっこーっと笑い、ブラスのペニスをアナルで咥え込んだまま、ブラスの身体の両側に手をついて、また腰を振り始めた。イッたばかりで敏感になっているペニスを、キツいアナルで扱かれて、ブラスは堪らず、低く喘いだ。
「ブラスさん、ブラスさん。もっと俺で気持ちよくなって」
「ふっ、ふっ、うっ、あっ……」
「あっ、あっ、はぁっ、んぅっ、ブラスさんのちんちん、すごい、きもちいいっ!」
ブラスは、頭の中の何かが、ぷちっと切れた。膝を立てて、がっしりとしたセブリアンの腰を両手で掴み、めちゃくちゃに腰を突き上げる。
「あぁっ!? あっあっあっあっ! いいっ! いいっ! あぁっ! すごいよぉ! ブラスさんっ!」
「あーーっ、くそっ! くそっ!」
「あはっ! あっ! あっ! やばっ、いくっ! いくっ! あ、あ、あーーーーっ!!」
「うっ、あぁっ……」
ブラスがめちゃくちゃに腰を振っていると、セブリアンの身体がぶるっと震え、腹に熱い液体がかかった。きゅっと更にキツくアナルでペニスを締めつけられて、ブラスも我慢できずに、またセブリアンの腹の中に精液をぶち撒けた。
セブリアンが荒い息を吐きながら、にっこーっと笑って、繋がったままブラスに顔を寄せ、ブラスの唇に触れるだけのキスをした。
「俺の中でイッてくれたから、恋人ってことで!」
「……ずるくないか」
「えへっ。だってー、ブラスさんと一つになりたかったんだもーん。ブラスさん。大好きです!!」
セブリアンが、至近距離で、にっこーっと嬉しそうに笑った。ブラスは、溜め息を吐いて、なんかもう色々諦めた。
セブリアンがどうにも可愛い。絆されてしまった感があるが、どうしてもセブリアンが可愛く思えてくる。セブリアンには、ずっと素っ気ない態度をとっていたのに、セブリアンは、いつだってそんなブラスのことを『好きだ』と言ってくれる。いい加減、絆されるなというのが、無理な話な気がしてきた。
ブラスは眉間に皺を寄せて、セブリアンの太くて逞しい首を掴み、自分から、セブリアンの唇に触れるだけのキスをした。
きょとんとしているセブリアンを見上げて、ブラスは、ふっと小さく笑った。
「責任はとれよ」
「はいっ! ブラスさん! 大好きっ! もう一回! いや、もう三回くらい!!」
「……程々で……」
「えへえへ。ブラスさん、大好きっ!!」
ブラスは、幸せそうに、嬉しそうに、にっこーっと笑うセブリアンを見上げて、セブリアンが可愛いからどうしようもないと、開き直った。
ーーーーーーー
ブラスの朝は、食欲をそそる匂いと共に、セブリアンから優しく起こされることから始まるようになった。セブリアンは、恋人になるとすぐにブラスの家に引っ越してきた。それ以前は、ずっと外食をしていたが、今は、セブリアンが料理を作ってくれている。これが、かなり美味い。騎士ではなく、料理人と名乗ってもいいレベルで美味しい。
セブリアンに起こされて、顔を洗って、髭を剃ると、ブラスは居間に向かった。居間のテーブルの上には、今日も美味しそうな匂いがする朝食が並べられている。
エプロンを着けたセブリアンが、にっこーっと笑った。
「今日のオムレツは自信作です!」
「ん。……なぁ」
「なんです?」
「引退したら、店でもやるか」
ブラスは、ふと思い立ったことを口に出した。セブリアンがきょとんとした顔をした後で、泣きそうな不細工な笑みを浮かべた。
「引退した後まで一緒にいてくれますか?」
「責任はとれよ」
「はいっ! 惚れさせちゃった責任はしっかりとりますね!!」
セブリアンが、ちょっと不細工な泣き笑いの顔で、ブラスの頬にキスをした。ブラスは、そんなセブリアンの頭をわしゃわしゃと撫で回し、セブリアンの唇に触れるだけのキスをした。
ブラスを絆しやがった責任は、きっちりとらせる。今更、セブリアンを手放してなんかやらない。引退したら、2人で店を構えて、老後までセブリアンの太陽みたいな温かい笑顔を見続けてやる。
ブラスは、『嬉しい~!』とすんすん泣き始めたセブリアンが泣き止んで、いつもの笑顔を見せるまで、何度も何度もセブリアンにキスをした。
(おしまい)
ブラスが早く水やりを終わらせようとしていると、『おはようございまーす!』と、無駄に元気に話しかけられた。
「おはようございまーす! ブラスさん! いい朝ですね!」
「…………」
ブラスに話しかけてきたのは、明るい茶髪に空色の瞳をした若い男だ。美形ではないが、愛嬌のある顔立ちをしており、にっこーっと笑うと、まるで柔らかいお日様みたいな印象を抱く。人嫌いで陰気なブラスとは、対極にいるような陽気な男だ。
陽気な男、セブリアンが、その場で足踏みをしながら、更に話しかけてきた。
「ブラスさん! 今日、一緒にご飯食べませんか?」
「……断る」
「わぁ! ブラスさんが答えてくれた! やったぁ! 今日はいい日です!」
「…………」
「仕事が終わったら迎えに来ますねー! ブラスさんもお仕事頑張ってくださーい!」
「…………」
セブリアンが、にっこーっと笑って、軽やかな足取りで走り去った。ブラスは、溜め息を吐いた。断ったのに、喜ぶってどうなんだ。というか、断ったのに、今夜も来やがるつもりなのか。
ブラスは、何度も溜め息を連発しながら、水やりを終え、家の中に入った。
ブラスは、魔法省に勤める魔法使いである。主に、医療魔法の研究をしている。自分で言うのもなんだが、人嫌いで陰気な性格をしている。ブラスとて、生まれた頃から人嫌いだった訳ではない。
あれは、忘れもしない10歳の頃。ブラスが通っていた魔法学園で、親友だと思っていた2人の少年から、好きな子がいるのかと聞かれた。誰にも内緒にするから、こっそり教えてと。当時、ブラスには気になる女の子がいた。2人とも親友だし、内緒にしてくれるならと、ブラスは2人にこっそり彼女の名前を教えた。
次の瞬間、2人は教室の教壇の所へ行き、大きく叫んだ。
『ブラスの好きな子はー! ミアーナでぇーす!!』
ブラスは、何が起きたのか、一瞬分からなかった。その時は、授業の合間の小休憩の時間で、教室には、殆どの生徒がいた。当然、密かに想いを寄せていた少女もいた。ブラスは、皆から囃し立てられ、露骨に嫌そうな顔をした少女から、皆が見ている前で『私はブラス君のこと、好きじゃない』と、バッサリフラレた。少女にフラレたことよりも、親友だと思っていた2人の裏切りの方が、ブラスの心を傷つけた。『俺達、親友だよな!』とよく言われていた言葉を信じたブラスが馬鹿だったのだと、家に帰ってから気がついた。『親友』、『友達』、そんなものを信じたブラスが愚かだった。人なんて、簡単に信じてはいけない。まだ幼かったブラスの心に、しっかりとその事が刻み込まれた。
それからは、友達もつくらず、誰ともつるまず、ブラスはずっと1人でいる。歳はそろそろ32歳になるが、結婚する気もない。人なんか信用も信頼もできないし、してはいけない。誰かと結婚生活をするなんて、想像するだけで吐き気がする。ブラスは、一生独身のまま、1人で死んでいきたい。裏切られて傷つくくらいなら、1人の方が余程マシである。
そんな誰も寄せつけずに生きてきたブラスだが、半年前から、変なのに懐かれた。
半年前に、街の一部で大規模な火災が起きた。怪我人が多く、人手が足りないからと、ブラスも救護に駆り出された。そこで、セブリアンと出会った。セブリアンは、家屋に取り残されていた子供を助ける為に、火の中に入り、酷い火傷を負っていた。ブラスは、セブリアンを魔法で治癒した。一度の医療魔法では、治りきらず、それから、何回もセブリアンの治療に行った。そうしたら、何故か、懐かれた。
セブリアンは、騎士である。逞しい身体つきをしており、いつでもニコニコ笑っている。親しみやすいからか、ブラスの家のご近所さんとも、すぐに仲良くなった。セブリアンは、貧相に痩せているブラスを、『もっと健康的になりましょうよ!』と言って、よく食事に誘ってくる、もとい、食事に連行していく。
ブラスは、食事中もそれ以外も、殆ど口を開かないのに、セブリアンは、いつも楽しそうにニコニコ笑っている。セブリアンが、何がしたいのかが分からない。
セブリアンは、今日も食事に誘いに来るのだろう。とても憂鬱である。ブラスは、溜め息を連発しながら、出勤の準備をして、家を出た。
ーーーーーーー
セブリアンは、1日の仕事を終えると、いそいそと帰り支度をして、軽やかな足取りで職場を出た。今日は、ブラスを、美味しい蟹が食べられる店に連れて行こう。
セブリアンは、ブラスのことが大好きである。ブラスは、見た目は地味な黒髪青眼のおっさんだが、セブリアンの生命の恩人である。全身に酷い火傷を負ったセブリアンの生命を助けてくれた。病院に入院したセブリアンに、何度も高度な医療魔法をかけてくれて、火傷で爛れて醜くなっていた顔も、身体も、元通りに治してくれた。
騎士として、また働けるようになったのも、ブラスのお陰である。
セブリアンは、ブラスと仲良くなりたい。セブリアンは、まだ23歳だから、歳は離れているが、そんなことは些事である。ブラスと仲良くなって、できたら、恋人になりたい。セブリアンは、治療中に優しく触れてくれたブラスに、恋をした。我ながら単純なのだが、死の淵にいた時に聞こえた、ブラスの『生きろ! お前が死ぬべき時は今じゃない!』という言葉が、セブリアンの救いとなった。治療後のブラスは、殆ど口をきいてくれないが、それでも、セブリアンが食事に誘うと、嫌そうな顔をしながらも、一緒に食事をしてくれる。ブラスはきっと、すごく優しい人なんだろうなぁと思っている。火傷で醜くなったセブリアンに躊躇なく触れてくれたブラスの優しい手に、もう一度触れてもらいたい。
セブリアンは、今日も今日とて、ブラスに好意を告げまくるつもりである。
セブリアンは、軽やかな足取りで、ブラスの家を目指した。
ブラスの家の玄関の呼び鈴を鳴らすと、魔法省の制服を着たままのブラスが顔を出した。ブラスが露骨に顔を顰めて、セブリアンを見た。ブラスがセブリアンを見てくれるだけで嬉しい。セブリアンは、にっこーっと上機嫌に笑って、口を開いた。
「こんばんはー! お疲れ様です! ご飯、食べに行きましょう!」
「……断る」
「まぁまぁ。蟹が美味しいお店があるんですよ! 蟹は今が旬だし、すっごく美味しいですよ! グラタンが本当に絶品なんです!」
「………………割り勘だからな」
「やったー! はいっ! 早速行きましょう! 寒いから、コートとマフラーをしてきてください!」
ブラスが渋い顔をしたまま、家の中に引っ込んだ。そのまま外で待っていると、コートを着て、マフラーを首に巻いたブラスが出てきた。
セブリアンは、上機嫌にブラスの冷たいほっそりとした手を握って、店に向かって歩き始めた。
「……おい。手を離せ」
「手が冷えてますよー。俺、体温高いから、このまま温めますね!」
「いらん」
「まぁまぁ。えへへへへ。ブラスさんと手を繋いじゃった!」
「はぁ……」
ブラスが渋い顔で、大きな溜め息を吐いた。手を繋いだまま、お目当ての店に着く頃には、ブラスの冷えていた手は、それなりに温かくなっていた。
店内に入り、丸いテーブル席に座って、オススメの料理をいくつか注文すると、セブリアンは、ぶすっとした顔をしているブラスに話しかけた。
「ブラスさん。ブラスさん。そろそろ俺とお付き合いしてくれませんか?」
「……断る」
「ブラスさんのことが好きなんですー! デートしたいです! デート! ブラスさんは行きたいところありますか!?」
「無い」
「あ、じゃあ、じゃあ! 新しくできた魔法書専門店はどうですか!? 俺は門外漢だから、よく分からないんですけど、魔法も使える先輩が、すごく品揃えがいいって褒めてました!」
「……店の場所だけ教えろ」
「一緒に行きましょうね! きっと楽しいですよ! 明後日が休みなんで、明後日はどうですか? 魔法省は公休日ですよね?」
「…………魔法書専門店に行くだけだぞ」
「やったぁ! ブラスさんとデートだ!!」
「デートじゃない」
「ふふっ。2人きりで出かけるなら、それは立派なデートです! つまり、今もデート中なのです!」
「デートじゃない」
「デートなんですー。あ、グラタンきましたよ! 本当に美味しいから、いっぱい食べてくださいね!」
店員が運んできた蟹グラタンを、ブラスが、はふはふと食べ始めた。ブラスの死んだ魚みたいだった目が、ほんの微かに輝く。ブラスは、自覚はないようだが、美味しいものを食べると、普段は死んでる目が、ちょっとだけ輝く。蟹グラタンは、お気に召してもらえたようだ。
セブリアンは、嬉しくなって、自分もはふはふと美味しいグラタンを食べながら、幸せー、とだらしなく顔をゆるめた。
ブラスと一緒に美味しいものが食べられて、次のデートの約束もできて、今日は最高にいい日である。
セブリアンは、ブラスと一緒にお腹いっぱい美味しい料理を食べると、満腹の腹を抱えて、ブラスを家まで送り届けた。
セブリアンは、暗い夜道を軽やかに歩きながら、明後日のデートは何を着ていこうかと、自分が持っている服を頭に思い浮かべた。明後日のデートの時は勿論、明日の、日課である早朝ランニングの時にも、ブラスに会える。セブリアンは、嬉しくて、むふふっと笑った。半年かけて、少しずつだが、ブラスが口を開いてくれることが増えてきた。めちゃくちゃ嬉しい変化である。食事も一緒にしてくれるし、恋人になれるまで、あと一歩な気がする。
セブリアンは、自宅の集合住宅の一室に帰り着くと、夜遅くまで、デートで着ていく服を選んだ。
ーーーーーーー
ブラスは、朝っぱらから憂鬱な溜め息を吐いた。新しくできたという魔法書専門店には行きたいが、それにセブリアンが着いてくるのは、よろしくない。
セブリアンは、美味しい店をよく知っている。ブラスは料理なんてできないから、いつも適当に買ってきたもので食事を済ませているが、セブリアンに食事に連行されるようになってから、舌が肥えてきたのか、いつもの安いだけの惣菜屋の惣菜では、満足できなくなってきている。これもよろしくない。しかし、美味いものは食べたい。
ブラスは、セブリアンがじわじわとブラスの生活に入り込んできているような気がして、眉間に深い皺を寄せた。
ブラスが毛玉だらけのセーターを着て、コートを羽織っていると、玄関の呼び鈴が鳴った。嫌々、玄関に向かい、ドアを開けると、セブリアンが立っていた。ブラスの顔を見るなり、セブリアンが、にっこーっと嬉しそうに笑った。愛嬌のある顔が、更になんか可愛くなる。セブリアンの笑顔は、無駄に温かい印象を受ける。
「おはようございます! ブラスさん! デート日和ですね!」
「……デートじゃない」
「あはっ! 早速出かけましょうか! お昼は、美味しい喫茶店を見つけたから、そこに行きましょうね! ふわふわのオムレツが挟まったサンドイッチが絶品なんです!」
「…………」
ブラスは、いちいち断るのも面倒になって、無言で溜め息を吐いた。
ニコニコ笑っているセブリアンに手を握られた。セブリアンの手は、剣胼胝があってゴツくて硬いが、とても温かい。無言でセブリアンの手を振りほどこうとしたが、無理だったので、早々と諦めた。なんだって、こんな陰気な冴えないおっさんの手を握るんだ。セブリアンは、ものすごく趣味が悪いと思う。
ブラスは、セブリアンに手を握られたまま、新しくできたという魔法書専門店に向かった。
魔法書専門店は、確かに素晴らしい品揃えだった。欲しかった魔法書も置いてあったし、興味を惹かれる魔法書が沢山あった。ブラスは、夢中で店内を何回もぐるぐる回って、数冊の魔法書を買った。いい魔法書を買えて、少し気分がいいブラスが、チラッと隣にいるセブリアンを見ると、セブリアンが楽しそうにニコニコ笑っていた。
ブラスは、不思議に思って、セブリアンに声をかけた。
「おい。お前はつまらないだろう」
「いや? そんなことないですよー。ブラスさんが楽しそうだと、俺も楽しいです!」
「あ、そう」
ニコニコ笑っているセブリアンが、嘘をついているようには見えない。ブラスは、なんとなく眉間に皺を寄せた。セブリアンのことを信用する訳にはいかないが、じわじわと心の奥底で、『セブリアンなら大丈夫なんじゃないか』という思いが湧き出てくる。セブリアンは、いつだって真っ直ぐにブラスを見て、真っ直ぐな言葉をくれる。セブリアンの言葉に、嘘や裏を感じたことが無い。しかし、セブリアンをこれ以上、ブラスの中に受け入れるのは、怖い。
ブラスは、悶々としながらも、セブリアンに手を握られて、魔法書専門店を出た。温かいセブリアンの手を振りほどきたいが、このままでいたい自分がいる。これは、とても危険だ。本当に危険だ。太陽みたいに温かくて、優しいセブリアンのことなんか、ブラスは好きじゃない。好きじゃないったら、好きじゃない。
ブラスは、そんなことを考えながら、美味しいサンドイッチが食べられるという喫茶店に、セブリアンと手を繋いだまま向かった。
夕食まで美味しい店で食べて、ブラスはセブリアンに家まで送られて帰った。『また明日の朝、会いましょうね!』と言って、セブリアンは満面の笑みで帰っていった。
ブラスは、風呂上がりに、新しく買った魔法書をベッドに寝転がって読みながら、むぅと小さく唸った。
セブリアンのことなんか好きじゃない。なのに、セブリアンの温かい手の感触が、中々、自分の手から消えてくれない。ブラスは、セブリアンに握られていた手を、ぐーぱーぐーぱーした。
セブリアンのことは好きじゃない。好きになんかなってはいけない。好きになったところで、どうせ裏切られるのだ。ブラスは、見た目は地味だし、陰気で、いいところなんて特にない。仕事はそれなりにできるが、それだけだ。セブリアンは、ブラスなんかのどこがいいのか。
ブラスは、大きな溜め息を吐くと、もぞもぞと布団の中に潜り込んだ。目を閉じれば、セブリアンの太陽みたいな温かくて柔らかい笑顔が脳裏に浮かぶ。さっさと頭の中から消して寝てしまいたいのに、中々、頭の中からセブリアンの笑顔が消えてくれない。もしや、自分はセブリアンに絆されてしまったのか。そんな訳ないと思いたいが、セブリアンの温かい手の感触や明るい笑顔が、ずっと頭の中にある。
ブラスは、寝落ちるまで、何度も何度も溜め息を吐いた。
翌朝。ブラスがいつもの時間に起きて、買い置きのパンで朝食を済ませ、庭の薬草に水やりをしていると、たったったったっと走ってくる音が聞こえた。
「おはようございまーす! ブラスさん! 昨日は楽しかったですね!」
「…………まぁ、それなりに」
「わぁ! やったぁ! ブラスさんも楽しかったんですね! デート大成功です! あのあの! よかったら、次は飲みに行きませんか!? 美味しいお酒を取り扱ってるバーを知ってるんです!」
「酒は飲まん」
「あ、そうなんですね。えへへ。また一つブラスさんのことを知れちゃいました! 今日はいい日です! お仕事、頑張ってくださいね! 仕事が終わったら迎えに来ますー! 今日は羊肉の煮込みが絶品なお店に行きましょうね!」
「…………」
セブリアンが、にっこーっと本当に嬉しそうに笑って、『また夕方に来まーす!』と走り去って行った。
ブラスは、大きな溜め息を吐きながら、口を手で覆った。どうにもいけない。笑顔のセブリアンが可愛く見える。これはマズい。本当にマズい。
ブラスは、仕事に行く準備をしながら、今夜のセブリアンとの夕食を思って、ほんの微かに口角を上げた。
ブラスが仕事から家に帰り着くと、すぐに玄関の呼び鈴が鳴った。セブリアンだろう。ブラスは、玄関に向かい、玄関のドアを開けた。騎士服を着たままのセブリアンが、ブラスを見るなり、にっこーっと嬉しそうに笑った。
「ブラスさん! お疲れ様です! ご飯、食べましょう!」
「…………………ん」
セブリアンが、ブラスの手を握ってきた。セブリアンの手が温かくて、手を振りほどく気が起きない。マズいなぁ、マズいなぁ、と思いながら、ブラスは、セブリアンと一緒に、今日の夕食をとる店へと向かった。
腹が満腹になるまで、美味しい料理を食べると、セブリアンと一緒に店を出た。セブリアンが連れて行ってくれる店は、外れがない。セブリアンは、食い道楽で、暇な日には、いつも食べ歩きをしているのだそうだ。
満腹の腹を擦るブラスの手を握って、セブリアンが、ニコニコと笑った。
「ブラスさん。そろそろお付き合いしませんか?」
「しない」
「俺、食べるだけじゃなくて、作るのも好きなんです! ブラスさんに、俺のご飯を食べてもらいたいです!!」
「……断る」
「即答じゃない! ってことは、チャンスありますよね! やったぁ!」
「なんでそうなる」
「ブラスさん! 今日、ブラスさんの家にお泊りしてもいいですか!? 美味しい朝ご飯を作りたいです!」
「……材料なんぞ何も無い」
「途中で買って帰ります。遅くまで開いてる店があるんですよ。朝ご飯の材料くらいなら、そこで買えます」
「あ、そ。……好きにしろ」
「やったぁ!!」
ブラスは、にっこーっと嬉しそうに笑うセブリアンから、つっと目を逸らした。セブリアンを家に泊めるのは、あまりよろしくないが、断るのも疲れる。別に、セブリアンの手料理を食べてみたいとか、そういうんじゃない。断じて違う。ただ、食い道楽が作るという料理に、ほんのちょっぴり興味があるだけだ。
ブラスは、ご機嫌なセブリアンとと共に、途中にあった店で買い物をしてから、家に帰った。
家に帰り着くと、先にセブリアンに風呂に入らせた。一応、客室は家にある。埃がすごいけど。セブリアンが風呂に入っている間に、ブラスは魔法を駆使して、客室をなんとかキレイにした。
シーツを洗濯済みのものに替えていると、半裸のセブリアンが客室に入ってきた。今は冬の真っ只中である。見ているだけで寒い。
「おい。服を着ろ」
「お風呂ありがとうございました! 風呂上がりで暑いんですよー」
「筋肉だるまめ」
「ふふー。ブラスさん。ブラスさん」
「なんだ」
「俺と気持ちいいことしませんか?」
「断る」
「まぁまぁまぁまぁ。ちょっとだけ。ちょっとだけ」
セブリアンが、ニコニコ笑って、ブラスの身体をぽすんとベッドに押し倒した。
「おいっ!」
「口で気持ちよくしますねー」
「結構だ!」
「ブラスさん、ご経験は?」
「……無いが」
「やったぁ! ブラスさんの初めてをもらえます!!」
「やらん!」
「口でするだけ! 口でするだけ!」
「あっ! おいっ! 脱がすなっ!」
「わぁ。ブラスさんのおっきいですねー」
セブリアンが、器用に素早く、ブラスのズボンのベルトを外し、下着とまとめてズボンをずり下ろした。使ったことがないペニスや陰嚢が外気に触れる。セブリアンが素早くブラスの股間に顔を寄せて、ブラスの萎えたペニスをやんわりと握って、にっこーっと嬉しそうに笑った。
「いただきまーす!」
「あっ! おいっ! ばかっ! やめろっ! っ、ひんっ!?」
「んむー」
「ちょっ、~~~~っ!」
セブリアンの熱くぬるついた舌が、ブラスのペニスを舐め回し始めた。まるで犬みたいに、ペロペロとペニス全体を舐め回されて、ブラスのペニスは、すぐにむくむくと大きく硬くなった。勃起して自然と剥けたペニスの皮をやんわりと優しく手で更に剥かれ、丸出しになった敏感な亀頭をぬるぬるも舌で円を描くようにして舐め回される。初めての快感に、どっと勢いよく先走りが溢れ出る。セブリアンを止めなきゃいけないのに、気持ちよ過ぎて、止められない。陰嚢まで丁寧に舐められて、ブラスは、変な声が出ないようにするのに必死だった。なんだ。この急展開は。恋人にもなっていないのに、こんないやらしいことをしてもいいのか。駄目だろう。
そんなことを考えながら、ブラスは、こみ上げる射精感をぐっと堪えていた。
ブラスのペニスを頬張って、頭を上下に動かして唇でブラスのペニスを扱いていたセブリアンが、ぷはぁとブラスのペニスから口を離した。
「あー。もう我慢できないです。ブラスさん。俺のお尻で気持ちよくなって」
「…………は?」
いつの間にかズボンと下着を脱いでいたセブリアンが、身体を起こして、ブラスの股間に跨った。なんとなく、セブリアンの股間を見れば、セブリアンのペニスは勃起して、下腹部につきそうな勢いで反り返っていた。
セブリアンがブラスのペニスの竿を握り、腰を下ろした。ペニスの先っぽが、熱くてひくつくものに触れる。
セブリアンを見上げれば、セブリアンが紅潮した顔で、にっこーっと笑った。
「お風呂で慣らしてきたんで……んっ、はぁ……」
「わ、わ、ちょっ、はいっ……てる!」
「あはっ! 挿れてます! んーーっ! ブラスさんのちんちん、すごい、きもちいいっ」
「う、あ……ちょっ、うごくなぁ!」
「あっ、あっ、はぁっ、すご、ブラスさんっ! ブラスさんっ!」
セブリアンが、ブラスのペニスを根元近くまでアナルで飲み込んだかと思えば、すぐにキツく締まるアナルで、ブラスのペニスを扱き始めた。セブリアンが後ろ手に両手をつき、膝を立てて足を大きく広げ、身体ごと上下に動かして、締まりのいいアナルでブラスのペニスを扱いている。初めて感じるセブリアンの熱い体内の感触が、堪らなく気持ちがいい。熱く柔らかい腸壁にペニスが包まれ、キツい括約筋でペニスが締めつけられる。気持ちよ過ぎて、我慢なんてできない。ブラスは、裏返った声を上げて、早々とセブリアンの腹の中に精液をぶち撒けた。
荒い息を吐きながら、セブリアンを見上げれば、セブリアンがうっとりとした顔で、自分の腹を撫でた。
「えへへ。ブラスさんに中出しされちゃった」
セブリアンが、とても嬉しそうに、にへっと笑った。その後で、にっこーっと笑い、ブラスのペニスをアナルで咥え込んだまま、ブラスの身体の両側に手をついて、また腰を振り始めた。イッたばかりで敏感になっているペニスを、キツいアナルで扱かれて、ブラスは堪らず、低く喘いだ。
「ブラスさん、ブラスさん。もっと俺で気持ちよくなって」
「ふっ、ふっ、うっ、あっ……」
「あっ、あっ、はぁっ、んぅっ、ブラスさんのちんちん、すごい、きもちいいっ!」
ブラスは、頭の中の何かが、ぷちっと切れた。膝を立てて、がっしりとしたセブリアンの腰を両手で掴み、めちゃくちゃに腰を突き上げる。
「あぁっ!? あっあっあっあっ! いいっ! いいっ! あぁっ! すごいよぉ! ブラスさんっ!」
「あーーっ、くそっ! くそっ!」
「あはっ! あっ! あっ! やばっ、いくっ! いくっ! あ、あ、あーーーーっ!!」
「うっ、あぁっ……」
ブラスがめちゃくちゃに腰を振っていると、セブリアンの身体がぶるっと震え、腹に熱い液体がかかった。きゅっと更にキツくアナルでペニスを締めつけられて、ブラスも我慢できずに、またセブリアンの腹の中に精液をぶち撒けた。
セブリアンが荒い息を吐きながら、にっこーっと笑って、繋がったままブラスに顔を寄せ、ブラスの唇に触れるだけのキスをした。
「俺の中でイッてくれたから、恋人ってことで!」
「……ずるくないか」
「えへっ。だってー、ブラスさんと一つになりたかったんだもーん。ブラスさん。大好きです!!」
セブリアンが、至近距離で、にっこーっと嬉しそうに笑った。ブラスは、溜め息を吐いて、なんかもう色々諦めた。
セブリアンがどうにも可愛い。絆されてしまった感があるが、どうしてもセブリアンが可愛く思えてくる。セブリアンには、ずっと素っ気ない態度をとっていたのに、セブリアンは、いつだってそんなブラスのことを『好きだ』と言ってくれる。いい加減、絆されるなというのが、無理な話な気がしてきた。
ブラスは眉間に皺を寄せて、セブリアンの太くて逞しい首を掴み、自分から、セブリアンの唇に触れるだけのキスをした。
きょとんとしているセブリアンを見上げて、ブラスは、ふっと小さく笑った。
「責任はとれよ」
「はいっ! ブラスさん! 大好きっ! もう一回! いや、もう三回くらい!!」
「……程々で……」
「えへえへ。ブラスさん、大好きっ!!」
ブラスは、幸せそうに、嬉しそうに、にっこーっと笑うセブリアンを見上げて、セブリアンが可愛いからどうしようもないと、開き直った。
ーーーーーーー
ブラスの朝は、食欲をそそる匂いと共に、セブリアンから優しく起こされることから始まるようになった。セブリアンは、恋人になるとすぐにブラスの家に引っ越してきた。それ以前は、ずっと外食をしていたが、今は、セブリアンが料理を作ってくれている。これが、かなり美味い。騎士ではなく、料理人と名乗ってもいいレベルで美味しい。
セブリアンに起こされて、顔を洗って、髭を剃ると、ブラスは居間に向かった。居間のテーブルの上には、今日も美味しそうな匂いがする朝食が並べられている。
エプロンを着けたセブリアンが、にっこーっと笑った。
「今日のオムレツは自信作です!」
「ん。……なぁ」
「なんです?」
「引退したら、店でもやるか」
ブラスは、ふと思い立ったことを口に出した。セブリアンがきょとんとした顔をした後で、泣きそうな不細工な笑みを浮かべた。
「引退した後まで一緒にいてくれますか?」
「責任はとれよ」
「はいっ! 惚れさせちゃった責任はしっかりとりますね!!」
セブリアンが、ちょっと不細工な泣き笑いの顔で、ブラスの頬にキスをした。ブラスは、そんなセブリアンの頭をわしゃわしゃと撫で回し、セブリアンの唇に触れるだけのキスをした。
ブラスを絆しやがった責任は、きっちりとらせる。今更、セブリアンを手放してなんかやらない。引退したら、2人で店を構えて、老後までセブリアンの太陽みたいな温かい笑顔を見続けてやる。
ブラスは、『嬉しい~!』とすんすん泣き始めたセブリアンが泣き止んで、いつもの笑顔を見せるまで、何度も何度もセブリアンにキスをした。
(おしまい)
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