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油断して媚薬を盛られたら何故か雄っぱいがおっきくなって乳が出た!?(以下略)告白イチャイチャ編
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レグロは、刃を潰した剣で斬りかかってきたハビエルのそれなりに重い斬撃を剣で受け止めると同時に、無造作にハビエルの腹を蹴り上げた。ちょうど胃の辺りに入ったのか、ハビエルがその場に崩れ落ち、おえぇっと吐瀉物を吐き散らかした。レグロはゲロゲロ朝飯を吐いているハビエルを前に、何気なく空を見上げた。今日は雲一つない気持ちがいい快晴である。絶好の告白日和だ。
レグロは、蹲ってゲロゲロ吐いているハビエルの前にしゃがみ、へらっと笑って口を開いた。
「ハビエルさー。俺と付き合わない?」
「……隊長」
「ん?」
「自分は、現在、隊長の蹴りで、うぉぇっ……は、吐いている、最中、であります」
「え? 知ってるけど」
「知ってて何でこのタイミングで告白してきたんです!?」
「いや、いい天気だし、周りに誰もいないし、チャンスだなって」
「せめて本気でゲロ吐く前に告白してくれませんかね!?」
「ははっ。まぁ細かいことは気にするな」
「細かい……かなぁ!?」
「そんだけ喋れるならまだいけんだろ。ほれ。立てー。剣を構えろー」
「……鬼ぃぃぃぃ!!」
「誰が鬼だー。お前の愛しのダーリンに向かって」
「愛しのダーリンはゲロ吐きまくった直後の自分に稽古続行を言い渡しません」
「それとこれとは話が別。ほれ。とっとと剣を構えやがれ」
「ふぐぅっ……はいっ!」
ゲロ塗れでよろよろと立ち上がったハビエルが、剣を構えた。今度はレグロから斬りかかっていく。レグロは空が茜色に染まるまで、ハビエルを扱き倒した。
ぐったりとしたハビエルに肩を貸し、騎士寮の風呂場に連れて行ってやる。ハビエルの美しく整った顔は、今は鼻血や土やゲロで汚れている。誰もいない騎士寮の風呂場にハビエルを放り込むと、レグロも汗を流すべく、自室にあるシャワー室に向かった。熱いシャワーを頭から浴びていると、ふと、ハビエルの着替えを用意していなかったことに気がついた。レグロはきゅっとシャワーの栓を閉め、ざっと身体を拭くと、適当に下着とズボンだけを穿いて、ハビエルの部屋に向かった。ハビエルの部屋は几帳面に整理整頓されており、服もきちんと全て衣装箪笥の中に収納されていた。きっちりしたハビエルの性格を表しているようで、レグロは小さく笑って、ハビエルの着替えを取り、軽やかな足取りで風呂場に向かった。
今日はレグロの隊は公休日だ。朝一でハビエルから剣の稽古をつけて欲しいと頼まれて、レグロは喜んで頷いた。ハビエルは眉目秀麗な近衛騎士の中でも、群を抜いて美しい。そして何より、真面目で向上心があり、非番の日は1人で鍛錬をしたりと努力家で、いつだって一生懸命だ。そんなハビエルに恋をして数年。ひょんなことからハビエルと身体の関係をもつようになった。最初は年の差を気にしていたが、最近になって開き直り、レグロは本格的にハビエルを口説くことにした。レグロとハビエルはちょうど10歳年が離れている。レグロはおっさんと呼ばれる歳だが、いつも一生懸命に頑張るハビエルに恋をしちゃったのだから仕方がない。
レグロが風呂場に入ると、脱衣所でハビエルが身体を拭いていた。ハビエルの腰まで伸ばしている銀髪が濡れており、一部が身体に貼りついている。色っぽくて大変けしからん。均整のとれた鍛えられた身体は靭やかで美しい。顔立ちも甘く妖艶に整っていることもあって、ハビエルは男女問わずモテる。
長い髪を拭き始めたハビエルが、レグロに気がついた。
「あ、隊長」
「ほれ。着替え」
「あっ。ありがとうございます!」
「いいってことよ。生着替えを拝めるしな」
「隊長。おっさん臭いです」
「もうちょいで36だしなぁ」
レグロはニヤニヤしながら、ハビエルが服を着る様子を眺めた。服を脱がせるのも楽しいが、着ているところを眺めるのも乙なものである。服を着て、髪を乾かし、いつもの三つ編みに髪を結い始めたハビエルに近寄って、レグロはまだしっとりしているサラサラの銀髪に触れた。
「結ってやるから髪紐貸せ」
「え、あ、はい。お願いします」
レグロは機嫌よく鼻歌を歌いながら、ハビエルの髪を結い始めた。大人しく髪を結われているハビエルが、声をかけてきた。
「そういえば、知り合いの薬師さんとは、連絡は取れたんですか?」
「おう。今夜なら時間が空いてるらしい。長期出張とはタイミングが悪かった。明後日には、また出張に行くから、この後、診てもらいに行くぞ」
「了解であります」
ハビエルは、乳が出るようになる特殊な媚薬を打たれた後遺症で、たまに胸が膨れて乳が出る。胸が膨れたら、発情した状態になり、中出しされてイキまくらないと乳が止まらない。媚薬の効果は、本来ならば一過性のものの筈だが、ハビエルは体質なのか、媚薬を打たれたのが2ヶ月程前なのに、未だに、たまに胸が膨れる。胸が膨れると、ハビエルはいつもレグロの元にやってくる。事情を知っているし、媚薬を打たれた時に、1回どころか3日くらいヤリまくったので、今更ということなのだろう。ハビエルは、本来ならば男は無理だったそうだが、何度もレグロに抱かれているうちに、レグロになら気を許すようになってきた。最近は甘えるようにもなってきて、レグロ的には役得である。
身支度を整え、寮の食堂で夕食をとると、レグロはハビエルを連れて、知り合いの薬師の元へと向かった。薬学研究所の一室をねぐらにしている薬師は、レグロの幼馴染だ。どうしようもない薬馬鹿で、新たな素材が見つかれば自分で採集しに行き、新たな病気が見つかっても現地にすっ飛んでしまう。中々王都で大人しくしていることがない男だ。
薬師のアインに診てもらった結果、ハビエルの体質と媚薬の相性がよ過ぎたせいで、後遺症として乳が出たりするらしい。乳が出るようになる媚薬は、最近出回り出したばかりで、解毒剤もまだできていない。アインが目を輝かせて、ハビエルの血液などを採取して、隙間時間に解毒剤を作ってくれると約束してくれた。ハビエルは、アインのちょっとぶっ飛んだ様子にドン引きしていた。アインならばちゃんとした解毒剤を早く作ってくれるだろう。レグロとしては、乳が膨れてしまうハビエルを抱けるので役得ではあるのだが、流石に不定期に乳が膨れて発情してしまうのは気の毒だ。もっと早めにアインに診せることができたらよかったのだが、アインはタイミング悪く、長期出張で遠方に行っていた。他の薬師よりも、アインは信頼できる。薬に対する執念がものすごいので、意地でも副作用のない解毒剤を作ってくれるだろう。アインは結構ぶっ飛んだ薬馬鹿だが、レグロが一番信頼している薬師だ。
すっかり暗くなった道を歩いて、ハビエルと一緒に近衛騎士の寮に向かっている。隣を歩くハビエルの美しい横顔をチラッと見てから、レグロは口を開いた。
「で?」
「え?」
「返事は?」
「返事?……なんの返事でしょうか」
「朝の俺の告白」
「……あれ本気だったんですか!?」
「本気も本気だっつーの。告白日和ないい天気だったろ」
「天気は確かによかったですが、告白するタイミングが最悪過ぎます。普通、人がゲロ吐いている時に告白しますか」
「ゲロ吐いてても、お前は可愛いから安心しろ」
「安心していいのかなぁ!? それ!?……えーと……ほ、保留ということで……」
「ふーん。まぁいい。気長に口説く」
「……なんか嫌な予感がする……あの、できたら、まともに口説いていただけると……」
「善処しよう」
「お願いいたします」
『まともに口説け』と言っている時点で、殆どレグロの告白を受け入れているようなものだが、どうやらハビエルはレグロに口説いて欲しいらしい。脈はある。ならば、あとは口説いて口説いて口説きまくればいい。レグロは上機嫌に鼻歌を歌いながら、しれっとハビエルの手を握って帰った。寮に着くまで、ハビエルの手を握るレグロの手は、振りほどかれることは無かった。
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ハビエルはトイレの個室で、便座に座ったまま、小さく溜め息を吐いた。最近、レグロから口説かれている。レグロのことは素直に尊敬しているし、数えきれないくらい助けてもらっている。好きか嫌いかなら、迷わず『好き』を選ぶ。レグロに口説かれて、悪い気がしない自分に正直驚いている。自分は男なんて無理だった筈だ。しかし、媚薬の影響で何度もレグロに抱かれているうちに、レグロにだったら何をされてもいいと思うようになってきた。レグロの逞しい身体に抱きしめられると、胸の奥と腹の奥がキュンキュンと甘く疼く。
レグロの告白を受け入れたいが、どうしても躊躇してしまう自分がいる。男同士だし、レグロはハビエルよりもずっと大人で格好いいし、自分なんかじゃ釣り合わないんじゃないだろうかと考えてしまう。自分は、間抜けにも職務中に媚薬を打たれてしまうような未熟者だ。レグロの隣に立つ資格なんてない気がしてしまう。それでも、レグロから『付き合ってくれ』と言われると、嬉しくて堪らない自分もいる。ハビエルは、ここ最近、悶々と悩んでいた。
ハビエルが尻を拭いてトイレの水を流し、個室のドアを開けると、同じタイミングで隣の個室のドアが開いた。何気なく見れば、レグロであった。ハビエルと目が合ったレグロがニッと笑い、するりとハビエルの腕に自分の腕を絡めた。
「気張り過ぎてケツ切れなかったか?」
「隊長。最低です」
「何でだよ。で。そろそろ俺と付き合わない?」
「ちょっとは空気を読みましょう!? 此処トイレ!! 俺達個室から出たばっか!! 手も洗ってないんですけど!?」
「安心しろ。いくらお前がずば抜けた美形でも、流石にうんこしねぇとか思ってねぇから」
「安心する事かなぁ!? それ!?」
「まぁまぁ。細かいことは気にするな。明後日は公休日だろう。デートしねぇか。昼飯持って馬で遠乗り」
「え、あ……は、はい」
「よっしゃ! 昼飯は俺が用意しておくから、馬の手入れをきっちりやっとけよ」
「あ、はい」
レグロがご機嫌に笑って、ハビエルの腕から腕を離し、手を洗って、先にトイレから出ていった。レグロの体温を感じていた腕が、なんだか少し寂しい。ハビエルは手を洗いながら、次の休みはレグロとデートだと、我慢できずにだらしなく頬をゆるめた。告白のタイミングは最悪な時が多いが、やっぱりレグロはハビエルにとっては尊敬する上司だし、憧れている男である。それに、いつもは厳しいレグロがとても優しいのも、もう知っている。ハビエルは浮かれて、足取り軽くトイレを出た。その後の訓練では、いつも通りレグロにズタボロにされた。ハビエルはとてもレグロに好かれているのだが、それはそれ、これはこれと、容赦がない。レグロのそんなところにも、正直キュンとしてしまう自分は末期なのだと思う。あと少しだけ、勇気が欲しい。レグロの想いを受け入れる勇気が。ハビエルは医務室で治療を受けながら、小さく切ない溜め息を吐いた。
ハビエルは荒い息を吐きながら、必死で馬を駆けさせていた。目の前を駆けるレグロに置いていかれる訳にはいかない。今朝までは遠乗りデートだと浮かれていたのだが、いざレグロと合流すると、何故か早駆けの訓練になった。王都の街中は、流石に全速力は出さないが、王都の門から出た途端、レグロが本気を出してきた。レグロに置いていかれたくない、むしろ、レグロを追い越したい一心で、愛馬を鼓舞し、人気のない道を駆け抜ける。
大きな木が生えている丘の上まで駆けると、レグロが馬を止めさせた。ハビエルも荒い息を吐きながら、頑張ってくれた愛馬が駆けるのを止めさせた。馬が落ち着くまで、大きな木の周りをぐるぐる歩かせて、馬から降りる。レグロが馬の世話を始めたので、ハビエルも愛馬の汗を拭ってやり、水を飲ませた。馬達が気ままに草を食み始める頃になって、漸く荒くなった息が整った。
レグロがハビエルを手招きしたので、大きな木の下に腰を下ろしたレグロの隣に胡坐をかいて座る。レグロが小さめのバスケットから、ワインの瓶と肉や野菜が挟まった大きなパンを取り出した。ハビエルはお礼を言ってからそれらを受け取り、ワイン瓶のコルクを開けて、直接瓶に口をつけて、ワインをごくごく飲んだ。喉が渇いていたので、軽めの辛口のワインが素直に美味しい。ハビエルはふぅと小さく息を吐いてから、肉や野菜がたっぷり挟んである大きなパンに齧りついた。ソースと絡む肉汁溢れる焼いた肉も、シャキシャキの野菜もすごく美味しい。寮で食べた事が無い味である。ハビエルは少し不思議に思って、大口を開けてパンに齧りついているレグロに話しかけた。
「隊長。これ、何処の店のものですか? すごく美味しいです」
「ん? あぁ。作った」
「どなたが?」
「俺が」
「隊長が作ったんですか!?」
「おう。口に合って何より」
レグロが照れくさそうに笑った。初めて見るレグロの表情に、ハビエルの胸が小さく高鳴った。ハビエルは誤魔化すように、もっもっと美味しいパンを食べ、爽やかな香りのワインを飲み干した。
まさかのレグロ手作りの昼食を終えると、レグロが柔らかい草の上にごろんと寝転がった。今日は天気がよくて、気持ちがいい風が吹いている。何気なくレグロを見下ろすと、レグロがハビエルを見上げて、穏やかに笑った。
「たまには早駆けもいいもんだろ」
「はい。次は隊長に負けないように精進します」
「ははっ。まぁ、頑張れ。なぁ」
「はい」
「俺と付き合ってくれよ」
「……隊長がまともな告白をしてきた……だと……!?」
「なに驚いた顔してんだ」
「いやだって……人がゲロ吐いてる時とか、トイレから出た時とか、寝起きに襲撃してきたりとか、風呂上がりで全裸の時とか、歯磨きしてる時とか、そんな時ばっかじゃないですか!」
「そうだったか? まぁ細かいことは気にするな。で? 返事は?」
「……隊長は自分なんかでいいんですか? 自分はまだまだ未熟者です。隊長に釣り合うとは思えない」
「釣り合うとか釣り合わないとか、細かいことは考えんな。俺のことが好きか嫌いかで判断しろ」
「……す、好きです……」
「お。やっと素直になったか。よしよし。じゃあ、今から俺達は恋人ってことで」
「は、はいっ」
ハビエルはぶわっと顔が熱くなるのを感じた。ついにレグロの告白を受け入れてしまった。だって、2人っきりの丘の上の木陰という素敵な場所で、手作りの昼食を食べさせてもらって、普通に告白されてしまったら、もう逃げ道がないではないか。ハビエルが自分の熱い頬を両手で覆っていると、『よっ』とレグロが腹筋だけで起き上がり、ハビエルの両手に自分の手を重ねて、唇にちゅっと優しいキスをした。レグロがハビエルの手ごとハビエルの頬を大きな硬い手で包み込んで、こつんと優しく額をくっつけた。間近にあるレグロの瞳が嬉しそうに輝いている。
「法的に結婚はできねぇが、一緒に生きることはできる。末永くよろしく頼む」
「……はい。あの……」
「ん?」
「……もう一度、キス、してください」
「何度でも喜んで」
レグロがクックッと低く楽しそうに笑って、ハビエルの唇に触れるだけのキスをした。それから、何度も優しいキスをしてくれる。ハビエルは嬉しくて、頭がほわほわしてきた。告白を通り越して、プロポーズみたいなことを言われたが、嬉しいばかりである。レグロはハビエルと一緒に生きてくれるつもりなのだ。柔らかい風が吹く中、ハビエルはレグロと何度もキスをした。胸がドキドキと高鳴って、じわじわ胸が膨らんでいく感覚がする。ん? と思って、自分の胸をシャツの上から触れてみたら、微妙に胸が膨れ始めていた。乳が出る前兆である。タイミングが悪過ぎる。折角、素敵な告白をしてもらって、ロマンチックないい雰囲気なのに。ハビエルは目を泳がせながら、唇を触れ合わせたまま囁いた。
「隊長」
「名前で呼べ」
「レグロ……さん」
「『さん』はいらない」
「あの、レグロ……」
「んー?」
「その……言いにくいんですけど……胸が膨れてきました」
「マジか」
「マジです」
「流石に此処じゃできんな。よし。大急ぎで寮に戻るぞ。帰りも本気の早駆けでいく。本格的に発情したら、お前、動けないだろ」
「うぅっ……すごく素敵なシチュエーションなのに……タイミング最悪……」
「まぁ、俺的には役得だ。早速イチャイチャできるしな。よし。じゃあ、さっさと俺の部屋に行くぞ。気合入れて乳搾りしてやるよ」
「その言い方もうちょいなんとかなりません?」
レグロがバスケットを馬に括り付け、ひらりと馬に乗ったので、ハビエルも愛馬に乗った。全力の早駆けで吐かないといいのだが。若干の不安を感じながらも、早くも乳首がうずうずし始めているので、ハビエルは、駆けだしたレグロに置いていかれないように、全力で愛馬を走らせた。
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レグロはぐったりとしたハビエルを背負って、馬小屋から寮の自分の部屋へと移動した。食後にそれほど時間を置かずに馬で全力疾走させたからか、王城の馬小屋に着いて馬から下りた途端、ハビエルが吐いた。ゲロゲロ吐くハビエルの背中を擦ってやり、ハビエルのゲロが落ち着くと、馬小屋の下働きにゲロの始末を頼んだ。レグロはハビエルを背負って、とりあえず自室のシャワー室に入った。隊長職の部屋には、少し狭いがシャワー室がある。吐瀉物で汚れたハビエルのシャツを脱がせてやると、ぼるんっと大きくなった胸筋もといおっぱいが現れた。いつもの倍近くに胸が膨れている。ハビエルが、はぁはぁと荒い息を吐きながら、もっこり膨れた自分の股間を手で隠した。
「あ、あの、歯磨きをですね、先にさせてもらいたいなぁと……」
「口を濯げば十分だろ」
「ゲロ吐いたばっかなんですけど!? せめて歯磨きはさせてください!! そうじゃなかったらキスはなしで!!」
「しょうがねぇな。俺の歯ブラシ使え。予備を出す暇も惜しい。お前もこれ以上は我慢できんだろ」
「うっ。あの、じゃあ、お借りします」
「おう」
上半身裸になったハビエルが、シャワー室内の洗面台に置きっぱなしのレグロの歯ブラシを手に取った。薄荷の香りがする歯磨き粉をつけて、シャコシャコと念入りに歯磨きをするハビエルの白い頬は、赤く染まっていた。レグロは一生懸命歯磨きをするハビエルを可愛いなぁと眺めながら、サクッと服を脱ぎ捨て、全裸になった。
歯磨きを終えたハビエルのズボンと下着も脱がし、全裸にすると、ざっと2人の身体に熱いシャワーを浴びせて、汗を流し、そのまま身体も拭かずに、ハビエルを肩に担いでベッドに移動した。我慢できないのはレグロもである。歯磨きをしているハビエルを眺めている時から、ずっと勃起している。
ベッドの上の掛布団を蹴り落すと、レグロはハビエルをそっとシーツの上に下ろし、噛みつくような勢いでハビエルの唇に吸いついた。薄荷の匂いがするハビエルの口内を舐め回しながら、ハビエルの身体をシーツの上に押し倒す。舌を擦り合せるように舌同士を絡め合わせていると、おずおずとハビエルが両腕をレグロの首に絡めた。ハビエルの可愛さが爆発している。レグロはハビエルの身体にぴったりと自分の身体をくっつけ、特に下腹部をハビエルの下腹部に強く押しつけた。2本の硬くて熱いものが下腹部に当たる。ハビエルも勃起している。胸を押しつけると、ふにっと柔らかさが増したハビエルの胸が押しつぶされ、ハビエルの乳首から乳が漏れ出すような感じがした。お互いに何度も吸いまくっていた唇を離し、ハビエルの胸を見下ろせば、ぴょこんと肥大した淡い茶褐色の可愛い乳首から、乳白色の乳が微かに漏れていた。
レグロは舌なめずりをしてから、既にとろんとした顔をしているハビエルを見上げ、見せつけるように舌を伸ばし、べろんとハビエルの乳首を舐めた。ほんの微かに甘みのある不思議な味の乳を搾り取るように、ふにふにとハビエルの大きくなったおっぱいを両手で揉みしだきながら、どんどん溢れ出てくるハビエルの乳を飲みこんでいく。ちゅっちゅくちゅくちゅくと緩急をつけてハビエルのぷるんとした乳首を吸えば、ハビエルが身体をくねらせて、甘い声を上げた。
「あぁっ♡ もっとっ♡ もっと吸ってぇ♡」
「んーー」
「レグロォ♡ も、もう欲しいっ♡ はやくっ♡ はやくぅ♡」
「んはっ。まぁ待て。先に解すから」
完全発情状態のハビエルは、実にドスケベである。レグロが密着していた身体を離して、戸棚に置いている潤滑油を取りに行っている間に、自分から膝裏をもって両足を大きく広げ、腰を浮かせる体勢になっていた。ハビエルの大きなおっぱいと肥大したいやらしい乳首、しっかり割れている腹筋も元気いっぱいに勃起しているペニスも少し小ぶりな陰嚢も丸見えである。よくよく見れば、角度的に少し見えにくいが、既にいやらしくひくひくしているアナルまで見える。大変ドスケベで素晴らしい。レグロはニヤニヤ笑いながら、潤滑油を掌にたっぷりと垂らし、ハビエルのひくつく熱いアナルに触れた。
乳首を交互に吸いまくりながら、ハビエルのアナルを指で解し、レグロはずるぅっとハビエルの熱いアナルから指を引き抜いた。ハビエルは既に一度射精している。とろとろに解れたハビエルのアナルにペニスの先っぽを押しつけて、ふと、レグロはいい事を思いついた。
ぐずぐずになってトロ顔を晒しているハビエルの隣にころんと仰向けに寝転がり、快感で呆けているハビエルの頬を軽くペチペチと叩く。
「ハビエル。俺のちんこを咥えこんで、そのままスクワット30回だ。ちゃんとできたらご褒美に乳を吸ってやるよ」
「ふぁい♡」
完全に頭がぶっ飛んでいるハビエルが、のろのろと身体を起こして、レグロの身体を跨いだ。レグロのバキバキに硬くなっているペニスを片手で掴んで、ハビエルが自分の熱く蕩けたアナルにレグロのペニスの先っぽを押しつけた。そのままゆっくりと腰を下ろしながら、ハビエルが天井を見上げるように仰け反り、勃起したペニスからたらたらと精液を漏らした。
「あぁぁぁぁ♡ ちんこっ♡ きもちいいぃぃ♡」
「おいおい。まだ挿れたばっかだぞ。ほれ。スクワット30回。頑張れ。頑張れ」
「んー♡ いーっち♡ にーぃ♡ はぁん♡ さ、さぁーんっ♡」
ハビエルが両手を頭の後ろに組み、膝を立てて、足を広げ、たらたらと精液を漏らしながら、ゆっくりとスクワットを始めた。ハビエルが動くのに合わせて、ハビエルの勃起したままのペニスがぶらんぶらん揺れ、精液を吐き散らかしながら、ペチペチとレグロの下腹部に当たっている。ハビエルのアナルの中は、熱く蕩けていて、括約筋のキツい締めつけが最高に気持ちがいい。
「前立腺に擦りつけながらやれ」
「ふぁいぃぃ♡ あぁっ♡ よんっ♡ ごーー♡ あぁぁぁぁっ♡ またいくっ♡ またいくぅぅぅぅ♡」
「イッたら最初からだぞー。ほれ。頑張れ。頑張れ」
「んぅぅぅぅ♡ なーなぁ♡ はぁちぃ♡ も、も、だめぇ♡ あ、あ、あーーーーっ♡」
「うおっ。おーー。すげぇ。潮吹いた」
レグロのペニスをアナルで咥えこんだままスクワットをしていたハビエルが、仰け反るように天井を見上げ、全身を痙攣するように震わせながら、ペニスからぷしゃぁぁぁぁぁと勢いよく潮を吹いた。きゅっとキツくハビエルのアナルが締まり、気持ちよ過ぎて、うっかり射精しそうになる。今すぐにでも射精したいが、どうせなら長く楽しみたい。レグロは下腹部に力を入れて、込み上げる射精感を堪えると、上体を起こし、全身をビクビク震わせているハビエルのぷるんっとした乳首に吸いついた。吸っていない乳首も指でくりくり弄ると、ぴゅっ、ぴゅっ、と乳が飛び出す。ハビエルが大きく喘ぎながら、レグロの頭をぎゅっと抱きしめた。ハビエルの可愛い仕草にどっと先走りが溢れ出る感覚がした。
「レグロッ♡ レグロッ♡ きもちいいっ♡ もっとっ♡ もっとっ♡」
「好きなだけくれてやるよ」
「あっあっあっあっ♡ いいっ♡ いいっ♡ おっぱい吸ってぇ♡ んーぅぅ♡ ちんこで突いてっ♡ もっとっ♡ もっとっ♡」
「んはっ。好きなだけイキまくれっ!」
「んおぉぉぉぉ♡ あっはぁぁぁぁ♡ しぬしぬしんじゃうぅぅぅぅ♡ いいよぉぉぉぉ♡」
レグロがハビエルの尻を両手で掴み、下からガンガン突き上げると、ハビエルがレグロの動きに合わせて自分も動きながら、大きく喘いだ。括約筋に締めつけられ、熱く柔らかい腸壁に包まれたペニスが気持ちよ過ぎて、もう限界である。レグロはめちゃくちゃに腰を突き上げながら、ハビエルの乳首を咥え、軽く噛みついて、ぐいーっと乳首を引っ張った。ハビエルが裏返った声を上げ、ビクンビクンと身体を大きく震わせた。ぎゅうっとペニスをアナルで締めつけられて、レグロは低く唸って、ハビエルの腹の中に精液をぶちまけた。
はぁはぁと荒い息を吐きながら、ハビエルの顔を見上げると、ハビエルがレグロの頬を両手で包んで、貪るようなキスをしてきた。間近に見える淡い水色の瞳は、完全に飛んだままだ。
レグロはハビエルの熱い舌を舐め回すように舌を絡めながら、楽しくて、クックッと喉で笑った。
レグロはハビエルと一緒に、明け方近くまで快感に溺れた。ハビエルはイキ過ぎて、おしっこも漏らした。潮も吹いたし、シーツの上が大惨事になっているが、大変いらやらしくて可愛かったのでよしである。レグロは気絶するように寝ているハビエルの穏やかな寝顔を眺めながら、ほぅと幸せな溜め息を吐いた。ハビエルと漸く恋人になれた。もう手放してやることはできない。おっさんの愛は重いのである。散々泣いたせいで鼻が詰まっているのか、ぷすーぷすーと間抜けな寝息を立てている、ちょっと間抜けなハビエルの寝顔を見つめて、レグロはゆるく口角を上げた。
ハビエルと恋人になって1ヶ月程で、媚薬の解毒剤が届けられた。早速ハビエルに飲ませてみたら、その後は、胸が膨れて乳が出ることは無くなった。少し残念な気もするが、恋人になったお陰で殆ど毎日のようにイチャイチャしているので、まるで問題ない。乳が出なくても、ハビエルの身体は素晴らしくいやらしくて、最高に可愛い。照れた顔でおずおずとくっついてくるハビエルの可愛さは、もはや言葉では言い表せないレベルである。
レグロは50歳まで近衛騎士として働き、退職すると、ハビエルを連れて、自分の家の領地の田舎の町に引っ越した。レグロもハビエルも貴族の出だが、2人とも三男なので、特に継ぐものもない。2人で貯めた金で家を建て、通いの使用人も雇って、優雅な隠居生活を始めた。
家の広い庭の木陰でハビエルと並んで座り、レグロは小さく欠伸をした。今日は小春日和で、風がなく、ぽかぽかとした日射しが心地よい。すぐ隣に座っているハビエルが、こてんとレグロの肩に頭を預けてきた。
「なんだか幸せですね」
「おう」
「このままお昼寝しちゃいますか?」
「最高だな。ハビエル。愛してる」
「知ってます」
ハビエルが嬉しそうに笑って、レグロの頬にキスをした。
(おしまい)
レグロは、蹲ってゲロゲロ吐いているハビエルの前にしゃがみ、へらっと笑って口を開いた。
「ハビエルさー。俺と付き合わない?」
「……隊長」
「ん?」
「自分は、現在、隊長の蹴りで、うぉぇっ……は、吐いている、最中、であります」
「え? 知ってるけど」
「知ってて何でこのタイミングで告白してきたんです!?」
「いや、いい天気だし、周りに誰もいないし、チャンスだなって」
「せめて本気でゲロ吐く前に告白してくれませんかね!?」
「ははっ。まぁ細かいことは気にするな」
「細かい……かなぁ!?」
「そんだけ喋れるならまだいけんだろ。ほれ。立てー。剣を構えろー」
「……鬼ぃぃぃぃ!!」
「誰が鬼だー。お前の愛しのダーリンに向かって」
「愛しのダーリンはゲロ吐きまくった直後の自分に稽古続行を言い渡しません」
「それとこれとは話が別。ほれ。とっとと剣を構えやがれ」
「ふぐぅっ……はいっ!」
ゲロ塗れでよろよろと立ち上がったハビエルが、剣を構えた。今度はレグロから斬りかかっていく。レグロは空が茜色に染まるまで、ハビエルを扱き倒した。
ぐったりとしたハビエルに肩を貸し、騎士寮の風呂場に連れて行ってやる。ハビエルの美しく整った顔は、今は鼻血や土やゲロで汚れている。誰もいない騎士寮の風呂場にハビエルを放り込むと、レグロも汗を流すべく、自室にあるシャワー室に向かった。熱いシャワーを頭から浴びていると、ふと、ハビエルの着替えを用意していなかったことに気がついた。レグロはきゅっとシャワーの栓を閉め、ざっと身体を拭くと、適当に下着とズボンだけを穿いて、ハビエルの部屋に向かった。ハビエルの部屋は几帳面に整理整頓されており、服もきちんと全て衣装箪笥の中に収納されていた。きっちりしたハビエルの性格を表しているようで、レグロは小さく笑って、ハビエルの着替えを取り、軽やかな足取りで風呂場に向かった。
今日はレグロの隊は公休日だ。朝一でハビエルから剣の稽古をつけて欲しいと頼まれて、レグロは喜んで頷いた。ハビエルは眉目秀麗な近衛騎士の中でも、群を抜いて美しい。そして何より、真面目で向上心があり、非番の日は1人で鍛錬をしたりと努力家で、いつだって一生懸命だ。そんなハビエルに恋をして数年。ひょんなことからハビエルと身体の関係をもつようになった。最初は年の差を気にしていたが、最近になって開き直り、レグロは本格的にハビエルを口説くことにした。レグロとハビエルはちょうど10歳年が離れている。レグロはおっさんと呼ばれる歳だが、いつも一生懸命に頑張るハビエルに恋をしちゃったのだから仕方がない。
レグロが風呂場に入ると、脱衣所でハビエルが身体を拭いていた。ハビエルの腰まで伸ばしている銀髪が濡れており、一部が身体に貼りついている。色っぽくて大変けしからん。均整のとれた鍛えられた身体は靭やかで美しい。顔立ちも甘く妖艶に整っていることもあって、ハビエルは男女問わずモテる。
長い髪を拭き始めたハビエルが、レグロに気がついた。
「あ、隊長」
「ほれ。着替え」
「あっ。ありがとうございます!」
「いいってことよ。生着替えを拝めるしな」
「隊長。おっさん臭いです」
「もうちょいで36だしなぁ」
レグロはニヤニヤしながら、ハビエルが服を着る様子を眺めた。服を脱がせるのも楽しいが、着ているところを眺めるのも乙なものである。服を着て、髪を乾かし、いつもの三つ編みに髪を結い始めたハビエルに近寄って、レグロはまだしっとりしているサラサラの銀髪に触れた。
「結ってやるから髪紐貸せ」
「え、あ、はい。お願いします」
レグロは機嫌よく鼻歌を歌いながら、ハビエルの髪を結い始めた。大人しく髪を結われているハビエルが、声をかけてきた。
「そういえば、知り合いの薬師さんとは、連絡は取れたんですか?」
「おう。今夜なら時間が空いてるらしい。長期出張とはタイミングが悪かった。明後日には、また出張に行くから、この後、診てもらいに行くぞ」
「了解であります」
ハビエルは、乳が出るようになる特殊な媚薬を打たれた後遺症で、たまに胸が膨れて乳が出る。胸が膨れたら、発情した状態になり、中出しされてイキまくらないと乳が止まらない。媚薬の効果は、本来ならば一過性のものの筈だが、ハビエルは体質なのか、媚薬を打たれたのが2ヶ月程前なのに、未だに、たまに胸が膨れる。胸が膨れると、ハビエルはいつもレグロの元にやってくる。事情を知っているし、媚薬を打たれた時に、1回どころか3日くらいヤリまくったので、今更ということなのだろう。ハビエルは、本来ならば男は無理だったそうだが、何度もレグロに抱かれているうちに、レグロになら気を許すようになってきた。最近は甘えるようにもなってきて、レグロ的には役得である。
身支度を整え、寮の食堂で夕食をとると、レグロはハビエルを連れて、知り合いの薬師の元へと向かった。薬学研究所の一室をねぐらにしている薬師は、レグロの幼馴染だ。どうしようもない薬馬鹿で、新たな素材が見つかれば自分で採集しに行き、新たな病気が見つかっても現地にすっ飛んでしまう。中々王都で大人しくしていることがない男だ。
薬師のアインに診てもらった結果、ハビエルの体質と媚薬の相性がよ過ぎたせいで、後遺症として乳が出たりするらしい。乳が出るようになる媚薬は、最近出回り出したばかりで、解毒剤もまだできていない。アインが目を輝かせて、ハビエルの血液などを採取して、隙間時間に解毒剤を作ってくれると約束してくれた。ハビエルは、アインのちょっとぶっ飛んだ様子にドン引きしていた。アインならばちゃんとした解毒剤を早く作ってくれるだろう。レグロとしては、乳が膨れてしまうハビエルを抱けるので役得ではあるのだが、流石に不定期に乳が膨れて発情してしまうのは気の毒だ。もっと早めにアインに診せることができたらよかったのだが、アインはタイミング悪く、長期出張で遠方に行っていた。他の薬師よりも、アインは信頼できる。薬に対する執念がものすごいので、意地でも副作用のない解毒剤を作ってくれるだろう。アインは結構ぶっ飛んだ薬馬鹿だが、レグロが一番信頼している薬師だ。
すっかり暗くなった道を歩いて、ハビエルと一緒に近衛騎士の寮に向かっている。隣を歩くハビエルの美しい横顔をチラッと見てから、レグロは口を開いた。
「で?」
「え?」
「返事は?」
「返事?……なんの返事でしょうか」
「朝の俺の告白」
「……あれ本気だったんですか!?」
「本気も本気だっつーの。告白日和ないい天気だったろ」
「天気は確かによかったですが、告白するタイミングが最悪過ぎます。普通、人がゲロ吐いている時に告白しますか」
「ゲロ吐いてても、お前は可愛いから安心しろ」
「安心していいのかなぁ!? それ!?……えーと……ほ、保留ということで……」
「ふーん。まぁいい。気長に口説く」
「……なんか嫌な予感がする……あの、できたら、まともに口説いていただけると……」
「善処しよう」
「お願いいたします」
『まともに口説け』と言っている時点で、殆どレグロの告白を受け入れているようなものだが、どうやらハビエルはレグロに口説いて欲しいらしい。脈はある。ならば、あとは口説いて口説いて口説きまくればいい。レグロは上機嫌に鼻歌を歌いながら、しれっとハビエルの手を握って帰った。寮に着くまで、ハビエルの手を握るレグロの手は、振りほどかれることは無かった。
------
ハビエルはトイレの個室で、便座に座ったまま、小さく溜め息を吐いた。最近、レグロから口説かれている。レグロのことは素直に尊敬しているし、数えきれないくらい助けてもらっている。好きか嫌いかなら、迷わず『好き』を選ぶ。レグロに口説かれて、悪い気がしない自分に正直驚いている。自分は男なんて無理だった筈だ。しかし、媚薬の影響で何度もレグロに抱かれているうちに、レグロにだったら何をされてもいいと思うようになってきた。レグロの逞しい身体に抱きしめられると、胸の奥と腹の奥がキュンキュンと甘く疼く。
レグロの告白を受け入れたいが、どうしても躊躇してしまう自分がいる。男同士だし、レグロはハビエルよりもずっと大人で格好いいし、自分なんかじゃ釣り合わないんじゃないだろうかと考えてしまう。自分は、間抜けにも職務中に媚薬を打たれてしまうような未熟者だ。レグロの隣に立つ資格なんてない気がしてしまう。それでも、レグロから『付き合ってくれ』と言われると、嬉しくて堪らない自分もいる。ハビエルは、ここ最近、悶々と悩んでいた。
ハビエルが尻を拭いてトイレの水を流し、個室のドアを開けると、同じタイミングで隣の個室のドアが開いた。何気なく見れば、レグロであった。ハビエルと目が合ったレグロがニッと笑い、するりとハビエルの腕に自分の腕を絡めた。
「気張り過ぎてケツ切れなかったか?」
「隊長。最低です」
「何でだよ。で。そろそろ俺と付き合わない?」
「ちょっとは空気を読みましょう!? 此処トイレ!! 俺達個室から出たばっか!! 手も洗ってないんですけど!?」
「安心しろ。いくらお前がずば抜けた美形でも、流石にうんこしねぇとか思ってねぇから」
「安心する事かなぁ!? それ!?」
「まぁまぁ。細かいことは気にするな。明後日は公休日だろう。デートしねぇか。昼飯持って馬で遠乗り」
「え、あ……は、はい」
「よっしゃ! 昼飯は俺が用意しておくから、馬の手入れをきっちりやっとけよ」
「あ、はい」
レグロがご機嫌に笑って、ハビエルの腕から腕を離し、手を洗って、先にトイレから出ていった。レグロの体温を感じていた腕が、なんだか少し寂しい。ハビエルは手を洗いながら、次の休みはレグロとデートだと、我慢できずにだらしなく頬をゆるめた。告白のタイミングは最悪な時が多いが、やっぱりレグロはハビエルにとっては尊敬する上司だし、憧れている男である。それに、いつもは厳しいレグロがとても優しいのも、もう知っている。ハビエルは浮かれて、足取り軽くトイレを出た。その後の訓練では、いつも通りレグロにズタボロにされた。ハビエルはとてもレグロに好かれているのだが、それはそれ、これはこれと、容赦がない。レグロのそんなところにも、正直キュンとしてしまう自分は末期なのだと思う。あと少しだけ、勇気が欲しい。レグロの想いを受け入れる勇気が。ハビエルは医務室で治療を受けながら、小さく切ない溜め息を吐いた。
ハビエルは荒い息を吐きながら、必死で馬を駆けさせていた。目の前を駆けるレグロに置いていかれる訳にはいかない。今朝までは遠乗りデートだと浮かれていたのだが、いざレグロと合流すると、何故か早駆けの訓練になった。王都の街中は、流石に全速力は出さないが、王都の門から出た途端、レグロが本気を出してきた。レグロに置いていかれたくない、むしろ、レグロを追い越したい一心で、愛馬を鼓舞し、人気のない道を駆け抜ける。
大きな木が生えている丘の上まで駆けると、レグロが馬を止めさせた。ハビエルも荒い息を吐きながら、頑張ってくれた愛馬が駆けるのを止めさせた。馬が落ち着くまで、大きな木の周りをぐるぐる歩かせて、馬から降りる。レグロが馬の世話を始めたので、ハビエルも愛馬の汗を拭ってやり、水を飲ませた。馬達が気ままに草を食み始める頃になって、漸く荒くなった息が整った。
レグロがハビエルを手招きしたので、大きな木の下に腰を下ろしたレグロの隣に胡坐をかいて座る。レグロが小さめのバスケットから、ワインの瓶と肉や野菜が挟まった大きなパンを取り出した。ハビエルはお礼を言ってからそれらを受け取り、ワイン瓶のコルクを開けて、直接瓶に口をつけて、ワインをごくごく飲んだ。喉が渇いていたので、軽めの辛口のワインが素直に美味しい。ハビエルはふぅと小さく息を吐いてから、肉や野菜がたっぷり挟んである大きなパンに齧りついた。ソースと絡む肉汁溢れる焼いた肉も、シャキシャキの野菜もすごく美味しい。寮で食べた事が無い味である。ハビエルは少し不思議に思って、大口を開けてパンに齧りついているレグロに話しかけた。
「隊長。これ、何処の店のものですか? すごく美味しいです」
「ん? あぁ。作った」
「どなたが?」
「俺が」
「隊長が作ったんですか!?」
「おう。口に合って何より」
レグロが照れくさそうに笑った。初めて見るレグロの表情に、ハビエルの胸が小さく高鳴った。ハビエルは誤魔化すように、もっもっと美味しいパンを食べ、爽やかな香りのワインを飲み干した。
まさかのレグロ手作りの昼食を終えると、レグロが柔らかい草の上にごろんと寝転がった。今日は天気がよくて、気持ちがいい風が吹いている。何気なくレグロを見下ろすと、レグロがハビエルを見上げて、穏やかに笑った。
「たまには早駆けもいいもんだろ」
「はい。次は隊長に負けないように精進します」
「ははっ。まぁ、頑張れ。なぁ」
「はい」
「俺と付き合ってくれよ」
「……隊長がまともな告白をしてきた……だと……!?」
「なに驚いた顔してんだ」
「いやだって……人がゲロ吐いてる時とか、トイレから出た時とか、寝起きに襲撃してきたりとか、風呂上がりで全裸の時とか、歯磨きしてる時とか、そんな時ばっかじゃないですか!」
「そうだったか? まぁ細かいことは気にするな。で? 返事は?」
「……隊長は自分なんかでいいんですか? 自分はまだまだ未熟者です。隊長に釣り合うとは思えない」
「釣り合うとか釣り合わないとか、細かいことは考えんな。俺のことが好きか嫌いかで判断しろ」
「……す、好きです……」
「お。やっと素直になったか。よしよし。じゃあ、今から俺達は恋人ってことで」
「は、はいっ」
ハビエルはぶわっと顔が熱くなるのを感じた。ついにレグロの告白を受け入れてしまった。だって、2人っきりの丘の上の木陰という素敵な場所で、手作りの昼食を食べさせてもらって、普通に告白されてしまったら、もう逃げ道がないではないか。ハビエルが自分の熱い頬を両手で覆っていると、『よっ』とレグロが腹筋だけで起き上がり、ハビエルの両手に自分の手を重ねて、唇にちゅっと優しいキスをした。レグロがハビエルの手ごとハビエルの頬を大きな硬い手で包み込んで、こつんと優しく額をくっつけた。間近にあるレグロの瞳が嬉しそうに輝いている。
「法的に結婚はできねぇが、一緒に生きることはできる。末永くよろしく頼む」
「……はい。あの……」
「ん?」
「……もう一度、キス、してください」
「何度でも喜んで」
レグロがクックッと低く楽しそうに笑って、ハビエルの唇に触れるだけのキスをした。それから、何度も優しいキスをしてくれる。ハビエルは嬉しくて、頭がほわほわしてきた。告白を通り越して、プロポーズみたいなことを言われたが、嬉しいばかりである。レグロはハビエルと一緒に生きてくれるつもりなのだ。柔らかい風が吹く中、ハビエルはレグロと何度もキスをした。胸がドキドキと高鳴って、じわじわ胸が膨らんでいく感覚がする。ん? と思って、自分の胸をシャツの上から触れてみたら、微妙に胸が膨れ始めていた。乳が出る前兆である。タイミングが悪過ぎる。折角、素敵な告白をしてもらって、ロマンチックないい雰囲気なのに。ハビエルは目を泳がせながら、唇を触れ合わせたまま囁いた。
「隊長」
「名前で呼べ」
「レグロ……さん」
「『さん』はいらない」
「あの、レグロ……」
「んー?」
「その……言いにくいんですけど……胸が膨れてきました」
「マジか」
「マジです」
「流石に此処じゃできんな。よし。大急ぎで寮に戻るぞ。帰りも本気の早駆けでいく。本格的に発情したら、お前、動けないだろ」
「うぅっ……すごく素敵なシチュエーションなのに……タイミング最悪……」
「まぁ、俺的には役得だ。早速イチャイチャできるしな。よし。じゃあ、さっさと俺の部屋に行くぞ。気合入れて乳搾りしてやるよ」
「その言い方もうちょいなんとかなりません?」
レグロがバスケットを馬に括り付け、ひらりと馬に乗ったので、ハビエルも愛馬に乗った。全力の早駆けで吐かないといいのだが。若干の不安を感じながらも、早くも乳首がうずうずし始めているので、ハビエルは、駆けだしたレグロに置いていかれないように、全力で愛馬を走らせた。
------
レグロはぐったりとしたハビエルを背負って、馬小屋から寮の自分の部屋へと移動した。食後にそれほど時間を置かずに馬で全力疾走させたからか、王城の馬小屋に着いて馬から下りた途端、ハビエルが吐いた。ゲロゲロ吐くハビエルの背中を擦ってやり、ハビエルのゲロが落ち着くと、馬小屋の下働きにゲロの始末を頼んだ。レグロはハビエルを背負って、とりあえず自室のシャワー室に入った。隊長職の部屋には、少し狭いがシャワー室がある。吐瀉物で汚れたハビエルのシャツを脱がせてやると、ぼるんっと大きくなった胸筋もといおっぱいが現れた。いつもの倍近くに胸が膨れている。ハビエルが、はぁはぁと荒い息を吐きながら、もっこり膨れた自分の股間を手で隠した。
「あ、あの、歯磨きをですね、先にさせてもらいたいなぁと……」
「口を濯げば十分だろ」
「ゲロ吐いたばっかなんですけど!? せめて歯磨きはさせてください!! そうじゃなかったらキスはなしで!!」
「しょうがねぇな。俺の歯ブラシ使え。予備を出す暇も惜しい。お前もこれ以上は我慢できんだろ」
「うっ。あの、じゃあ、お借りします」
「おう」
上半身裸になったハビエルが、シャワー室内の洗面台に置きっぱなしのレグロの歯ブラシを手に取った。薄荷の香りがする歯磨き粉をつけて、シャコシャコと念入りに歯磨きをするハビエルの白い頬は、赤く染まっていた。レグロは一生懸命歯磨きをするハビエルを可愛いなぁと眺めながら、サクッと服を脱ぎ捨て、全裸になった。
歯磨きを終えたハビエルのズボンと下着も脱がし、全裸にすると、ざっと2人の身体に熱いシャワーを浴びせて、汗を流し、そのまま身体も拭かずに、ハビエルを肩に担いでベッドに移動した。我慢できないのはレグロもである。歯磨きをしているハビエルを眺めている時から、ずっと勃起している。
ベッドの上の掛布団を蹴り落すと、レグロはハビエルをそっとシーツの上に下ろし、噛みつくような勢いでハビエルの唇に吸いついた。薄荷の匂いがするハビエルの口内を舐め回しながら、ハビエルの身体をシーツの上に押し倒す。舌を擦り合せるように舌同士を絡め合わせていると、おずおずとハビエルが両腕をレグロの首に絡めた。ハビエルの可愛さが爆発している。レグロはハビエルの身体にぴったりと自分の身体をくっつけ、特に下腹部をハビエルの下腹部に強く押しつけた。2本の硬くて熱いものが下腹部に当たる。ハビエルも勃起している。胸を押しつけると、ふにっと柔らかさが増したハビエルの胸が押しつぶされ、ハビエルの乳首から乳が漏れ出すような感じがした。お互いに何度も吸いまくっていた唇を離し、ハビエルの胸を見下ろせば、ぴょこんと肥大した淡い茶褐色の可愛い乳首から、乳白色の乳が微かに漏れていた。
レグロは舌なめずりをしてから、既にとろんとした顔をしているハビエルを見上げ、見せつけるように舌を伸ばし、べろんとハビエルの乳首を舐めた。ほんの微かに甘みのある不思議な味の乳を搾り取るように、ふにふにとハビエルの大きくなったおっぱいを両手で揉みしだきながら、どんどん溢れ出てくるハビエルの乳を飲みこんでいく。ちゅっちゅくちゅくちゅくと緩急をつけてハビエルのぷるんとした乳首を吸えば、ハビエルが身体をくねらせて、甘い声を上げた。
「あぁっ♡ もっとっ♡ もっと吸ってぇ♡」
「んーー」
「レグロォ♡ も、もう欲しいっ♡ はやくっ♡ はやくぅ♡」
「んはっ。まぁ待て。先に解すから」
完全発情状態のハビエルは、実にドスケベである。レグロが密着していた身体を離して、戸棚に置いている潤滑油を取りに行っている間に、自分から膝裏をもって両足を大きく広げ、腰を浮かせる体勢になっていた。ハビエルの大きなおっぱいと肥大したいやらしい乳首、しっかり割れている腹筋も元気いっぱいに勃起しているペニスも少し小ぶりな陰嚢も丸見えである。よくよく見れば、角度的に少し見えにくいが、既にいやらしくひくひくしているアナルまで見える。大変ドスケベで素晴らしい。レグロはニヤニヤ笑いながら、潤滑油を掌にたっぷりと垂らし、ハビエルのひくつく熱いアナルに触れた。
乳首を交互に吸いまくりながら、ハビエルのアナルを指で解し、レグロはずるぅっとハビエルの熱いアナルから指を引き抜いた。ハビエルは既に一度射精している。とろとろに解れたハビエルのアナルにペニスの先っぽを押しつけて、ふと、レグロはいい事を思いついた。
ぐずぐずになってトロ顔を晒しているハビエルの隣にころんと仰向けに寝転がり、快感で呆けているハビエルの頬を軽くペチペチと叩く。
「ハビエル。俺のちんこを咥えこんで、そのままスクワット30回だ。ちゃんとできたらご褒美に乳を吸ってやるよ」
「ふぁい♡」
完全に頭がぶっ飛んでいるハビエルが、のろのろと身体を起こして、レグロの身体を跨いだ。レグロのバキバキに硬くなっているペニスを片手で掴んで、ハビエルが自分の熱く蕩けたアナルにレグロのペニスの先っぽを押しつけた。そのままゆっくりと腰を下ろしながら、ハビエルが天井を見上げるように仰け反り、勃起したペニスからたらたらと精液を漏らした。
「あぁぁぁぁ♡ ちんこっ♡ きもちいいぃぃ♡」
「おいおい。まだ挿れたばっかだぞ。ほれ。スクワット30回。頑張れ。頑張れ」
「んー♡ いーっち♡ にーぃ♡ はぁん♡ さ、さぁーんっ♡」
ハビエルが両手を頭の後ろに組み、膝を立てて、足を広げ、たらたらと精液を漏らしながら、ゆっくりとスクワットを始めた。ハビエルが動くのに合わせて、ハビエルの勃起したままのペニスがぶらんぶらん揺れ、精液を吐き散らかしながら、ペチペチとレグロの下腹部に当たっている。ハビエルのアナルの中は、熱く蕩けていて、括約筋のキツい締めつけが最高に気持ちがいい。
「前立腺に擦りつけながらやれ」
「ふぁいぃぃ♡ あぁっ♡ よんっ♡ ごーー♡ あぁぁぁぁっ♡ またいくっ♡ またいくぅぅぅぅ♡」
「イッたら最初からだぞー。ほれ。頑張れ。頑張れ」
「んぅぅぅぅ♡ なーなぁ♡ はぁちぃ♡ も、も、だめぇ♡ あ、あ、あーーーーっ♡」
「うおっ。おーー。すげぇ。潮吹いた」
レグロのペニスをアナルで咥えこんだままスクワットをしていたハビエルが、仰け反るように天井を見上げ、全身を痙攣するように震わせながら、ペニスからぷしゃぁぁぁぁぁと勢いよく潮を吹いた。きゅっとキツくハビエルのアナルが締まり、気持ちよ過ぎて、うっかり射精しそうになる。今すぐにでも射精したいが、どうせなら長く楽しみたい。レグロは下腹部に力を入れて、込み上げる射精感を堪えると、上体を起こし、全身をビクビク震わせているハビエルのぷるんっとした乳首に吸いついた。吸っていない乳首も指でくりくり弄ると、ぴゅっ、ぴゅっ、と乳が飛び出す。ハビエルが大きく喘ぎながら、レグロの頭をぎゅっと抱きしめた。ハビエルの可愛い仕草にどっと先走りが溢れ出る感覚がした。
「レグロッ♡ レグロッ♡ きもちいいっ♡ もっとっ♡ もっとっ♡」
「好きなだけくれてやるよ」
「あっあっあっあっ♡ いいっ♡ いいっ♡ おっぱい吸ってぇ♡ んーぅぅ♡ ちんこで突いてっ♡ もっとっ♡ もっとっ♡」
「んはっ。好きなだけイキまくれっ!」
「んおぉぉぉぉ♡ あっはぁぁぁぁ♡ しぬしぬしんじゃうぅぅぅぅ♡ いいよぉぉぉぉ♡」
レグロがハビエルの尻を両手で掴み、下からガンガン突き上げると、ハビエルがレグロの動きに合わせて自分も動きながら、大きく喘いだ。括約筋に締めつけられ、熱く柔らかい腸壁に包まれたペニスが気持ちよ過ぎて、もう限界である。レグロはめちゃくちゃに腰を突き上げながら、ハビエルの乳首を咥え、軽く噛みついて、ぐいーっと乳首を引っ張った。ハビエルが裏返った声を上げ、ビクンビクンと身体を大きく震わせた。ぎゅうっとペニスをアナルで締めつけられて、レグロは低く唸って、ハビエルの腹の中に精液をぶちまけた。
はぁはぁと荒い息を吐きながら、ハビエルの顔を見上げると、ハビエルがレグロの頬を両手で包んで、貪るようなキスをしてきた。間近に見える淡い水色の瞳は、完全に飛んだままだ。
レグロはハビエルの熱い舌を舐め回すように舌を絡めながら、楽しくて、クックッと喉で笑った。
レグロはハビエルと一緒に、明け方近くまで快感に溺れた。ハビエルはイキ過ぎて、おしっこも漏らした。潮も吹いたし、シーツの上が大惨事になっているが、大変いらやらしくて可愛かったのでよしである。レグロは気絶するように寝ているハビエルの穏やかな寝顔を眺めながら、ほぅと幸せな溜め息を吐いた。ハビエルと漸く恋人になれた。もう手放してやることはできない。おっさんの愛は重いのである。散々泣いたせいで鼻が詰まっているのか、ぷすーぷすーと間抜けな寝息を立てている、ちょっと間抜けなハビエルの寝顔を見つめて、レグロはゆるく口角を上げた。
ハビエルと恋人になって1ヶ月程で、媚薬の解毒剤が届けられた。早速ハビエルに飲ませてみたら、その後は、胸が膨れて乳が出ることは無くなった。少し残念な気もするが、恋人になったお陰で殆ど毎日のようにイチャイチャしているので、まるで問題ない。乳が出なくても、ハビエルの身体は素晴らしくいやらしくて、最高に可愛い。照れた顔でおずおずとくっついてくるハビエルの可愛さは、もはや言葉では言い表せないレベルである。
レグロは50歳まで近衛騎士として働き、退職すると、ハビエルを連れて、自分の家の領地の田舎の町に引っ越した。レグロもハビエルも貴族の出だが、2人とも三男なので、特に継ぐものもない。2人で貯めた金で家を建て、通いの使用人も雇って、優雅な隠居生活を始めた。
家の広い庭の木陰でハビエルと並んで座り、レグロは小さく欠伸をした。今日は小春日和で、風がなく、ぽかぽかとした日射しが心地よい。すぐ隣に座っているハビエルが、こてんとレグロの肩に頭を預けてきた。
「なんだか幸せですね」
「おう」
「このままお昼寝しちゃいますか?」
「最高だな。ハビエル。愛してる」
「知ってます」
ハビエルが嬉しそうに笑って、レグロの頬にキスをした。
(おしまい)
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