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魔界転生最弱ドラゴン、育ての親的淫魔さんに食われる(性的に)
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魔界の空気は今日もどんよりしている。
『史上最弱のドラゴン』と言われるドラゴン・ジジは、今日もひっそりと洞窟の中に隠れていた。
ジジには前世の記憶がある。違う世界の日本という国で、平凡な公務員として働き、結婚をして、子育てをして、孫達にも恵まれ、特別じゃないけど、それなりに幸せな一生を終えた。
だが、ドラゴンとして魔界に生まれてから、ジジはドラゴンとしては弱過ぎて、『史上最弱のドラゴン』と嘲笑される日々を送るようになった。前世のような穏やかな幸せが欲しいのに、伴侶になってくれるようなドラゴンはおらず、他のドラゴンや魔物に殺されないように、ひっそりと息を殺して生きている現状である。
ジジが空腹に腹を鳴らしていると、洞窟の入り口の方に見知った気配がした。すんすんと匂いを嗅げば、慣れた匂いと美味しそうな匂いがする。
ジジがじっと待っていると、大きな猪みたいな魔獣を担いだ痩身の美しい男がすたすたとやって来て、『よっ』と片手を上げた。
ジジの育ての親的存在の淫魔、ディアルドである。
「よぉ。ジジ。そろそろ腹減ってる頃かなぁと思ってさぁ」
「ありがとう。ディー。お腹空き過ぎて動けないとこ。一昨日、狩りに出たんだけど、何も捕まえられなくて……」
「お前さん、相変わらず狩りも下手だなぁ。まぁ、そこがジジらしいけど。ほら。食いなよ」
「ありがとう! ディー!」
ジジは、ありがたくディアルドが狩って持ってきてくれた魔獣をもりもり食べ始めた。新鮮な肉が美味しい。ジジは狩りが下手くそだから、自力で獲物を捕えるのが難しい。ディアルドがちょこちょこ食べ物を持ってきてくれなかったら、早々と飢え死にしていたと思う。
ディアルドは不思議な淫魔で、細身なのに大きな魔獣を穫れる程強く、弱過ぎて親にも見放されたジジの面倒をみてくれる。ジジは、ディアルドに育てられたような感じである。
ガツガツと魔獣の肉を食べきり、骨までしゃぶると、ジジはふぅと満足気な息を吐いて、ぽこんとした自分の腹を撫でた。
「美味しかったー。ありがとう。ディー」
「そいつはなにより。昼寝すっから腹貸してくれ」
「どーぞー」
伏せていたジジがちょっと体勢を変え、比較的柔らかい腹を出すような体勢になると、ディアルドがジジの腹に寄りかかった。すぐにディアルドの寝息が聞こえてきたので、ジジも満腹の心地よさとディアルドの穏やかな寝息に誘われるがままに、すぅっと眠りに落ちた。
ジジがはっと目が覚めると、ディアルドが大きなブラシみたいなもので、ジジの鱗を磨いていた。ジジの鱗は赤錆色で、あんまりキレイな色じゃないのだが、ディアルドは気に入っているのか、訪れる度に鱗を磨いてくれる。
ジジは改めて、どうしてディアルドがこんなにもジジによくしてくれるのか、不思議に思った。
「ディー」
「んー?」
「なんで、ディーはこんなに俺によくしてくれるんだ?」
「いや、初めて遭遇した時に弱過ぎて死にそうだったから、なんか見捨てられなくて。あと、今はそれなりにデカくなったけど、当時はまだ俺が抱っこできるくらい小さかったから可愛かったんだよ。今もなー、俺が見捨てたら、お前さん、すぐに死にそうだし」
「まぁ、すぐに死んじゃう自信があるねぇ」
「なんの自信だ。まぁ、なんだ。あれだ。これは父性だ」
「父性かぁ。ディー。いつもありがとう」
「よせやい。ちびっ子は大人しく世話を焼かれてろ」
「うん。あ、でも、そろそろ飛びたいなぁ……飛んだ瞬間、他のドラゴンに殺されそうだけど」
「あー……まぁ、飛ぶのは諦めろ。この辺りを縄張りにしてる奴に面白半分で殺されるぞ」
「ですよねー。俺の縄張り……この洞窟のみ……切ないっ! 一応ドラゴンなのにっ!! なんでこんなに弱いんだろう。俺」
「さぁなぁ。まぁ、弱くても可愛いからいいじゃねぇか」
「そう? 俺を可愛いって言うのはディーだけだよ。ていうか、ディー以外の生き物に遭遇したら、殺されそうになる」
「弱くてもドラゴンだからな。お前さんの肉を食えば、そこら辺にいる雑魚魔獣でも、それなりに強くなれるし、長生きできる」
「ドラゴンの肉すげー。嬉しくなーい」
「よぉし! 鱗がピカピカになった」
「ありがとう。ディー」
「ジジ。それなりに大きくなったし、そろそろ人型になれるんじゃないか?」
「え? ほんとに? どうやってやるんだろ……」
「気合だ」
「マジか。うーーん。気合だぁぁぁぁ!!」
「おっ!」
前世の自分の若かりし頃を思い出しながら、なんか気合を入れてみたら、身体がぽわぽわ温かくなって、気づいたら二本足で立っていた。手を見れば、人間の手をしている。何気なく全裸の股間を見てみれば、ペニスと陰嚢がない。ジジはビックリして叫んだ。
「ちんこと金玉がない!? ぎゃーー!! どこに落としてきちゃったの!? 助けて! ディー!!」
「落ち着けー。お前さんの種族を言ってみろー」
「ドラゴンですっ!!」
「そうだな。ドラゴンの形態の時はどうなってる?」
「おしっこする時以外はお腹の中だね」
「そういうことだ。お前さんの二本ちんこは現在腹の中に入ってる。よく見ろよ。スリットがあるだろ」
「……あ、あった! よかったぁ。ちんこ失くしたのかと思ったー」
「そんな訳あるかー。ふむ。中々いい感じに育ったな。そろそろ食い時か?」
「俺を食うの!? 美味しくないよ!?」
「そっちの食うじゃない。ちょっと精気を味見してみるだけだ」
「精気を味見?」
「簡単に言うと交尾だな!」
「こうび……交尾!? 雄同士ですけど!?」
「俺を誰だと思っている。淫魔だぞ? 淫魔らしくないとはよく言われるが、まぁ淫魔だ。お前さんの二本ちんこもがっつり入るっての」
「えぇ……俺的にはディーは育ての親なんですけど」
「細かいことは気にするな。お前さんは俺の可愛いドラゴンちゃんだ」
「細かいかなぁ!?」
「よーし。ヤるぞー」
「マジっすかぁぁぁぁ!!」
ジジは、あばばば……となりながら、改めてディアルドを見た。美形揃いの淫魔らしく、ディアルドもとんでもなく美しい。美しいパーツが完璧なバランスで配置された問答無用で美しい顔立ち、波打つ癖のある黒髪は艶々で、赤い瞳はルビーみたいだ。色白でほっそりした身体つきをしているが、意外と筋力があるのは知っている。
ふと、ジジは自分の人型がどんな顔をしているのか気になった。
「ねぇ。ディー。俺ってどんな顔? 鏡か何かない?」
「ん? 普通だな。特徴らしい特徴がない。ドラゴンも美形揃いで有名だが、逆にビックリする程普通だな。いやまぁ、ジジらしいといえばジジらしいけど」
「そんなに普通!? ていうか、普通ってどんなの!?」
「鏡……ほれ。魔法で出してやったぞ」
「ありがとう! ディー! ……うん。普通としか言えないかな」
「だろ?」
ディアルドが魔法で出してくれた鏡を見てみれば、可もなく不可もなくって感じの顔の若い男が映っていた。本当に特徴らしき特徴がない。漫画やゲームで言うと、モブキャラその一みたいな感じである。
顔立ちは普通としか表現できないが、赤錆色の髪に、薄緑色の瞳をしていて、瞳の色だけはキレイだなぁと思う。自分の身体を見下ろせば、貧相に痩せている。股間にはスリットだけがあり、今はぺったんこだ。
ディアルドが鏡を消し、ニッと男臭く笑って、ジジの身体を軽々と肩に担ぎ上げた。
「よーし。満足したら一発ヤるぞー」
「ぎゃーー! 確かにディーのことは好きだけどもぉぉぉぉ!」
「俺のジジは可愛いなぁ。任せておけ。天国に連れて行ってやるよ。ここ魔界だけど」
「どうツッコんでいいのか分かんない!!」
「安心しろー。手取り足取りナニ取り教えてやるよ」
「そっちのツッコミじゃないよ!?」
「はっはっはー! 美味しくいただいてやるから安心しろー」
「何を!? 何を安心するの!?」
ジジがあばばば……となっていると、寝床の柔らかい枯れ草の上に優しく下ろされた。仰向けに寝転がったジジの身体をディアルドが跨いだ。
あばばば……とテンパっているジジがディアルドを見上げると、ディアルドがにやーっと笑って、指をぱちんと鳴らした。瞬間、ディアルドの服が消え去り、ディアルドのほっそりとした美しい肢体が露わになった。ペニスや陰嚢すら美しいってどんだけだ。流石、淫魔。
ジジが、ほあーと美しいディアルドに見惚れていると、ディアルドがジジに覆いかぶさり、ジジの上唇をくちゅっと優しく吸った。
「ちゅーした!?」
「ちゅーした。気持ちよーくさせてやんよー」
「俺に何をする気!?」
「ものすごーく気持ちいいこと。淫魔の本気を見せてやろう」
「俺は初心者です! 手加減してくださーい!」
「はっはっは。いや。全力を出す」
「えぇーー!?」
ディアルドが間近で雄臭く笑った。ディアルドがジジの唇に何度も優しく吸いつき、はぁっと息を吐くと共に微かに開けたジジの口からぬるりと舌を入れてきた。
ディアルドの舌が歯列をなぞり、歯の裏側をつーっと擽って、上顎をねっとり舐めてくる。めちゃくちゃ気持ちがいい。こんなに積極的なキスをされるのなんて、前世ではなかった。キスだけで、ジジは下腹部が熱くなり、股間のスリットからにょきんっと勃起したペニスが飛び出る感覚がした。
舌を擦り合わせるようにぬるぬると絡め合わせながら、間近に見えるディアルドの目が楽しそうに細くなった。完全に獲物を見る目で見られている。ディアルドは育ての親みたいなものなのだが、なんだか背筋がゾクゾクする程興奮してしまう。
ディアルドが触れていた唇を離し、ジジの貧相な身体を触れるか触れないかの絶妙なタッチで撫で回しながら、ジジの身体を舐め始めた。首筋を舐められるのも、鎖骨を舐められるのも、ちょこんとした淡い赤褐色の乳首を舐められるのも、めちゃくちゃ気持ちがいい。二本のペニスがちょっと痛いくらい興奮してしまう。
「ディー、も、出したいぃぃ……」
「まだ、だぁめ」
「そんな……うぁ……ちくび、だめっ、きもちいいぃぃぃぃ……」
「んー? もっと気持ちよくしてやろうな」
「あひんっ!? あぅっ! す、吸っちゃやだぁ!」
ぴこぴこと舌で弾くように舐められていた乳首をちゅっちゅくちゅくちゅく緩急をつけて吸われると、腰のあたりがぞわぞわして、射精したくて堪らなくなるくらい気持ちがいい。淫魔の本気ヤバい。
ジジは、気持ちよ過ぎてえぐえぐと本気泣きするまで、両方の乳首を可愛がられまくった。
ディアルドが漸くジジの乳首から、ちゅぽっと口を離した。両方の乳首がぴんと勃ち、ディアルドの唾液で濡れていらやしい感じにてらてら鈍く光っている。
ディアルドがジジの乳首を指でくにくに弄りながら、何か考えるように小首を傾げた。
「うぇっ、うえっ、ディー?」
「うーん。よし! とりあえず挿れるか! 予想以上にお前さん可愛いから、我慢できねぇわ」
「うぇっ!?」
「あらよっこいしょっと。……っ、あっは! あーーーーっ、やべぇっ! 堪んねぇなぁ! これ!」
「あひゃーーーー!?」
ディアルドがジジの股間に移動したかと思えば、ジジの二本のペニスをまとめて掴み、ペニスの先っぽを熱くひくつくところに押し当てたかと思えば、にゅるぅっと二本のペニスがまるで吸い込まれるかのようにディアルドの中に入っていった。キツい締めつけのところを通り過ぎれば、ペニスが熱くて柔らかいぬるついたものに優しく包まれる。ビックリする程気持ちがいい。
ジジは我慢できずに、ビクンビクンと身体を震わせながら、思いっきり精液をぶち撒けた。今世で初の射精である。勢いよく精液が尿道を飛び出していく感覚も、射精しているペニスを優しく包み込んでくれているディアルドの中の感触も、堪らなく気持ちがいい。
ジジがだらしなく涎を垂らしながら喘ぐと、ディアルドがクックッと楽しそうに笑って、上体を伏せて、ジジの垂れた涎を舐めとった。
唇を触れ合わせたまま、ディアルドが囁いた。
「淫魔の本気はこれからだ」
「ひゃ、ひゃい……」
「精々、可愛く喘げよ」
「お、俺が抱くのに!?」
「はっはっはー! 抱いてるのは俺だ! ケツでな!!」
「え、あ、ちょっ、あひんっ!? あぅ! あぁっ! まってまってまって! やだぁぁ! きもちいいぃぃぃぃ!」
「ほぉら。また出したいだろー?」
「だしたいっ! でるぅ! でちゃうぅぅ!!」
「好きなだけ出せよ。おらっ。おらっ」
「あひんっ! 締めすぎっ……あ、あ、あーーっ! またっ、でちゃうぅぅぅぅ!!」
「ははっ!! あーー、堪んねぇな。俺の可愛いジジは最高に美味い」
ディアルドの巧みな腰使いに、ジジは呆気なく射精した。気持ちよ過ぎて、訳がわからなくなってくる。
ジジは、はぁー、はぁー、と大きく荒い息を吐きながら、ディアルドを見上げた。
ディアルドが楽しそうに舌なめずりをして、ゆっくりと腰を上げて、射精したのに勃起したままのジジのペニスを引き抜いた。
ディアルドがジジを起き上がらせ、ジジに尻を向けて四つん這いになり、片手で美尻の尻肉を掴んで、むにぃっとアナル周りの尻肉を広げた。反射的にディアルドの尻を見れば、ぽっかりと口を開けた淡いピンク色のアナルがくぽくぽと大きく収縮しており、こぽぉっとジジの精液を垂れ流していた。アナルなのに、なんだかものすごーくいやらしい。流石、淫魔。アナルまで美しくていやらしいだなんて、本当にすごい。
「ジジ。突っ込めよ。好きに動いて好きに出せよ」
「う、うん」
ジジは、ビンッと勃起した二本のペニスを片手で掴んだ。ジジのペニスは全体的にゴツゴツしていて、カリが異様にデカい。一本が子供の腕くらいありそうな長さと太さがある。本当にこんな凶器みたいなものが二本も入るのかな……とちょっと不安に思いながらペニスの先っぽをディアルドのアナルに押しつけ、腰を動かしてみれば、にゅるぅっと吸い込まれるかのように、ディアルドのアナルにペニスが入っていった。
ジジは、ディアルドのほっそりとした腰を掴み、美尻に下腹部を叩きつけるようにして、本能が赴くままに腰を激しく振り始めた。気持ちよ過ぎて、本気でヤバい。
「おぅっ! あっ! あっ! あっ! いいっ! いいっ! 奥だっ! 奥を突きまくれっ!」
「はっ、はぅっ、あぅあぅ、きもちいいよぉぉ!」
「あぁぁぁぁっ! くっそ堪んねぇなぁ!」
ディアルドに言われた通りに、腹の奥の肉の壁を突き上げるようにめちゃくちゃに腰を振ると、ディアルドの腹の奥を突く度に、ペニスの先っぽに吸いつくように腹の奥の肉が蠢き、きゅっ、きゅっ、とアナルの入り口あたりがキツく締まる。
ガンガン激しく腰を振っていると、ディアルドが腰をくねらせ、吠えるように大きく喘いだ。
「あぁぁぁぁっ! いっくぅぅぅぅ!」
「ひゃぁぁん! しまるぅぅ! でちゃ、でちゃうぅぅぅぅ!!」
「あっはっは! くっそ堪んねぇ!!」
ジジはうっすら赤く染まっているディアルドの美尻にパァンと強く下腹部を打ちつけ、ディアルドの腹の奥深くに思いっきり精液をぶち撒けた。腹の奥の肉の壁をペニスの先っぽでぐりぐりすると、ディアルドのアナルがきゅっ、きゅっとジジのペニスを締めつけてくる。
ディアルドに言われて、射精した筈なのにまだ勃起しているペニスを引き抜くと、四つん這いだったディアルドがこちらを向き、勢いよくジジの身体を押し倒した。
ディアルドを見上げれば、ルビーみたいな瞳がギラギラ輝いている。
ディアルドが、にやっと雄臭く笑った。
「思う存分、搾り取ってやるな?」
「ふぁ、ふぁい……」
ジジは、ディアルドの宣言通り、赤玉出るんじゃないかってくらい、搾り取られまくった。
ーーーーーー
ディアルドは、搾り取り過ぎて人型を保てなくなったドラゴン姿のジジの腹に寄りかかっていた。ジジは、くぴーっと間抜けな寝息を立てて眠っている。
ジジは魔力量がドラゴンとは思えない程少ないが、その代わり、魔力の質はとんでもなくいい。久しぶりに極上の食事(セックス)ができて、肌が艶々になった気がする。
淫魔の長であるディアルドが、ジジを見つけたのは本当に偶然だった。執務に飽きて散歩していたら、生まれたばかりの今にも死にそうな赤ちゃんドラゴンが木の下に落ちていた。保有する魔力がドラゴンとは思えない程少ないから、親ドラゴンが捨てたのだろう。
ディアルドは気紛れに赤ちゃんドラゴンを『ジジ』と名付けて、育て始めた。ジジは本当に弱くて、狩りもまともにできない。ジジは赤錆色の鱗が可愛らしく、その弱さが逆に愛おしく思えた。
ディアルドはジジを結界を張った洞窟に隠し、こっそり育て、慈しんだ。どんどん大きくなるが、弱いままのジジが愛おしい。庇護欲をそそられる弱さで、ディアルドに懐いてくるジジが可愛くて堪らなくなった。
ジジは弱いままだが、成体に成長した。ジジの精通は絶対にディアルドがいただくと決めていたので、美味しくジジをいただけて満足である。
ふと、ディアルドは考えついた。今までは、誰にもジジの存在を知られたくなくて洞窟に住まわせていたが、人型になれる程成長したし、自分の屋敷に住まわせるのはどうだろう。そうしたら、ジジを常に側にいさせられるし、もっと美味しいものを食べさせることができる。セックスだってやりたい放題だ。
ディアルドは、ジジを自分の屋敷に連れ帰ることを決めた。一生逃してなんかやらない。ていうか、屋敷から逃げたら、ジジは即行で他の魔物に殺される気がする。
ディアルドは、クックッと低く笑った。ディアルドの愛し子は、ずっとずっとディアルドの懐の中にいるのが一番いい。
ディアルドは、ジジの腹を優しく撫でて、キスをした。所有印代わりに淫紋をつけてやる。目が覚めて慌てふためくジジを想像して、ディアルドはクックッと笑った。
ジジは、間違いなく可愛らしい反応をしてくれる筈である。
ディアルドは、ジジが自然と目覚めるまで、静かにジジに寄り添っていた。
どれだけ長い月日が経っても、淫魔の長の側には、常に『史上最弱』のドラゴンが寄り添っていた。
(おしまい)
『史上最弱のドラゴン』と言われるドラゴン・ジジは、今日もひっそりと洞窟の中に隠れていた。
ジジには前世の記憶がある。違う世界の日本という国で、平凡な公務員として働き、結婚をして、子育てをして、孫達にも恵まれ、特別じゃないけど、それなりに幸せな一生を終えた。
だが、ドラゴンとして魔界に生まれてから、ジジはドラゴンとしては弱過ぎて、『史上最弱のドラゴン』と嘲笑される日々を送るようになった。前世のような穏やかな幸せが欲しいのに、伴侶になってくれるようなドラゴンはおらず、他のドラゴンや魔物に殺されないように、ひっそりと息を殺して生きている現状である。
ジジが空腹に腹を鳴らしていると、洞窟の入り口の方に見知った気配がした。すんすんと匂いを嗅げば、慣れた匂いと美味しそうな匂いがする。
ジジがじっと待っていると、大きな猪みたいな魔獣を担いだ痩身の美しい男がすたすたとやって来て、『よっ』と片手を上げた。
ジジの育ての親的存在の淫魔、ディアルドである。
「よぉ。ジジ。そろそろ腹減ってる頃かなぁと思ってさぁ」
「ありがとう。ディー。お腹空き過ぎて動けないとこ。一昨日、狩りに出たんだけど、何も捕まえられなくて……」
「お前さん、相変わらず狩りも下手だなぁ。まぁ、そこがジジらしいけど。ほら。食いなよ」
「ありがとう! ディー!」
ジジは、ありがたくディアルドが狩って持ってきてくれた魔獣をもりもり食べ始めた。新鮮な肉が美味しい。ジジは狩りが下手くそだから、自力で獲物を捕えるのが難しい。ディアルドがちょこちょこ食べ物を持ってきてくれなかったら、早々と飢え死にしていたと思う。
ディアルドは不思議な淫魔で、細身なのに大きな魔獣を穫れる程強く、弱過ぎて親にも見放されたジジの面倒をみてくれる。ジジは、ディアルドに育てられたような感じである。
ガツガツと魔獣の肉を食べきり、骨までしゃぶると、ジジはふぅと満足気な息を吐いて、ぽこんとした自分の腹を撫でた。
「美味しかったー。ありがとう。ディー」
「そいつはなにより。昼寝すっから腹貸してくれ」
「どーぞー」
伏せていたジジがちょっと体勢を変え、比較的柔らかい腹を出すような体勢になると、ディアルドがジジの腹に寄りかかった。すぐにディアルドの寝息が聞こえてきたので、ジジも満腹の心地よさとディアルドの穏やかな寝息に誘われるがままに、すぅっと眠りに落ちた。
ジジがはっと目が覚めると、ディアルドが大きなブラシみたいなもので、ジジの鱗を磨いていた。ジジの鱗は赤錆色で、あんまりキレイな色じゃないのだが、ディアルドは気に入っているのか、訪れる度に鱗を磨いてくれる。
ジジは改めて、どうしてディアルドがこんなにもジジによくしてくれるのか、不思議に思った。
「ディー」
「んー?」
「なんで、ディーはこんなに俺によくしてくれるんだ?」
「いや、初めて遭遇した時に弱過ぎて死にそうだったから、なんか見捨てられなくて。あと、今はそれなりにデカくなったけど、当時はまだ俺が抱っこできるくらい小さかったから可愛かったんだよ。今もなー、俺が見捨てたら、お前さん、すぐに死にそうだし」
「まぁ、すぐに死んじゃう自信があるねぇ」
「なんの自信だ。まぁ、なんだ。あれだ。これは父性だ」
「父性かぁ。ディー。いつもありがとう」
「よせやい。ちびっ子は大人しく世話を焼かれてろ」
「うん。あ、でも、そろそろ飛びたいなぁ……飛んだ瞬間、他のドラゴンに殺されそうだけど」
「あー……まぁ、飛ぶのは諦めろ。この辺りを縄張りにしてる奴に面白半分で殺されるぞ」
「ですよねー。俺の縄張り……この洞窟のみ……切ないっ! 一応ドラゴンなのにっ!! なんでこんなに弱いんだろう。俺」
「さぁなぁ。まぁ、弱くても可愛いからいいじゃねぇか」
「そう? 俺を可愛いって言うのはディーだけだよ。ていうか、ディー以外の生き物に遭遇したら、殺されそうになる」
「弱くてもドラゴンだからな。お前さんの肉を食えば、そこら辺にいる雑魚魔獣でも、それなりに強くなれるし、長生きできる」
「ドラゴンの肉すげー。嬉しくなーい」
「よぉし! 鱗がピカピカになった」
「ありがとう。ディー」
「ジジ。それなりに大きくなったし、そろそろ人型になれるんじゃないか?」
「え? ほんとに? どうやってやるんだろ……」
「気合だ」
「マジか。うーーん。気合だぁぁぁぁ!!」
「おっ!」
前世の自分の若かりし頃を思い出しながら、なんか気合を入れてみたら、身体がぽわぽわ温かくなって、気づいたら二本足で立っていた。手を見れば、人間の手をしている。何気なく全裸の股間を見てみれば、ペニスと陰嚢がない。ジジはビックリして叫んだ。
「ちんこと金玉がない!? ぎゃーー!! どこに落としてきちゃったの!? 助けて! ディー!!」
「落ち着けー。お前さんの種族を言ってみろー」
「ドラゴンですっ!!」
「そうだな。ドラゴンの形態の時はどうなってる?」
「おしっこする時以外はお腹の中だね」
「そういうことだ。お前さんの二本ちんこは現在腹の中に入ってる。よく見ろよ。スリットがあるだろ」
「……あ、あった! よかったぁ。ちんこ失くしたのかと思ったー」
「そんな訳あるかー。ふむ。中々いい感じに育ったな。そろそろ食い時か?」
「俺を食うの!? 美味しくないよ!?」
「そっちの食うじゃない。ちょっと精気を味見してみるだけだ」
「精気を味見?」
「簡単に言うと交尾だな!」
「こうび……交尾!? 雄同士ですけど!?」
「俺を誰だと思っている。淫魔だぞ? 淫魔らしくないとはよく言われるが、まぁ淫魔だ。お前さんの二本ちんこもがっつり入るっての」
「えぇ……俺的にはディーは育ての親なんですけど」
「細かいことは気にするな。お前さんは俺の可愛いドラゴンちゃんだ」
「細かいかなぁ!?」
「よーし。ヤるぞー」
「マジっすかぁぁぁぁ!!」
ジジは、あばばば……となりながら、改めてディアルドを見た。美形揃いの淫魔らしく、ディアルドもとんでもなく美しい。美しいパーツが完璧なバランスで配置された問答無用で美しい顔立ち、波打つ癖のある黒髪は艶々で、赤い瞳はルビーみたいだ。色白でほっそりした身体つきをしているが、意外と筋力があるのは知っている。
ふと、ジジは自分の人型がどんな顔をしているのか気になった。
「ねぇ。ディー。俺ってどんな顔? 鏡か何かない?」
「ん? 普通だな。特徴らしい特徴がない。ドラゴンも美形揃いで有名だが、逆にビックリする程普通だな。いやまぁ、ジジらしいといえばジジらしいけど」
「そんなに普通!? ていうか、普通ってどんなの!?」
「鏡……ほれ。魔法で出してやったぞ」
「ありがとう! ディー! ……うん。普通としか言えないかな」
「だろ?」
ディアルドが魔法で出してくれた鏡を見てみれば、可もなく不可もなくって感じの顔の若い男が映っていた。本当に特徴らしき特徴がない。漫画やゲームで言うと、モブキャラその一みたいな感じである。
顔立ちは普通としか表現できないが、赤錆色の髪に、薄緑色の瞳をしていて、瞳の色だけはキレイだなぁと思う。自分の身体を見下ろせば、貧相に痩せている。股間にはスリットだけがあり、今はぺったんこだ。
ディアルドが鏡を消し、ニッと男臭く笑って、ジジの身体を軽々と肩に担ぎ上げた。
「よーし。満足したら一発ヤるぞー」
「ぎゃーー! 確かにディーのことは好きだけどもぉぉぉぉ!」
「俺のジジは可愛いなぁ。任せておけ。天国に連れて行ってやるよ。ここ魔界だけど」
「どうツッコんでいいのか分かんない!!」
「安心しろー。手取り足取りナニ取り教えてやるよ」
「そっちのツッコミじゃないよ!?」
「はっはっはー! 美味しくいただいてやるから安心しろー」
「何を!? 何を安心するの!?」
ジジがあばばば……となっていると、寝床の柔らかい枯れ草の上に優しく下ろされた。仰向けに寝転がったジジの身体をディアルドが跨いだ。
あばばば……とテンパっているジジがディアルドを見上げると、ディアルドがにやーっと笑って、指をぱちんと鳴らした。瞬間、ディアルドの服が消え去り、ディアルドのほっそりとした美しい肢体が露わになった。ペニスや陰嚢すら美しいってどんだけだ。流石、淫魔。
ジジが、ほあーと美しいディアルドに見惚れていると、ディアルドがジジに覆いかぶさり、ジジの上唇をくちゅっと優しく吸った。
「ちゅーした!?」
「ちゅーした。気持ちよーくさせてやんよー」
「俺に何をする気!?」
「ものすごーく気持ちいいこと。淫魔の本気を見せてやろう」
「俺は初心者です! 手加減してくださーい!」
「はっはっは。いや。全力を出す」
「えぇーー!?」
ディアルドが間近で雄臭く笑った。ディアルドがジジの唇に何度も優しく吸いつき、はぁっと息を吐くと共に微かに開けたジジの口からぬるりと舌を入れてきた。
ディアルドの舌が歯列をなぞり、歯の裏側をつーっと擽って、上顎をねっとり舐めてくる。めちゃくちゃ気持ちがいい。こんなに積極的なキスをされるのなんて、前世ではなかった。キスだけで、ジジは下腹部が熱くなり、股間のスリットからにょきんっと勃起したペニスが飛び出る感覚がした。
舌を擦り合わせるようにぬるぬると絡め合わせながら、間近に見えるディアルドの目が楽しそうに細くなった。完全に獲物を見る目で見られている。ディアルドは育ての親みたいなものなのだが、なんだか背筋がゾクゾクする程興奮してしまう。
ディアルドが触れていた唇を離し、ジジの貧相な身体を触れるか触れないかの絶妙なタッチで撫で回しながら、ジジの身体を舐め始めた。首筋を舐められるのも、鎖骨を舐められるのも、ちょこんとした淡い赤褐色の乳首を舐められるのも、めちゃくちゃ気持ちがいい。二本のペニスがちょっと痛いくらい興奮してしまう。
「ディー、も、出したいぃぃ……」
「まだ、だぁめ」
「そんな……うぁ……ちくび、だめっ、きもちいいぃぃぃぃ……」
「んー? もっと気持ちよくしてやろうな」
「あひんっ!? あぅっ! す、吸っちゃやだぁ!」
ぴこぴこと舌で弾くように舐められていた乳首をちゅっちゅくちゅくちゅく緩急をつけて吸われると、腰のあたりがぞわぞわして、射精したくて堪らなくなるくらい気持ちがいい。淫魔の本気ヤバい。
ジジは、気持ちよ過ぎてえぐえぐと本気泣きするまで、両方の乳首を可愛がられまくった。
ディアルドが漸くジジの乳首から、ちゅぽっと口を離した。両方の乳首がぴんと勃ち、ディアルドの唾液で濡れていらやしい感じにてらてら鈍く光っている。
ディアルドがジジの乳首を指でくにくに弄りながら、何か考えるように小首を傾げた。
「うぇっ、うえっ、ディー?」
「うーん。よし! とりあえず挿れるか! 予想以上にお前さん可愛いから、我慢できねぇわ」
「うぇっ!?」
「あらよっこいしょっと。……っ、あっは! あーーーーっ、やべぇっ! 堪んねぇなぁ! これ!」
「あひゃーーーー!?」
ディアルドがジジの股間に移動したかと思えば、ジジの二本のペニスをまとめて掴み、ペニスの先っぽを熱くひくつくところに押し当てたかと思えば、にゅるぅっと二本のペニスがまるで吸い込まれるかのようにディアルドの中に入っていった。キツい締めつけのところを通り過ぎれば、ペニスが熱くて柔らかいぬるついたものに優しく包まれる。ビックリする程気持ちがいい。
ジジは我慢できずに、ビクンビクンと身体を震わせながら、思いっきり精液をぶち撒けた。今世で初の射精である。勢いよく精液が尿道を飛び出していく感覚も、射精しているペニスを優しく包み込んでくれているディアルドの中の感触も、堪らなく気持ちがいい。
ジジがだらしなく涎を垂らしながら喘ぐと、ディアルドがクックッと楽しそうに笑って、上体を伏せて、ジジの垂れた涎を舐めとった。
唇を触れ合わせたまま、ディアルドが囁いた。
「淫魔の本気はこれからだ」
「ひゃ、ひゃい……」
「精々、可愛く喘げよ」
「お、俺が抱くのに!?」
「はっはっはー! 抱いてるのは俺だ! ケツでな!!」
「え、あ、ちょっ、あひんっ!? あぅ! あぁっ! まってまってまって! やだぁぁ! きもちいいぃぃぃぃ!」
「ほぉら。また出したいだろー?」
「だしたいっ! でるぅ! でちゃうぅぅ!!」
「好きなだけ出せよ。おらっ。おらっ」
「あひんっ! 締めすぎっ……あ、あ、あーーっ! またっ、でちゃうぅぅぅぅ!!」
「ははっ!! あーー、堪んねぇな。俺の可愛いジジは最高に美味い」
ディアルドの巧みな腰使いに、ジジは呆気なく射精した。気持ちよ過ぎて、訳がわからなくなってくる。
ジジは、はぁー、はぁー、と大きく荒い息を吐きながら、ディアルドを見上げた。
ディアルドが楽しそうに舌なめずりをして、ゆっくりと腰を上げて、射精したのに勃起したままのジジのペニスを引き抜いた。
ディアルドがジジを起き上がらせ、ジジに尻を向けて四つん這いになり、片手で美尻の尻肉を掴んで、むにぃっとアナル周りの尻肉を広げた。反射的にディアルドの尻を見れば、ぽっかりと口を開けた淡いピンク色のアナルがくぽくぽと大きく収縮しており、こぽぉっとジジの精液を垂れ流していた。アナルなのに、なんだかものすごーくいやらしい。流石、淫魔。アナルまで美しくていやらしいだなんて、本当にすごい。
「ジジ。突っ込めよ。好きに動いて好きに出せよ」
「う、うん」
ジジは、ビンッと勃起した二本のペニスを片手で掴んだ。ジジのペニスは全体的にゴツゴツしていて、カリが異様にデカい。一本が子供の腕くらいありそうな長さと太さがある。本当にこんな凶器みたいなものが二本も入るのかな……とちょっと不安に思いながらペニスの先っぽをディアルドのアナルに押しつけ、腰を動かしてみれば、にゅるぅっと吸い込まれるかのように、ディアルドのアナルにペニスが入っていった。
ジジは、ディアルドのほっそりとした腰を掴み、美尻に下腹部を叩きつけるようにして、本能が赴くままに腰を激しく振り始めた。気持ちよ過ぎて、本気でヤバい。
「おぅっ! あっ! あっ! あっ! いいっ! いいっ! 奥だっ! 奥を突きまくれっ!」
「はっ、はぅっ、あぅあぅ、きもちいいよぉぉ!」
「あぁぁぁぁっ! くっそ堪んねぇなぁ!」
ディアルドに言われた通りに、腹の奥の肉の壁を突き上げるようにめちゃくちゃに腰を振ると、ディアルドの腹の奥を突く度に、ペニスの先っぽに吸いつくように腹の奥の肉が蠢き、きゅっ、きゅっ、とアナルの入り口あたりがキツく締まる。
ガンガン激しく腰を振っていると、ディアルドが腰をくねらせ、吠えるように大きく喘いだ。
「あぁぁぁぁっ! いっくぅぅぅぅ!」
「ひゃぁぁん! しまるぅぅ! でちゃ、でちゃうぅぅぅぅ!!」
「あっはっは! くっそ堪んねぇ!!」
ジジはうっすら赤く染まっているディアルドの美尻にパァンと強く下腹部を打ちつけ、ディアルドの腹の奥深くに思いっきり精液をぶち撒けた。腹の奥の肉の壁をペニスの先っぽでぐりぐりすると、ディアルドのアナルがきゅっ、きゅっとジジのペニスを締めつけてくる。
ディアルドに言われて、射精した筈なのにまだ勃起しているペニスを引き抜くと、四つん這いだったディアルドがこちらを向き、勢いよくジジの身体を押し倒した。
ディアルドを見上げれば、ルビーみたいな瞳がギラギラ輝いている。
ディアルドが、にやっと雄臭く笑った。
「思う存分、搾り取ってやるな?」
「ふぁ、ふぁい……」
ジジは、ディアルドの宣言通り、赤玉出るんじゃないかってくらい、搾り取られまくった。
ーーーーーー
ディアルドは、搾り取り過ぎて人型を保てなくなったドラゴン姿のジジの腹に寄りかかっていた。ジジは、くぴーっと間抜けな寝息を立てて眠っている。
ジジは魔力量がドラゴンとは思えない程少ないが、その代わり、魔力の質はとんでもなくいい。久しぶりに極上の食事(セックス)ができて、肌が艶々になった気がする。
淫魔の長であるディアルドが、ジジを見つけたのは本当に偶然だった。執務に飽きて散歩していたら、生まれたばかりの今にも死にそうな赤ちゃんドラゴンが木の下に落ちていた。保有する魔力がドラゴンとは思えない程少ないから、親ドラゴンが捨てたのだろう。
ディアルドは気紛れに赤ちゃんドラゴンを『ジジ』と名付けて、育て始めた。ジジは本当に弱くて、狩りもまともにできない。ジジは赤錆色の鱗が可愛らしく、その弱さが逆に愛おしく思えた。
ディアルドはジジを結界を張った洞窟に隠し、こっそり育て、慈しんだ。どんどん大きくなるが、弱いままのジジが愛おしい。庇護欲をそそられる弱さで、ディアルドに懐いてくるジジが可愛くて堪らなくなった。
ジジは弱いままだが、成体に成長した。ジジの精通は絶対にディアルドがいただくと決めていたので、美味しくジジをいただけて満足である。
ふと、ディアルドは考えついた。今までは、誰にもジジの存在を知られたくなくて洞窟に住まわせていたが、人型になれる程成長したし、自分の屋敷に住まわせるのはどうだろう。そうしたら、ジジを常に側にいさせられるし、もっと美味しいものを食べさせることができる。セックスだってやりたい放題だ。
ディアルドは、ジジを自分の屋敷に連れ帰ることを決めた。一生逃してなんかやらない。ていうか、屋敷から逃げたら、ジジは即行で他の魔物に殺される気がする。
ディアルドは、クックッと低く笑った。ディアルドの愛し子は、ずっとずっとディアルドの懐の中にいるのが一番いい。
ディアルドは、ジジの腹を優しく撫でて、キスをした。所有印代わりに淫紋をつけてやる。目が覚めて慌てふためくジジを想像して、ディアルドはクックッと笑った。
ジジは、間違いなく可愛らしい反応をしてくれる筈である。
ディアルドは、ジジが自然と目覚めるまで、静かにジジに寄り添っていた。
どれだけ長い月日が経っても、淫魔の長の側には、常に『史上最弱』のドラゴンが寄り添っていた。
(おしまい)
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