20 / 43
20:春の嵐~怒る女は怖い~
しおりを挟む
季節は穏やかに過ぎ去り、雪が溶け、春になった。
アロルドは白い蝶々を追いかけて、庭を走り回っていた。特に意味はない。ひらひら飛ぶ蝶々を捕まえられたら楽しいかなぁと思っただけだ。ただ走るだけよりも地味に楽しい。
今日はデニスは仕事で不在だ。クリストフが来ていて、アデラと一緒に、アロルドにかけられた魔法を騙す魔法の研究中である。2人が共同開発した魔法で、デニスにキスをされると、半刻くらいは人間の姿に戻れるようになった。勿論、夜限定で。デニスは、半刻でも一緒に食事ができて、少しだけお喋りができるのが嬉しいようで、4日に一度はアロルドにキスをするようになった。毎日だと、アロルドの身体に負担がかかるかもしれないので、4日に一度の頻度にしている。
アロルドとしては、デニスにキスをされるのは純粋に嬉しいし、アロルドが人間の姿に戻るとデニスが嬉しそうに笑うので、これはこれでありな気がしてきた。キスをする前に、いつも申し訳なさそうに『ごめんね』と言われるのがちょっと辛いが、デニスの笑顔が一番大事なので、デニスのキスを拒否したことはない。
アロルドが飛び跳ねながら蝶々を追いかけ回していると、家の中から、杖を持ったアデラとクリストフが出てきた。アロルドは素早くアデラに抱き上げられ、クリストフに渡された。きょとんとアデラを見上げると、アデラがいつもとは違う完全な無表情で口を開いた。
「コニー。招かれざるお客様が来るから、クリストフと一緒にいてちょうだい。クリストフ。コニーをお願いね」
「勿論。何があってもコニー君のことは守るよ」
招かれざる客とは誰なのだろう。普段はおっとりのほほんなアデラの空気が、今は戦場に立っていた時のように殺気立っている。アロルドに向けられたものではないのだが、肌がぴりぴりする感じがして、自分の毛が逆立っている感覚がする。
無言のまま、空を見上げているアデラが、目を細めて、ぼそぼそと魔法の呪文を唱え始めた。アデラの視線の先を見れば、箒に乗った赤毛の魔女が飛んでくるのが見えた。アロルドを子犬の姿に変えた魔女ブリッタである。
ブリッタが庭先の上空で飛んでいた速度をゆるめた瞬間、アデラが素早く杖をブリッタに向けた。ブリッタの周りに半透明な球体ができたかと思えば、アデラが勢いよく杖を地面に向かって振った。同時に、ブリッタが入っている半透明の球体も勢いよく地面に落ち、その勢いで箒が折れ、ブリッタの身体が強く地面に叩きつけられた。
アデラのいきなりの先制攻撃に唖然としていると、クリストフがアロルドの耳元で囁いた。
「あぁ見えて、アデラは攻撃が上手いんだよ。本来なら防御に使う魔法も、使い方を工夫して攻撃に変えちゃうんだ。女同士の喧嘩に男が入ると厄介になるから、僕達は静観しておこう」
「わふ……(意外だ……)」
アロルドが驚いている目の前で、突然森の中から太い蔓が勢いよく伸びてきて、痛みに呻くブリッタの身体をぐるぐる巻きにしたうえで、逆さ吊りにした。ブリッタが顔を真っ赤に染めて、喚き始めた。
「ちょっと! いきなり何すんのよ!! このいい子ぶりっ子女!! こそこそ私のこと探りやがって! なんのつもり!?」
「久しぶり。ブリッタ。会いたくなかったわ。必要なことだけ聞くから答えなさい。エーヴェルハルト大佐にかけた魔法は、貴女にはとけるの?」
「あはっ! 正規の条件以外の魔法のとき方なんて考えるわけないじゃない! あ、もしかして、そこの腰ぎんちゃくが持ってるのが大佐なわけぇ? あははは! いい気味! 一生獣の姿で飼われてればぁ? って、いたいいたいいたいいたいっ!!」
「本当に困ったちゃんね。貴女」
「ぐっ、このっ、離せ! ぶりっ子女! 第三王子の花嫁にこんなことしてタダで済むと思うなよぉ!!」
「貴女ってば、今度は第三王子にちょっかい出してるの。そう。本当にどうしようもないわね」
「あはははは! 地味なアンタと違って、私は美しいもの! 第三王子と結婚したら、西の国に戦争吹っ掛けてやるんだから!」
「何のために?」
「決まってるじゃない。私が暴れて遊ぶためよ。平和なんて退屈過ぎ。戦争に勝ったらこの国の領土も広がるんだし、いいことずくめじゃない!」
「……救いがたいわね」
アデラが初めて見る冷たい顔で、冷たい声を出した。アデラが魔法の呪文を唱え始め、拘束しているブリッタに向かって杖を向けた。
「きゃあ! ……っ! ぶりっ子女ぁ! アンタ何したのよ!?」
「貴女の魔力を封印しただけ」
「はぁぁぁぁぁぁ!? それって禁術じゃない!!」
アデラがまた素早く呪文を唱えて、見苦しく喚くブリッタに杖を向けた。すると、ブリッタの身体が白く光り、ブリッタの姿がなくなり、代わりに、蔦でぐるぐる巻きにされている赤毛の猫の姿が現れた。
アロルドが驚いて間抜けに口を開けていると、アデラが冷たい声で猫になったブリッタに話しかけた。
「貴女の魔法を解析して疑似魔法をつくってみたの。成功のようね。あぁ。満月の夜に人間の姿には戻らないから。愛し愛される相手にキスをしてもらわないと、元の姿には戻れないわよ。猫の姿でも性欲込みで愛してくれる変態がいてくれるといいわねぇ。クリストフ」
「なんだい?」
「これ、街に捨ててきてくれる?」
「勿論いいとも。はい。コニー君」
「コニー。ビックリさせちゃったかしら? デニスには内緒にしてくれる?」
「わ、わふ……(りょ、了解した)」
「ありがとう。コニー」
クリストフからアロルドを受け取り、困ったように笑うアデラは、いつものアデラだった。あれは夢だったのか……と思いたいが、クリストフが首根っこを掴んでいる猫がいるので、夢ではないようだ。アロルドは、アデラだけは絶対に怒らせないと決めた。
クリストフが箒に乗って出かけると、アデラが疲れた溜め息を吐いて、アロルドの背中に顔をやんわりと擦りつけた。
「はぁー。癒されるー。あの困ったちゃんが来たのが今日の昼間でよかったわ。デニスがいたら、魔法でお仕置きなんてできなかったもの」
「わふ(確かに見事なお仕置きだった)」
「困ったちゃんの尻拭いはもうやってられないし、何より戦争を起こす気なら完全に潰しておかなきゃね。禁術を使ったけど、事情を話せば、偉い人にバレても不問にされるわ。戦争になったら、魔女も魔法使いも使い潰されるから、それだけは避けなきゃ。仮に人間の姿に戻れても、ブリッタはもう魔女じゃないわ。完全に魔力を封じたもの。……母様が残した魔法書が役に立つ日がくるなんてね。……さっ。気持ちを切り替えてお昼ご飯を作りましょうか。クリストフもすぐに帰ってくるでしょうし。コニーはもう少しお外を走っておく?」
「わふ(そうさせてもらおう)」
「ふふっ。じゃあ、いっぱい走ってお腹を空かせてきてね。ちょっとお昼は豪勢にしちゃおうかしら。デニスには内緒ね」
アデラが悪戯っぽく笑って、アロルドをそっと地面に下ろした。なんとなく、アデラが家の中に入っていくのを見送ってから、蝶々を探して走り始める。
アデラの言う通り、戦場では、魔法使いや魔女は人型兵器として扱われ、使い潰されていた。アロルドはそれがなんとなく嫌で、自分の配下になった魔法使いや魔女には、できるだけ無理をさせないようにしていたつもりである。
アロルドは、クリストフが帰ってきて、アデラに呼ばれるまで、外を思いっきり走り回っていた。
アロルドは白い蝶々を追いかけて、庭を走り回っていた。特に意味はない。ひらひら飛ぶ蝶々を捕まえられたら楽しいかなぁと思っただけだ。ただ走るだけよりも地味に楽しい。
今日はデニスは仕事で不在だ。クリストフが来ていて、アデラと一緒に、アロルドにかけられた魔法を騙す魔法の研究中である。2人が共同開発した魔法で、デニスにキスをされると、半刻くらいは人間の姿に戻れるようになった。勿論、夜限定で。デニスは、半刻でも一緒に食事ができて、少しだけお喋りができるのが嬉しいようで、4日に一度はアロルドにキスをするようになった。毎日だと、アロルドの身体に負担がかかるかもしれないので、4日に一度の頻度にしている。
アロルドとしては、デニスにキスをされるのは純粋に嬉しいし、アロルドが人間の姿に戻るとデニスが嬉しそうに笑うので、これはこれでありな気がしてきた。キスをする前に、いつも申し訳なさそうに『ごめんね』と言われるのがちょっと辛いが、デニスの笑顔が一番大事なので、デニスのキスを拒否したことはない。
アロルドが飛び跳ねながら蝶々を追いかけ回していると、家の中から、杖を持ったアデラとクリストフが出てきた。アロルドは素早くアデラに抱き上げられ、クリストフに渡された。きょとんとアデラを見上げると、アデラがいつもとは違う完全な無表情で口を開いた。
「コニー。招かれざるお客様が来るから、クリストフと一緒にいてちょうだい。クリストフ。コニーをお願いね」
「勿論。何があってもコニー君のことは守るよ」
招かれざる客とは誰なのだろう。普段はおっとりのほほんなアデラの空気が、今は戦場に立っていた時のように殺気立っている。アロルドに向けられたものではないのだが、肌がぴりぴりする感じがして、自分の毛が逆立っている感覚がする。
無言のまま、空を見上げているアデラが、目を細めて、ぼそぼそと魔法の呪文を唱え始めた。アデラの視線の先を見れば、箒に乗った赤毛の魔女が飛んでくるのが見えた。アロルドを子犬の姿に変えた魔女ブリッタである。
ブリッタが庭先の上空で飛んでいた速度をゆるめた瞬間、アデラが素早く杖をブリッタに向けた。ブリッタの周りに半透明な球体ができたかと思えば、アデラが勢いよく杖を地面に向かって振った。同時に、ブリッタが入っている半透明の球体も勢いよく地面に落ち、その勢いで箒が折れ、ブリッタの身体が強く地面に叩きつけられた。
アデラのいきなりの先制攻撃に唖然としていると、クリストフがアロルドの耳元で囁いた。
「あぁ見えて、アデラは攻撃が上手いんだよ。本来なら防御に使う魔法も、使い方を工夫して攻撃に変えちゃうんだ。女同士の喧嘩に男が入ると厄介になるから、僕達は静観しておこう」
「わふ……(意外だ……)」
アロルドが驚いている目の前で、突然森の中から太い蔓が勢いよく伸びてきて、痛みに呻くブリッタの身体をぐるぐる巻きにしたうえで、逆さ吊りにした。ブリッタが顔を真っ赤に染めて、喚き始めた。
「ちょっと! いきなり何すんのよ!! このいい子ぶりっ子女!! こそこそ私のこと探りやがって! なんのつもり!?」
「久しぶり。ブリッタ。会いたくなかったわ。必要なことだけ聞くから答えなさい。エーヴェルハルト大佐にかけた魔法は、貴女にはとけるの?」
「あはっ! 正規の条件以外の魔法のとき方なんて考えるわけないじゃない! あ、もしかして、そこの腰ぎんちゃくが持ってるのが大佐なわけぇ? あははは! いい気味! 一生獣の姿で飼われてればぁ? って、いたいいたいいたいいたいっ!!」
「本当に困ったちゃんね。貴女」
「ぐっ、このっ、離せ! ぶりっ子女! 第三王子の花嫁にこんなことしてタダで済むと思うなよぉ!!」
「貴女ってば、今度は第三王子にちょっかい出してるの。そう。本当にどうしようもないわね」
「あはははは! 地味なアンタと違って、私は美しいもの! 第三王子と結婚したら、西の国に戦争吹っ掛けてやるんだから!」
「何のために?」
「決まってるじゃない。私が暴れて遊ぶためよ。平和なんて退屈過ぎ。戦争に勝ったらこの国の領土も広がるんだし、いいことずくめじゃない!」
「……救いがたいわね」
アデラが初めて見る冷たい顔で、冷たい声を出した。アデラが魔法の呪文を唱え始め、拘束しているブリッタに向かって杖を向けた。
「きゃあ! ……っ! ぶりっ子女ぁ! アンタ何したのよ!?」
「貴女の魔力を封印しただけ」
「はぁぁぁぁぁぁ!? それって禁術じゃない!!」
アデラがまた素早く呪文を唱えて、見苦しく喚くブリッタに杖を向けた。すると、ブリッタの身体が白く光り、ブリッタの姿がなくなり、代わりに、蔦でぐるぐる巻きにされている赤毛の猫の姿が現れた。
アロルドが驚いて間抜けに口を開けていると、アデラが冷たい声で猫になったブリッタに話しかけた。
「貴女の魔法を解析して疑似魔法をつくってみたの。成功のようね。あぁ。満月の夜に人間の姿には戻らないから。愛し愛される相手にキスをしてもらわないと、元の姿には戻れないわよ。猫の姿でも性欲込みで愛してくれる変態がいてくれるといいわねぇ。クリストフ」
「なんだい?」
「これ、街に捨ててきてくれる?」
「勿論いいとも。はい。コニー君」
「コニー。ビックリさせちゃったかしら? デニスには内緒にしてくれる?」
「わ、わふ……(りょ、了解した)」
「ありがとう。コニー」
クリストフからアロルドを受け取り、困ったように笑うアデラは、いつものアデラだった。あれは夢だったのか……と思いたいが、クリストフが首根っこを掴んでいる猫がいるので、夢ではないようだ。アロルドは、アデラだけは絶対に怒らせないと決めた。
クリストフが箒に乗って出かけると、アデラが疲れた溜め息を吐いて、アロルドの背中に顔をやんわりと擦りつけた。
「はぁー。癒されるー。あの困ったちゃんが来たのが今日の昼間でよかったわ。デニスがいたら、魔法でお仕置きなんてできなかったもの」
「わふ(確かに見事なお仕置きだった)」
「困ったちゃんの尻拭いはもうやってられないし、何より戦争を起こす気なら完全に潰しておかなきゃね。禁術を使ったけど、事情を話せば、偉い人にバレても不問にされるわ。戦争になったら、魔女も魔法使いも使い潰されるから、それだけは避けなきゃ。仮に人間の姿に戻れても、ブリッタはもう魔女じゃないわ。完全に魔力を封じたもの。……母様が残した魔法書が役に立つ日がくるなんてね。……さっ。気持ちを切り替えてお昼ご飯を作りましょうか。クリストフもすぐに帰ってくるでしょうし。コニーはもう少しお外を走っておく?」
「わふ(そうさせてもらおう)」
「ふふっ。じゃあ、いっぱい走ってお腹を空かせてきてね。ちょっとお昼は豪勢にしちゃおうかしら。デニスには内緒ね」
アデラが悪戯っぽく笑って、アロルドをそっと地面に下ろした。なんとなく、アデラが家の中に入っていくのを見送ってから、蝶々を探して走り始める。
アデラの言う通り、戦場では、魔法使いや魔女は人型兵器として扱われ、使い潰されていた。アロルドはそれがなんとなく嫌で、自分の配下になった魔法使いや魔女には、できるだけ無理をさせないようにしていたつもりである。
アロルドは、クリストフが帰ってきて、アデラに呼ばれるまで、外を思いっきり走り回っていた。
251
お気に入りに追加
198
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました
ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。
愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。
*****************
「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。
※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。
※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。
評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。
※小説家になろう様でも公開中です。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?
死に戻り騎士は、今こそ駆け落ち王子を護ります!
時雨
BL
「駆け落ちの供をしてほしい」
すべては真面目な王子エリアスの、この一言から始まった。
王子に”国を捨てても一緒になりたい人がいる”と打ち明けられた、護衛騎士ランベルト。
発表されたばかりの公爵家令嬢との婚約はなんだったのか!?混乱する騎士の気持ちなど関係ない。
国境へ向かう二人を追う影……騎士ランベルトは追手の剣に倒れた。
後悔と共に途切れた騎士の意識は、死亡した時から三年も前の騎士団の寮で目覚める。
――二人に追手を放った犯人は、一体誰だったのか?
容疑者が浮かんでは消える。そもそも犯人が三年先まで何もしてこない保証はない。
怪しいのは、王位を争う第一王子?裏切られた公爵令嬢?…正体不明の駆け落ち相手?
今度こそ王子エリアスを護るため、過去の記憶よりも積極的に王子に関わるランベルト。
急に距離を縮める騎士を、はじめは警戒するエリアス。ランベルトの昔と変わらぬ態度に、徐々にその警戒も解けていって…?
過去にない行動で変わっていく事象。動き出す影。
ランベルトは今度こそエリアスを護りきれるのか!?
負けず嫌いで頑固で堅実、第二王子(年下) × 面倒見の良い、気の長い一途騎士(年上)のお話です。
-------------------------------------------------------------------
主人公は頑な、王子も頑固なので、ゆるい気持ちで見守っていただけると幸いです。
俺の体に無数の噛み跡。何度も言うが俺はαだからな?!いくら噛んでも、番にはなれないんだぜ?!
汀
BL
背も小さくて、オメガのようにフェロモンを振りまいてしまうアルファの睟。そんな特異体質のせいで、馬鹿なアルファに体を噛まれまくるある日、クラス委員の落合が………!!
嫌われ公式愛妾役ですが夫だけはただの僕のガチ勢でした
ナイトウ
BL
BL小説大賞にご協力ありがとうございました!!
CP:不器用受ガチ勢伯爵夫攻め、女形役者受け
相手役は第11話から出てきます。
ロストリア帝国の首都セレンで女形の売れっ子役者をしていたルネは、皇帝エルドヴァルの為に公式愛妾を装い王宮に出仕し、王妃マリーズの代わりに貴族の反感を一手に受ける役割を引き受けた。
役目は無事終わり追放されたルネ。所属していた劇団に戻りまた役者業を再開しようとするも公式愛妾になるために偽装結婚したリリック伯爵に阻まれる。
そこで仕方なく、顔もろくに知らない夫と離婚し役者に戻るために彼の屋敷に向かうのだった。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる