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朝起きたらガチムチの大工のオッサンにま○こがついてた……絶望しかねーよ!

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変な夢をみた。
神殿の壁画に描かれているような、すんげぇ美形が出てきて、『おめでとうございます!貴方は選ばれました。子供を産む名誉を与えます!』と笑顔で言いながら、籠に入った沢山の花弁を振り撒く夢だ。意味が分からない。

ベンノは低く唸りながら身体を起こした。昨日の酒が残っているのか、頭が酷く重い。深酒をしたから変な夢をみたのだろうか。
固いベッドの上で胡座をかき、ガシガシと短く刈り込んでいる頭を掻く。気の所為かもしれないが、なんだか股間に違和感がある。43になっても、まだまだベンノの相棒は元気である。朝勃ちしてパンツが膨らんでいる自分の股間を見下ろした。朝勃ちしているのはいつものことだ。流石に10代の頃のように毎朝ではなくなったが、ベンノのペニスは今でも元気に朝勃ちする。しかし、なんとも言えない、上手く表現できない違和感がある。
ベンノはもぞもぞとパンツを脱いだ。何気なく自分の脱ぎたてのパンツを見れば、大分布地が薄くなってよれている。そろそろ買い替え時だ。小さな出費ではあるが、出費は出費だ。しがない雇われ大工をしているベンノは、食うには困らないくらいの稼ぎはあるが、裕福とは程遠い。たかがパンツ。されどパンツ。地味な出費が積み重なると、少々生活が苦しくなる。煙草と酒を止めればいいのだろうが、約20年前に女房に逃げられて以降、独り身のベンノは、煙草と酒くらいしか楽しみがない。
ベンノは10年以上一人遊びしかしていない可哀想なペニスを見下ろした。ペニスには特に異常はない。ペニスの下の陰囊も普通だと思う。ベンノは自分の股間に手を伸ばして、会陰の辺りを撫でてみた。ぷにっとした肉の襞があった。昨夜まではなかった筈のそれは、まるで女のまんこのようだった。ベンノはピシッと固まり、1度自分の股間から手を離して、自分の胸に手を当て、ゆっくり深呼吸をした。きっと自分はまだ寝ているのだろう。男にまんこがつくなんて話、聞いたことがない。というか、まんこな訳がない。そんなことあってたまるか。
ベンノは何度も深く息を吸って吐いてから、恐る恐る再び自分の股間に手を伸ばし、指先で会陰を撫でた。ぷにっとした肉の感触がある。ひゅっと息を飲みつつ、探るように指を動かすと、穴まであった。
ベンノは顔を引き攣らせて、股間から手を離した。

ベンノの人生史上最もヤバい超異常事態発生である。女房が浮気相手と一緒に消えた時よりも、はるかにヤバい。
ベンノは慌ててパンツを穿き、服を着てから、家を飛び出した。






------
ベンノは4軒隣の小さな町医者の家の玄関のドアを力一杯ドンドンドンドンッと激しく叩いた。
ここに住む中年の医者ダニエルは、ベンノの昔からの飲み友達だ。貧相にガリガリに痩せていて陰気な雰囲気の見た目の男だが、中身は割と気さくで陽気な楽しい人物である。
自分の身体の突然の変化に、咄嗟な思いついたのが、ダニエルを頼ることであった。こんなあり得ない異常事態を、たとえ医者であっても初対面の相手に言えるわけがない。20年以上、飲み友達をやっているダニエルに相談して、何とかしてもらうしかない。
手が痛くなるのもお構いなしにドアを拳で連打していると、玄関のドアが開いて、寝癖でボサボサ頭のダニエルが顔を出した。


「ベンノじゃないか。朝っぱらからなんだい。健康優良児の君が」

「ここじゃ話せないがヤバいんだ!」

「何が?」

「本当にヤバいんだよ!!」

「えぇ~。まぁ、確かに顔色は悪いかな?お入りよ。とりあえず診察しよう」

「頼む!!」


ダニエルがパァンと自分の頬を両手で叩いた。眠気覚ましだろう。寝ぼけていたような半眼が、くっきり開いてベンノを真っ直ぐに見た。
自分の身体の変化が恐ろしすぎて吐き気すらしているベンノを、ダニエルは診療所でもある自宅に入れた。そんなに広くない診察室に案内される。
ベンノは大柄な身体を小さく縮こめて診察室の小さな丸椅子に座り、微かに震える手をぎゅっと強く握った。
対面の椅子に座ったダニエルが、そんなベンノを見て、真剣な顔になった。いつもの飲み友達としての顔ではなく、医者の顔になったダニエルが、ベンノに優しく声をかけた。


「それで?どうしたんだい?」

「…………が、ついてた」

「ん?ごめん。もう1回お願い」

「~~~っ、ま、まんこがついてた!!」

「ごめん。もう1回いいかな」

「だからっ!!まんこがついてたんだよ!今朝!いきなり!起きたらまんこがあったんだよっ!!」

「とりあえず酔い醒ましのお薬出しますね~。頭痛や吐き気はありますか~?」

「酔ってねぇよ!」

「過度のストレスかなぁ。最近ちゃんと寝れてるかい?」

「昨日もぐっすり寝たわ!……変な夢みて起きたらまんこがついてたんだよ!!」

「ベンノ。男にまんこはないよ?」

「知っとるわ!!でも本当にあんだよ!!」

「う~ん。……どうしたもんかな?え~。ん~。じゃあ、とりあえず患部を診せてもらえるかい?」

「……み、みるのか」

「君の頭がいきなりヤバいことになっていないかを、先ずは確かめないと」

「なってねぇよ。マジなんだよ。やべぇんだよ」

「はーい。じゃあ下を脱いで、診察用のベッドに上がってくださーい」


訝しげな顔でダニエルがそう言ったので、ベンノは一瞬躊躇した後、潔くズボンとパンツをまとめて脱いだ。
診察用の狭いベッドに上がり、ちんまりと身体を縮めるようにして、お山座りをする。ダニエルがベッドのすぐ側に自分用の椅子を運び、ベッドの端でお山座りをしているベンノの前にきた。
一緒に酒を飲む時にはかけない眼鏡をかけ、ダニエルが静かにベンノの膝に触れた。今はどうでもいい話だが、ダニエルはベンノよりも3つ歳上で、老眼が入っているらしい。診察の時や新聞を読んだりする時には眼鏡をかけるようになったとか。
ベンノはこみ上げてくる吐き気を深呼吸で誤魔化して、ダニエルに促されるままに仰向けに寝転がり、膝を立てて両脚を大きく開いた。


「見にくいから、ちんちんと金玉を上げるね。触るよ~」

「うぅ……」


ベンノは涙目になりながら、ぎゅっと自分の両膝を握った。こんな恥ずかしい体勢、今まで経験したことがない。診察をしてもらっているだけだが、自分の恥部をまじまじと見られるなんて、あまりにもあんまりだ。ベンノの萎えた赤黒いペニスと陰囊にダニエルの手が優しく触れた。そして、そっと静かに上にずらされる。ベンノの股間を見たダニエルが、驚愕の表情で、カチンッと固まった。


「…………だから、まんこついたって言っただろ」

「……元々両方ついてた、とかではなくて?今朝いきなり?え?え?なんで?」

「ついてねぇよ。知るかよ。俺が聞きてぇよ」

「……こんな症例聞いたことがない……君、普通に男だよね?え?え?何で女性器ついてんの?」


ベンノは股間にダニエルの視線を感じながら、ボソボソと昨夜みた夢を覚えている限り詳しく話した。ダニエルが触れていたベンノのペニスと陰囊から手を離し、眼鏡を外して目頭を押さえながら、ふぅーっと大きく息を吐いた。


「……信じられない。僕の目がおかしくなったのかな……」

「どうにかしてくれ」

「どうにかって……。これ、どうにかできるものなの?『子供を産む名誉を与えます』ってことは、子供が産める機能もちゃんとあるってこと?」

「知らん」

「君、今年で43だろ?仮に夢に出てきた神様?の仕業だとするよ?43で初産なんて高齢出産で危険性も高いのに、何で君に『子供を産む名誉』なんてものを与えたんだろう」

「俺が知るか。なんとかしてくれ」

「もうちょい、しっかり診てみるけど……これは僕の手に余るよ……僕はしがない町医者だよ?」

「ダニエルしか頼れないんだよ」

「……うぅ……そう言われちゃうとなぁ……」


元々陰気な雰囲気の顔を更に情けなく歪めて、ダニエルが再び眼鏡をかけた。またダニエルの手がベンノのペニスと陰囊に触れ、どちらも持ち上げるようにしてベンノのまんこを露にした。じっと真剣な視線をまんこに感じる。何故だか妙に、まんこがついてしまった辺りがむずむずする。ベンノは居心地の悪さに眉間に皺を寄せた。ペニスと陰囊を押さえている手とは反対の手が、ぷにっとしたまんこの肉襞をかき分けるようにして開いた。


「……クリトリスまでついてる。本当に何がどうなっているんだ……」

「分かんねぇ」


ダニエルの細い指がまんこの形を確かめるように、ベンノのまんこを優しく撫でた。背筋がぞわっとする。特に陰囊の付け根辺り、恐らくクリトリスがある所に指が触れると、思わず変な声が出そうになるような初めての感覚がする。ベンノはぐっと奥歯を噛み締めた。ゆっくりとダニエルの指がベンノのまんこを撫で、クリトリスをすりすりと優しく擦ってきた。クリトリスを弄られると、ビクッと身体が勝手に震え、微かに、まんこの中から何かが溢れていくような感覚がした。


「……濡れてきた。ちゃんと濡れるんだ。ベンノ」

「な、なんだ」

「クリトリス、気持ちいい?」

「……は?」

「もうちょい触るね。声を出したかったら遠慮なくどうぞ」

「いやいやいやいや」


顔を引き攣らせるベンノに構わず、ダニエルが指の腹ですりすりとベンノのクリトリスを優しく擦り、指先で摘んで、くりくりと弄り始めた。背筋をゾクゾクゾクッと快感が駆け上がる。ペニスを弄る時に少し似ているような、でも全然違うような、よく分からない感覚だ。でも、それは確かに快感だった。ダニエルの指が動く毎に、下腹部がどんどん熱くなっていく。ベンノは自分の身体の変化に、驚いて目を見開いた。ダニエルに押さえられているペニスが勃起してしまっている。自分の中から、何かがどんどん溢れて、まんこを這っているダニエルの指を濡らして、まんこがぬるぬるになっていく感じがする。
ふっ、ふっ、と荒くなる息に戸惑いが隠せない。ダニエルの指が強い刺激をもたらすクリトリスから離れ、ベンノのまんこの穴の表面を撫でた。ダニエルの指が動くと、小さくぬちゅぬちゅと粘着質な水音がした。突然ついた自分のまんこが飲み友達のダニエルに弄られて濡れている。その事実に頭をガツンと殴られたような気がして、ベンノは泣きたくて堪らなくなった。訳が分からないし、恥ずかしくて堪らない。
これは治療?の為に必要なことだと、なんとか自分に言い聞かせ、今すぐダニエルを突き飛ばして逃げたいのをぐっと我慢する。医者の知り合いなんて、ダニエルしかいない。何より、ダニエルは長年の飲み友達だ。きっと、これ以上悪いことにはならない筈だ。


「ベンノ。中を確かめたいから指を挿れるよ。痛かったら、ちゃんと言ってね」

「お、おう」


まんこの穴の表面を擽るように優しく撫でていたダニエルの指が、ゆっくりとまんこの穴に入ってきた。痛みはないが、異物感がある。それから信じられないことに、指で内部の肉壁を擦られる微かな快感がある。ベンノは驚いて、ひゅっと息を飲んだ。なんだ、この感覚は。まるでダニエルの指を歓迎するかのように、腹の中が蠢いてダニエルの指に絡みついているような感じがする。
もういっそのこと白目を剥いて気絶してしまいたい。まんこの快感なんて知りたくなかった。男歴43年なのに突然まんこがついた挙げ句、飲み友達の医者に診てもらっている時に感じているだなんて、本当にあり得ない。まるで狂った夢でもみているようだ。

内壁をゆっくり確認するように、ダニエルが優しくベンノのまんこの中を指で探っている。ゾクゾクぞわぞわする感覚に、頭がおかしくなりそうだ。ダニエルにはベンノが勃起してしまっていることも当然気づかれている。恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。あまりにもあんまりだ。

ダニエルがまんこから視線を上げ、涙目になっているベンノを真っ直ぐに見た。


「ベンノ」

「……なんだ」

「ごめん。勃起した」

「……は?」

「ちんちん勃っちゃった」

「……は?……はぁぁぁぁぁ!?」

「いや僕だって医者の端くれだから患者の性器見ようが普段なら勃起なんてしないよ!?本当にしませんよ!?でもベンノのちんちんも金玉もまんこも見ちゃって触っちゃったら、そりゃ勃ちますよ!?」

「意味がわからん!!」

「僕が片思い暦何年だと思ってるんだ!15年以上だぞ!我ながら拗らせまくってるからなぁ!?」

「はぁっ!?何言ってんだお前!」

「墓まで持ってくつもりだったのに!!ベンノにまんこなんてついちゃうから!!」

「意味が分かんねぇよ!!」

「僕は!君が!好きなのっ!!恋愛的な意味で!!」

「……はぁぁぁぁ!?」


ベンノは目を見開いて、ベンノのまんこの穴に指を突っ込んだまま、何故か目を泳がせまくっているダニエルをじっと見た。ダニエルはいつも不健康そうな青白い顔をしているが、今は顔も耳も真っ赤になっている。ダニエルの発言も反応も、意味が分からない。


「いっつも無精髭で腹が出たオッサンになっても君が可愛く思えるんだから仕方がないだろう!?」

「ダニエル。頭と目は大丈夫か?いや、大丈夫じゃねぇな?よし。医者に行こう。俺もついていってやるから」

「僕は医者だし、頗る正常だよ。今、大丈夫じゃないのはベンノだからね?」

「自分で言うのも何だが、俺は小汚いオッサンだぞ?そりゃ若い頃は今より締まっていたけどよ。今は腹が出てっし、顔が怖ぇっつって親方の孫に泣かれるような面だぞ?可愛い要素皆無だろ」

「それでも可愛いんだよ……不思議なことに」

「やべぇな」

「やべぇんだよ」


ベンノは今の異常事態を忘れ、突然の衝撃の告白をしたダニエルをまじまじと見た。人の趣味は人の数だけあるのかもしれないが、ダニエルが本当にベンノのことを恋愛的な意味で好きなら、ダニエルは人類で1番趣味が悪いと思う。ベンノは昔から顔が厳つくて、大工をしているから身体もガチムチといっていい大柄な体格をしている。今は割と腹が出てるけど。職場の親方の紹介で結婚した女房には、結婚当初からあまり好かれていなかった。ベンノなりに大事にしていたつもりだったが、夜の夫婦生活を断られることが多かったし、結婚して3年も経たずに浮気されて、その相手と何処ぞへ消えてしまった。女房が出ていってから、たまに行くようになった娼館でも、娼婦に怖がられることが多くて、そのうち娼館にも行かなくなった。ベンノは怖がられることが本当に多い。ぶっちゃけ、友達だってダニエルくらいしかいない。

真っ赤になっているダニエルを、ベンノは不思議な生き物を見るような目で見た。そして首を傾げた。
これはどうしたらいいのだろうか。まんこの穴にはダニエルの指が入ったままだし、ダニエルは首の辺りまで真っ赤になって俯いてしまったし、ベンノはペニスが勃起して、まんこが濡れた状態だ。
ふと、まんこの中に入っているダニエルの指を意識してしまうと、腹の中が勝手に蠢いて、ダニエルの指を締めつけてしまう。ダニエルはベンノが好きらしい。腹の中がきゅんきゅん疼いて収縮するのを感じながら、ベンノはダニエル同様固まった。
誰かに『好き』なんて言われたのは、多分間違いなく生まれて初めてだ。相手はダニエルだが、じわじわと顔が熱くなっていく。それに合わせて、何故かまんこがきゅんきゅん疼いてくる。何だこれ。本当にどうしたらいいんだ。


「ベンノ」

「なななななんだ」

「その、あの、入れっぱなしの僕も悪いんだけどね?」

「お、おう」

「そんなにまんこで指を締められちゃうと益々興奮しちゃうと言いますか何と申しましょうか……すごい、濡れ濡れだし、指に絡みついてきちゃってますけど……」

「……うううううっせぇ!言うなっ!アホッ」

「ベンノ。ベンノ。ベンノのまんこ、な、舐めてみていい?」

「は、はぁぁぁ!?」

「ちゃんと気持ちよくするから!お願いっ!舐めるだけ!舐めるだけ!」


ダニエルが真っ赤な顔で、微妙に荒い息を吐きながら、まんこにずっぽり入れている指をくいくいっと動かし、内壁を擦ってきた。ゾクゾクゾクッと快感が身体を駆け抜け、ベンノは思わず小さく喘いだ。ダニエルの両手が動き出す。ベンノの勃起したペニスを陰囊ごと揉みながら、まんこの中を探るようにして指で掻き回してくる。ペニスを他人に触られるなんて10年以上振りだし、今朝ついたばかりのまんこに感じる初めての快感に、身体から力が抜けてしまう。
嫌なら抵抗すればいいだけの話だ。ひょろい貧相な体格のダニエルなんか、ベンノの腕の一振りで吹き飛ばせる。しかし、何故だか、それをする気になれない。あれか。久しぶりの快感だからか。それともダニエルに『好き』だと言われたからか。自分で自分が分からない。

視線をダニエルに向ければ、興奮したような微妙に血走った目で、ダニエルが身体を快感に震わせるベンノをじっと見つめていた。まんこの中からどんどん愛液が溢れて、ダニエルが指を動かす度にくちゅくちゅといやらしい水音を奏でている。ダニエルの頭が下がり、ベンノの股間に顔を近づけた。まんこを舐めるだけ、とか言っていた癖に、ダニエルが舐めてきたのはベンノのペニスだった。竿をベローっと根元から先っぽに向けて舐めあげられる。ペニスを舐められるなんて、初めてのことだ。娼婦にだってしてもらったことはない。ダニエルがベンノのペニスを舐め回しながら、まんこの穴に指を突っ込んで内壁をくりくり擦りつつ、親指の腹でクリトリスまで擦ってきた。無駄に器用なダニエルがもたらす強すぎる刺激に、ベンノは堪らず裏返った高い声を上げた。

だらだらとだらしなく先走りが溢れるペニスの先っぽをダニエルに咥えられ、ダニエルの熱い口内の感触とペニスに這い回る舌の感覚に、全然我慢なんてできずに、ベンノは腰や脚を震わせてダニエルの口内に精液をぶち撒けた。精液が迸っているペニスの先っぽをじゅるじゅると音を立ててダニエルに吸われる。まんこに入っているダニエルの指は動き続けている。白目を剥いてしまいそうな強烈な快感に、悲鳴のような声を上げてしまう。
ダニエルがベンノのペニスから口を離し、大きく口を開いて自分の口内を見せてきた。赤い舌に白い精液が溜まっている。ベンノが見ている前で、ダニエルが口を閉じて、ごくんとベンノの精液を飲み込んだ。嚥下に合わせて、ダニエルのくっきり浮き出た喉仏が動く。驚いて目を見開いたベンノに、ダニエルが熱に浮かされたような顔で、小さく笑った。まんこから指を引き抜かれたかと思えば、今度はまんこに舌を這わされる。ぬるぬるとクリトリスを舐め回され、どんどん愛液が溢れてくる穴をじゅるじゅると啜られる。気持ち良すぎて、もう訳が分からない。
ダニエルがベンノのまんこを味わうように舐め回しながら、膝裏に触れてきた。初めて味わう快感に頭の中が朦朧とする。ベンノはダニエルに促されるまま、自分の膝裏を持ち、腰を浮かせた。
まるでおしめを替える赤ん坊のような体勢になる。まんこの穴に舌を突っ込んで中も外もめちゃくちゃに舐め回していたダニエルの舌が、ベンノのアナルにまで触れてきた。愛液が垂れて濡れているアナルの皺を1枚1枚丁寧に舐められる。アナルなんて単なる排泄器官だ。なのに気持ちいいなんて絶対におかしい。次から次へと襲いかかる快感の波に、ベンノは身体を震わせて喘ぐことしかできなくなった。アナルからダニエルの舌が離れたかと思えば、また、まんこの穴に舌を突っ込まれ、じゅるじゅる愛液を啜られながら、アナルに指をゆっくりと入れられた。アナルの中を探るように、ダニエルの指が動いている。アナルの中のある一点に指が触れた瞬間、ベンノは身体をビクッと大きく震わせて、大きな裏返った声を上げた。
まんこを舐め回していたダニエルが、まんこから顔を上げて、ぐいぐいとその一点ばかりを指で擦って刺激してくる。


「ベンノ。ここがベンノの前立腺だよ。気持ちいい?気持ちいいよね?指が食い千切られそうなくらい締まってるし、まんこがひくひくして涎を垂らしてるよ」

「ひぁっ!ひんっ!ああっ!あうっ!!」

「あぁぁ……ダメだ。我慢できないよ、ベンノ。可愛いベンノ」


気持ち良すぎてベンノが本気泣きするまで、まんこもアナルもダニエルに舌と指で弄られまくった。身体の中を快感がぐるぐると激しく駆け回り、高まり続ける熱が何度も頂点に達して、ベンノは泣き喚きながら、まんこの絶頂も、射精を伴うアナルの絶頂も体験してしまった。

涙も鼻水も涎も垂れ流しながら、ヒクヒクと身体を震わせるベンノから漸くダニエルが口も指も離した。呆然とダニエルに視線を向けると、ダニエルが興奮しきったような顔で、カチャカチャとズボンのベルトを外し、もどかしそうにズボンをずり下げた。ダニエルの勃起しているペニスが露になる。はぁ、はぁ、と荒い息を吐きながら、ダニエルが熱くて固いものをひくひくしているベンノのまんこの穴に擦りつけた。


「ベンノ、ベンノ。僕を受け入れて……」

「あ、あ、あぁっ……」


ベンノが何か言う前に、熱くて固い太いものが、まんこの穴に捩じ込まれるかのようにして入ってきた。まんこの中を擦られる感覚に、ゾクゾクゾクッと快感が背を走り抜ける。指よりもずっと太いダニエルのペニスの感触が、痛いのに気持ちがいい。ダニエルがベンノのまんこにペニスを押し込みながら、ベンノの身体に覆いかぶさってきた。だらしない声を上げる鼻水と涎まみれの口元をダニエルに舐められる。下腹部をぐいぐい押しつけられながら、何度も唇を吸われ、口内までめちゃくちゃに舐め回される。キスなんて、20年以上振りかもしれない。上も下も触れ合ったまま、ダニエルが腰を動かし始めた。ひょろひょろな身体つきの癖に、ダニエルのペニスはベンノのものよりも大きかった。まんこの中がダニエルのペニスでみっちり満たされ、敏感な内壁を擦られる。1番奥をガンガン突かれてぐりぐりとされる度に、脳天な痺れるような快感に襲われる。
ベンノの声も息も奪うように、めちゃくちゃにダニエルに唇を貪られる。気持ち良すぎて馬鹿になる。ベンノは激しい快感に振り回されながら、無意識のうちに、縋るようにしてダニエルの首に両腕を絡めていた。自分からダニエルの舌に舌を絡め、脳みそが溶けて流れていくような快感に溺れる。普段の雰囲気をかなぐり捨てた獣のようなダニエルに激しく揺さぶられ、高まりすぎた熱がベンノの身体の中で弾け飛んだ。朦朧とした意識の中、まるでダニエルのペニスを食い千切るかのように、ベンノのまんこがキツく締まってダニエルのペニスに絡みついているのが分かる。ダニエルのペニスがまんこの中で微かにビクビク震えているのにすら感じてしまう。
ぜぇ、ぜえ、とお互い荒れた息を吐きながら、繋がったまま目を合わせた。ダニエルの暗めの青い瞳は、まだ熱をもっている。その瞳を見ているだけで、ぞわぞわとした不思議な興奮が湧き上がってくる。
ベンノは荒い息を吐きながら、意識をして下腹部に力を入れた。はぁ……とダニエルが熱い息を吐く。
ダニエルが鼻水を舐めとるようにベンノの鼻の下に舌を這わせながら、ゆっくりと腰を引いて、ベンノのまんこからペニスを引き抜いた。まんこの穴から熱い液体が溢れて垂れていくのが分かる。十中八九、ダニエルの精液だろう。思いっきり中に出された。
射精した筈なのに熱くて固くダニエルのペニスの先っぽが、愛液と精液で濡れているベンノのアナルに触れた。今度は狭いベンノのアナルを押し拡げるようにして、アナルにペニスが入ってくる。前立腺と教えられた場所をぐりっと強くペニスで擦られて、ベンノは上擦っただらしない声を上げながら、とろとろと触れていないペニスから精液を漏らした。

ベンノは、ダニエルにアナルにもがっつり中出しされるまで、嵐のような快感に泣きじゃくった。






------
殆ど気絶するかのように眠りに落ちたベンノが目を覚ますと、ダニエルがすぐ隣で眠っていた。お互い全裸である。気づけば脱がされていたシャツはどこかにいっており、胸毛が生えたベンノの胸には、まるで胸を鷲掴むようにしてダニエルの手が置かれていた。
ベンノは、すぅすぅ穏やかな寝息を立てているダニエルを鼻を摘み、思いっきり引っ張った。


「いたぁぁぁ!?え?え?いたいいたいいたいっ!!」


ダニエルがビクッと身体を震わせ、目を開けた。ダニエルが涙目になるまで思いっきり鼻を引っ張ってから、ベンノはダニエルの鼻から指を離した。
結局、まんこやアナルだけじゃなく、文字通り全身を舐め回された。乳首も弄られまくったし、脇やら臍やら足の指まで舐められた。全身が唾液や愛液、お互いの精液でぺたぺたする気がする。

ダニエルが少し困ったような顔で、でもベンノの胸元を撫で回しながら、口を開いた。


「ベンノ。とりあえず一緒に暮らそうか」

「何でそうなる」

「いや、ほら。もしかしたら妊娠しちゃってるかもしれないし?いや、あの……そうじゃないな。ベンノが好きだから、死ぬまで一緒に暮らしたいんだ」

「早い」

「え?何が?」

「……普通、デートとかして、手を繋ぐところからだろ」

「え?もう全力でセックスしちゃったのに?あ、いや、ベンノとデートはしたいけどね?」

「……そ、そうかよ」


なんだか居た堪れない。ダニエルが普段は青白い頬をうっすら赤く染めて、ベンノの胸を指先でくりくりと撫で始めた。


「ベンノ。もうこうなったら、僕は死んでも君から離れないから」

「……マジか」

「マジ」


真顔で頷いたダニエルの真剣な眼差しに、小さく心臓が跳ねた。ベンノは口をむにむに動かしながら、目を泳がせた。





------
誰かに好かれた経験が無かったベンノが、それからのダニエルの猛アタックに負けて、なんだかんだでダニエルに絆されて惚れてしまうのに、3ヶ月もかからなかった。
一緒に暮らし始めて半年後にはベンノの妊娠が発覚し、翌年にはベンノそっくりな元気のいい男の子と3人家族になった。ダニエルは子供に激甘だが、それ以上にベンノに激烈甘い亭主になった。
何十年かして、ベンノがダニエルを見送るまで、ダニエルはベンノをめちゃくちゃ愛してくれた。ベンノもダニエルを深く愛するようになっていた。
ダニエルが側にいなくなっても、息子や孫に見送られるその瞬間まで、ベンノはダニエルを愛していたし、自分の大事な家族を愛していた。
柔らかな春のある日、ベンノはダニエルにまた会える幸せを夢見ながら、微笑んで目を閉じた。







(おしまい)


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