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14:『パパ活』おじさん(ダナー)
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サリオとデートを楽しんで、花街の連れ込み宿へと向かっている最中に、最近見たばかりの顔を見かけた。仲良し老夫婦の息子ダナーである。客引きに捕まっているようで、何やら困った顔をしている。見て見ぬフリをするのは、少々落ち着かない。
プルートはサリオにさらっと事情を話して、サリオと腕を組んだまま、ダナーの元へ向かった。
「やぁ。ダナー。待ち合わせに来ないと思ったら、こんな所にいたのかい?」
「今日は3人で遊ぶ約束でしょ」
「え、あ……」
「そういうことだから、ごめんね。坊や。この人は連れて行くから」
「えー!あっ!おじさん達も僕の所で遊んでいきなよ。天国に連れて行ってあげる」
「それはまたの機会にするよ。ダナー。行こう」
「あ、あぁ」
プルートはダナーの腕を掴んで、そのまま足早に連れ込み宿が集中している界隈に移動した。話を合わせてくれたサリオにお礼を言っていると、ダナーが話しかけてきた。
「その……2人ともありがとう。助かりました」
「いやいや。なんか困ってたみたいだったから」
「おじさんの知り合いって聞いたんで」
「……2人は、その、恋人?」
「違うよ」
「遊び相手かな」
「……そう」
ダナーがなんだか迷うような顔をした後、プルートを見て、口を開いた。
「俺もできたら遊び相手が欲しいんだが、誰か紹介してもらえないだろうか」
「おや」
「おじさん。お金はある?『パパ活』って結構お金かかるよ?」
「『パパ活』?」
「若い子とデートやセックスをして、お小遣いをあげるんだ。それが『パパ活』」
「……それは普通に売春では」
「法的には問題ないよ。相手が成人してればね」
「ついでに言うと、派手にやらなければ怖いお兄さん達にも目をつけられないよ」
「……なるほど」
「男娼を買うのじゃ物足りないのかな?」
「……どうしても気分転換がしたくて……男娼を買ってもいいが……もっと、こう……普通に遊びたいというか、楽しみたい」
「デートとかも含めて?」
「あぁ」
「ふーん」
プルートと腕を組んでいたサリオが、パァンと両手を合わせて、名案!みたいな顔をした。
「ねぇねぇ。おじさん」
「なんだい?サリー」
「おじさんがよければ、このおじさんと『パパ活』したら?」
「「へ?」」
「おじさん程楽しい人いないもん。こっちのおじさんに若い子を紹介してもいいけど、おじさんは楽しいことがしたいんでしょ?」
「あ、あぁ」
「じゃあ、おじさんがうってつけだ」
「サリー。サリー。こんなおじさん相手じゃダナーが気の毒だよ」
「そう?見た感じ、そんなにお金持ってるっぽくないし、お金出して『パパ活』するより、お金貰う方の『パパ活』の方がいいんじゃない?ていうか、一応おじさんより若いでしょ。このおじさん」
「まぁね。……さて、どうする?ダナー」
「あー……つまり、俺が貴方に買われるということか?」
「ちょっと違うね。デートやセックスをして、お小遣いをあげるんだよ」
「建前って大事だよねー」
「ねー」
「……そ、そうか」
ダナーが悩むように、眉間に皺を寄せた。少し前に老夫婦の家で見た時と同じか、それ以上に疲れた顔をしている。今夜はサリオと楽しむ予定だったが、ダナーさえ良ければ、ダナーでも別に構わない。
サリオがするりと腕をとき、悩むダナーの背後に回って、ぐいっとプルートの方へダナーの背中を押した。
「悩むくらいなら飛び込んでみなよ。おじさんは本当に楽しい人だから。おじさん。今回はこっちのおじさんに譲ってあげるから、また連絡するね」
「うん。連絡待ってるよ。サリー。今日はありがとう。デート楽しかったよ」
「あはっ。俺も楽しかった。またね」
戸惑っているダナーを残し、明るい笑顔を見せてサリオは去っていった。さて。これからどうしよう。
プルートは困惑した顔をしているダナーと向き合った。
「ダナー。どうする?僕と遊ぶかい?」
「……遊ぶ」
「そう。じゃあ、デートって時間じゃないし、セックスをして遊ぼうか」
「あ、あぁ」
「あ、君は男を抱いたことある?」
「若い頃に何度か」
「あぁ。それならよかった。じゃあ、行こうか」
「……貴方は俺でいいのか。若い子がいいんじゃないのか」
「んー。まぁ、たまには趣向を変えてみるのも楽しいかなぁと。それに」
「それに?」
「君、本当に疲れた顔してるよ。離婚する前の僕みたい」
「……そんなに疲れた顔をしてるか?俺」
「うん。それはもう」
「……そうか……プルートさん」
「ん?」
「俺と遊んでもらえないだろうか」
「いいよ。一緒に楽しもう。今だけ全部忘れてさ」
「あぁ」
ダナーがなんだか泣きそうな顔で笑った。
プルートはダナーと一緒に、すっかり馴染みになっている連れ込み宿に入った。ここ1年、10代20代の男としかセックスをしていない。同年代の男は、どんなセックスをするのだろうか。プルートは少しワクワクしながら、部屋に入るなり、少し背が高いダナーに触れるだけのキスをして、先にシャワーを浴びに行った。
ダナーがシャワーを使っている間、プルートはベッドに寝転がって、ぼんやりと天井を見上げた。同年代の男とセックスをする日がくるとは思っていなかった。楽しみなのが半分、なんとなく不安なのが半分だ。不安なのは、元旦那を思い出すかもしれないことだ。もし、元旦那と上手くいっていたらと、ありもしない『もし』を考えてしまうかもしれない。
歳は近いが、元旦那とダナーは違う。
プルートは頭を切り替えて、シャワー室から出てきたダナーを手招きして、ベッドに誘った。
プルートが起き上がって胡座をかいて座ると、ダナーも正面に胡座をかいて座った。まだ戸惑っているようなダナーに、プルートは、うりゃっと勢いよく抱きついた。
ぼふんっとダナーが後ろにプルートごと倒れる。
「うわっ!?」
「ははっ。ダナー。緊張してるだろう」
「……緊張というか……戸惑ってる」
「なんで?」
「……子供がいるのに、こんな事してていいのかとか」
プルートはくっついていた身体を少し離して、ダナーの顔を見下ろした。ダナーは端正な男前の顔立ちをしているが、今は疲れの色が濃く、実年齢よりも老けて見える。
「今夜だけ全部忘れよう。仕事も子供のことも別れた奥さんのことも」
「…………」
「簡単なことだよ。快感をただ楽しめばいい。それは悪いことじゃない。今の君に一番必要なのは、気分転換と休息だよ」
「…………セックスをするのは5年ぶりなんだ。貴方を楽しませる自信がない」
「僕だけ楽しんでどうするのさ。君も一緒に楽しまなきゃ。遊ぶって、そういうことだろう?」
「そう……なのか?」
「そうだよ」
プルートは微笑んで、まだ迷っているような顔のダナーの唇に触れるだけのキスをした。ダナーの下唇にねっとりと舌を這わせ、鼻と鼻を擦り合わせる。
「一緒に気持ちよくなろう。ダナー」
「……あぁ」
プルートがダナーの唇を優しく吸うと、ダナーもプルートの唇を同じくらいの力加減で吸ってくれた。何度も何度も互いの唇を吸い合い、ごく自然に舌を絡めあった。お互いの口内をじっくりと味わうように舐め合って、混ざり合う唾液を啜り合い、吐息も混ぜ合う。
プルートが腰をくねらせてダナーの下腹部に自分の下腹部を押しつけると、ダナーの股間が固くなっていた。プルートでも勃起してくれて何よりである。
プルートはふふっと笑って、半勃ちの自分のペニスを薄いガウン越しにダナーのペニスに押しつけた。
ダナーの腕がプルートの身体を抱きしめたかと思えば、そのままくるりと回り、今度はプルートが押し倒される形になった。間近に見えるダナーの胡桃のような柔らかい色の瞳が、熱を孕んでいた。
プルートは楽しくなってきて、クックッと笑いながら、ダナーの唇を吸った。
ダナーの大きな手がプルートが着ている薄いガウンをはだけ、ダナーがプルートの肌に舌を這わせ始めた。熱いぬるついた舌が、プルートの耳朶や首筋を這い回り、時折、少し強めに吸いつかれる。触れるか触れないかの絶妙なタッチで肌を撫で回されながら、ダナーがプルートの女みたいに肥大した乳首に舌を這わせた。乳頭をチロチロと舌先で擽られ、乳首全体をコロコロと転がすように舐められ、ちゅくちゅくと微かな音を立てて吸われる。
プルートは確信した。絶対ダナーはセックスが上手い。力加減が本当に絶妙なのだ。気持ちよさしか感じない。プルートは笑いながら喘ぎ、ダナーの短く整えている髪をわしゃわしゃと撫で回した。
両方の乳首を唇と舌と指で弄られまくり、プルートは早くも蕩けていた。ちょっと乳首でイケちゃうかもしれないと思った程、ダナーの乳首弄りは最高だった。
プルートは負けじとダナーに声をかけ、胡座をかいて座ったダナーの股間に顔を埋めた。薄いガウンを押し上げているダナーのペニスはかなり大きい。少なくともダッドと同じくらいである。プルートは自分の口内に涎が溜まるのを感じた。
薄いガウンの上からすりすりとダナーのペニスを撫でると、ダナーが熱い溜め息を吐いた。いざ、ご開帳である。股間を覆っている薄いガウンをはだければ、しっかりと勃起したダナーのペニスが姿を現した。若い子のような急な角度ではないが、皮がズル剥けの大きな亀頭も血管が微かに浮いている太くて長い竿もずっしりとした大きな陰嚢も、とても魅力的で美味しそうだ。
プルートはダナーを目だけで見上げながら、ねっとりと横からペニスの裏筋に舌を這わせた。張り出したカリを丁寧に舐め、先走りが滲む亀頭を舐め回し、尿道口を舌先で擽って、竿に何度も優しくキスをする。
大きく口を開けて、パクンと亀頭を咥えたら、頬を窄めるようにして優しく吸いながら飲み込めるところまでダナーのペニスを飲み込んでいく。舌を這わせながら、頭を上下に動かして唇でダナーのペニスを扱けば、上から掠れた低い喘ぎ声が聞こえてきた。体勢的に陰嚢を舐めるのはやりにくいので、じゅぽじゅぽとわざと音を立てながらペニスを唇で扱きつつ、ずっしりとした大きな陰嚢も手でふにふにと優しく揉んでやる。先走りの味がどんどん濃くなっていく。
喉奥で締めるようなイメージでダナーのペニスを吸うと、ダナーの手がプルートの頭に触れ、やんわりとペニスから口を離させられた。あと少しでイキそうな感じがしていたのに。濡れた唇を舐めながらダナーを見上げれば、ダナーは目元を淡く赤く染めて、荒い息を吐いていた。
「出そうだから」
「出してもいいよ」
「若い子みたいに何度も出せないんだ」
「ははっ。僕もだよ」
プルートは笑いながら、くりくりと濡れた亀頭を指先で悪戯に擦った。
ダナーに促されて、プルートは仰向けに寝転がった。そのまま、ダナーの手でぐいっとチンぐり返しの体勢にされる。地味にキツい体勢だが、嫌いじゃない。
ダナーがじっとプルートを見つめながら、プルートのアナルに舌を這わせる様子が見えるのは非常に興奮する。アナルを舌で穿られながら、ペニスを手で扱かれる。プルートは自分の足首を強く掴んで、堪らず喘いだ。やっぱりダナーはセックスが上手い。舌使いもペニスを弄る手の動きも絶妙で、半端なく気持ちがいい。若い子の勢いある愛撫とは全然違う、ねちっこさすら感じる大人の愛撫に、プルートは笑いながら喘いだ。
指でアナルを解しながら、ひたすら前立腺を責められ、プルートはぐずぐずに蕩けていた。ペニスの根元をダナーの指で押さえられているので、射精したくても射精できない。既に一度指だけで中イキしている。中イキなんて久しぶり過ぎて、プルートは割と本気泣きで喘いでいた。ぐちぐちぐちぐちと、泡だったローションの濡れた音がプルートのアナルから響いている。
またイキそうな気配がして、プルートはこのまま何回イケるだろうかと、喘ぎながら笑みを浮かべた。
ずるぅっと唐突にアナルを弄りまくっていたダナーの指が抜け、すぐに熱く固いものがぐずぐずに蕩けているプルートのアナルにくっついたかと思えば、ダナーの太くて長い固いペニスが、一番奥、結腸にまで一気に勢いよく押し込まれた。
「ぃあぁぁぁぁっ!?」
プルートはあまりの快感と衝撃に頭の中が真っ白になり、そのまま、びゅるるるるっと精液を吐き出した。自分の熱い精液が顔にもかかる。ビクビクンッと身体を震わせるプルートの太腿を掴み、ダナーが上からペニスを突き刺したまま、ゆっくりと動き始めた。
プルートはサリオにさらっと事情を話して、サリオと腕を組んだまま、ダナーの元へ向かった。
「やぁ。ダナー。待ち合わせに来ないと思ったら、こんな所にいたのかい?」
「今日は3人で遊ぶ約束でしょ」
「え、あ……」
「そういうことだから、ごめんね。坊や。この人は連れて行くから」
「えー!あっ!おじさん達も僕の所で遊んでいきなよ。天国に連れて行ってあげる」
「それはまたの機会にするよ。ダナー。行こう」
「あ、あぁ」
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「その……2人ともありがとう。助かりました」
「いやいや。なんか困ってたみたいだったから」
「おじさんの知り合いって聞いたんで」
「……2人は、その、恋人?」
「違うよ」
「遊び相手かな」
「……そう」
ダナーがなんだか迷うような顔をした後、プルートを見て、口を開いた。
「俺もできたら遊び相手が欲しいんだが、誰か紹介してもらえないだろうか」
「おや」
「おじさん。お金はある?『パパ活』って結構お金かかるよ?」
「『パパ活』?」
「若い子とデートやセックスをして、お小遣いをあげるんだ。それが『パパ活』」
「……それは普通に売春では」
「法的には問題ないよ。相手が成人してればね」
「ついでに言うと、派手にやらなければ怖いお兄さん達にも目をつけられないよ」
「……なるほど」
「男娼を買うのじゃ物足りないのかな?」
「……どうしても気分転換がしたくて……男娼を買ってもいいが……もっと、こう……普通に遊びたいというか、楽しみたい」
「デートとかも含めて?」
「あぁ」
「ふーん」
プルートと腕を組んでいたサリオが、パァンと両手を合わせて、名案!みたいな顔をした。
「ねぇねぇ。おじさん」
「なんだい?サリー」
「おじさんがよければ、このおじさんと『パパ活』したら?」
「「へ?」」
「おじさん程楽しい人いないもん。こっちのおじさんに若い子を紹介してもいいけど、おじさんは楽しいことがしたいんでしょ?」
「あ、あぁ」
「じゃあ、おじさんがうってつけだ」
「サリー。サリー。こんなおじさん相手じゃダナーが気の毒だよ」
「そう?見た感じ、そんなにお金持ってるっぽくないし、お金出して『パパ活』するより、お金貰う方の『パパ活』の方がいいんじゃない?ていうか、一応おじさんより若いでしょ。このおじさん」
「まぁね。……さて、どうする?ダナー」
「あー……つまり、俺が貴方に買われるということか?」
「ちょっと違うね。デートやセックスをして、お小遣いをあげるんだよ」
「建前って大事だよねー」
「ねー」
「……そ、そうか」
ダナーが悩むように、眉間に皺を寄せた。少し前に老夫婦の家で見た時と同じか、それ以上に疲れた顔をしている。今夜はサリオと楽しむ予定だったが、ダナーさえ良ければ、ダナーでも別に構わない。
サリオがするりと腕をとき、悩むダナーの背後に回って、ぐいっとプルートの方へダナーの背中を押した。
「悩むくらいなら飛び込んでみなよ。おじさんは本当に楽しい人だから。おじさん。今回はこっちのおじさんに譲ってあげるから、また連絡するね」
「うん。連絡待ってるよ。サリー。今日はありがとう。デート楽しかったよ」
「あはっ。俺も楽しかった。またね」
戸惑っているダナーを残し、明るい笑顔を見せてサリオは去っていった。さて。これからどうしよう。
プルートは困惑した顔をしているダナーと向き合った。
「ダナー。どうする?僕と遊ぶかい?」
「……遊ぶ」
「そう。じゃあ、デートって時間じゃないし、セックスをして遊ぼうか」
「あ、あぁ」
「あ、君は男を抱いたことある?」
「若い頃に何度か」
「あぁ。それならよかった。じゃあ、行こうか」
「……貴方は俺でいいのか。若い子がいいんじゃないのか」
「んー。まぁ、たまには趣向を変えてみるのも楽しいかなぁと。それに」
「それに?」
「君、本当に疲れた顔してるよ。離婚する前の僕みたい」
「……そんなに疲れた顔をしてるか?俺」
「うん。それはもう」
「……そうか……プルートさん」
「ん?」
「俺と遊んでもらえないだろうか」
「いいよ。一緒に楽しもう。今だけ全部忘れてさ」
「あぁ」
ダナーがなんだか泣きそうな顔で笑った。
プルートはダナーと一緒に、すっかり馴染みになっている連れ込み宿に入った。ここ1年、10代20代の男としかセックスをしていない。同年代の男は、どんなセックスをするのだろうか。プルートは少しワクワクしながら、部屋に入るなり、少し背が高いダナーに触れるだけのキスをして、先にシャワーを浴びに行った。
ダナーがシャワーを使っている間、プルートはベッドに寝転がって、ぼんやりと天井を見上げた。同年代の男とセックスをする日がくるとは思っていなかった。楽しみなのが半分、なんとなく不安なのが半分だ。不安なのは、元旦那を思い出すかもしれないことだ。もし、元旦那と上手くいっていたらと、ありもしない『もし』を考えてしまうかもしれない。
歳は近いが、元旦那とダナーは違う。
プルートは頭を切り替えて、シャワー室から出てきたダナーを手招きして、ベッドに誘った。
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ぼふんっとダナーが後ろにプルートごと倒れる。
「うわっ!?」
「ははっ。ダナー。緊張してるだろう」
「……緊張というか……戸惑ってる」
「なんで?」
「……子供がいるのに、こんな事してていいのかとか」
プルートはくっついていた身体を少し離して、ダナーの顔を見下ろした。ダナーは端正な男前の顔立ちをしているが、今は疲れの色が濃く、実年齢よりも老けて見える。
「今夜だけ全部忘れよう。仕事も子供のことも別れた奥さんのことも」
「…………」
「簡単なことだよ。快感をただ楽しめばいい。それは悪いことじゃない。今の君に一番必要なのは、気分転換と休息だよ」
「…………セックスをするのは5年ぶりなんだ。貴方を楽しませる自信がない」
「僕だけ楽しんでどうするのさ。君も一緒に楽しまなきゃ。遊ぶって、そういうことだろう?」
「そう……なのか?」
「そうだよ」
プルートは微笑んで、まだ迷っているような顔のダナーの唇に触れるだけのキスをした。ダナーの下唇にねっとりと舌を這わせ、鼻と鼻を擦り合わせる。
「一緒に気持ちよくなろう。ダナー」
「……あぁ」
プルートがダナーの唇を優しく吸うと、ダナーもプルートの唇を同じくらいの力加減で吸ってくれた。何度も何度も互いの唇を吸い合い、ごく自然に舌を絡めあった。お互いの口内をじっくりと味わうように舐め合って、混ざり合う唾液を啜り合い、吐息も混ぜ合う。
プルートが腰をくねらせてダナーの下腹部に自分の下腹部を押しつけると、ダナーの股間が固くなっていた。プルートでも勃起してくれて何よりである。
プルートはふふっと笑って、半勃ちの自分のペニスを薄いガウン越しにダナーのペニスに押しつけた。
ダナーの腕がプルートの身体を抱きしめたかと思えば、そのままくるりと回り、今度はプルートが押し倒される形になった。間近に見えるダナーの胡桃のような柔らかい色の瞳が、熱を孕んでいた。
プルートは楽しくなってきて、クックッと笑いながら、ダナーの唇を吸った。
ダナーの大きな手がプルートが着ている薄いガウンをはだけ、ダナーがプルートの肌に舌を這わせ始めた。熱いぬるついた舌が、プルートの耳朶や首筋を這い回り、時折、少し強めに吸いつかれる。触れるか触れないかの絶妙なタッチで肌を撫で回されながら、ダナーがプルートの女みたいに肥大した乳首に舌を這わせた。乳頭をチロチロと舌先で擽られ、乳首全体をコロコロと転がすように舐められ、ちゅくちゅくと微かな音を立てて吸われる。
プルートは確信した。絶対ダナーはセックスが上手い。力加減が本当に絶妙なのだ。気持ちよさしか感じない。プルートは笑いながら喘ぎ、ダナーの短く整えている髪をわしゃわしゃと撫で回した。
両方の乳首を唇と舌と指で弄られまくり、プルートは早くも蕩けていた。ちょっと乳首でイケちゃうかもしれないと思った程、ダナーの乳首弄りは最高だった。
プルートは負けじとダナーに声をかけ、胡座をかいて座ったダナーの股間に顔を埋めた。薄いガウンを押し上げているダナーのペニスはかなり大きい。少なくともダッドと同じくらいである。プルートは自分の口内に涎が溜まるのを感じた。
薄いガウンの上からすりすりとダナーのペニスを撫でると、ダナーが熱い溜め息を吐いた。いざ、ご開帳である。股間を覆っている薄いガウンをはだければ、しっかりと勃起したダナーのペニスが姿を現した。若い子のような急な角度ではないが、皮がズル剥けの大きな亀頭も血管が微かに浮いている太くて長い竿もずっしりとした大きな陰嚢も、とても魅力的で美味しそうだ。
プルートはダナーを目だけで見上げながら、ねっとりと横からペニスの裏筋に舌を這わせた。張り出したカリを丁寧に舐め、先走りが滲む亀頭を舐め回し、尿道口を舌先で擽って、竿に何度も優しくキスをする。
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喉奥で締めるようなイメージでダナーのペニスを吸うと、ダナーの手がプルートの頭に触れ、やんわりとペニスから口を離させられた。あと少しでイキそうな感じがしていたのに。濡れた唇を舐めながらダナーを見上げれば、ダナーは目元を淡く赤く染めて、荒い息を吐いていた。
「出そうだから」
「出してもいいよ」
「若い子みたいに何度も出せないんだ」
「ははっ。僕もだよ」
プルートは笑いながら、くりくりと濡れた亀頭を指先で悪戯に擦った。
ダナーに促されて、プルートは仰向けに寝転がった。そのまま、ダナーの手でぐいっとチンぐり返しの体勢にされる。地味にキツい体勢だが、嫌いじゃない。
ダナーがじっとプルートを見つめながら、プルートのアナルに舌を這わせる様子が見えるのは非常に興奮する。アナルを舌で穿られながら、ペニスを手で扱かれる。プルートは自分の足首を強く掴んで、堪らず喘いだ。やっぱりダナーはセックスが上手い。舌使いもペニスを弄る手の動きも絶妙で、半端なく気持ちがいい。若い子の勢いある愛撫とは全然違う、ねちっこさすら感じる大人の愛撫に、プルートは笑いながら喘いだ。
指でアナルを解しながら、ひたすら前立腺を責められ、プルートはぐずぐずに蕩けていた。ペニスの根元をダナーの指で押さえられているので、射精したくても射精できない。既に一度指だけで中イキしている。中イキなんて久しぶり過ぎて、プルートは割と本気泣きで喘いでいた。ぐちぐちぐちぐちと、泡だったローションの濡れた音がプルートのアナルから響いている。
またイキそうな気配がして、プルートはこのまま何回イケるだろうかと、喘ぎながら笑みを浮かべた。
ずるぅっと唐突にアナルを弄りまくっていたダナーの指が抜け、すぐに熱く固いものがぐずぐずに蕩けているプルートのアナルにくっついたかと思えば、ダナーの太くて長い固いペニスが、一番奥、結腸にまで一気に勢いよく押し込まれた。
「ぃあぁぁぁぁっ!?」
プルートはあまりの快感と衝撃に頭の中が真っ白になり、そのまま、びゅるるるるっと精液を吐き出した。自分の熱い精液が顔にもかかる。ビクビクンッと身体を震わせるプルートの太腿を掴み、ダナーが上からペニスを突き刺したまま、ゆっくりと動き始めた。
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