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11:いつか、木漏れ日の中でキスを
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エーベルハルトは、仰け反るように天井を見上げながら、ビクンビクンと身体を震わせ、ぴゅっと少量の薄い精液をペニスから吐き出した。もう何度イッたか分からない。何度も体位を変えて、ヘルマンと絡み合って、今は騎乗位で、ヘルマンよりも先にイッてしまった。
はぁー、はぁー、と大きな荒い息を吐きながら、エーベルハルトは、ヘルマンをイカせるべく、獰猛な熱を孕んだままのヘルマンを見下ろして、ヘルマンの身体の両側に手をつき、尻を上下に振るように腰を動かして、アナルでヘルマンのペニスを扱き始めた。ヘルマンの顔が気持ちよさそうに歪む。正直、もう何も出ないし、勃起もしそうにないが、その顔を見ているだけで、なんだかイケそうな気がしてくる。ヘルマンがエーベルハルトの尻肉を強く掴み、エーベルハルトの動きに合わせて、ガンガン下から突き上げてきた。腹の奥深くを突き上げられる度に、頭の中が真っ白になって、目の裏がチカチカするような強烈な快感に襲われる。エーベルハルトは、だらしない声を上げながら、意識して、アナルにきゅっと力を入れた。一際強く腹の奥深くを突き上げられる。腹の中で、ヘルマンのペニスがほんの微かにぴくぴく震えて、射精しているのが、なんとなく分かる。
エーベルハルトは、ヘルマンと同時に大きな息を吐いた。何度もイッて疲れ果てた身体をぐったりとヘルマンの身体に預ければ、ヘルマンがエーベルハルトの身体を抱きしめ、エーベルハルトの頬にキスをした。エーベルハルトがヘルマンの唇にキスをすると、戯れ合うように、ちゅっ、ちゅっとキスをされる。
エーベルハルトは、ヘルマンの手に促されて、ゆっくりと腰を上げ、アナルの中からヘルマンの萎えたペニスを引き抜いた。力が入らない身体をごろんとヘルマンのすぐ隣に横たえる。のろのろとヘルマンの方へ寝返りをうてば、ヘルマンもエーベルハルトの方へ寝返りをうって、エーベルハルトの腰を撫で回しながら、鼻先や唇に何度もキスをしてくれた。まだ、アナルの中に何か入っているような感覚がする。閉じ切らないアナルから、こぽっとヘルマンの精液が溢れ出たのも分かってしまう。眼鏡が邪魔だが、外そうとする度に、ヘルマンに眼鏡をつけさせられた。横になっている時に眼鏡をかけていると、フレームが歪んだりするので、いい加減、眼鏡を外したい。
エーベルハルトが、ぼんやりそんなことを考えていると、ヘルマンが、よっと腹筋だけで起き上がった。エーベルハルトも、重怠い身体で、のろのろと起き上がった。
カーテンを開けたままの窓の外を見れば、もう夕方になっている。本当に、一体何時間セックスしていたのだろうか。
乱れたシーツの上に胡座をかいて座ったヘルマンが、快感の余韻でぼんやりしているエーベルハルトに声をかけてきた。
「動けるか?」
「……なんとか?」
「なら、シャワーを浴びるぞ。思いっきり中に出したから、早めに掻き出さねぇと」
「あ、はい」
「エーベルハルト」
「はい」
「次の休みに新居を見に行くぞ」
「……はい?」
「同棲するんだろ?」
「します!」
「いい家を探して、さっさと引っ越すぞ。風呂場は広い方がいい。お前、料理はできるか」
「……野戦料理なら、なんとか」
「お前もか。俺もだ。ま、料理はおいおい2人で覚えるぞ」
「は、はい」
「エーベルハルト」
「はい」
「俺が引退したらよ。田舎に引っ越して、のんびり退屈な余生を過ごそうぜ」
「……ヘルマン曹長」
「なんだ」
「いつか……いつか、故郷の森の木漏れ日の中で、俺にキスをしてください」
「いくらでもしてやるよ」
ヘルマンが、見たことがないくらい優しい顔で笑った。エーベルハルトは、今にも溢れ出そうな涙を堪えて、ヘルマンに真正面から抱きついた。ヘルマンは、痛い程強く、エーベルハルトの身体を抱きしめてくれた。
ーーーーーー
エーベルハルトは、杖をついたヘルマンと一緒に、日課である散歩に出ていた。季節は春の終わり頃で、柔らかい春の日差しが、森の中の木々の葉っぱの間から優しく降り注いでいる。
エーベルハルトは、皺くちゃになったヘルマンの温かい手を握ってゆるく振りながら、すぐ隣を歩くヘルマンに声をかけた。
「ヘルマンさん。今夜は何を作ります?」
「あー。俺は魚の気分だ」
「じゃあ、散歩から帰ったら、魚を買いに行きましょうか」
「おう。市場に苺があるといいな。そろそろ時期だろう」
「あったら買いましょうね。デザートです。いっぱい売ってたら、沢山買って、明日にでもジャムを作りましょうよ」
「いいぞ」
エーベルハルトは、皺くちゃになったヘルマンと顔を見合わせて、穏やかに笑った。
ヘルマンが軍を引退する年に、エーベルハルトも軍を辞めた。2人で、エーベルハルトの故郷である田舎の小さな町の町外れの家に引っ越した。家の近くには森があり、晴れた日は毎日、2人で手を繋いで、森の中を散歩するのが日課になっている。
エーベルハルトが、柔らかい春の風に目を細めていると、ヘルマンがエーベルハルトを呼んだ。ヘルマンの方へ顔を向ければ、ヘルマンがエーベルハルトの腰を抱いて、エーベルハルトの唇に触れるだけのキスをした。
エーベルハルトは、照れ臭くて、でも嬉しくて、唇を触れ合わせたまま、ふふっと笑った。
お互いに60を過ぎたが、ヘルマンは変わらずエーベルハルトを愛してくれている。エーベルハルトも、変わらずヘルマンのことを愛している。たとえ、別れがきても、きっとまた会える。確信は無いが、エーベルハルトはそう信じている。
今は、毎日毎日を大切に、2人で生きている。
エーベルハルトは、ヘルマンの頬にキスをすると、繋いだ手の指を絡めて、ぴったりとヘルマンに寄り添った。
(おしまい)
はぁー、はぁー、と大きな荒い息を吐きながら、エーベルハルトは、ヘルマンをイカせるべく、獰猛な熱を孕んだままのヘルマンを見下ろして、ヘルマンの身体の両側に手をつき、尻を上下に振るように腰を動かして、アナルでヘルマンのペニスを扱き始めた。ヘルマンの顔が気持ちよさそうに歪む。正直、もう何も出ないし、勃起もしそうにないが、その顔を見ているだけで、なんだかイケそうな気がしてくる。ヘルマンがエーベルハルトの尻肉を強く掴み、エーベルハルトの動きに合わせて、ガンガン下から突き上げてきた。腹の奥深くを突き上げられる度に、頭の中が真っ白になって、目の裏がチカチカするような強烈な快感に襲われる。エーベルハルトは、だらしない声を上げながら、意識して、アナルにきゅっと力を入れた。一際強く腹の奥深くを突き上げられる。腹の中で、ヘルマンのペニスがほんの微かにぴくぴく震えて、射精しているのが、なんとなく分かる。
エーベルハルトは、ヘルマンと同時に大きな息を吐いた。何度もイッて疲れ果てた身体をぐったりとヘルマンの身体に預ければ、ヘルマンがエーベルハルトの身体を抱きしめ、エーベルハルトの頬にキスをした。エーベルハルトがヘルマンの唇にキスをすると、戯れ合うように、ちゅっ、ちゅっとキスをされる。
エーベルハルトは、ヘルマンの手に促されて、ゆっくりと腰を上げ、アナルの中からヘルマンの萎えたペニスを引き抜いた。力が入らない身体をごろんとヘルマンのすぐ隣に横たえる。のろのろとヘルマンの方へ寝返りをうてば、ヘルマンもエーベルハルトの方へ寝返りをうって、エーベルハルトの腰を撫で回しながら、鼻先や唇に何度もキスをしてくれた。まだ、アナルの中に何か入っているような感覚がする。閉じ切らないアナルから、こぽっとヘルマンの精液が溢れ出たのも分かってしまう。眼鏡が邪魔だが、外そうとする度に、ヘルマンに眼鏡をつけさせられた。横になっている時に眼鏡をかけていると、フレームが歪んだりするので、いい加減、眼鏡を外したい。
エーベルハルトが、ぼんやりそんなことを考えていると、ヘルマンが、よっと腹筋だけで起き上がった。エーベルハルトも、重怠い身体で、のろのろと起き上がった。
カーテンを開けたままの窓の外を見れば、もう夕方になっている。本当に、一体何時間セックスしていたのだろうか。
乱れたシーツの上に胡座をかいて座ったヘルマンが、快感の余韻でぼんやりしているエーベルハルトに声をかけてきた。
「動けるか?」
「……なんとか?」
「なら、シャワーを浴びるぞ。思いっきり中に出したから、早めに掻き出さねぇと」
「あ、はい」
「エーベルハルト」
「はい」
「次の休みに新居を見に行くぞ」
「……はい?」
「同棲するんだろ?」
「します!」
「いい家を探して、さっさと引っ越すぞ。風呂場は広い方がいい。お前、料理はできるか」
「……野戦料理なら、なんとか」
「お前もか。俺もだ。ま、料理はおいおい2人で覚えるぞ」
「は、はい」
「エーベルハルト」
「はい」
「俺が引退したらよ。田舎に引っ越して、のんびり退屈な余生を過ごそうぜ」
「……ヘルマン曹長」
「なんだ」
「いつか……いつか、故郷の森の木漏れ日の中で、俺にキスをしてください」
「いくらでもしてやるよ」
ヘルマンが、見たことがないくらい優しい顔で笑った。エーベルハルトは、今にも溢れ出そうな涙を堪えて、ヘルマンに真正面から抱きついた。ヘルマンは、痛い程強く、エーベルハルトの身体を抱きしめてくれた。
ーーーーーー
エーベルハルトは、杖をついたヘルマンと一緒に、日課である散歩に出ていた。季節は春の終わり頃で、柔らかい春の日差しが、森の中の木々の葉っぱの間から優しく降り注いでいる。
エーベルハルトは、皺くちゃになったヘルマンの温かい手を握ってゆるく振りながら、すぐ隣を歩くヘルマンに声をかけた。
「ヘルマンさん。今夜は何を作ります?」
「あー。俺は魚の気分だ」
「じゃあ、散歩から帰ったら、魚を買いに行きましょうか」
「おう。市場に苺があるといいな。そろそろ時期だろう」
「あったら買いましょうね。デザートです。いっぱい売ってたら、沢山買って、明日にでもジャムを作りましょうよ」
「いいぞ」
エーベルハルトは、皺くちゃになったヘルマンと顔を見合わせて、穏やかに笑った。
ヘルマンが軍を引退する年に、エーベルハルトも軍を辞めた。2人で、エーベルハルトの故郷である田舎の小さな町の町外れの家に引っ越した。家の近くには森があり、晴れた日は毎日、2人で手を繋いで、森の中を散歩するのが日課になっている。
エーベルハルトが、柔らかい春の風に目を細めていると、ヘルマンがエーベルハルトを呼んだ。ヘルマンの方へ顔を向ければ、ヘルマンがエーベルハルトの腰を抱いて、エーベルハルトの唇に触れるだけのキスをした。
エーベルハルトは、照れ臭くて、でも嬉しくて、唇を触れ合わせたまま、ふふっと笑った。
お互いに60を過ぎたが、ヘルマンは変わらずエーベルハルトを愛してくれている。エーベルハルトも、変わらずヘルマンのことを愛している。たとえ、別れがきても、きっとまた会える。確信は無いが、エーベルハルトはそう信じている。
今は、毎日毎日を大切に、2人で生きている。
エーベルハルトは、ヘルマンの頬にキスをすると、繋いだ手の指を絡めて、ぴったりとヘルマンに寄り添った。
(おしまい)
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