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71:永遠の愛を誓う
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冬華祭で思いっきり食い倒れて、楽しかったダンテの誕生日パーティーも終わり、今日はいよいよ、結婚式である。
朝早くに起きて、バタバタと家事を終わらせると、結婚式用の衣装を持って、祥平は、ダンテと2人で急いで神殿に向かった。
結婚式が行われる大広間の側にある個室で、結婚式用のアオザイもどきに着替える。祥平のアオザイもどきは、ダンテの髪色にそっくりな濃い緑色で、華やかな刺繍が施されていた。ダンテに手伝ってもらって着ると、以前、買ってもらったものよりも、着心地がいい。一から作らせた服ってすごい。ダンテも、黒いアオザイもどきに着替えた。この日の為に、お互い、前髪を伸ばしていた。前髪を整髪剤できっちり上げたダンテは、問答無用で格好いい。祥平も、ダンテがオールバックにしてくれた。個室にあった洗面台で手を洗ったダンテが、祥平の上から下まで眺めて、嬉しそうに、おっとりと笑った。
「うん。すごく似合ってる」
「ダンテさんも格好いいですよ」
「ありがとう。ちょっと、皆に見せるのが勿体無いなぁ。特に竜騎士の連中に」
「ビリニオ様以外は、竜騎士の人に会ったことが無いので、割と楽しみですね」
「そう? 変な絡まれ方したら、鉄拳制裁するから、ちゃんと言ってね」
「結婚式で鉄拳制裁は流石にちょっと? 後日の訓練の時にでもやってください」
「いや、躾はその場でやらないと」
「そんなもんですか」
のんびり話していると、部屋のドアがノックされ、パラス・ニー夫婦と、ドーラ、ミミーナが入ってきた。
ドーラは、ほんのりクリーム色がかった白いアオザイもどきを着ていた。繊細で華やかな刺繍が施してある。髪も、右の方でゆるい三つ編みにしており、今年の冬華祭で買ったお土産の髪飾りを着けてくれていた。
ミミーナは、落ち着いた色合いの上品なワンピースを着ている。いつもはお団子にしている白髪混じりの赤い髪は、今日は下ろしてあり、キレイに巻いてあった。普段はしない化粧もしていて、とても華やかである。これは確実に若い頃モテたなと、祥平は確信した。
「わぁ! 2人とも素敵よ!」
「ありがとう。ドーラちゃん。その服、すごく似合ってるよ」
「ありがとう。ダンテさん。パーティーの時に、うっかり汚さないか、今からドキドキしてるわ」
「ははっ! 大丈夫でしょー。多分。ドーラちゃん、本当に可愛いなぁ。ミミーナさんも素敵だし、今すぐ魔導撮影機が欲しいー!!」
「あるぞ」
「あるんですか!? さっすが! お祖父ちゃん!!」
「神官に撮ってもらおう。記念の家族写真だ。ミミーナも一緒でいいだろう? ショーヘイにとっては、もうこちらの母のようなものだろう」
「お祖父ちゃん、分かってるぅ! ということで、ミミーナさんも一緒に写真を撮ってもらいましょうよ」
「まぁまぁ。それじゃあ、ご一緒させていただくわ」
祥平は、ダンテと並んで、真ん中に立った。その周りに、パラス夫婦やドーラ、ミミーナが並ぶ。控室担当の神官が、パラスが持ってきた魔導撮影機で、写真を撮ってくれた。何枚か、写真を撮り、後日、現像してくれるそうだ。写真を貰えるのが、今から楽しみである。
そろそろ時間ということで、先に、パラス達が部屋から出ていった。じわじわと緊張し始めるが、ダンテと手を繋いで、肩のピエリーを撫でていると、少しだけ緊張が和らぐ。
迎えの神官が来たので、祥平は、ダンテと手を繋いで、部屋から出た。ダンテも緊張しているのか、少しだけ表情が硬い。大広間に入る前に、扉の前で、祥平はダンテに声をかけた。
「ダンテさん。ちょっと屈んでください」
「え? うん」
素直に屈んでくれたダンテの唇に、背伸びをして、触れるだけのキスをした。顔を離れば、ダンテの顔が、面白いくらいに真っ赤に染まっていた。祥平は、ダンテを見上げて、へらっと笑った。
「いつもみたいに笑ってください。貴方の笑顔が大好きなので。俺もちょっとは緊張してますけど、今日は、単に、俺達が正式な家族になれる日です」
「……そうだね。ショーヘイ。ありがとう」
「いえいえ」
ダンテの頬はまだうっすら赤いが、ダンテがおっとりとした笑みを浮かべた。
大広間の扉が開き、ダンテと手を繋いで、大広間の中央に敷かれた白いカーペットの上を歩いていく。神官長の前で止まると、神官長が口を開いた。
「この度は、おめでとう。ショーヘイ。ダンテ殿。『神様からの贈り人』ショーヘイ。そなたは、今、幸せかな?」
「めちゃくちゃ幸せです!」
「ほっほっほ。そうか。それでは、長々と話をしても、つまらんだろう。神に永遠の愛を誓うといい」
神官長の言葉で、祥平は、ダンテと向かい合った。ダンテを見上げると、おっとりと笑って、ダンテが口を開いた。
「神様の御前にて、ショーヘイを一生愛し続けることを誓います」
「神様の御前にて、ダンテを一生愛し続けることを誓います」
「2人の愛に、大いなる祝福を!」
神官長の言葉で、わぁっと大きな拍手が湧き起こった。ダンテと手を繋いで周りを見れば、皆、笑顔で祝福してくれている。ディータだけは、祥平がプレゼントしたハンカチで、涙を拭っていた。
沢山の人に祝福されて、祥平は、ダンテと家族になった。この先、一生、ダンテとピエリーと寄り添って生きることになる。大変なこともあるだろうし、もしかしたら、喧嘩をすることもあるかもしれない。でも、ダンテとピエリーと一緒なら、きっと大丈夫だ。
祥平は、ダンテを見上げた。ダンテが祥平を見下ろして、祥平が大好きなおっとりとした笑みを浮かべた。祥平は、へらっと笑って、繋いだ手を振り上げた。
「俺達! ちょー幸せになりまーす!!」
祥平が大声で宣言すると、わっと笑い声と共に、更に拍手が大きくなった。ダンテも嬉しそうに笑っている。後ろでは、神官長の『ほっほっほ。よきかなよきかな』と呟く声が聞こえた。
祥平とダンテの結婚式は、沢山の笑顔で幕を閉じた。
別室に移動して、今度は結婚祝いパーティーである。離れの料理長は、パラスが離れから引っ越したので、自分の店を構えていた。ちょっと無理を言ってしまって申し訳なかったのだが、料理長は、大喜びで料理を作ると快諾してくれた。料理長も、いっぱい美味しそうに何でも食べてくれるダンテが、とても可愛かったらしい。『ダンテぼっちゃまの結婚パーティーのご馳走は、俺以外には作らせねぇ!』とまで、言ってくれた。
パーティーが始まると、まずは、ダンテの上司に挨拶に行った。竜騎士団長をしているという中年の男は、とてもダンディーで格好よかった。周りにいる竜騎士も、顔面偏差値が異様に高い。竜騎士は、顔が良くないとなれないものなのだろうか。
竜騎士団長や、他の同僚や先輩達、後輩や部下達から、沢山のお祝いの言葉を貰った。皆、温かく祝福してくれた。竜騎士団長から、新婚休暇ということで、ダンテは、明日から二ヶ月の休みを貰った。竜騎士が結婚する場合は、必ず貰えるものらしい。竜騎士団長から、祥平は、ある言葉を貰った。
『たとえ、喧嘩をしていても、竜騎士が任務に出る時は、笑顔で見送ってやってください。空は美しいが、危険なところでもある。空の上で、愛する者の笑顔を思い出せるように、どうか、いつも笑顔で送り出してください』
祥平は、その言葉を胸に刻んだ。祥平は、竜騎士の伴侶となったのだ。ちゃんと、竜騎士の伴侶として、ダンテを支えていかないといけない。
竜騎士達に挨拶が終わったので、今度は、ドーラ達の元へ向かった。ドーラ達は、美味しいご馳走をもりもり食べていた。祥平も、何よりダンテがお腹を空かせていたので、一緒に美味しいご馳走を食べつつ、お喋りをする。
「明日から、ダンテさんは二ヶ月、休みなんだって。新婚休暇」
「へぇー。いいじゃない。旅行にでも行ってくれば?」
「どうします? ダンテさん」
「んー。年越しの日は、お祖父様達と過ごしたいから、20日くらいの旅行に行ってみる? 海辺の町はどうだろう。もしかしたら、水着が買えるかも」
「「水着!!」」
「水着、めちゃくちゃ欲しいわ!」
「俺も欲しいです! ドーラちゃんやお祖父ちゃん達と、森の泉に行きたいなって話してて!」
「いいねぇ。じゃあ、私の休みを調節して、夏になったら皆で森に行こうか。水着を探さなきゃね」
「「やったー!」」
祥平は、笑顔でドーラとハイタッチをした。
夕方近くまで、パーティーは盛り上がった。ドーラは、とっても可愛らしい女の子なので、竜騎士の恋人なし独身の男から、何人か声をかけられていた。ドーラは、まだ恋人が欲しくないようで、適当にいなしていたが。
夕暮れに染まる道を、ミミーナも一緒に帰る。ミミーナが、とても嬉しそうに笑った。
「本当に素敵な結婚式でしたわ! 次はドーラちゃんの結婚式かしら」
「早くても、20歳で上級治癒魔法士の資格試験に合格してからですかねぇ。18歳で中級治癒魔法士の資格試験を受けて、その2年後に上級治癒魔法士の試験を受けるそうなんで。それまでは、今まで通り勉強漬けの毎日ですねぇ」
「まぁ。治癒魔法士になるのって、本当に大変なのね。お休みが合った日には、差し入れに行かなきゃ」
「ありがとうございます。ドーラちゃんがすごく喜びますー」
「ミミーナさん。とりあえず、明後日に旅行に出発するから、旅行中は、任務で不在の時と同じようにお願いします」
「はい。旦那様。かしこまりました。ふふっ。新婚旅行、思いっきり楽しんできてくださいな」
「美味しいものをもりもり食ってきます」
「海辺の町だと、やっぱり新鮮な海産物だよねぇ」
「結婚しても、色気より食い気ね」
ミミーナが可笑しそうに笑った。
祥平は、ミミーナを家に送り届けると、ダンテと腕を組んで手を繋いで、家に帰った。
2人と一匹で風呂に入り、早々とダンテの部屋に移動して、イチャイチャセックスの始まりである。
祥平は、気持ちよ過ぎてダンテに泣かされながらも、本当に幸せで、ダンテと見つめ合って、穏やかに笑った。
朝早くに起きて、バタバタと家事を終わらせると、結婚式用の衣装を持って、祥平は、ダンテと2人で急いで神殿に向かった。
結婚式が行われる大広間の側にある個室で、結婚式用のアオザイもどきに着替える。祥平のアオザイもどきは、ダンテの髪色にそっくりな濃い緑色で、華やかな刺繍が施されていた。ダンテに手伝ってもらって着ると、以前、買ってもらったものよりも、着心地がいい。一から作らせた服ってすごい。ダンテも、黒いアオザイもどきに着替えた。この日の為に、お互い、前髪を伸ばしていた。前髪を整髪剤できっちり上げたダンテは、問答無用で格好いい。祥平も、ダンテがオールバックにしてくれた。個室にあった洗面台で手を洗ったダンテが、祥平の上から下まで眺めて、嬉しそうに、おっとりと笑った。
「うん。すごく似合ってる」
「ダンテさんも格好いいですよ」
「ありがとう。ちょっと、皆に見せるのが勿体無いなぁ。特に竜騎士の連中に」
「ビリニオ様以外は、竜騎士の人に会ったことが無いので、割と楽しみですね」
「そう? 変な絡まれ方したら、鉄拳制裁するから、ちゃんと言ってね」
「結婚式で鉄拳制裁は流石にちょっと? 後日の訓練の時にでもやってください」
「いや、躾はその場でやらないと」
「そんなもんですか」
のんびり話していると、部屋のドアがノックされ、パラス・ニー夫婦と、ドーラ、ミミーナが入ってきた。
ドーラは、ほんのりクリーム色がかった白いアオザイもどきを着ていた。繊細で華やかな刺繍が施してある。髪も、右の方でゆるい三つ編みにしており、今年の冬華祭で買ったお土産の髪飾りを着けてくれていた。
ミミーナは、落ち着いた色合いの上品なワンピースを着ている。いつもはお団子にしている白髪混じりの赤い髪は、今日は下ろしてあり、キレイに巻いてあった。普段はしない化粧もしていて、とても華やかである。これは確実に若い頃モテたなと、祥平は確信した。
「わぁ! 2人とも素敵よ!」
「ありがとう。ドーラちゃん。その服、すごく似合ってるよ」
「ありがとう。ダンテさん。パーティーの時に、うっかり汚さないか、今からドキドキしてるわ」
「ははっ! 大丈夫でしょー。多分。ドーラちゃん、本当に可愛いなぁ。ミミーナさんも素敵だし、今すぐ魔導撮影機が欲しいー!!」
「あるぞ」
「あるんですか!? さっすが! お祖父ちゃん!!」
「神官に撮ってもらおう。記念の家族写真だ。ミミーナも一緒でいいだろう? ショーヘイにとっては、もうこちらの母のようなものだろう」
「お祖父ちゃん、分かってるぅ! ということで、ミミーナさんも一緒に写真を撮ってもらいましょうよ」
「まぁまぁ。それじゃあ、ご一緒させていただくわ」
祥平は、ダンテと並んで、真ん中に立った。その周りに、パラス夫婦やドーラ、ミミーナが並ぶ。控室担当の神官が、パラスが持ってきた魔導撮影機で、写真を撮ってくれた。何枚か、写真を撮り、後日、現像してくれるそうだ。写真を貰えるのが、今から楽しみである。
そろそろ時間ということで、先に、パラス達が部屋から出ていった。じわじわと緊張し始めるが、ダンテと手を繋いで、肩のピエリーを撫でていると、少しだけ緊張が和らぐ。
迎えの神官が来たので、祥平は、ダンテと手を繋いで、部屋から出た。ダンテも緊張しているのか、少しだけ表情が硬い。大広間に入る前に、扉の前で、祥平はダンテに声をかけた。
「ダンテさん。ちょっと屈んでください」
「え? うん」
素直に屈んでくれたダンテの唇に、背伸びをして、触れるだけのキスをした。顔を離れば、ダンテの顔が、面白いくらいに真っ赤に染まっていた。祥平は、ダンテを見上げて、へらっと笑った。
「いつもみたいに笑ってください。貴方の笑顔が大好きなので。俺もちょっとは緊張してますけど、今日は、単に、俺達が正式な家族になれる日です」
「……そうだね。ショーヘイ。ありがとう」
「いえいえ」
ダンテの頬はまだうっすら赤いが、ダンテがおっとりとした笑みを浮かべた。
大広間の扉が開き、ダンテと手を繋いで、大広間の中央に敷かれた白いカーペットの上を歩いていく。神官長の前で止まると、神官長が口を開いた。
「この度は、おめでとう。ショーヘイ。ダンテ殿。『神様からの贈り人』ショーヘイ。そなたは、今、幸せかな?」
「めちゃくちゃ幸せです!」
「ほっほっほ。そうか。それでは、長々と話をしても、つまらんだろう。神に永遠の愛を誓うといい」
神官長の言葉で、祥平は、ダンテと向かい合った。ダンテを見上げると、おっとりと笑って、ダンテが口を開いた。
「神様の御前にて、ショーヘイを一生愛し続けることを誓います」
「神様の御前にて、ダンテを一生愛し続けることを誓います」
「2人の愛に、大いなる祝福を!」
神官長の言葉で、わぁっと大きな拍手が湧き起こった。ダンテと手を繋いで周りを見れば、皆、笑顔で祝福してくれている。ディータだけは、祥平がプレゼントしたハンカチで、涙を拭っていた。
沢山の人に祝福されて、祥平は、ダンテと家族になった。この先、一生、ダンテとピエリーと寄り添って生きることになる。大変なこともあるだろうし、もしかしたら、喧嘩をすることもあるかもしれない。でも、ダンテとピエリーと一緒なら、きっと大丈夫だ。
祥平は、ダンテを見上げた。ダンテが祥平を見下ろして、祥平が大好きなおっとりとした笑みを浮かべた。祥平は、へらっと笑って、繋いだ手を振り上げた。
「俺達! ちょー幸せになりまーす!!」
祥平が大声で宣言すると、わっと笑い声と共に、更に拍手が大きくなった。ダンテも嬉しそうに笑っている。後ろでは、神官長の『ほっほっほ。よきかなよきかな』と呟く声が聞こえた。
祥平とダンテの結婚式は、沢山の笑顔で幕を閉じた。
別室に移動して、今度は結婚祝いパーティーである。離れの料理長は、パラスが離れから引っ越したので、自分の店を構えていた。ちょっと無理を言ってしまって申し訳なかったのだが、料理長は、大喜びで料理を作ると快諾してくれた。料理長も、いっぱい美味しそうに何でも食べてくれるダンテが、とても可愛かったらしい。『ダンテぼっちゃまの結婚パーティーのご馳走は、俺以外には作らせねぇ!』とまで、言ってくれた。
パーティーが始まると、まずは、ダンテの上司に挨拶に行った。竜騎士団長をしているという中年の男は、とてもダンディーで格好よかった。周りにいる竜騎士も、顔面偏差値が異様に高い。竜騎士は、顔が良くないとなれないものなのだろうか。
竜騎士団長や、他の同僚や先輩達、後輩や部下達から、沢山のお祝いの言葉を貰った。皆、温かく祝福してくれた。竜騎士団長から、新婚休暇ということで、ダンテは、明日から二ヶ月の休みを貰った。竜騎士が結婚する場合は、必ず貰えるものらしい。竜騎士団長から、祥平は、ある言葉を貰った。
『たとえ、喧嘩をしていても、竜騎士が任務に出る時は、笑顔で見送ってやってください。空は美しいが、危険なところでもある。空の上で、愛する者の笑顔を思い出せるように、どうか、いつも笑顔で送り出してください』
祥平は、その言葉を胸に刻んだ。祥平は、竜騎士の伴侶となったのだ。ちゃんと、竜騎士の伴侶として、ダンテを支えていかないといけない。
竜騎士達に挨拶が終わったので、今度は、ドーラ達の元へ向かった。ドーラ達は、美味しいご馳走をもりもり食べていた。祥平も、何よりダンテがお腹を空かせていたので、一緒に美味しいご馳走を食べつつ、お喋りをする。
「明日から、ダンテさんは二ヶ月、休みなんだって。新婚休暇」
「へぇー。いいじゃない。旅行にでも行ってくれば?」
「どうします? ダンテさん」
「んー。年越しの日は、お祖父様達と過ごしたいから、20日くらいの旅行に行ってみる? 海辺の町はどうだろう。もしかしたら、水着が買えるかも」
「「水着!!」」
「水着、めちゃくちゃ欲しいわ!」
「俺も欲しいです! ドーラちゃんやお祖父ちゃん達と、森の泉に行きたいなって話してて!」
「いいねぇ。じゃあ、私の休みを調節して、夏になったら皆で森に行こうか。水着を探さなきゃね」
「「やったー!」」
祥平は、笑顔でドーラとハイタッチをした。
夕方近くまで、パーティーは盛り上がった。ドーラは、とっても可愛らしい女の子なので、竜騎士の恋人なし独身の男から、何人か声をかけられていた。ドーラは、まだ恋人が欲しくないようで、適当にいなしていたが。
夕暮れに染まる道を、ミミーナも一緒に帰る。ミミーナが、とても嬉しそうに笑った。
「本当に素敵な結婚式でしたわ! 次はドーラちゃんの結婚式かしら」
「早くても、20歳で上級治癒魔法士の資格試験に合格してからですかねぇ。18歳で中級治癒魔法士の資格試験を受けて、その2年後に上級治癒魔法士の試験を受けるそうなんで。それまでは、今まで通り勉強漬けの毎日ですねぇ」
「まぁ。治癒魔法士になるのって、本当に大変なのね。お休みが合った日には、差し入れに行かなきゃ」
「ありがとうございます。ドーラちゃんがすごく喜びますー」
「ミミーナさん。とりあえず、明後日に旅行に出発するから、旅行中は、任務で不在の時と同じようにお願いします」
「はい。旦那様。かしこまりました。ふふっ。新婚旅行、思いっきり楽しんできてくださいな」
「美味しいものをもりもり食ってきます」
「海辺の町だと、やっぱり新鮮な海産物だよねぇ」
「結婚しても、色気より食い気ね」
ミミーナが可笑しそうに笑った。
祥平は、ミミーナを家に送り届けると、ダンテと腕を組んで手を繋いで、家に帰った。
2人と一匹で風呂に入り、早々とダンテの部屋に移動して、イチャイチャセックスの始まりである。
祥平は、気持ちよ過ぎてダンテに泣かされながらも、本当に幸せで、ダンテと見つめ合って、穏やかに笑った。
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