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61:忙しない冬
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祥平は、ピエリーの腹に顔を埋めて、すーはーすーはーとピエリーを吸い、ピエリーを撫でまくると、少しだけ背伸びして、ダンテの肩に、ご機嫌なピエリーを乗せた。
「今日は会議があるから、ちょっと遅くなるかも。先に晩ご飯を食べてていいよ」
「待ってますよ。一緒に食いたいから」
「そう? できるだけ早く帰るね」
「はい。いってらっしゃい。気をつけて」
「ありがとう。いってきます」
ダンテが、嬉しそうにおっとりと笑って、玄関のドアから出ていった。玄関先に出て、足早に出勤していくダンテの背中を見送ると、祥平は脱衣場へと向かった。洗濯物を仕掛けてから、庭のアルモン畑に水やりをする。わさわさ生えているアルモンにジョウロで水をかけながら、祥平は、なんとなく溜め息を吐いた。
アナル拡張を始めて、早10日。昨夜も、ダンテにアナルを弄られまくった。太さが違う五本の大人の玩具のうち、昨夜は、二番目に細いバイブが入ってしまった。アナルの才能あり過ぎじゃないかと、自分自身に引くくらい、気持ちよくて堪らなかった。腹の奥深くをトントンされると、脳天に鋭い痛みが突き抜けるが、同時に、強烈過ぎる快感も突き抜ける。前立腺をダンテの器用な指で弄られると、それだけでぐずぐずになるし、恐らく結腸と思われる腹の奥深くを長いバイブで刺激されると、泣きじゃくりながら喘ぐことしかできなくなる。若干、不本意である。祥平的には、初なチェリーボーイ・ダンテをリードしてやるくらいのつもりだった。まさか、ここまで自分のアナルが弱いとは、計算外である。アナルの感度がよ過ぎる己に、なんとも複雑な心境になる。
あと14日程で、婚約記念パーティーがあり、ダンテの約20日の任務後には、冬華祭がある。その10日後は、ダンテの誕生日だ。ダンテの誕生日の半月後には、結婚式が控えている。結婚式の一ヶ月半後には、もう年越しの日がやってくる。今年の冬は、とても忙しない。
婚約記念パーティーの準備は、少しずつ進んでいる。ミミーナとドーラと一緒に、パーティーの料理を考えている最中だ。パーティーをやるのは数回目なので、割と慣れてきた感がある。ミミーナとドーラがとても張り切っているのが、嬉しくて、ちょっと照れくさい。
来年の冬華祭は、ダンテが仕事らしいので、今年の冬華祭は、来年の分まで、思いっきり楽しむつもりだ。防御力上げ上げで、食い倒れツアーをする予定である。ダンテへの誕生日プレゼントは、今年は手作りのハンカチを贈る。やっと納得ができるレベルのハンカチを作ることができた。ピエリーを模した刺繍も上手くできたし、割と自信作である。ハンカチ以外にも、何かプレゼントをあげたい気がするのだが、これ! といったものが思いつかない。いっそのこと、自分の首にリボンを着けて、『プレゼントは、わ・た・し』をやるのもアリかと思っている。ダンテの誕生日の頃には、アナルの拡張もそれなりに進んでいるだろう。
水やりとアルモンの種蒔きを終えて、家の中に入ると、ちょうど一回目の洗濯が終わっていた。洗濯籠に、洗い終わった洗濯物を入れていると、ミミーナが来た気配がした。パタパタと玄関に向かえば、お洒落なガナータを羽織ったミミーナがいた。
「おはようございます。ミミーナさん」
「おはよう。ショーヘイ。今朝は冷えたわねぇ」
「ですねぇ。でも、雲一つない快晴だから、洗濯物はめちゃくちゃ乾きそうです」
「そうね。お布団も干さなきゃ。たまには、客室のお布団も干さないとね」
「あー。ですね。急な来客の時が困りますね」
「えぇ。お掃除が終わったら、買い物ついでに、市場で、パーティーの目玉料理に使えそうな食材を探してみない? 今の時期に美味しいお魚とか」
「いいですねー。奮発して、お高いのを買っちゃうのもアリですね。美味しいもの食べたいです」
「ふふっ。お魚でいいのが無ければ、高級魔獣肉でもいいわねぇ。滅多に買わないし、たまにはいいわよね。折角のお祝い事だもの」
「ははっ。楽しみですね。じゃあ、サクッとやる事終わらせますか」
「えぇ。今日も1日頑張りましょうね」
「はい!」
祥平は、ミミーナと洗濯物や布団を干し、手分けをして、掃除を始めた。
掃除が終わり、市場で買い物をしながら、パーティー料理によさそうなものを物色していると、やけに可愛らしい顔の魚を見つけた。萌えアニメの女の子みたいな顔をしている。身体は普通に魚だから、素直に気持ちが悪い。祥平は、アニメ顔の魚を指差して、ミミーナに聞いてみた。
「ミミーナさん。何ですか? こいつ」
「あら。リリッタじゃない! これね、すっごく美味しいのよ!」
「どうやって食うんですか?」
「そうねぇ。ミーミルの実を振って焼いても美味しいけど、酒蒸しも捨てがたいわね」
「顔はつけたまま料理するんですか?」
「そうよ。その方が美味しい魚なの」
「マジか……ちょっと引いちゃうんですけど。この顔」
「そう? 今の時期が旬なお魚だし、パーティーの目玉料理はこれにしようかしら。旦那様は酒蒸しの方が好きだから、酒蒸しにしましょう」
「見た目はともかく、味は期待しておきます」
「とっても美味しいから、期待してて。試作をするには、ちょっとお高い魚だから、本番一発勝負でいきましょうか」
「はぁーい。頑張ります!」
「えぇ! あ、ケーキにいい果物も探さないと」
「今の時期は何が美味しいですか?」
「そうねぇ。ケーキにするなら、ナハマントとか……あ、アーレルも美味しいわね」
「アーレル! 好きです。ジュースが美味しいですよね」
「ケーキにしてもね、美味しいのよ。一度ジャムにしてからケーキに使うのだけど、爽やかな風味で、いくらでも食べられちゃいそうなくらいよ。クリームを添えても美味しいの」
「食ってみたいです!」
「じゃあ、アーレルのケーキも作りましょうね。ジャムにするから、今日のうちに買っておきましょうか」
「はーい」
初めて見る生のアーレルは、なんかドリアンっぽい見た目だった。その上、デカい。一個が祥平の顔よりもデカい。ミミーナが、二個買って、顔馴染みの初老の男に、大きな布袋に入れてもらっていた。祥平が布袋を受け取ると、ずっしりと重い。アーレルは、ライムみたいな香りがするから、小さめの果物かと思っていた。予想外のデカさと重さに、ちょっと驚いてしまう。
他にも必要なものを買うと、ミミーナと増えた荷物を分けっこしてから、ダンテの家に帰った。
昼食を一緒に作って食べたら、早速アーレルのジャムを作る。アーレルは、割と足が早いらしく、早めに加工した方がいいらしい。加工さえすれば、単純に絞ってジュースにするだけでも、日保ちするようになるという不思議果物である。
デカめの包丁で、なんとかアーレルを半分に切ると、ふわっとライムのような香りがした。表面はトゲトゲがついているが、皮自体は割と薄くて、中身は、まるでザクロみたいな感じだった。ミミーナに教えてもらいながら、アーレルの果肉をとって、鍋に入れて、砂糖を入れてから、煮始める。すぐに水分が出てきて、ふわふわと甘い匂いがし始めた。アーレルを煮込んでいる間に、ジャムを入れる瓶を煮沸消毒した。体感で1時間程で、アーレルのジャムは完成した。煮ている間に作ったペッタにつけて試食してみれば、ふわっとライムのような爽やかな香りが鼻に抜け、程よい甘酸っぱさが、なんとも美味しかった。これは、ダンテも好きそうだ。
祥平は、なんだかうきうきしながら、ミミーナと一緒に後片付けをして、庭仕事をしに、外に出た。
「今日は会議があるから、ちょっと遅くなるかも。先に晩ご飯を食べてていいよ」
「待ってますよ。一緒に食いたいから」
「そう? できるだけ早く帰るね」
「はい。いってらっしゃい。気をつけて」
「ありがとう。いってきます」
ダンテが、嬉しそうにおっとりと笑って、玄関のドアから出ていった。玄関先に出て、足早に出勤していくダンテの背中を見送ると、祥平は脱衣場へと向かった。洗濯物を仕掛けてから、庭のアルモン畑に水やりをする。わさわさ生えているアルモンにジョウロで水をかけながら、祥平は、なんとなく溜め息を吐いた。
アナル拡張を始めて、早10日。昨夜も、ダンテにアナルを弄られまくった。太さが違う五本の大人の玩具のうち、昨夜は、二番目に細いバイブが入ってしまった。アナルの才能あり過ぎじゃないかと、自分自身に引くくらい、気持ちよくて堪らなかった。腹の奥深くをトントンされると、脳天に鋭い痛みが突き抜けるが、同時に、強烈過ぎる快感も突き抜ける。前立腺をダンテの器用な指で弄られると、それだけでぐずぐずになるし、恐らく結腸と思われる腹の奥深くを長いバイブで刺激されると、泣きじゃくりながら喘ぐことしかできなくなる。若干、不本意である。祥平的には、初なチェリーボーイ・ダンテをリードしてやるくらいのつもりだった。まさか、ここまで自分のアナルが弱いとは、計算外である。アナルの感度がよ過ぎる己に、なんとも複雑な心境になる。
あと14日程で、婚約記念パーティーがあり、ダンテの約20日の任務後には、冬華祭がある。その10日後は、ダンテの誕生日だ。ダンテの誕生日の半月後には、結婚式が控えている。結婚式の一ヶ月半後には、もう年越しの日がやってくる。今年の冬は、とても忙しない。
婚約記念パーティーの準備は、少しずつ進んでいる。ミミーナとドーラと一緒に、パーティーの料理を考えている最中だ。パーティーをやるのは数回目なので、割と慣れてきた感がある。ミミーナとドーラがとても張り切っているのが、嬉しくて、ちょっと照れくさい。
来年の冬華祭は、ダンテが仕事らしいので、今年の冬華祭は、来年の分まで、思いっきり楽しむつもりだ。防御力上げ上げで、食い倒れツアーをする予定である。ダンテへの誕生日プレゼントは、今年は手作りのハンカチを贈る。やっと納得ができるレベルのハンカチを作ることができた。ピエリーを模した刺繍も上手くできたし、割と自信作である。ハンカチ以外にも、何かプレゼントをあげたい気がするのだが、これ! といったものが思いつかない。いっそのこと、自分の首にリボンを着けて、『プレゼントは、わ・た・し』をやるのもアリかと思っている。ダンテの誕生日の頃には、アナルの拡張もそれなりに進んでいるだろう。
水やりとアルモンの種蒔きを終えて、家の中に入ると、ちょうど一回目の洗濯が終わっていた。洗濯籠に、洗い終わった洗濯物を入れていると、ミミーナが来た気配がした。パタパタと玄関に向かえば、お洒落なガナータを羽織ったミミーナがいた。
「おはようございます。ミミーナさん」
「おはよう。ショーヘイ。今朝は冷えたわねぇ」
「ですねぇ。でも、雲一つない快晴だから、洗濯物はめちゃくちゃ乾きそうです」
「そうね。お布団も干さなきゃ。たまには、客室のお布団も干さないとね」
「あー。ですね。急な来客の時が困りますね」
「えぇ。お掃除が終わったら、買い物ついでに、市場で、パーティーの目玉料理に使えそうな食材を探してみない? 今の時期に美味しいお魚とか」
「いいですねー。奮発して、お高いのを買っちゃうのもアリですね。美味しいもの食べたいです」
「ふふっ。お魚でいいのが無ければ、高級魔獣肉でもいいわねぇ。滅多に買わないし、たまにはいいわよね。折角のお祝い事だもの」
「ははっ。楽しみですね。じゃあ、サクッとやる事終わらせますか」
「えぇ。今日も1日頑張りましょうね」
「はい!」
祥平は、ミミーナと洗濯物や布団を干し、手分けをして、掃除を始めた。
掃除が終わり、市場で買い物をしながら、パーティー料理によさそうなものを物色していると、やけに可愛らしい顔の魚を見つけた。萌えアニメの女の子みたいな顔をしている。身体は普通に魚だから、素直に気持ちが悪い。祥平は、アニメ顔の魚を指差して、ミミーナに聞いてみた。
「ミミーナさん。何ですか? こいつ」
「あら。リリッタじゃない! これね、すっごく美味しいのよ!」
「どうやって食うんですか?」
「そうねぇ。ミーミルの実を振って焼いても美味しいけど、酒蒸しも捨てがたいわね」
「顔はつけたまま料理するんですか?」
「そうよ。その方が美味しい魚なの」
「マジか……ちょっと引いちゃうんですけど。この顔」
「そう? 今の時期が旬なお魚だし、パーティーの目玉料理はこれにしようかしら。旦那様は酒蒸しの方が好きだから、酒蒸しにしましょう」
「見た目はともかく、味は期待しておきます」
「とっても美味しいから、期待してて。試作をするには、ちょっとお高い魚だから、本番一発勝負でいきましょうか」
「はぁーい。頑張ります!」
「えぇ! あ、ケーキにいい果物も探さないと」
「今の時期は何が美味しいですか?」
「そうねぇ。ケーキにするなら、ナハマントとか……あ、アーレルも美味しいわね」
「アーレル! 好きです。ジュースが美味しいですよね」
「ケーキにしてもね、美味しいのよ。一度ジャムにしてからケーキに使うのだけど、爽やかな風味で、いくらでも食べられちゃいそうなくらいよ。クリームを添えても美味しいの」
「食ってみたいです!」
「じゃあ、アーレルのケーキも作りましょうね。ジャムにするから、今日のうちに買っておきましょうか」
「はーい」
初めて見る生のアーレルは、なんかドリアンっぽい見た目だった。その上、デカい。一個が祥平の顔よりもデカい。ミミーナが、二個買って、顔馴染みの初老の男に、大きな布袋に入れてもらっていた。祥平が布袋を受け取ると、ずっしりと重い。アーレルは、ライムみたいな香りがするから、小さめの果物かと思っていた。予想外のデカさと重さに、ちょっと驚いてしまう。
他にも必要なものを買うと、ミミーナと増えた荷物を分けっこしてから、ダンテの家に帰った。
昼食を一緒に作って食べたら、早速アーレルのジャムを作る。アーレルは、割と足が早いらしく、早めに加工した方がいいらしい。加工さえすれば、単純に絞ってジュースにするだけでも、日保ちするようになるという不思議果物である。
デカめの包丁で、なんとかアーレルを半分に切ると、ふわっとライムのような香りがした。表面はトゲトゲがついているが、皮自体は割と薄くて、中身は、まるでザクロみたいな感じだった。ミミーナに教えてもらいながら、アーレルの果肉をとって、鍋に入れて、砂糖を入れてから、煮始める。すぐに水分が出てきて、ふわふわと甘い匂いがし始めた。アーレルを煮込んでいる間に、ジャムを入れる瓶を煮沸消毒した。体感で1時間程で、アーレルのジャムは完成した。煮ている間に作ったペッタにつけて試食してみれば、ふわっとライムのような爽やかな香りが鼻に抜け、程よい甘酸っぱさが、なんとも美味しかった。これは、ダンテも好きそうだ。
祥平は、なんだかうきうきしながら、ミミーナと一緒に後片付けをして、庭仕事をしに、外に出た。
応援ありがとうございます!
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