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49:お悩みダンテさん
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ダンテは、ここ最近、とても悩んでいた。ショーヘイから誘われて、休日前夜は、ショーヘイと一緒に風呂に入って、部屋でいやらしい事をしてしまっている。既に、五回もやってしまった。これは本当によくないと思うのだが、ショーヘイに誘われると、なんだか嬉しいのもあって、ついつい、ショーヘイといやらしい事をしてしまう。だが、ちゃんとした恋人なのかも怪しい状態で、いやらしい事をしちゃうのは、本当にどうかと思う。誰かに話を聞いて欲しい気もするが、こんな事、誰にも話せない。
ダンテは、1人悶々と悩んでいる。
そろそろ夏の終わりが近い。冬になれば、また冬華祭がある。冬華祭では、竜騎士が飛竜の上から色とりどりの花びらを撒く。八班ある竜騎士達で、各班で持ち回りで花びらを撒いているのだが、ダンテの班は来年の予定である。来年は、ショーヘイと冬華祭に行けないと思うと、今から寂しい。今年は、来年の分まで、思いっきり楽しみたい。
ダンテは、足早に家に帰りながら、ぼんやりと考え事をしていた。ショーヘイのことが好きだ。性的魅力も感じている。特に、ショーヘイのほっそりとした足が好きなのだが、最近は、もっとショーヘイに触れたくて堪らなくなってきている。結婚もしていないのに、そんな事をするのはよくないと思うのだが、どうしても、ショーヘイに触れたい。一緒に美味しいものを食べて、ちょっとしたことで笑いあうと、すごく胸の奥がぽかぽかと温かくなって、幸せだなぁと思うのだが、ここ最近は、もっと欲が出てきてしまっている。ショーヘイにもっと触れて、繋がって、一つになってみたい。そう思う時点で、多分、自分は恋愛感情でショーヘイのことが好きなのだろう。
ショーヘイとセックスがしてみたい。だが、ダンテには、男同士のセックスの仕方の知識はないし、聞ける相手もいない。割と詰んでいる感がある。それに、結婚前にセックスをするのは、やはりよくないと思ってしまう。自分は頭が堅い方なのだろうか。
家の玄関のドアを開けると、すぐにパタパタと軽い足音がして、ショーヘイがやって来た。いつものゆるい笑みで『おかえりなさい』と言ってもらえると、なんだか、じんわりと胸の奥が温かくなる。ご機嫌なピエリーと戯れている姿を見ると、なんだか可愛くて、ほっこりする。相手は、ダンテよりも年上で、髭も生えている男だが、ダンテには、どうにも可愛く思えて仕方がない。
ピエリーを頭の上に乗せたショーヘイが、ダンテに抱きついてきた。すんすんとダンテの匂いを嗅いで、『汗くさー』と笑うショーヘイに、胸が高鳴る。今すぐ、ショーヘイにキスがしたいが、キスをしてもいいのだろうか。
ダンテが、目を泳がせながら悩んでいると、唇に柔らかい感触がした。背伸びをしているショーヘイが、ダンテの顔の間近で、ちょっと照れたように笑った。
「ちゅーしちゃった」
「あのー……」
「なんです?」
「……そ、その……わ、私からしても、いいかな……?」
「勿論! どんとこいやー」
「あ、うん」
ダンテは、心臓がバクバク激しく動くのを感じながら、少し屈んで、ショーヘイの唇に触れるだけのキスをした。心臓が口から出そうなくらい、激しく動きまくっている。触れていた唇を離すと、ショーヘイが、なんだか嬉しそうに笑った。すごく、可愛い。髭が生えたおじさんなのに、可愛い。
ダンテは、頭の上にピエリーを乗せたままのショーヘイと手を繋いで、一緒に風呂場に向かった。ダンテが、脱衣場の洗面台で手を洗っている間に、ショーヘイが、浴槽にお湯を溜めてくれている。明日は普通に仕事なので、今日は一緒に風呂に入らない。その事を、少し残念に思う自分がいる。浴槽のお湯が溜まると、ダンテは1人で風呂に入った。ショーヘイと、毎日でも一緒に風呂に入りたい気もするが、そうしたら、もれなくダンテのペニスが勃起してしまう。勃起したら、ショーヘイといやらしい事をしてしまう。それはちょっと駄目駄目である。駄目駄目なのだが、ショーヘイから誘われると、どうしても抗えない。ダンテは、お湯に鼻先まで浸かり、ぶくぶくと意味もなく息を吐きだしながら、どうしたものかと頭を悩ませた。
ダンテが風呂から出て、居間に行くと、今日もすごく美味しそうな匂いが漂っていた。今日の夕食は、ナルヤルという魔獣肉の揚げ物だった。ふわふわとキナータのいい香りもしている。ナルヤルの肉は、少し硬めだが、噛めば噛むほど肉の旨味が出てきて美味しいので、ダンテの好物の一つだ。ショーヘイは、揚げ物がとても上手だ。いつものように、向かい合って座り、一緒に食べ始めれば、すごく美味しくて、とても幸せな気分になってくる。
「美味しいなぁ。お酒が欲しくなるね」
「お口に合ってよかったです。初めて、1人で作ってみたんで。上手く出来てよかったー」
「すごく美味しいよ。ショーヘイは、揚げ物が上手だよね」
「そうですか? うーん。揚げ物が好きだからなぁ。『美味しそうな色だ!』と思ったら、油から取り出してるんですよね」
「それがいいのかもね」
「明日は買い物に行くんですけど、肉と魚、どっちが食べたいですか?」
「んー。魚で。バルナダーヤっていう魚がね、今、ちょうど旬なんだ。ミミーナさんが扱い方を知ってるから、バルナダーヤが食べたいなぁ」
「りょーかいでーす。明日、市場で探してみます。まだまだ食べたことが無い食材が多いなぁ」
「少しずつ、色んなものを食べていけばいいよ」
「そうですね。今のところ、チーズ以外は、何でも美味しいです」
「チーズはね……私も苦手だから」
「何なんでしょうね。あの特有の獣臭さ。匂いがきつ過ぎて、あれだけは本当に無理です」
「私も無理だなぁ。任務中の食事でチーズが出たら、部下に押しつけてる。チーズ大好きな部下がいてね。喜んでくれるから、いいんだけど」
「あ、ダンテさん。次の休みに、床屋に行きません? 俺もダンテさんもちょっと伸びてきてるし」
「うん。一緒に行こうか。10日後から、また任務で半月いないし」
「あ、今度は短めですね。よかったー。1人だと、なんか落ち着かなくなっちゃってて。ダンテさんとピエリーちゃんと寝るのが、当たり前になっちゃってるんですよねー」
「あー。私も、ショーヘイがいないと、なんか物足りないというか。いや、結婚前に一緒に寝ること自体、あんまりよくはないんだけど」
「まぁ、細かいことは気にしない方向で」
ショーヘイが、へらっと笑った。ショーヘイの笑顔を見ると、胸がキュンと高鳴る。正直、可愛い。ショーヘイは、平べったい顔立ちをしていて、別に可愛らしい顔立ちではないし、どちらかと言えば、涼やかな目元とか髭とか男臭い顔立ちなのだが、なんとも可愛く思える。これは、ダンテがショーヘイのことを恋愛感情で好きになったからだろうか。以前は、こんなにも可愛いとは思わなかった。
ショーヘイと少しでもお喋りがしたくて、一緒に夕食の後片付けをした後。ショーヘイが風呂に入っている間、ダンテは居間でぼんやりと考えた。ショーヘイのことが、可愛くて仕方がない。ショーヘイにもっと触れたいし、できるなら、ショーヘイとセックスがしたい。ショーヘイを独占して、ずっと一緒に笑いながら暮らしていきたい。
その為には、ショーヘイと結婚をするのが一番いいのだが、何とかしないといけない問題がいくつもある。セックスの知識もだし、何より、面倒くさい実家の両親や兄達をなんとかしないといけない。ショーヘイの気持ち次第だが、できたら、冬華祭頃には、ショーヘイに求婚がしたい気がする。もっと時間をかけた方がいいのだろうが、胸の中で、ショーヘイへの愛おしさと独占欲が、どんどん大きくなってきている。
ダンテは、小さく溜め息を吐いた。こうなったら、パラスに相談してみるしかない。セックスの話は正直聞きにくいので、とりあえず後回しにして、まずは、実家の両親達をなんとかする方法を相談してみよう。任務から帰還したらパラスに会いに行く。
ダンテは、髪が濡れたまま居間にやって来たショーヘイの髪を魔法で乾かすと、今日もショーヘイと手を繋いで、二階の自室に向かい、ショーヘイとピエリーと一緒に寝た。
ダンテは、1人悶々と悩んでいる。
そろそろ夏の終わりが近い。冬になれば、また冬華祭がある。冬華祭では、竜騎士が飛竜の上から色とりどりの花びらを撒く。八班ある竜騎士達で、各班で持ち回りで花びらを撒いているのだが、ダンテの班は来年の予定である。来年は、ショーヘイと冬華祭に行けないと思うと、今から寂しい。今年は、来年の分まで、思いっきり楽しみたい。
ダンテは、足早に家に帰りながら、ぼんやりと考え事をしていた。ショーヘイのことが好きだ。性的魅力も感じている。特に、ショーヘイのほっそりとした足が好きなのだが、最近は、もっとショーヘイに触れたくて堪らなくなってきている。結婚もしていないのに、そんな事をするのはよくないと思うのだが、どうしても、ショーヘイに触れたい。一緒に美味しいものを食べて、ちょっとしたことで笑いあうと、すごく胸の奥がぽかぽかと温かくなって、幸せだなぁと思うのだが、ここ最近は、もっと欲が出てきてしまっている。ショーヘイにもっと触れて、繋がって、一つになってみたい。そう思う時点で、多分、自分は恋愛感情でショーヘイのことが好きなのだろう。
ショーヘイとセックスがしてみたい。だが、ダンテには、男同士のセックスの仕方の知識はないし、聞ける相手もいない。割と詰んでいる感がある。それに、結婚前にセックスをするのは、やはりよくないと思ってしまう。自分は頭が堅い方なのだろうか。
家の玄関のドアを開けると、すぐにパタパタと軽い足音がして、ショーヘイがやって来た。いつものゆるい笑みで『おかえりなさい』と言ってもらえると、なんだか、じんわりと胸の奥が温かくなる。ご機嫌なピエリーと戯れている姿を見ると、なんだか可愛くて、ほっこりする。相手は、ダンテよりも年上で、髭も生えている男だが、ダンテには、どうにも可愛く思えて仕方がない。
ピエリーを頭の上に乗せたショーヘイが、ダンテに抱きついてきた。すんすんとダンテの匂いを嗅いで、『汗くさー』と笑うショーヘイに、胸が高鳴る。今すぐ、ショーヘイにキスがしたいが、キスをしてもいいのだろうか。
ダンテが、目を泳がせながら悩んでいると、唇に柔らかい感触がした。背伸びをしているショーヘイが、ダンテの顔の間近で、ちょっと照れたように笑った。
「ちゅーしちゃった」
「あのー……」
「なんです?」
「……そ、その……わ、私からしても、いいかな……?」
「勿論! どんとこいやー」
「あ、うん」
ダンテは、心臓がバクバク激しく動くのを感じながら、少し屈んで、ショーヘイの唇に触れるだけのキスをした。心臓が口から出そうなくらい、激しく動きまくっている。触れていた唇を離すと、ショーヘイが、なんだか嬉しそうに笑った。すごく、可愛い。髭が生えたおじさんなのに、可愛い。
ダンテは、頭の上にピエリーを乗せたままのショーヘイと手を繋いで、一緒に風呂場に向かった。ダンテが、脱衣場の洗面台で手を洗っている間に、ショーヘイが、浴槽にお湯を溜めてくれている。明日は普通に仕事なので、今日は一緒に風呂に入らない。その事を、少し残念に思う自分がいる。浴槽のお湯が溜まると、ダンテは1人で風呂に入った。ショーヘイと、毎日でも一緒に風呂に入りたい気もするが、そうしたら、もれなくダンテのペニスが勃起してしまう。勃起したら、ショーヘイといやらしい事をしてしまう。それはちょっと駄目駄目である。駄目駄目なのだが、ショーヘイから誘われると、どうしても抗えない。ダンテは、お湯に鼻先まで浸かり、ぶくぶくと意味もなく息を吐きだしながら、どうしたものかと頭を悩ませた。
ダンテが風呂から出て、居間に行くと、今日もすごく美味しそうな匂いが漂っていた。今日の夕食は、ナルヤルという魔獣肉の揚げ物だった。ふわふわとキナータのいい香りもしている。ナルヤルの肉は、少し硬めだが、噛めば噛むほど肉の旨味が出てきて美味しいので、ダンテの好物の一つだ。ショーヘイは、揚げ物がとても上手だ。いつものように、向かい合って座り、一緒に食べ始めれば、すごく美味しくて、とても幸せな気分になってくる。
「美味しいなぁ。お酒が欲しくなるね」
「お口に合ってよかったです。初めて、1人で作ってみたんで。上手く出来てよかったー」
「すごく美味しいよ。ショーヘイは、揚げ物が上手だよね」
「そうですか? うーん。揚げ物が好きだからなぁ。『美味しそうな色だ!』と思ったら、油から取り出してるんですよね」
「それがいいのかもね」
「明日は買い物に行くんですけど、肉と魚、どっちが食べたいですか?」
「んー。魚で。バルナダーヤっていう魚がね、今、ちょうど旬なんだ。ミミーナさんが扱い方を知ってるから、バルナダーヤが食べたいなぁ」
「りょーかいでーす。明日、市場で探してみます。まだまだ食べたことが無い食材が多いなぁ」
「少しずつ、色んなものを食べていけばいいよ」
「そうですね。今のところ、チーズ以外は、何でも美味しいです」
「チーズはね……私も苦手だから」
「何なんでしょうね。あの特有の獣臭さ。匂いがきつ過ぎて、あれだけは本当に無理です」
「私も無理だなぁ。任務中の食事でチーズが出たら、部下に押しつけてる。チーズ大好きな部下がいてね。喜んでくれるから、いいんだけど」
「あ、ダンテさん。次の休みに、床屋に行きません? 俺もダンテさんもちょっと伸びてきてるし」
「うん。一緒に行こうか。10日後から、また任務で半月いないし」
「あ、今度は短めですね。よかったー。1人だと、なんか落ち着かなくなっちゃってて。ダンテさんとピエリーちゃんと寝るのが、当たり前になっちゃってるんですよねー」
「あー。私も、ショーヘイがいないと、なんか物足りないというか。いや、結婚前に一緒に寝ること自体、あんまりよくはないんだけど」
「まぁ、細かいことは気にしない方向で」
ショーヘイが、へらっと笑った。ショーヘイの笑顔を見ると、胸がキュンと高鳴る。正直、可愛い。ショーヘイは、平べったい顔立ちをしていて、別に可愛らしい顔立ちではないし、どちらかと言えば、涼やかな目元とか髭とか男臭い顔立ちなのだが、なんとも可愛く思える。これは、ダンテがショーヘイのことを恋愛感情で好きになったからだろうか。以前は、こんなにも可愛いとは思わなかった。
ショーヘイと少しでもお喋りがしたくて、一緒に夕食の後片付けをした後。ショーヘイが風呂に入っている間、ダンテは居間でぼんやりと考えた。ショーヘイのことが、可愛くて仕方がない。ショーヘイにもっと触れたいし、できるなら、ショーヘイとセックスがしたい。ショーヘイを独占して、ずっと一緒に笑いながら暮らしていきたい。
その為には、ショーヘイと結婚をするのが一番いいのだが、何とかしないといけない問題がいくつもある。セックスの知識もだし、何より、面倒くさい実家の両親や兄達をなんとかしないといけない。ショーヘイの気持ち次第だが、できたら、冬華祭頃には、ショーヘイに求婚がしたい気がする。もっと時間をかけた方がいいのだろうが、胸の中で、ショーヘイへの愛おしさと独占欲が、どんどん大きくなってきている。
ダンテは、小さく溜め息を吐いた。こうなったら、パラスに相談してみるしかない。セックスの話は正直聞きにくいので、とりあえず後回しにして、まずは、実家の両親達をなんとかする方法を相談してみよう。任務から帰還したらパラスに会いに行く。
ダンテは、髪が濡れたまま居間にやって来たショーヘイの髪を魔法で乾かすと、今日もショーヘイと手を繋いで、二階の自室に向かい、ショーヘイとピエリーと一緒に寝た。
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