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贄の子愛し子
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ユエが暮らす村では、もう半年も雨が降らない。土地の守り神である神龍様の怒りをかってしまったのではないかと、村の大人達は連日ざわざわしている。
ユエが暮らす村は、山奥のそのまた山奥にひっそりとある。山に住まう神龍様に定期的に供物を捧げ、神龍様から大地の恵みを分けてもらっている。
半年も雨が降らないなんて、村ができてから初めてのことらしい。いつもの供物では足りないのかもしれないからと、村の長老達が話し合い、神龍様に贄を差し出すことにした。それがユエである。
ユエは、二親が何年も前に死んでいる。歳は20になるが、背が低く、童顔で、力も弱い。狩りでも農作業でも役立たずだが、顔立ちは美人と評判だった亡き母によく似ているので、神龍様への贄にちょうどよかろうという話になったらしい。
ユエは、質素な白い服を着て、いつも供物を供える場所にちょこんと座っていた。ユエは贄だ。贄とは、多分、神龍様に食わせるものなのだろう。これから食われて死ぬかもしれないというのに、ユエは、ぼんやりと考え事をしていた。
ユエは、村の男達が好きじゃなかった。ユエは男なのに、ベタベタと身体を触ってくる者や夜這いじみた行動をとる者までいた。皆、ユエが悪いと言う。ユエが美しいから惑わせたと。ユエは、誰もが惑わせてなんかいない。ユエにトチ狂う男が後を絶たないから、村の女達から、ユエは邪険にされている。嫁にきてくれる女なんていなかっただろうから、贄になって逆によかったのかもしれない。男達に女のように扱われて、尻を狙われたり、女達に無視をされたりせずに済む。惨めな思いをしなくてもよくなる。死ぬのは怖いと、ぼんやり思う。だが、このまま惰性で生きているのも怖い。村を飛び出すという選択肢はない。ユエは村の中のことしか知らない。読み書きとやらもできないし、村を出たところで、野垂れ死にするのが関の山だ。そうなるくらいなら、まだ村のために死んだ方がマシな気がする。役立たずだったユエの存在価値がちょこっとでもできたら、それは幸せなことだと思う。
ユエがぼーっとしていると、ぶわっと強い風が吹き、反射的に目を閉じたユエの前に、一人のきらびやかな衣装を着た美しい男が立っていた。歳の頃は、多分ユエと変わらない。ユエと違うのは、腰まである長い白髪が生えている頭部に、二本の角があるくらいだ。顔立ちは、ゾッとする程美しい。男とも女とも思えない不思議な美しさがある。間違いなく、神龍様だろう。
ユエを見下ろして、神龍様が口を開いた。
「此度の供物は人の子か」
「はい」
「我の嫁女か」
「僕は男です」
「ふぅん。まぁ、別にどうでもよい」
「神龍様。僕を食べてください。そして、村に雨を降らせてください」
「あぁ。其方は贄か。短絡的な長老共が考えそうな事よの。雨が降らぬのは、水の神を怒らせたからよ。最近、金に目が眩んで、砂金を川で採り始めただろう。砂金を採れば、川の水が濁り、川に住まう者達が生きていけなくなる。その事に水の神が怒り狂っておるのよ。今まで通り、慎ましい生活をしておればよかったものを。やれ。人とは愚かなものよな」
「そうだったんですね……砂金を採るのを止めれば、水の神様のお怒りは静まりますか?」
「さてな。あれは根に持つ女故、そう簡単には怒りを静めまいて」
「そんな……」
「とはいえ、嫁をもらった以上、何もせぬわけにもいかぬな」
「え? ……え? 僕は嫁ですか」
「我の嫁よ。贄ではなく我の愛し子になる」
「えーと……どうしてでしょう? 僕は男なので、子供はできません」
「そもそも、神と人とでは、滅多に子などできぬ。そなたの魂は、とても澄んだ色をしておる。我好みの色だ。そなたを嫁にして、村の馬鹿者共に砂金採りを止めさせたら、水の神の機嫌をとってやろう」
「じゃあ、僕は神龍様のお嫁さんになります」
「うむ。我の愛し子よ。早速、夫婦の契りを交わそうぞ」
「あ、はい」
ユエは、夫婦の契りがどんなものか分からなかったが、流されるがままに、神龍様に抱っこされて、その場からふわっと消えるように移動した。
神龍様に連れて来られた屋敷は、とても大きくて立派で、神龍様の屋敷に比べたら、村長の家なんて荒屋も同然である。あまりにも立派な屋敷過ぎて、ユエは間抜けにぽかんと口を開けた。
ユエを子供のように抱っこしたまま、神龍様が屋敷の中に入り、ずんずんと歩いて、見たことがないような豪奢な布団がある部屋に入った。間抜けにぽかんと口を開けたままのユエの頬に、神龍様が口づけをした。
「我が愛し子よ。存分に愛し合おうぞ」
「あ、はい」
神龍様は、実は女なのだろうか。それとも、村の男達のようにユエの尻に魔羅を挿れたがるのだろうか。
ユエは、ちょっとだけ考えてから、別にどちらでもいいやと楽観的に考えた。ほんの僅かな時間しか一緒にいないが、神龍様は優しそうな感じだし、ユエは神龍様の嫁になるのだから、村に帰る必要はないらしい。夫婦の契りが終わったら、神龍様直々に村に出向いて、お説教するそうだ。
ころんとふかふかの布団に転がされたユエは、小さな子供のように、神龍様によって服を脱がされた。ユエは魔羅がちょっと小さめだ。恥ずかしくて、両手で魔羅を隠した。
神龍様がうっとりと笑い、ふっと手を軽く振った。すると、神龍様が着ていたきらびやかな衣装が、ふわっと消えて無くなった。目をぱちくりさせているユエを見て、神龍様が可笑しそうに笑った。
「やれ。愛い愛い。我の愛し子。全てをお見せ」
「あ、え、あ、は、はい……」
ユエは、おずおずと自分の小ぶりな魔羅から両手を離した。神龍様が覆い被さってきて、ユエに口吸いをしてきた。神龍様の唇は、少しひんやりとしていた。何度も、ちゅっ、ちゅっ、と唇を吸われる。なんだか、変な気分になってきた。間近に見える神龍様の瞳は、蛇のように瞳孔が縦になっている。金色の瞳を見つめているだけで、なんだか身体が熱くなってくる。
はぁっと息を吐いたユエの口内に、するりと細長い神龍様の舌が入ってきた。神龍様の舌が、歯列をなぞり、歯の裏側をチロチロと擽って、上顎をこしょこしょと舐め回してくる。長い舌は舌先が二股になっているようで、口の中を舐められているだけなのに、不思議と気持ちがいい。神龍様の長い舌が喉ちんこの手前あたりまで入り込んできた。そこをすりすりされると、嘔吐きそうになる反面、腰のあたりがぞわぞわしてくる。腰のぞわぞわが、どんどん身体の中に広がっていく。自慰なんか目じゃないくらいの未知の快感が、堪らなくいい。
ユエは、うっとりと神龍様の瞳を見つめながら、高まり続ける熱に抗うことなく、腰をビクンッと突き上げて、そのまま触れてもいないペニスから精液を飛ばした。
はぁー、はぁー、と荒い息を吐くユエの全身を、文字通り神龍様がまるっと舐め回した。神龍様の少しひんやりとした舌が触れるだけで、いっそ気が狂いそうな程の快感に襲われる。こんな快感、知らない。ただ、肌を舐められているだけなのに、気持ちよくて、気持ちよくて、触れられていない魔羅から、また精液を吐き出してしまいそうだ。
神龍様が、ころんとユエの身体をひっくり返した。大きな手で腰を掴まれ、尻を高く上げさせられる。尻の穴まで、神龍様が舐めてきた。汚いから止めさせないといけないのに、気持ちよくて、気持ちよくて、本当に堪らない。
チロチロと尻の穴の表面を舐め回していた神龍様の舌が、にゅるりと尻の穴の中にまで入り込んできた。神龍様の舌がある一点に触れた瞬間、あまりに強い刺激に、ユエは驚いて、大きな声を上げた。
「あぁっ!?」
「ふふっ。ユエ。ユエ。我の愛し子。もっとよくなろうぞ」
「あっ、まっ、そこはっ! あぁっ!! だめっ! またっ、でちゃうぅぅ!!」
ユエは、あまりの気持ちよさに悶絶しながら、また射精してしまわないように、自分の魔羅の根元を指で強く押さえた。
神龍様の舌がぬるーりとユエの尻の穴から抜け出ていった。また、ころんと身体を仰向けにされる。
過ぎた快感で、涙も鼻水も涎も垂れ流しのユエを見て、神龍様がうっとりと笑った。
「ユエは、ほんに愛い。もう少し愛でたいところだが、我慢ができぬ」
ユエは、何気なく神龍様の股間を見た。神龍様の股間には、太くて長い魔羅が二本もついていた。驚いて、口をパクパクさせているユエの頬を舐めながら、神龍様が囁いた。
「今は一度には挿れぬ。ユエが壊れてしまっては困る故。まぁ、おいおいな」
「……あ、あの……その……一本でも、入らないんじゃ……」
「む? ふふっ。一本ずつなら入る。安心するがよい。ユエはよがり狂っておればよい」
「は、はい?」
神龍様が、ユエの両足を掴み、膝を曲げて、足を大きく広げさせた。神龍様に舐められて、なんだかひくひくしている感じがする尻の穴に、ひんやりとしたものが触れる。硬くて太いものが、ゆーっくりとユエの中に入ってきた。途端に、背筋がゾクゾクゾクゾクッとして、ユエは仰け反るように大きく喘ぎながら、根元を押さえていた筈の魔羅から精液を派手に飛ばした。気持ちがいいなんてもんじゃない。いっそ気が狂ってしまいそうな程の、快感の嵐にのまれている。
涙が滲む目を神龍様に向ければ、神龍様が金色の目で、じっとユエを見つめていた。視線が合うだけで、なんだか背筋がゾクゾクする。
そこからは、本当に嵐の中にいるようだった。ユエの尻の穴に、神龍様が二本の魔羅を交互に挿れ、何度も何度もユエの腹の中に精液を吐き出した。精液の量が多過ぎて、ユエの薄い下腹部が、うっすらぽっこりと膨れてしまう程だった。あまりの快感に泣き叫ぶことしかできなくなったユエを、神龍様は『愛い。愛い』と笑いながら、更なる快感の嵐へと叩きこんだ。
ユエはイキ過ぎて、勃起もしなくなる程射精して、おしっこも漏らして、潮? とかいうものまで出してしまった。殆ど気絶するように寝落ちたユエは、寝落ちる寸前に聞こえた神龍様の言葉が胸に残った。
「哀れな贄の子。我の愛し子。永久の愛をくれてやろう」
ユエは、ずっとずっと神龍様から愛してもらえるらしい。何故だろう。イキ過ぎて疲れきっていなければ、嬉しくて、いっそ踊り出したいくらいだ。多分、神龍様が優しいからかもしれない。
ユエは、少し体温が低い神龍様に抱きしめられながら、夢も見ない程深い眠りに落ちた。
ーーーーーー
ユエは、慎重に針を動かしていた。亡くなった母から縫い物は習っているが、神龍様に相応しい衣装を作れる自信はない。そこで、まずは神龍様に使ってもらいたい手拭いを作り始めた。村で手に入ったごわごわした布とは違い、この屋敷で用意されたのは、さらさらの肌触りのきめ細やかな布だった。初めて触る豪華な布地に内心萎縮しながらも、神龍様に喜んでもらうためだ! と、なんとか頑張っている。ひと針ひと針、神龍様への想いを込めて、丁寧に手拭いを作る。
そんなユエを、神龍様がうっとりと機嫌よさそうに笑って眺めていた。
「ふふっ。我の愛し子は愛いのぉ」
「い、今、話しかけないでくださいっ。手元が狂っちゃう」
「ふふっ」
ユエは、夕方が近くなるまで、神龍様に見守られながら、真剣に手拭い作りを頑張った。
ユエが神龍様の嫁になって、一年が経つ。ユエが神龍様と夫婦の契りを交わした数日後に、神龍様が直々に村に出向き、砂金採りを止めるよう、村の者達に言ったそうだ。そして、水の神様への機嫌取りに、水の神様へも供物を捧げるようにと。
それから半年程は雨が降らなかったが、水の神様の機嫌がなおったのか、再び村に雨が降るようになった。
ユエは、神龍様からそれを教えてもらった。水の神様のご機嫌なおしに出かけた神龍様の疲れを癒やすのは、嫁であるユエの大事なお仕事である。ユエは、神龍様に教えられるがままに、神龍様が好きなことを覚えた。
夕餉を共にした後、神龍様と一緒に広い湯船に浸かっていると、神龍様がひょいとユエを自分の膝にのせた。
「ユエ。我の愛し子」
「はい」
「我だけを見て、我だけを愛せ」
「もうとっくに愛してます」
「ふふっ。そうか。やはりユエは愛いな」
「神龍様は優しいです」
「ユエだからだな」
「村の人にも優しいです。でも、愛するのは僕だけにしてください」
「ふふっ。あぁ……ほんに食べてしまいたくなる程愛いな。我が死ぬ時は、そなたを食らおう」
「はい。そうしてください。もう、神龍様と一緒じゃないのを思い描けないです。神龍様」
「む?」
「この世で一番愛してます!」
ユエは、弾けるような笑顔で、神龍様に抱きついた。神龍様の頬に自分の頬をくっつければ、いつもよりも神龍様の頬が温かい気がする。お風呂に入っているからだろうか。
神龍様が、ユエを抱っこしたまま、ざばぁっとお湯から立ち上がった。
「ユエ。ユエ。よきことをしよう。今すぐしよう」
「はいっ! がんばります!」
ユエは、溺愛してくる神龍様に快感の嵐に叩き込まれながら、『可愛い神龍様だなぁ』と、幸せな笑みを浮かべた。
(おしまい)
ユエが暮らす村は、山奥のそのまた山奥にひっそりとある。山に住まう神龍様に定期的に供物を捧げ、神龍様から大地の恵みを分けてもらっている。
半年も雨が降らないなんて、村ができてから初めてのことらしい。いつもの供物では足りないのかもしれないからと、村の長老達が話し合い、神龍様に贄を差し出すことにした。それがユエである。
ユエは、二親が何年も前に死んでいる。歳は20になるが、背が低く、童顔で、力も弱い。狩りでも農作業でも役立たずだが、顔立ちは美人と評判だった亡き母によく似ているので、神龍様への贄にちょうどよかろうという話になったらしい。
ユエは、質素な白い服を着て、いつも供物を供える場所にちょこんと座っていた。ユエは贄だ。贄とは、多分、神龍様に食わせるものなのだろう。これから食われて死ぬかもしれないというのに、ユエは、ぼんやりと考え事をしていた。
ユエは、村の男達が好きじゃなかった。ユエは男なのに、ベタベタと身体を触ってくる者や夜這いじみた行動をとる者までいた。皆、ユエが悪いと言う。ユエが美しいから惑わせたと。ユエは、誰もが惑わせてなんかいない。ユエにトチ狂う男が後を絶たないから、村の女達から、ユエは邪険にされている。嫁にきてくれる女なんていなかっただろうから、贄になって逆によかったのかもしれない。男達に女のように扱われて、尻を狙われたり、女達に無視をされたりせずに済む。惨めな思いをしなくてもよくなる。死ぬのは怖いと、ぼんやり思う。だが、このまま惰性で生きているのも怖い。村を飛び出すという選択肢はない。ユエは村の中のことしか知らない。読み書きとやらもできないし、村を出たところで、野垂れ死にするのが関の山だ。そうなるくらいなら、まだ村のために死んだ方がマシな気がする。役立たずだったユエの存在価値がちょこっとでもできたら、それは幸せなことだと思う。
ユエがぼーっとしていると、ぶわっと強い風が吹き、反射的に目を閉じたユエの前に、一人のきらびやかな衣装を着た美しい男が立っていた。歳の頃は、多分ユエと変わらない。ユエと違うのは、腰まである長い白髪が生えている頭部に、二本の角があるくらいだ。顔立ちは、ゾッとする程美しい。男とも女とも思えない不思議な美しさがある。間違いなく、神龍様だろう。
ユエを見下ろして、神龍様が口を開いた。
「此度の供物は人の子か」
「はい」
「我の嫁女か」
「僕は男です」
「ふぅん。まぁ、別にどうでもよい」
「神龍様。僕を食べてください。そして、村に雨を降らせてください」
「あぁ。其方は贄か。短絡的な長老共が考えそうな事よの。雨が降らぬのは、水の神を怒らせたからよ。最近、金に目が眩んで、砂金を川で採り始めただろう。砂金を採れば、川の水が濁り、川に住まう者達が生きていけなくなる。その事に水の神が怒り狂っておるのよ。今まで通り、慎ましい生活をしておればよかったものを。やれ。人とは愚かなものよな」
「そうだったんですね……砂金を採るのを止めれば、水の神様のお怒りは静まりますか?」
「さてな。あれは根に持つ女故、そう簡単には怒りを静めまいて」
「そんな……」
「とはいえ、嫁をもらった以上、何もせぬわけにもいかぬな」
「え? ……え? 僕は嫁ですか」
「我の嫁よ。贄ではなく我の愛し子になる」
「えーと……どうしてでしょう? 僕は男なので、子供はできません」
「そもそも、神と人とでは、滅多に子などできぬ。そなたの魂は、とても澄んだ色をしておる。我好みの色だ。そなたを嫁にして、村の馬鹿者共に砂金採りを止めさせたら、水の神の機嫌をとってやろう」
「じゃあ、僕は神龍様のお嫁さんになります」
「うむ。我の愛し子よ。早速、夫婦の契りを交わそうぞ」
「あ、はい」
ユエは、夫婦の契りがどんなものか分からなかったが、流されるがままに、神龍様に抱っこされて、その場からふわっと消えるように移動した。
神龍様に連れて来られた屋敷は、とても大きくて立派で、神龍様の屋敷に比べたら、村長の家なんて荒屋も同然である。あまりにも立派な屋敷過ぎて、ユエは間抜けにぽかんと口を開けた。
ユエを子供のように抱っこしたまま、神龍様が屋敷の中に入り、ずんずんと歩いて、見たことがないような豪奢な布団がある部屋に入った。間抜けにぽかんと口を開けたままのユエの頬に、神龍様が口づけをした。
「我が愛し子よ。存分に愛し合おうぞ」
「あ、はい」
神龍様は、実は女なのだろうか。それとも、村の男達のようにユエの尻に魔羅を挿れたがるのだろうか。
ユエは、ちょっとだけ考えてから、別にどちらでもいいやと楽観的に考えた。ほんの僅かな時間しか一緒にいないが、神龍様は優しそうな感じだし、ユエは神龍様の嫁になるのだから、村に帰る必要はないらしい。夫婦の契りが終わったら、神龍様直々に村に出向いて、お説教するそうだ。
ころんとふかふかの布団に転がされたユエは、小さな子供のように、神龍様によって服を脱がされた。ユエは魔羅がちょっと小さめだ。恥ずかしくて、両手で魔羅を隠した。
神龍様がうっとりと笑い、ふっと手を軽く振った。すると、神龍様が着ていたきらびやかな衣装が、ふわっと消えて無くなった。目をぱちくりさせているユエを見て、神龍様が可笑しそうに笑った。
「やれ。愛い愛い。我の愛し子。全てをお見せ」
「あ、え、あ、は、はい……」
ユエは、おずおずと自分の小ぶりな魔羅から両手を離した。神龍様が覆い被さってきて、ユエに口吸いをしてきた。神龍様の唇は、少しひんやりとしていた。何度も、ちゅっ、ちゅっ、と唇を吸われる。なんだか、変な気分になってきた。間近に見える神龍様の瞳は、蛇のように瞳孔が縦になっている。金色の瞳を見つめているだけで、なんだか身体が熱くなってくる。
はぁっと息を吐いたユエの口内に、するりと細長い神龍様の舌が入ってきた。神龍様の舌が、歯列をなぞり、歯の裏側をチロチロと擽って、上顎をこしょこしょと舐め回してくる。長い舌は舌先が二股になっているようで、口の中を舐められているだけなのに、不思議と気持ちがいい。神龍様の長い舌が喉ちんこの手前あたりまで入り込んできた。そこをすりすりされると、嘔吐きそうになる反面、腰のあたりがぞわぞわしてくる。腰のぞわぞわが、どんどん身体の中に広がっていく。自慰なんか目じゃないくらいの未知の快感が、堪らなくいい。
ユエは、うっとりと神龍様の瞳を見つめながら、高まり続ける熱に抗うことなく、腰をビクンッと突き上げて、そのまま触れてもいないペニスから精液を飛ばした。
はぁー、はぁー、と荒い息を吐くユエの全身を、文字通り神龍様がまるっと舐め回した。神龍様の少しひんやりとした舌が触れるだけで、いっそ気が狂いそうな程の快感に襲われる。こんな快感、知らない。ただ、肌を舐められているだけなのに、気持ちよくて、気持ちよくて、触れられていない魔羅から、また精液を吐き出してしまいそうだ。
神龍様が、ころんとユエの身体をひっくり返した。大きな手で腰を掴まれ、尻を高く上げさせられる。尻の穴まで、神龍様が舐めてきた。汚いから止めさせないといけないのに、気持ちよくて、気持ちよくて、本当に堪らない。
チロチロと尻の穴の表面を舐め回していた神龍様の舌が、にゅるりと尻の穴の中にまで入り込んできた。神龍様の舌がある一点に触れた瞬間、あまりに強い刺激に、ユエは驚いて、大きな声を上げた。
「あぁっ!?」
「ふふっ。ユエ。ユエ。我の愛し子。もっとよくなろうぞ」
「あっ、まっ、そこはっ! あぁっ!! だめっ! またっ、でちゃうぅぅ!!」
ユエは、あまりの気持ちよさに悶絶しながら、また射精してしまわないように、自分の魔羅の根元を指で強く押さえた。
神龍様の舌がぬるーりとユエの尻の穴から抜け出ていった。また、ころんと身体を仰向けにされる。
過ぎた快感で、涙も鼻水も涎も垂れ流しのユエを見て、神龍様がうっとりと笑った。
「ユエは、ほんに愛い。もう少し愛でたいところだが、我慢ができぬ」
ユエは、何気なく神龍様の股間を見た。神龍様の股間には、太くて長い魔羅が二本もついていた。驚いて、口をパクパクさせているユエの頬を舐めながら、神龍様が囁いた。
「今は一度には挿れぬ。ユエが壊れてしまっては困る故。まぁ、おいおいな」
「……あ、あの……その……一本でも、入らないんじゃ……」
「む? ふふっ。一本ずつなら入る。安心するがよい。ユエはよがり狂っておればよい」
「は、はい?」
神龍様が、ユエの両足を掴み、膝を曲げて、足を大きく広げさせた。神龍様に舐められて、なんだかひくひくしている感じがする尻の穴に、ひんやりとしたものが触れる。硬くて太いものが、ゆーっくりとユエの中に入ってきた。途端に、背筋がゾクゾクゾクゾクッとして、ユエは仰け反るように大きく喘ぎながら、根元を押さえていた筈の魔羅から精液を派手に飛ばした。気持ちがいいなんてもんじゃない。いっそ気が狂ってしまいそうな程の、快感の嵐にのまれている。
涙が滲む目を神龍様に向ければ、神龍様が金色の目で、じっとユエを見つめていた。視線が合うだけで、なんだか背筋がゾクゾクする。
そこからは、本当に嵐の中にいるようだった。ユエの尻の穴に、神龍様が二本の魔羅を交互に挿れ、何度も何度もユエの腹の中に精液を吐き出した。精液の量が多過ぎて、ユエの薄い下腹部が、うっすらぽっこりと膨れてしまう程だった。あまりの快感に泣き叫ぶことしかできなくなったユエを、神龍様は『愛い。愛い』と笑いながら、更なる快感の嵐へと叩きこんだ。
ユエはイキ過ぎて、勃起もしなくなる程射精して、おしっこも漏らして、潮? とかいうものまで出してしまった。殆ど気絶するように寝落ちたユエは、寝落ちる寸前に聞こえた神龍様の言葉が胸に残った。
「哀れな贄の子。我の愛し子。永久の愛をくれてやろう」
ユエは、ずっとずっと神龍様から愛してもらえるらしい。何故だろう。イキ過ぎて疲れきっていなければ、嬉しくて、いっそ踊り出したいくらいだ。多分、神龍様が優しいからかもしれない。
ユエは、少し体温が低い神龍様に抱きしめられながら、夢も見ない程深い眠りに落ちた。
ーーーーーー
ユエは、慎重に針を動かしていた。亡くなった母から縫い物は習っているが、神龍様に相応しい衣装を作れる自信はない。そこで、まずは神龍様に使ってもらいたい手拭いを作り始めた。村で手に入ったごわごわした布とは違い、この屋敷で用意されたのは、さらさらの肌触りのきめ細やかな布だった。初めて触る豪華な布地に内心萎縮しながらも、神龍様に喜んでもらうためだ! と、なんとか頑張っている。ひと針ひと針、神龍様への想いを込めて、丁寧に手拭いを作る。
そんなユエを、神龍様がうっとりと機嫌よさそうに笑って眺めていた。
「ふふっ。我の愛し子は愛いのぉ」
「い、今、話しかけないでくださいっ。手元が狂っちゃう」
「ふふっ」
ユエは、夕方が近くなるまで、神龍様に見守られながら、真剣に手拭い作りを頑張った。
ユエが神龍様の嫁になって、一年が経つ。ユエが神龍様と夫婦の契りを交わした数日後に、神龍様が直々に村に出向き、砂金採りを止めるよう、村の者達に言ったそうだ。そして、水の神様への機嫌取りに、水の神様へも供物を捧げるようにと。
それから半年程は雨が降らなかったが、水の神様の機嫌がなおったのか、再び村に雨が降るようになった。
ユエは、神龍様からそれを教えてもらった。水の神様のご機嫌なおしに出かけた神龍様の疲れを癒やすのは、嫁であるユエの大事なお仕事である。ユエは、神龍様に教えられるがままに、神龍様が好きなことを覚えた。
夕餉を共にした後、神龍様と一緒に広い湯船に浸かっていると、神龍様がひょいとユエを自分の膝にのせた。
「ユエ。我の愛し子」
「はい」
「我だけを見て、我だけを愛せ」
「もうとっくに愛してます」
「ふふっ。そうか。やはりユエは愛いな」
「神龍様は優しいです」
「ユエだからだな」
「村の人にも優しいです。でも、愛するのは僕だけにしてください」
「ふふっ。あぁ……ほんに食べてしまいたくなる程愛いな。我が死ぬ時は、そなたを食らおう」
「はい。そうしてください。もう、神龍様と一緒じゃないのを思い描けないです。神龍様」
「む?」
「この世で一番愛してます!」
ユエは、弾けるような笑顔で、神龍様に抱きついた。神龍様の頬に自分の頬をくっつければ、いつもよりも神龍様の頬が温かい気がする。お風呂に入っているからだろうか。
神龍様が、ユエを抱っこしたまま、ざばぁっとお湯から立ち上がった。
「ユエ。ユエ。よきことをしよう。今すぐしよう」
「はいっ! がんばります!」
ユエは、溺愛してくる神龍様に快感の嵐に叩き込まれながら、『可愛い神龍様だなぁ』と、幸せな笑みを浮かべた。
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