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34:獣達のじゃれあい
しおりを挟む風呂場からパンツ1枚の姿でヨザックの元へ移動して、薬を塗ってもらってから服を着た。今日は茜色の膝丈ワンピースである。ヨザックが淹れてくれた珈琲に練乳を入れて、珈琲を飲みながら、ヨザックがシャワーを終えるのを待つ。以前、ロバートの家に来た時にアイディーが練乳を入れた珈琲を飲んでいたところを見て、アイディー用に練乳を用意しておいてくれたらしい。嬉しくて、同時になんだかむずむずして、落ち着かない気分になる。
珈琲が入ったマグカップを片手に、ぼーっとしていると、後ろからゆるく頭を抱き締められた。ふわっと石鹸のいい香りが鼻を擽る。そのまま顔だけで見上げれば、ヨザックがアイディーの額にキスをした。ヨザックは上半身は裸のようだ。湿り気を帯びた長めの前髪が殆んど下りている。
「……髪拭けよ」
「どうせまた汗をかくしなぁ」
「……その、あの、なんだ」
「ん?」
「……すんの?」
「嫌か?」
「嫌じゃねぇ」
「ははっ。そいつはよかった」
嫌ではないが、改めてセックスをするとなると、恥ずかしさが大きい。ロバートとのセックスで恥ずかしいと思ったことはあまりない。夜の寝室以外の場所でした時は流石に恥ずかしかったが、それだけだ。何故、ヨザックが相手だと、こうも恥ずかしいのか。
アイディーは口をむにむにさせて、マグカップをテーブルの上に静かに置いた。
椅子から立ち上がり、羞恥で固まってしまう前に、さっさとワンピースを脱いでしまう。男は度胸だ。セックスだろうが何だろうがどんとこい。
アイディーはサクッとパンツまで脱いでしまった。
そんなアイディーを見て、ヨザックがクックッと笑った。
「色気があるような、ないような。思い切りが良すぎて微妙なとこだな」
「うっせぇ。俺に色気なんぞ求めんなよ」
「ははっ。アイディー」
「ん」
「2人でベッドの上で踊ろうか」
「……キザっぽい」
「はっははっ!これでも緊張してんだよ。察しろ」
「分かりにきぃんだよ」
ヨザックがアイディーの手を握った。ほんの数歩のベッドまでの距離を手を繋いで歩き、並んでベッドに腰かける。ヨザックが手を離して、パンツごとズボンを脱ぎ捨て、全裸になった。チラッとヨザックの股間を見れば、ペニスがもう半勃ちになっている。
ヨザックがアイディーの左手を握り、指を絡めた。顔を近づけてきたので、アイディーもヨザックの方を向いて顔を近づけ、唇を触れあわせる。ヨザックが優しくアイディーの唇を吸った。ヨザックの柔らかい唇の感触にドキドキして堪らない。アイディーもヨザックの唇を何度も吸った。ヨザックが舌でアイディーの下唇をねろーっと舐めたので、アイディーも舌を伸ばして、ヨザックの唇や舌を舐める。ぬるぅと舌同士を絡ませ、今度は互いの口内を舐め合う。歯列や上顎、舌の付け根辺りをヨザックに舐められると、ゾクゾクして気持ちがいい。同じ様にアイディーがヨザックの口内を舐めると、ヨザックが絡めた指に少しだけ力を入れた。
ヨザックが手を離して、キスをしながらアイディーを両腕で抱き締めた。素肌同士が触れあって、ヨザックの熱に心臓が跳ね上がる。
唇を触れあわせながら、ヨザックが小さくアイディーの名前を呼んだ。
「アイディー」
「ん」
「好きだ」
「……俺も」
ヨザックに抱き締められたまま、ぽすんとベッドに倒れ、アイディーはキスをしながら覆い被さってくるヨザックの首に両腕を絡めた。優しいキスがどんどん激しくなって、互いの呼吸を奪い合うように、何度も唇を重ねて、捕食するかのように舌を絡めて舐め合う。
完全に息が上がる頃には、アイディーのペニスはガチガチに勃起していた。
キスをしながら、ヨザックの固くてゴツい手がアイディーの首に触れ、肌を触れるか触れないかの絶妙なタッチで撫でながら、鎖骨に触れ、肩に触れ、胸に触れ、腰へと移動していく。
はぁはぁと荒い息を吐きながら、ヨザックが唇を離し、ねっとりアイディーの頬を舐めた。
「わりぃ。余裕ねぇわ」
「いらねぇよ。そんなもん」
「ははっ」
ヨザックの舌がアイディーの耳を這う。耳の形をなぞるように、ねっとりと舐められる。ゾクゾクする感覚に、アイディーは熱い息を吐いた。肌にヨザックが着けているお守りの金属が冷たく当たる。ずっと着けてくれているようだ。嬉しくて、アイディーはヨザックの身体に脚を絡めた。股間が密着して、ヨザックの熱くて固いペニスがアイディーのペニスや下腹部に当たる。ヨザックに自分のペニスを擦りつけるように腰をくねらせると、ヨザックがクックッと小さく笑った。
ヨザックの舌が耳から離れ、アイディーの首筋を舐め下ろしていく。喉仏に舌を這わされ、軽く優しく噛みつかれて、ちゅうっと吸われる。まるで味見をするかのように、アイディーの肌をねっとりと舐めていくヨザックの頭を、アイディーはやんわり撫でた。アイディーの乳首に舌を這わせながら、目だけで見上げてくるヨザックの鳶色の瞳は、熱を孕んで、まるで今から獲物を食べようとする獣のようだ。ヨザックの視線にゾクゾクする。
乳輪をなぞるようにぐるりと舌先で舐められ、チロチロと乳首の先端を舌先でつつかれる。ねっとり舐められたかと思えば、ちゅうっと強めに吸いつかれ、舌で乳首をしごくようにされる。気持ちよくて、アイディーは思わず小さく喘いで、身体をくねらせた。咥えられて舌と唇で弄られている反対側の乳首もやんわり指先で摘ままれて、くりくりと優しく弄られる。胸筋を揉むようにされ、指先でぴこぴこ乳首を弾かれると、ビクビクっと腰が跳ねてしまう。
ヨザックに促されて両腕を上げると、脇毛が生えた脇まで舐められる。ねろーっと舐められると、ぞわぞわして、アイディーは吐息交じりの小さな喘ぎ声をもらした。
興奮しすぎて頭が沸騰してしまいそうだ。互いの下腹部を擦り合うように、勝手に腰が動いてしまう。ペニスや下腹部に感じるヨザックのペニスの感触に堪らなくなる。
アイディーは熱い息を吐きながら、脇を舐めるヨザックの頭を撫でた。
「ヨザック」
「ん」
「我慢、できねぇ」
「俺もだ」
ヨザックが再びアイディーの唇に噛みつくような勢いでキスをしてきた。ヨザックが2人の身体で挟まれている互いのペニスをまとめて握った。ペニスの先っぽをまとめてぐりぐりと手で擦られる。興奮と射精感が一気に高まる。
アイディーはヨザックと唇を触れあわせながら、囁いた。
「舐めてぇ」
「ん。舐めてくれ。俺も舐める」
「ん」
1度密着していた身体を離し、ベッドの中央に移動して、仰向けに寝転がったヨザックの身体の上に、頭が逆になるように跨がり、四つん這いになった。目の前にヨザックの先走りで先っぽが濡れた大きなペニスがある。
ヨザックがアイディーの尻を両手で掴み、アイディーのペニスの先っぽにキスをした。ゾクゾクする快感が背を走る。アイディーも目の前のヨザックのペニスに頬擦りをして、ねっとりと舌を這わせ始めた。アイディーが何度もヨザックの大きなペニスのあちこちにキスをすると、ヨザックがアイディーのペニスの先っぽを口に咥え、円を描くように舌で先っぽを舐め回してくる。負けじとアイディーも同じ様にすれば、今度はじゅうっと吸いつきながら、アイディーの尻を上下に動かすようにして、自分の口にアイディーのペニスを抜き差しし始めた。快感と興奮が身体の中を暴れまわって、解放を求めている。アイディーもヨザックのペニスを飲み込めるだけ飲み込み、舌を這わせながら、ヨザックのペニスを唇でしごいていく。鼻に抜ける雄臭い匂いと舌に感じるヨザックの味に興奮して堪らない。興奮し過ぎて、今すぐイッてしまいそうだ。自分のアナルがひくひくしているのが分かる。今すぐ口に咥えているヨザックのペニスが欲しい。腹の奥がなんだか切ない。ヨザックの大きなペニスで、アイディーの中を満たして欲しい。
ぷはぁ、とアイディーはヨザックのペニスから口を離した。
「ヨザック」
「んー」
「ここに欲しい」
アイディーはアナルへと手を伸ばし、指先でくりくり自分のアナルを擦った。下にいるヨザックから、アイディーが何をしているのか見えている筈だ。
アイディーのペニスからヨザックの口が離れた。
ぺちぺちと軽く尻を叩かれ、アイディーはヨザックの身体の上からどいた。
アイディーがベッドに仰向けに寝転がり、自分で両膝の後ろに手を回して支え、脚を大きく広げると、ヨザックが怖いくらい熱を孕んだ目でアイディーを見て、低く唸った。
ヨザックの手がアイディーの身体に触れ、ぐいっと腰を上げさせられ、膝が肩につきそうな程になる。キツい体勢だが、そんなこと気にならないくらい、興奮している。
ヨザックがアイディーのアナルに舌を伸ばした。
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