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85:お久しぶりの神子様全員集合
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フェリ達神子4人は朝早くからマーサの隠れ家に集まっていた。
ロヴィーノ達がサンガレアに移り住んで約3年が経つ。秋の豊穣祭を間近に控えている時期である。マーサは本来ならばかなり忙しい筈なのだが、『忙しすぎてセックスでもしないとやってられるかぁぁぁ!!』とあまりの忙しさにキレて、たまたまサンガレアに戻っていたフェリとマルク、それから火の宗主国にいたリーを呼び出して、久しぶりの神子だけの乱行パーティーをすることになった。
ロヴィーノの退位が決まってからはフェリが数年忙しく、その後も誰か彼か地味に忙しくて中々4人の日程が合わず、こうしてゆっくり4人で集まるのは5年以上ぶりだ。
ロヴィーノは去年の冬頃からサンガレア領専属の飛竜乗りとして働き出した。飛ぶのはサンガレア領内だけで、完全に慣れるまではアルジャーノやヒューゴ、トリッシュと一緒に飛んでいる。たまにサンガレア領内にある魔術研究所支部におつかいとして行かされるフリオも一緒に飛んだりする。飛竜に乗れるフリオが魔術研究所に就職すると、タダで使える飛竜乗りができたと、魔術研究所の会計課が1番大喜びしたらしい。
トリッシュはアルフと今年の春に結婚した。
トリッシュの結婚式はかなり大変だった。上の子3人とクラウディオとジャンが号泣したのだ。結婚式の真っ最中にガチ泣きしだした男達にフェリは慌てた。とりあえずフリオはエドガーに丸投げし、アルジャーノはマルクとナーガに任せた。ロヴィーノはマーサに丸投げしたいが、一応こっそり秘密の嫁という立場なので、公の場でマーサに任せるわけにはいかず、結局ロヴィーノ、クラウディオ、ジャンの3人は、なんとかフェリが宥めて泣き止ませた。この日の為に新調したフェリの礼服は男達の涙と鼻水で酷いことになった。……うん。まぁ、別にいいけどさ……。
お互いの近況や子供達の話をしつつ、朝から全員全裸で酒を飲んでいる。
「来年の春にさー、うちの陛下が退位して代替わりするじゃない。それに合わせて記念に1人くらい産んどこうかなぁ、って思ってるのよー」
「何人目だっけ?」
「いまねー。えーと、15人だから、16人目だね!」
「改めて考えるとすげぇよなぁ」
「ねー」
「風の宗主国以外の王族は全部血縁関係あるしな」
「まぁな。うちの曾孫がさー、『風の宗主国の女は皆貧乳だからマーサ様が俺好みの娘産んでくれるの待つわ』とか言ってんだよな」
「誰?」
「フェルナンドんとこの長男。ディーノ」
「ディーノ君でっかいおっぱい大好きだもんね!いいと思います!」
「全肯定もどうかと思うぞ、リー」
「えー。いいじゃーん、マルク。俺もでっかいおっぱい大好きだし。まぁ、旦那は雄っぱいって感じだけど!なんだろうね、あのバインバインの胸筋。逞しすぎてパイズリできるんじゃね?っていつも思うんだよねー。ははっ」
「マジで頑張れば火の王はパイズリできそうよねー」
「ねー」
「パイズリ……いい響きよね……浪漫感じるよね!」
「流石姉さん!わかってるぅ!」
「俺パイズリは別に」
「俺も」
「えー?兄さんとマルクはおっぱい好きじゃないのー?」
「俺おっぱいより腰から尻にかけてのラインが1番好きだもん」
「うん!分からんでもないっ!こうさ、腰の肉づきがいいとさ、微妙ーに段差みたいな感じになるじゃん?あれいいよね!そそるよね!」
「いや、俺どちらかといえば、こう……緩やかな曲線って感じが好きなんだよなー。つーか、マーサはデブ専だけど、俺はどちらかといえばスレンダー系が昔から好きなんだよな」
「デブ専じゃありません。ぽっちゃりです」
「姉さんの言うぽっちゃりは世間一般的にはデブだよ」
「腹の肉でちんこ挟みたいとか言うだろ?マーサ。ちんこ挟めるレベルで腹の肉がついていたら、それはもうデブだ」
「えぇー!!デブじゃないよーだ!」
「マルクはどんなのが好みなの?部位的なのは?」
「えー……足首?こう……白くて細い足首がスカートの裾からチラッと見えるのとかいいよな」
「若干マニアックなとこきちゃった!」
「まぁ、分からんでもない」
「ありです」
「ちなみに旦那の好きな部位とかある?俺ねー、喉仏。見てるとなんかムラッとするー」
「微妙にマニアックだなー。リー」
「えへへー。兄さんは?」
「えー……んー?クラウディオは、なんだろ。胸毛込みの胸筋かなぁ。胸毛ふさふさだから触ってて楽しいし、なんかセクシーだし。ジャンは……首筋かなぁ?興奮するとさ、首まで赤くなるんだよ。セクシー。まぁ、ぶっちゃけ1番好きなのはちんこだけど」
「ぶっちゃけたぁ!」
「はははっ!」
「マルクは?」
「……え、やっぱりちんこじゃないか?」
「「「ははははっ!」」」
「まぁ、それは半分冗談だが」
「半分はガチなんじゃねぇか」
「旦那のちんこが嫌いな嫁がいるか?」
「何その名言チックな発言」
「あはははっ!!」
「アルジャーノは、指かな。こう長くて、キレイな形してるんだ。舐め回したい。ナーガは……手首?結構太めでさ、血管浮いてる感じがなんか好き」
「あら。マルクは手フェチなの?」
「んー?そうなのかな?」
「姉さんは? 」
「ちんことアナル」
「「「言うと思った」」」
「だってさー!私にこっそり秘密の嫁が何人いると思ってんのよー!いちいち挙げてたらキリがないっつーの!」
「リチャードの好きなとこを挙げればいいだろ?」
「リチャードとは子供つくる時しかセックスしないもの」
「そんなにしないの?」
「そうよ。今まで15回しかしたことないわね。ほら、土の神子って自分の意思で一発妊娠できるから。私達すごく仲はいいけど、夫婦愛的なのはないもの。主従愛と家族愛はしこたまあるけど。まぁ、ぶっちゃけ政略結婚だし」
「へー」
「ていうか、リチャードもこっそり秘密の旦那いるし」
「えっ!?そうなの?」
「へー」
「旦那なんだ」
「私だけ好きな相手をこっそり秘密の嫁にするのも不公平だから、貴方も好きな相手をこっそり秘密の伴侶にしていいよって、結婚するとき言ったのよ」
「ふーん」
「ね、ね、ね。姉さん。誰?リチャードさんの旦那。俺も知ってる人?」
「うちの将軍。フィリップ将軍よ」
「あー。あの風の民の」
「そうそう」
「うちの陛下の退位に伴ってフィリップ将軍も将軍辞めるし、辞めたらうちに住むわよ。高等学校あたりで教鞭でもとってもらおうかなって思ってるのよ。あの人、地形学と地形を利用した軍事的戦略に造詣が深いから」
「へー」
「フェンリル魔術師長も辞めて、今度はこっちの魔術研究所で働くんだろ?フリオが言ってた」
「そうよー。フェンリルもまぁお気づきかもしれませんが、こっそり秘密の嫁なもんで」
「今の陛下もだろ?」
「うん」
「そういえばさ、この間ナーガと話してたんだけど。なぁ、マーサ」
「なに?マルク」
「父上をこっそり秘密の嫁にする気ないか?」
「んっ!?」
「いやほら、母上が亡くなってもうかなり経つし、父上にもそろそろいい相手が1人くらいいてもいいと思うんだよ。肉体年齢はまだ若いんだし、性欲だって当然あるだろう?別に新しい伴侶とか恋人って形じゃなくてもいいからさ、遊び相手でもいたらいいんじゃないかなーって」
「えー。まぁ、遊び相手ならフーガ殿がいいって言えば別にいいけど」
「なんだ俺の父上に不満でもあんのかこら」
「ないです!ありません!」
「落ち着けよ、マルク。唐突にファザコン発動すんな」
「俺は別にファザコンじゃないぞ、兄さん」
「はいはい」
「フーガ殿ねー。まぁ、本人の同意があれば普通にセックスできるかな。面白い人だし」
「じゃあ、今度誘ってみてくれ。ナーガから父上には言ってみるらしいし」
「了解。でもフーガ殿は普通に嫌がりそうだけどね」
「そこはナーガが説得するんじゃないか?」
「ふーん」
「そういやさ、マーサ」
「ん?何?兄さん」
「お前新しい嫁できたじゃん。グイン元将軍。水の宗主国の」
「えっ!?姉さん、いつの間に?」
「つい3日前」
「こないだじゃんっ!」
「なんでまたグイン元将軍がお前の嫁になったんだ?」
「向こうから将軍辞めて国を出奔してきたから嫁にしてくれって。退職金をまるっと持参金ですって渡してきたから、それは叩き返したけど。グインも長く将軍やってたからねー。辞めるのはいいけど、辞めたら家のためだけに結婚させられるから出奔してきたって言ってたわ。なんか色々面倒くさい上級貴族の家の出らしいわ」
「「「へー」」」
「大昔に旅行行ったでしょ?その時からたまにだけど手紙のやり取りしてたのよ。国外に頼れる人が他にいないからってさ」
「だからマーサの家に住んでんの?」
「そうそう。今まで軍人としてしか生きてこなかったから、何か新しいことがやりたいって言って、とりあえず今は私の農作業の手伝いしてるわ。結構楽しんでるっぽい」
「ふーん。まぁ、よかったな」
「そうだな」
「第2の人生って感じでいいねー。俺もジンが退位したら、2人で旅でもしたいなー。火の宗主国内だけでもいいからさ」
「俺と兄さんは、そういうのが難しいからな。伴侶が第2の人生歩めるようになっても、俺達は死ぬまでずっと務め優先の生活だし」
「ま、それは神子全員に言えることだけどな」
「神子の特性と与えられたそれぞれの役割は違うからねー。私はそれこそ、あっちこっち旅して回りたいんだけど、土の聖地にずっといて地脈を整えるのと子供を産むのが大きな役目だし」
「まぁな。俺とマルクは動き回り続けなきゃいけないが、マーサは逆に動けないもんな、サンガレアから」
「そうなのよねー。火の神子は文化・人の営みを司るから、割と自由がきくのがいいわねー」
「うん。でもさー、俺だけなんか1人さ、こう……役目に縛られ続けた生活って感じじゃないじゃん。なんか申し訳なくなる」
「別に気にすることなくないか?単なる神子としての特性と役割の違いなんだし」
「そうよー」
「務めだって嫌になったら辞められるしな。自殺でもすれば」
「1000年生きる筈の神子の1番の死因は自殺だもんねー」
「なー。歴代を遡ってみるとさ、風の神子ってまるっと1000年生きた奴いないんだわ。長くて700年くらいなんだけど。お前らんとこ、いるか?1000年生きた奴」
「火の神子はいなーい」
「水の神子もいないな」
「土の神子もいないわよ。まぁ、ぶっちゃけ寿命が長すぎるからねー。怪我や病気で死ぬってのも基本あり得ないし。生きるのに厭きて自殺したり、長すぎた生で狂って自殺したり、ってのばっかよ」
「だよなー」
「どこもそこら辺は似たような感じなんじゃない?」
「だろうな」
「俺らもどんぐらい生きられるかねー」
「姉さんいる限り退屈で死ぬってのだけはないと思います!」
「そうだな」
「あらやだ。責任重大じゃーん。なんか今度派手なことやらかさなきゃ」
「クラウディオに迷惑がかからないようにやれよ」
「……んふっ」
「おい」
「まぁ、1日1日を楽しんでれば、長い生に厭きることもないんじゃないか?」
「お。いいこと言うな。マルク」
「そうだねー」
「それが1番ね。ってことで、そろそろお楽しみしーましょ!」
「おー」
「やるか」
「イエーイ!」
神子達4人は翌日の朝日が昇るまで、時折馬鹿話をしつつ、ひたすらセックスを楽しんだ。
ロヴィーノ達がサンガレアに移り住んで約3年が経つ。秋の豊穣祭を間近に控えている時期である。マーサは本来ならばかなり忙しい筈なのだが、『忙しすぎてセックスでもしないとやってられるかぁぁぁ!!』とあまりの忙しさにキレて、たまたまサンガレアに戻っていたフェリとマルク、それから火の宗主国にいたリーを呼び出して、久しぶりの神子だけの乱行パーティーをすることになった。
ロヴィーノの退位が決まってからはフェリが数年忙しく、その後も誰か彼か地味に忙しくて中々4人の日程が合わず、こうしてゆっくり4人で集まるのは5年以上ぶりだ。
ロヴィーノは去年の冬頃からサンガレア領専属の飛竜乗りとして働き出した。飛ぶのはサンガレア領内だけで、完全に慣れるまではアルジャーノやヒューゴ、トリッシュと一緒に飛んでいる。たまにサンガレア領内にある魔術研究所支部におつかいとして行かされるフリオも一緒に飛んだりする。飛竜に乗れるフリオが魔術研究所に就職すると、タダで使える飛竜乗りができたと、魔術研究所の会計課が1番大喜びしたらしい。
トリッシュはアルフと今年の春に結婚した。
トリッシュの結婚式はかなり大変だった。上の子3人とクラウディオとジャンが号泣したのだ。結婚式の真っ最中にガチ泣きしだした男達にフェリは慌てた。とりあえずフリオはエドガーに丸投げし、アルジャーノはマルクとナーガに任せた。ロヴィーノはマーサに丸投げしたいが、一応こっそり秘密の嫁という立場なので、公の場でマーサに任せるわけにはいかず、結局ロヴィーノ、クラウディオ、ジャンの3人は、なんとかフェリが宥めて泣き止ませた。この日の為に新調したフェリの礼服は男達の涙と鼻水で酷いことになった。……うん。まぁ、別にいいけどさ……。
お互いの近況や子供達の話をしつつ、朝から全員全裸で酒を飲んでいる。
「来年の春にさー、うちの陛下が退位して代替わりするじゃない。それに合わせて記念に1人くらい産んどこうかなぁ、って思ってるのよー」
「何人目だっけ?」
「いまねー。えーと、15人だから、16人目だね!」
「改めて考えるとすげぇよなぁ」
「ねー」
「風の宗主国以外の王族は全部血縁関係あるしな」
「まぁな。うちの曾孫がさー、『風の宗主国の女は皆貧乳だからマーサ様が俺好みの娘産んでくれるの待つわ』とか言ってんだよな」
「誰?」
「フェルナンドんとこの長男。ディーノ」
「ディーノ君でっかいおっぱい大好きだもんね!いいと思います!」
「全肯定もどうかと思うぞ、リー」
「えー。いいじゃーん、マルク。俺もでっかいおっぱい大好きだし。まぁ、旦那は雄っぱいって感じだけど!なんだろうね、あのバインバインの胸筋。逞しすぎてパイズリできるんじゃね?っていつも思うんだよねー。ははっ」
「マジで頑張れば火の王はパイズリできそうよねー」
「ねー」
「パイズリ……いい響きよね……浪漫感じるよね!」
「流石姉さん!わかってるぅ!」
「俺パイズリは別に」
「俺も」
「えー?兄さんとマルクはおっぱい好きじゃないのー?」
「俺おっぱいより腰から尻にかけてのラインが1番好きだもん」
「うん!分からんでもないっ!こうさ、腰の肉づきがいいとさ、微妙ーに段差みたいな感じになるじゃん?あれいいよね!そそるよね!」
「いや、俺どちらかといえば、こう……緩やかな曲線って感じが好きなんだよなー。つーか、マーサはデブ専だけど、俺はどちらかといえばスレンダー系が昔から好きなんだよな」
「デブ専じゃありません。ぽっちゃりです」
「姉さんの言うぽっちゃりは世間一般的にはデブだよ」
「腹の肉でちんこ挟みたいとか言うだろ?マーサ。ちんこ挟めるレベルで腹の肉がついていたら、それはもうデブだ」
「えぇー!!デブじゃないよーだ!」
「マルクはどんなのが好みなの?部位的なのは?」
「えー……足首?こう……白くて細い足首がスカートの裾からチラッと見えるのとかいいよな」
「若干マニアックなとこきちゃった!」
「まぁ、分からんでもない」
「ありです」
「ちなみに旦那の好きな部位とかある?俺ねー、喉仏。見てるとなんかムラッとするー」
「微妙にマニアックだなー。リー」
「えへへー。兄さんは?」
「えー……んー?クラウディオは、なんだろ。胸毛込みの胸筋かなぁ。胸毛ふさふさだから触ってて楽しいし、なんかセクシーだし。ジャンは……首筋かなぁ?興奮するとさ、首まで赤くなるんだよ。セクシー。まぁ、ぶっちゃけ1番好きなのはちんこだけど」
「ぶっちゃけたぁ!」
「はははっ!」
「マルクは?」
「……え、やっぱりちんこじゃないか?」
「「「ははははっ!」」」
「まぁ、それは半分冗談だが」
「半分はガチなんじゃねぇか」
「旦那のちんこが嫌いな嫁がいるか?」
「何その名言チックな発言」
「あはははっ!!」
「アルジャーノは、指かな。こう長くて、キレイな形してるんだ。舐め回したい。ナーガは……手首?結構太めでさ、血管浮いてる感じがなんか好き」
「あら。マルクは手フェチなの?」
「んー?そうなのかな?」
「姉さんは? 」
「ちんことアナル」
「「「言うと思った」」」
「だってさー!私にこっそり秘密の嫁が何人いると思ってんのよー!いちいち挙げてたらキリがないっつーの!」
「リチャードの好きなとこを挙げればいいだろ?」
「リチャードとは子供つくる時しかセックスしないもの」
「そんなにしないの?」
「そうよ。今まで15回しかしたことないわね。ほら、土の神子って自分の意思で一発妊娠できるから。私達すごく仲はいいけど、夫婦愛的なのはないもの。主従愛と家族愛はしこたまあるけど。まぁ、ぶっちゃけ政略結婚だし」
「へー」
「ていうか、リチャードもこっそり秘密の旦那いるし」
「えっ!?そうなの?」
「へー」
「旦那なんだ」
「私だけ好きな相手をこっそり秘密の嫁にするのも不公平だから、貴方も好きな相手をこっそり秘密の伴侶にしていいよって、結婚するとき言ったのよ」
「ふーん」
「ね、ね、ね。姉さん。誰?リチャードさんの旦那。俺も知ってる人?」
「うちの将軍。フィリップ将軍よ」
「あー。あの風の民の」
「そうそう」
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「へー」
「フェンリル魔術師長も辞めて、今度はこっちの魔術研究所で働くんだろ?フリオが言ってた」
「そうよー。フェンリルもまぁお気づきかもしれませんが、こっそり秘密の嫁なもんで」
「今の陛下もだろ?」
「うん」
「そういえばさ、この間ナーガと話してたんだけど。なぁ、マーサ」
「なに?マルク」
「父上をこっそり秘密の嫁にする気ないか?」
「んっ!?」
「いやほら、母上が亡くなってもうかなり経つし、父上にもそろそろいい相手が1人くらいいてもいいと思うんだよ。肉体年齢はまだ若いんだし、性欲だって当然あるだろう?別に新しい伴侶とか恋人って形じゃなくてもいいからさ、遊び相手でもいたらいいんじゃないかなーって」
「えー。まぁ、遊び相手ならフーガ殿がいいって言えば別にいいけど」
「なんだ俺の父上に不満でもあんのかこら」
「ないです!ありません!」
「落ち着けよ、マルク。唐突にファザコン発動すんな」
「俺は別にファザコンじゃないぞ、兄さん」
「はいはい」
「フーガ殿ねー。まぁ、本人の同意があれば普通にセックスできるかな。面白い人だし」
「じゃあ、今度誘ってみてくれ。ナーガから父上には言ってみるらしいし」
「了解。でもフーガ殿は普通に嫌がりそうだけどね」
「そこはナーガが説得するんじゃないか?」
「ふーん」
「そういやさ、マーサ」
「ん?何?兄さん」
「お前新しい嫁できたじゃん。グイン元将軍。水の宗主国の」
「えっ!?姉さん、いつの間に?」
「つい3日前」
「こないだじゃんっ!」
「なんでまたグイン元将軍がお前の嫁になったんだ?」
「向こうから将軍辞めて国を出奔してきたから嫁にしてくれって。退職金をまるっと持参金ですって渡してきたから、それは叩き返したけど。グインも長く将軍やってたからねー。辞めるのはいいけど、辞めたら家のためだけに結婚させられるから出奔してきたって言ってたわ。なんか色々面倒くさい上級貴族の家の出らしいわ」
「「「へー」」」
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「ま、それは神子全員に言えることだけどな」
「神子の特性と与えられたそれぞれの役割は違うからねー。私はそれこそ、あっちこっち旅して回りたいんだけど、土の聖地にずっといて地脈を整えるのと子供を産むのが大きな役目だし」
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「別に気にすることなくないか?単なる神子としての特性と役割の違いなんだし」
「そうよー」
「務めだって嫌になったら辞められるしな。自殺でもすれば」
「1000年生きる筈の神子の1番の死因は自殺だもんねー」
「なー。歴代を遡ってみるとさ、風の神子ってまるっと1000年生きた奴いないんだわ。長くて700年くらいなんだけど。お前らんとこ、いるか?1000年生きた奴」
「火の神子はいなーい」
「水の神子もいないな」
「土の神子もいないわよ。まぁ、ぶっちゃけ寿命が長すぎるからねー。怪我や病気で死ぬってのも基本あり得ないし。生きるのに厭きて自殺したり、長すぎた生で狂って自殺したり、ってのばっかよ」
「だよなー」
「どこもそこら辺は似たような感じなんじゃない?」
「だろうな」
「俺らもどんぐらい生きられるかねー」
「姉さんいる限り退屈で死ぬってのだけはないと思います!」
「そうだな」
「あらやだ。責任重大じゃーん。なんか今度派手なことやらかさなきゃ」
「クラウディオに迷惑がかからないようにやれよ」
「……んふっ」
「おい」
「まぁ、1日1日を楽しんでれば、長い生に厭きることもないんじゃないか?」
「お。いいこと言うな。マルク」
「そうだねー」
「それが1番ね。ってことで、そろそろお楽しみしーましょ!」
「おー」
「やるか」
「イエーイ!」
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