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60:フェルナンドのお見合い
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フェリはロヴィーノ、フェルナンドとの3人で、サンガレアの自宅の居間にて火の王とリー、マリアンナと向かい合って座っていた。
夏休みに本当に家デートをしたフェルナンドは大変マリアンナのことを気に入ったらしく、フェリはフェルナンドに頼まれてリーにフェルナンドとマリアンナの見合いを打診してみた。リーとしてはどこぞのポッと出の馬の骨に可愛い娘をとられるよりも、小さい頃から知っているフェルナンドに嫁いでもらった方がいいらしく、快諾してくれた。リーが見合いのことをマリアンナに話すと、マリアンナは小さい頃に遊んでくれた絵本に出てくる妖精みたいに美しく優しいお兄さんなフェルナンドに憧れていたそうで、大変乗り気になったらしい。めちゃめちゃ渋る火の王をリーと2人がかりで2ヶ月かけて説得をして、本日の見合いに至る。
見合いをセッティングしたはいいが、具体的に何を話すのかサッパリなフェリである。世慣れしているクラウディオがいてくれたらいいのだが、残念ながら今日は仕事だ。フェリは少々気まずい思いをしながら、誤魔化すようにお茶を飲んだ。ロヴィーノと火の王が話し始める。
「今回はご足労ありがとうございます。火の王陛下」
「いや、こちらこそ。直接会うのは久方ぶりですな、風の王陛下」
「えぇ。ご健勝そうでなによりです」
「そちらも。……ところで、フェルナンド殿下とうちのマリアンナを結婚させたいそうですが」
「えぇ。マリアンナ王女はとても明るくて素敵なご令嬢ですから、是非とも我が国の王太子妃となっていただきたい。息子たっての希望でして。いずれは王妃の座についていただければと」
「……思うに、風の宗主国は少々遠いのではないかと。気候もまるで我が国とは違いますし、娘をやるには些か不安が残りますな」
「その点に関しては重々気をつけます。なんなら、我が国の気候に慣れるまではサンガレアと行き来してもいい。サンガレアにもこのように家がありますし、母の伴侶であるクラウディオもおります。サンガレアと風の宗主国を行き来しながら、ゆっくりと身体を気候に慣らしていけばよろしいかと。勿論、フェルナンドに現在やらせている仕事を減らして、フェルナンドにも同行させますよ」
「……まぁ、それなら」
「マリアンナ王女にお会いになりたくなったら、いつでも我が城に来ていただきたい。後宮の建物を現在改装中でして。いつでも料理ができるように広い台所と寛げる居間、それから機織りや刺繍がお好きなマリアンナ王女専用の機織り部屋を作っております。フェルナンドも多少ですが料理をするのです。マリアンナ王女もされるのでしょう?2人で一緒に料理をしたら、きっと楽しいのではないかと」
「ほう」
「冬場は雪が多い我が国ではありますが、冬は冬なりの楽しみ方というものもあります。結婚するかどうかは今すぐ決めずに、先ずは我が国に遊びに来ていただきたい」
「マリアンナ。どうする?」
「是非行きたいわ!父上」
「初めて行く時は俺もついていくよー。それなら安心でしょ?ジン」
「……まぁな。では、とりあえず風の宗主国へ遊びに行かせてもらい、結婚するかどうかは今後の本人達次第ということでよろしいか?風の王陛下」
「えぇ。勿論」
「火の王陛下。発言をお許しいただきたい」
「どうぞ。フェルナンド殿下」
「ありがとうございます。もしマリアンナ王女さえよろしかったら、この後昼食がてら街へと行きたいのですがお許しいただけますか?」
「……マリアンナ」
「行きたいわ!」
「……まぁ、いいだろう」
「ありがとうございます」
話が大体まとまり、フェルナンドとマリアンナは腕を組んで玄関から出ていった。2人とも実に嬉しそうである。後には保護者達だけが残された。
「やー!なんかあの2人いい感じだねぇ!兄さん!」
「だなぁ。早くも相思相愛って雰囲気じゃん」
「ねー、言ったでしょ?ジン。2人はちょーお似合いだって。フェルナンド君は小さい頃から知ってるけど、優しくてお茶目ですっごくいい子だし!」
「……そうは言ってもまだ結婚は少し早くないか?マリアンナはまだ15歳だぞ?」
「何言ってるのさ。あの子が産まれた時から縁談の話は山のようにきてたじゃない。全部ジンが断ったけど」
「断るに決まっているだろう。……まぁ、フェルナンド殿下はそれなりに好感が持てそうな若者ではあるが」
「でっしょー?フェルナンド君は弓も得意なんだよ。ね!ロヴィーノさん」
「えぇ。弓は6歳の頃からずっとやっております。母のもう1人の伴侶であるジャンと2人で狩りに行くことありますよ。剣も嗜み程度ではありますが、一応使えます。ただ、飛竜に乗る者は弓を主な武器にする者が多く、フェルナンドもそうですから、剣の方は本当に嗜み程度ですね」
「ほう。我が国では剣を重視する者が多いものですから。弓使いは珍しい」
「そのように聞いております」
「リー。マリアンナも剣を使えるんだろ?」
「うん!結構強いよー。んー。でもね、どちらかと言えば徒手空拳の方があの子は適正があるかな」
「マリアンナ王女は徒手空拳ができるので?」
「うん!俺がちっちゃい頃から空手教えてたから」
「空手、といいますと、確かリー様の故郷の武術でしたね」
「厳密に言うと、姉さんの故郷の武術かな。俺の国でもやってる人はいるけど。俺も含めてね」
「左様ですか。しかし武術が使えるとは心強い」
「女が武術などはしたないとは申されないのか?」
「まさか。女の子は元気で逞しいくらいがいいと個人的には思っておりますから」
「左様か」
「マリアンナ王女は息子にとって理想の相手だそうですよ。明るくて元気で一緒にいると楽しくて仕方がないと申しておりました」
「……まぁ、それならいいのですが」
「ふふーっ。今から孫が楽しみだねぇ!ジン」
「ま、孫っ!?いくらなんでも気が早すぎるぞ!リー!」
「そうだぞー。リー。まだ結婚するって決まったわけじゃないんだし」
「えー。でもさー、兄さん。あの2人ちょーいい感じだったじゃーん。孫ってさ、自分の子供とはまた違った感じに可愛いんでしょ?」
「まぁな。こう……手放しで可愛がれる感はある」
「いいねいいねぇ!ロヴィーノさん。もし子供ができたら産むのは風の宗主国?」
「いえ。マーサ様がいいとおっしゃってくだされば、できたらサンガレアで産んでもらおうかと。こちらの方が気候が温暖ですし、出産や育児に慣れているマーサ様もいらっしゃいますから。残念ながら今のところ我が家は殆んど男所帯なもので、やはりデリケートな妊娠中は特に、気を許せる女性が側にいた方がよろしいと思います。飛竜乗りになった妹のトリッシュはジャンと一緒に飛び回っていて常に不在ですから、あまり当てにはできませんので」
「サンガレアで産むなら初孫をすぐに抱っこできるよ!ジン!」
「……だから気が早いと言うに……」
楽しそうにはしゃぐリーに火の王が呆れた溜め息を吐いた。なんにせよ、火の王もそれなりに乗り気になったようである。なによりだ。本人達次第ではあるが、もしかしたら数年以内に曾孫を抱く日がくるかもしれない。フェリもなんだか楽しみになってきた。フェルナンドとマリアンナの仲がうまくいけばいい。心からそう願う。
ロヴィーノと火の王が話し合い、とりあえず来月の末にマリアンナが風の宗主国に来ることになった。年末年始はお互い忙しい。非常に乗り気な若者2人の気持ちが変わらないうちに、1度マリアンナに風の宗主国の冬を少し体験させる為、本格的に忙しくなる前に1週間だけ風の宗主国に滞在することになった。リーもついてくるので、フェリもマリアンナが風の宗主国に来る間は風の宗主国に滞在することにした。まぁ、神子が2人ついていれば、仰々しい護衛なども必要ない。若者2人でゆっくり観光したりもできるだろう。保護者つきだが。
火の王とリーはまたいずれ詳しい話をしよう、と言って帰っていった。サンガレアに来たついでにあの2人も街に行って芝居デートをするそうだ。羨ましい。フェリだってクラウディオとデートしたい。秋の豊穣祭間近な今の時期はクラウディオは仕事が忙しい。流石にゆっくりデートはできない。夜にクラウディオが帰ってきたら少しだけでいいからイチャイチャしよう。フェリはそう決めると、緊張して肩が凝ったとぼやくロヴィーノと食べる昼食を作るために台所へと向かった。
夏休みに本当に家デートをしたフェルナンドは大変マリアンナのことを気に入ったらしく、フェリはフェルナンドに頼まれてリーにフェルナンドとマリアンナの見合いを打診してみた。リーとしてはどこぞのポッと出の馬の骨に可愛い娘をとられるよりも、小さい頃から知っているフェルナンドに嫁いでもらった方がいいらしく、快諾してくれた。リーが見合いのことをマリアンナに話すと、マリアンナは小さい頃に遊んでくれた絵本に出てくる妖精みたいに美しく優しいお兄さんなフェルナンドに憧れていたそうで、大変乗り気になったらしい。めちゃめちゃ渋る火の王をリーと2人がかりで2ヶ月かけて説得をして、本日の見合いに至る。
見合いをセッティングしたはいいが、具体的に何を話すのかサッパリなフェリである。世慣れしているクラウディオがいてくれたらいいのだが、残念ながら今日は仕事だ。フェリは少々気まずい思いをしながら、誤魔化すようにお茶を飲んだ。ロヴィーノと火の王が話し始める。
「今回はご足労ありがとうございます。火の王陛下」
「いや、こちらこそ。直接会うのは久方ぶりですな、風の王陛下」
「えぇ。ご健勝そうでなによりです」
「そちらも。……ところで、フェルナンド殿下とうちのマリアンナを結婚させたいそうですが」
「えぇ。マリアンナ王女はとても明るくて素敵なご令嬢ですから、是非とも我が国の王太子妃となっていただきたい。息子たっての希望でして。いずれは王妃の座についていただければと」
「……思うに、風の宗主国は少々遠いのではないかと。気候もまるで我が国とは違いますし、娘をやるには些か不安が残りますな」
「その点に関しては重々気をつけます。なんなら、我が国の気候に慣れるまではサンガレアと行き来してもいい。サンガレアにもこのように家がありますし、母の伴侶であるクラウディオもおります。サンガレアと風の宗主国を行き来しながら、ゆっくりと身体を気候に慣らしていけばよろしいかと。勿論、フェルナンドに現在やらせている仕事を減らして、フェルナンドにも同行させますよ」
「……まぁ、それなら」
「マリアンナ王女にお会いになりたくなったら、いつでも我が城に来ていただきたい。後宮の建物を現在改装中でして。いつでも料理ができるように広い台所と寛げる居間、それから機織りや刺繍がお好きなマリアンナ王女専用の機織り部屋を作っております。フェルナンドも多少ですが料理をするのです。マリアンナ王女もされるのでしょう?2人で一緒に料理をしたら、きっと楽しいのではないかと」
「ほう」
「冬場は雪が多い我が国ではありますが、冬は冬なりの楽しみ方というものもあります。結婚するかどうかは今すぐ決めずに、先ずは我が国に遊びに来ていただきたい」
「マリアンナ。どうする?」
「是非行きたいわ!父上」
「初めて行く時は俺もついていくよー。それなら安心でしょ?ジン」
「……まぁな。では、とりあえず風の宗主国へ遊びに行かせてもらい、結婚するかどうかは今後の本人達次第ということでよろしいか?風の王陛下」
「えぇ。勿論」
「火の王陛下。発言をお許しいただきたい」
「どうぞ。フェルナンド殿下」
「ありがとうございます。もしマリアンナ王女さえよろしかったら、この後昼食がてら街へと行きたいのですがお許しいただけますか?」
「……マリアンナ」
「行きたいわ!」
「……まぁ、いいだろう」
「ありがとうございます」
話が大体まとまり、フェルナンドとマリアンナは腕を組んで玄関から出ていった。2人とも実に嬉しそうである。後には保護者達だけが残された。
「やー!なんかあの2人いい感じだねぇ!兄さん!」
「だなぁ。早くも相思相愛って雰囲気じゃん」
「ねー、言ったでしょ?ジン。2人はちょーお似合いだって。フェルナンド君は小さい頃から知ってるけど、優しくてお茶目ですっごくいい子だし!」
「……そうは言ってもまだ結婚は少し早くないか?マリアンナはまだ15歳だぞ?」
「何言ってるのさ。あの子が産まれた時から縁談の話は山のようにきてたじゃない。全部ジンが断ったけど」
「断るに決まっているだろう。……まぁ、フェルナンド殿下はそれなりに好感が持てそうな若者ではあるが」
「でっしょー?フェルナンド君は弓も得意なんだよ。ね!ロヴィーノさん」
「えぇ。弓は6歳の頃からずっとやっております。母のもう1人の伴侶であるジャンと2人で狩りに行くことありますよ。剣も嗜み程度ではありますが、一応使えます。ただ、飛竜に乗る者は弓を主な武器にする者が多く、フェルナンドもそうですから、剣の方は本当に嗜み程度ですね」
「ほう。我が国では剣を重視する者が多いものですから。弓使いは珍しい」
「そのように聞いております」
「リー。マリアンナも剣を使えるんだろ?」
「うん!結構強いよー。んー。でもね、どちらかと言えば徒手空拳の方があの子は適正があるかな」
「マリアンナ王女は徒手空拳ができるので?」
「うん!俺がちっちゃい頃から空手教えてたから」
「空手、といいますと、確かリー様の故郷の武術でしたね」
「厳密に言うと、姉さんの故郷の武術かな。俺の国でもやってる人はいるけど。俺も含めてね」
「左様ですか。しかし武術が使えるとは心強い」
「女が武術などはしたないとは申されないのか?」
「まさか。女の子は元気で逞しいくらいがいいと個人的には思っておりますから」
「左様か」
「マリアンナ王女は息子にとって理想の相手だそうですよ。明るくて元気で一緒にいると楽しくて仕方がないと申しておりました」
「……まぁ、それならいいのですが」
「ふふーっ。今から孫が楽しみだねぇ!ジン」
「ま、孫っ!?いくらなんでも気が早すぎるぞ!リー!」
「そうだぞー。リー。まだ結婚するって決まったわけじゃないんだし」
「えー。でもさー、兄さん。あの2人ちょーいい感じだったじゃーん。孫ってさ、自分の子供とはまた違った感じに可愛いんでしょ?」
「まぁな。こう……手放しで可愛がれる感はある」
「いいねいいねぇ!ロヴィーノさん。もし子供ができたら産むのは風の宗主国?」
「いえ。マーサ様がいいとおっしゃってくだされば、できたらサンガレアで産んでもらおうかと。こちらの方が気候が温暖ですし、出産や育児に慣れているマーサ様もいらっしゃいますから。残念ながら今のところ我が家は殆んど男所帯なもので、やはりデリケートな妊娠中は特に、気を許せる女性が側にいた方がよろしいと思います。飛竜乗りになった妹のトリッシュはジャンと一緒に飛び回っていて常に不在ですから、あまり当てにはできませんので」
「サンガレアで産むなら初孫をすぐに抱っこできるよ!ジン!」
「……だから気が早いと言うに……」
楽しそうにはしゃぐリーに火の王が呆れた溜め息を吐いた。なんにせよ、火の王もそれなりに乗り気になったようである。なによりだ。本人達次第ではあるが、もしかしたら数年以内に曾孫を抱く日がくるかもしれない。フェリもなんだか楽しみになってきた。フェルナンドとマリアンナの仲がうまくいけばいい。心からそう願う。
ロヴィーノと火の王が話し合い、とりあえず来月の末にマリアンナが風の宗主国に来ることになった。年末年始はお互い忙しい。非常に乗り気な若者2人の気持ちが変わらないうちに、1度マリアンナに風の宗主国の冬を少し体験させる為、本格的に忙しくなる前に1週間だけ風の宗主国に滞在することになった。リーもついてくるので、フェリもマリアンナが風の宗主国に来る間は風の宗主国に滞在することにした。まぁ、神子が2人ついていれば、仰々しい護衛なども必要ない。若者2人でゆっくり観光したりもできるだろう。保護者つきだが。
火の王とリーはまたいずれ詳しい話をしよう、と言って帰っていった。サンガレアに来たついでにあの2人も街に行って芝居デートをするそうだ。羨ましい。フェリだってクラウディオとデートしたい。秋の豊穣祭間近な今の時期はクラウディオは仕事が忙しい。流石にゆっくりデートはできない。夜にクラウディオが帰ってきたら少しだけでいいからイチャイチャしよう。フェリはそう決めると、緊張して肩が凝ったとぼやくロヴィーノと食べる昼食を作るために台所へと向かった。
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