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22:孫とお料理
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クラウディオがフェリと結婚して半年近くが経った。新たに2人の新居として一軒家を買おうかとも思ったが、フェリが帰ってくるのは年に数回で1度に長くて10日程。子供達も年に1度に1週間だけだ。更に子供達は風の宗主国の王族なので、いくら治安がいいとはいえ街中の一軒家は警備上の問題がある。クラウディオは相変わらず1人で官舎に住んでいた。
クラウディオとフェリ、そして孫になったフェルナンドは、一緒に並んでクラウディオの家の台所に立っていた。フェルナンドはクラウディオの予備のエプロンを着け、真剣な表情で包丁を使って人参を切っている。フェリはキャベツを千切りにしている。クラウディオはゆで卵を作っていた。
フェリと恋人になって家族に紹介されてから、ロヴィーノやフェルナンド達は毎年夏休みの度にクラウディオの家に遊びに来ていた。それは結婚後も変わらず、今も夏休みで家族揃ってサンガレアに来ている。ロヴィーノとフリオ、アルジャーノは兄弟3人で買い物に行っている。フェルナンドはカレー作りに挑戦中である。
「ねぇ、お祖父様」
「ん?」
「大きさバラバラになった」
「大丈夫大丈夫。多少不揃いでも火が通ってたら食えるから」
「んー。次はどうするの?」
「野菜の下拵えは済んだから、あとは炒めて煮るだけだ」
「うん」
「クラウディオ。サラダにもトマト入れたい」
「トマトは小さいのでいいなら、まだ何個かあるぞ」
「それも切るか」
今夜は今が旬の夏野菜がたっぷり入ったカレーと野菜サラダになる予定である。
「お祖父様。オリーブ油ってどのくらいの量?」
「んー。まぁだいたい大さじ1くらいだな」
「わかった」
「なぁ、フェルナンド」
「なに?おばあ様」
「別にいいけど、何でまた急にカレー作りたいとか言い出したんだ?」
「フリオ叔父上が魔術の研究に没頭するとご飯食べないんだよ。マーサ様に俺でも城で作れる簡単な料理がないかって聞いたら、カレーって言ってたから」
「まぁ、カレーならカレー粉さえあれば、入れる材料は何でもいいからな。カレーに入れて不味くなるものって多分そうないし、どこでも作れる」
「マーサ様もそう言ってた」
「城にはフェルナンドも使える調理場があるのか?」
「さぁ?まぁ、そこはなんとかなるかなって」
「あ、フェルナンド。そういうことならいいものが最近発売されたぞ」
「いいもの?何?」
「卓上魔導コンロ」
「何それ、お祖父様」
「台所だけじゃなくて、普通のテーブルでも使える魔導コンロらしい。そんなに大きくないし、どこでも使えるとか。明日にでも試しに買ってみるか?」
「うん。買ってフリオ叔父上の部屋に置いとく。あとカレー粉欲しい。いっぱい」
「それなら鍋とかもいるんじゃないか?」
「あぁ。必要なものを明日全て揃えよう。置場所があるなら魔導冷蔵庫もあった方がいい」
「俺の財布で足りない分のお金は父上に交渉するよ」
「ん?俺が買おうか?」
「いいの?おばあ様」
「いいぞー。最近出してもらった画集の売れ行きが好調でな。俺は今そこそこ金持ちだ」
「俺それまだ見てない」
「書斎にあるぞ。もしかしたら欲しいかと思って5冊買ってある。1冊ずつ持って帰ってもいいぞ」
「やった!後で見るよ」
「今年出たフェリ様ファンクラブの会報誌もまだ見てないだろう?煮込んでいる間に読むか?サラダはできているし」
「読むー」
「今年のは殆んど俺達の結婚の話題じゃないのか?」
「まぁな」
「あ、お祖父様。玉ねぎこんな感じ?」
「んー。まぁ、いいかな。肉を入れよう」
「うん」
赤ワインにハーブと共に浸けてあった貰い物の猪肉をクラウディオが魔導冷蔵庫から取り出した。飴色になるまで炒めた玉ねぎが入っている大きめの厚手の鍋に1つずつフェルナンドが入れていく。
「火を少し強めよう。肉の表面の色が変わったら他の野菜も全部入れて」
「うん」
「あー。もうこれだけで既に旨そう。肉1個食いたい」
「ダメだよ、おばあ様。皆が食べる時におばあ様だけ肉少なくなるよ」
「それはヤダ。クラウディオ。この肉ってミーシャに貰ったのか?」
「いや、フェリックス。数日前に持ってきてくれてな」
「フェリックス神殿警備隊隊長って、確かミーちゃんの狩りの師匠なんだっけ?」
「そうそう。アイツは弓の名手だからな。ずっと狩りが趣味なんだよ。アイツの趣味には何度か助けられたな」
「どういうこと?」
「ん?いつだったかな……戦の時に少人数でいくつかに分かれて敵の本陣に奇襲をかける作戦があったんだよ。可能な限り短い時間で敵の本陣に移動して、できるだけ多くの敵を襲って敵を混乱させるっていう」
「うん」
「兎に角時間が勝負だから、身軽でいるために持っていける食料が本当に僅かでな。軍服のポケットに入るだけの携帯食料だけだったんだ」
「1度食べたことがあるけどさ。携帯食料って美味しくないよね」
「今のは昔のものよりもだいぶマシになったんだぞ」
「うへぇ。昔のはどんだけ不味かったの」
「味が不味い。なんか臭い。ガチガチに固い。口の中の水分がなくなる。まぁ、そんな感じ」
「うわ」
「ま、そんなものでも食べられるだけ有難いって時が多かったけどな。話が少し逸れたが、奇襲は成功したんだが、少人数での襲撃で敵を混乱させるのが目的だったから、当然敵の陣地を制圧しているわけじゃない。ある程度敵を襲ったあとは撤退しなければいけないだろ?」
「うん」
「敵陣に残ってたら殺されるだけだしな」
「そうそう。で、その撤退の時の食い物が無くてな。あえて近くの山に入って、山経由で自分の陣地に戻ったんだ。山で食料集めながらな」
「へぇー」
「アイツは山に自生している薬草にも詳しいから怪我の手当てもできた。お陰で俺のいた部隊はその時は死人がでなかったな」
「すごいね、フェリックス神殿警備隊隊長」
「まぁな。……炒めるのはこれくらいでいいぞ。水と固形のコンソメスープの素を入れよう。あとローリエ」
「マーサ様が隠し味に醤油入れると美味しいって言ってたけど、いつ入れるの?」
「ん?んー……多分今でいいんじゃないか?隠し味なら入れるのは少しだけだろうし」
「わかった」
水と固形物のコンソメスープの素、醤油を少量入れて、ローリエを浮かべた。火を強めて沸騰させると、中火に調節して、そのまま煮込む。
少しずつ表面に浮かんできたアクをフェルナンドが掬いとる。アクがきれいになくなったら、暫くの間放置である。
煮込んでいる間に、3人でフェリ様ファンクラブの会報誌をわいわい喋りながら読み、1時間程じっくり煮込んだ後でカレー粉を入れた。焦げないように弱火で混ぜながら少し煮込んだら、カレーの完成である。
晩飯時の少し前に、買い物に行っていた兄弟3人がクラウディオの家に帰ってきた。3人とも荷物を抱えていたが、特にフリオが多かった。
「フリオ。何をそんなに買ったんだよ」
「最新の魔導製品をまぁ一通り」
「あ、もしかして卓上魔導コンロも買った?」
「あぁ。初めて見るものだったから、ついな」
「ちょうどよかった。明日買って、フリオ叔父上の部屋に置いとこうと思ってたんだ」
「ん?何でだ?フェルナンド」
「フリオ叔父上、研究に没頭し出したらご飯食べないじゃないか。冷めてる料理運ぶよりもいっそ部屋で作ったら流石に食べるでしょ」
「あー、うん。まぁ、多分」
「フリオ。魔導冷蔵庫は持ってるか?」
「いや、まだ持ってない。流石に自力で持ち運べる大きさじゃないしな」
「じゃあ明日はそれを買いにいこう。魔導冷蔵庫があれば食材をストックしておけるしな」
「……置く場所あるか?」
「いい機会だ。フリオ、いい加減部屋を少し片付けろ。お前の部屋は足の踏み場もろくに無いほど汚いからな」
「ロヴィ兄上。フリオ兄上の部屋ってそんなに汚いの?」
「汚いな」
「汚いよ」
「……別に部屋が汚くても生きるのに問題ないですし」
「部屋が汚いと料理するのに不衛生でよくないぞ」
「……フェルナンド。帰ったら手伝ってくれ」
「いいよ。フリオ叔父上」
話がまとまったところで、カレーを温め、皆で食べ始めた。フェルナンドが作ったカレーは中々に美味しく、3兄弟にとても好評だった。
ゆっくり食事と会話を楽しみ、そこそこ遅い時間になると、クラウディオとフェリでロヴィーノ達を領館まで送った。
領館からの帰り道はフェリと手を繋いで歩く。少し小さな声で話ながら歩く2人を月が優しく照らしていた。
クラウディオとフェリ、そして孫になったフェルナンドは、一緒に並んでクラウディオの家の台所に立っていた。フェルナンドはクラウディオの予備のエプロンを着け、真剣な表情で包丁を使って人参を切っている。フェリはキャベツを千切りにしている。クラウディオはゆで卵を作っていた。
フェリと恋人になって家族に紹介されてから、ロヴィーノやフェルナンド達は毎年夏休みの度にクラウディオの家に遊びに来ていた。それは結婚後も変わらず、今も夏休みで家族揃ってサンガレアに来ている。ロヴィーノとフリオ、アルジャーノは兄弟3人で買い物に行っている。フェルナンドはカレー作りに挑戦中である。
「ねぇ、お祖父様」
「ん?」
「大きさバラバラになった」
「大丈夫大丈夫。多少不揃いでも火が通ってたら食えるから」
「んー。次はどうするの?」
「野菜の下拵えは済んだから、あとは炒めて煮るだけだ」
「うん」
「クラウディオ。サラダにもトマト入れたい」
「トマトは小さいのでいいなら、まだ何個かあるぞ」
「それも切るか」
今夜は今が旬の夏野菜がたっぷり入ったカレーと野菜サラダになる予定である。
「お祖父様。オリーブ油ってどのくらいの量?」
「んー。まぁだいたい大さじ1くらいだな」
「わかった」
「なぁ、フェルナンド」
「なに?おばあ様」
「別にいいけど、何でまた急にカレー作りたいとか言い出したんだ?」
「フリオ叔父上が魔術の研究に没頭するとご飯食べないんだよ。マーサ様に俺でも城で作れる簡単な料理がないかって聞いたら、カレーって言ってたから」
「まぁ、カレーならカレー粉さえあれば、入れる材料は何でもいいからな。カレーに入れて不味くなるものって多分そうないし、どこでも作れる」
「マーサ様もそう言ってた」
「城にはフェルナンドも使える調理場があるのか?」
「さぁ?まぁ、そこはなんとかなるかなって」
「あ、フェルナンド。そういうことならいいものが最近発売されたぞ」
「いいもの?何?」
「卓上魔導コンロ」
「何それ、お祖父様」
「台所だけじゃなくて、普通のテーブルでも使える魔導コンロらしい。そんなに大きくないし、どこでも使えるとか。明日にでも試しに買ってみるか?」
「うん。買ってフリオ叔父上の部屋に置いとく。あとカレー粉欲しい。いっぱい」
「それなら鍋とかもいるんじゃないか?」
「あぁ。必要なものを明日全て揃えよう。置場所があるなら魔導冷蔵庫もあった方がいい」
「俺の財布で足りない分のお金は父上に交渉するよ」
「ん?俺が買おうか?」
「いいの?おばあ様」
「いいぞー。最近出してもらった画集の売れ行きが好調でな。俺は今そこそこ金持ちだ」
「俺それまだ見てない」
「書斎にあるぞ。もしかしたら欲しいかと思って5冊買ってある。1冊ずつ持って帰ってもいいぞ」
「やった!後で見るよ」
「今年出たフェリ様ファンクラブの会報誌もまだ見てないだろう?煮込んでいる間に読むか?サラダはできているし」
「読むー」
「今年のは殆んど俺達の結婚の話題じゃないのか?」
「まぁな」
「あ、お祖父様。玉ねぎこんな感じ?」
「んー。まぁ、いいかな。肉を入れよう」
「うん」
赤ワインにハーブと共に浸けてあった貰い物の猪肉をクラウディオが魔導冷蔵庫から取り出した。飴色になるまで炒めた玉ねぎが入っている大きめの厚手の鍋に1つずつフェルナンドが入れていく。
「火を少し強めよう。肉の表面の色が変わったら他の野菜も全部入れて」
「うん」
「あー。もうこれだけで既に旨そう。肉1個食いたい」
「ダメだよ、おばあ様。皆が食べる時におばあ様だけ肉少なくなるよ」
「それはヤダ。クラウディオ。この肉ってミーシャに貰ったのか?」
「いや、フェリックス。数日前に持ってきてくれてな」
「フェリックス神殿警備隊隊長って、確かミーちゃんの狩りの師匠なんだっけ?」
「そうそう。アイツは弓の名手だからな。ずっと狩りが趣味なんだよ。アイツの趣味には何度か助けられたな」
「どういうこと?」
「ん?いつだったかな……戦の時に少人数でいくつかに分かれて敵の本陣に奇襲をかける作戦があったんだよ。可能な限り短い時間で敵の本陣に移動して、できるだけ多くの敵を襲って敵を混乱させるっていう」
「うん」
「兎に角時間が勝負だから、身軽でいるために持っていける食料が本当に僅かでな。軍服のポケットに入るだけの携帯食料だけだったんだ」
「1度食べたことがあるけどさ。携帯食料って美味しくないよね」
「今のは昔のものよりもだいぶマシになったんだぞ」
「うへぇ。昔のはどんだけ不味かったの」
「味が不味い。なんか臭い。ガチガチに固い。口の中の水分がなくなる。まぁ、そんな感じ」
「うわ」
「ま、そんなものでも食べられるだけ有難いって時が多かったけどな。話が少し逸れたが、奇襲は成功したんだが、少人数での襲撃で敵を混乱させるのが目的だったから、当然敵の陣地を制圧しているわけじゃない。ある程度敵を襲ったあとは撤退しなければいけないだろ?」
「うん」
「敵陣に残ってたら殺されるだけだしな」
「そうそう。で、その撤退の時の食い物が無くてな。あえて近くの山に入って、山経由で自分の陣地に戻ったんだ。山で食料集めながらな」
「へぇー」
「アイツは山に自生している薬草にも詳しいから怪我の手当てもできた。お陰で俺のいた部隊はその時は死人がでなかったな」
「すごいね、フェリックス神殿警備隊隊長」
「まぁな。……炒めるのはこれくらいでいいぞ。水と固形のコンソメスープの素を入れよう。あとローリエ」
「マーサ様が隠し味に醤油入れると美味しいって言ってたけど、いつ入れるの?」
「ん?んー……多分今でいいんじゃないか?隠し味なら入れるのは少しだけだろうし」
「わかった」
水と固形物のコンソメスープの素、醤油を少量入れて、ローリエを浮かべた。火を強めて沸騰させると、中火に調節して、そのまま煮込む。
少しずつ表面に浮かんできたアクをフェルナンドが掬いとる。アクがきれいになくなったら、暫くの間放置である。
煮込んでいる間に、3人でフェリ様ファンクラブの会報誌をわいわい喋りながら読み、1時間程じっくり煮込んだ後でカレー粉を入れた。焦げないように弱火で混ぜながら少し煮込んだら、カレーの完成である。
晩飯時の少し前に、買い物に行っていた兄弟3人がクラウディオの家に帰ってきた。3人とも荷物を抱えていたが、特にフリオが多かった。
「フリオ。何をそんなに買ったんだよ」
「最新の魔導製品をまぁ一通り」
「あ、もしかして卓上魔導コンロも買った?」
「あぁ。初めて見るものだったから、ついな」
「ちょうどよかった。明日買って、フリオ叔父上の部屋に置いとこうと思ってたんだ」
「ん?何でだ?フェルナンド」
「フリオ叔父上、研究に没頭し出したらご飯食べないじゃないか。冷めてる料理運ぶよりもいっそ部屋で作ったら流石に食べるでしょ」
「あー、うん。まぁ、多分」
「フリオ。魔導冷蔵庫は持ってるか?」
「いや、まだ持ってない。流石に自力で持ち運べる大きさじゃないしな」
「じゃあ明日はそれを買いにいこう。魔導冷蔵庫があれば食材をストックしておけるしな」
「……置く場所あるか?」
「いい機会だ。フリオ、いい加減部屋を少し片付けろ。お前の部屋は足の踏み場もろくに無いほど汚いからな」
「ロヴィ兄上。フリオ兄上の部屋ってそんなに汚いの?」
「汚いな」
「汚いよ」
「……別に部屋が汚くても生きるのに問題ないですし」
「部屋が汚いと料理するのに不衛生でよくないぞ」
「……フェルナンド。帰ったら手伝ってくれ」
「いいよ。フリオ叔父上」
話がまとまったところで、カレーを温め、皆で食べ始めた。フェルナンドが作ったカレーは中々に美味しく、3兄弟にとても好評だった。
ゆっくり食事と会話を楽しみ、そこそこ遅い時間になると、クラウディオとフェリでロヴィーノ達を領館まで送った。
領館からの帰り道はフェリと手を繋いで歩く。少し小さな声で話ながら歩く2人を月が優しく照らしていた。
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