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20:ロヴィーノとマーサ

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ロヴィーノは夏休みに家族と一緒にマーサの元へ訪れていた。ロヴィーノ達が夏休みというものを設けてサンガレアに来るのは、ちょうど10回目だ。幼かった息子は16歳になり、今年成人した。

夜もすっかり更けた頃。
土竜の森の中のマーサの隠れ家で、ロヴィーノはマーサと過ごしていた。昼間は自分の家族やマーサの家族達と過ごすので、マーサと2人きりになれるのは夜だけだ。マーサは後宮という表だったものを持っていないので、こっそり秘密の関係であるから、堂々と外で手を繋いだりなどはできない。マーサと触れあえるのは夜のマーサの隠れ家で過ごす時だけだ。しかしロヴィーノは特に不満はなかった。マーサと2人きりでチェスを楽しんだり、酒を飲みながら話したり、セックスをしたりと十分楽しんでいる。
今は4回戦目のセックスを終え、2人でのんびり露天風呂に浸かっている。ロヴィーノは、小柄だがぽっちゃりして柔らかいマーサを自分の膝にのせ、後ろからゆるく抱き締めた体勢でのんびり温泉に浸かるのが好きだ。今もそうしている。いつもマーサとセックスをする時は、最初の1度目はロヴィーノがマーサを抱くが、その後は百戦錬磨の愛とエロスの伝道師に形勢逆転され、ロヴィーノが抱かれている。背の低いマーサと細身だが背が高いロヴィーノでは、そこそこ体格差があるのだが、マーサにはそこはあまり関係ないらしく、いつも気づけば器用なマーサに抱かれて喘いでいる。流石にできる体位に限りがあるが、そもそもロヴィーノはセックスに関する知識が豊富とは言えないし、マーサがやたらセックスが上手いので不満はない。
自分の膝にのせたマーサの柔らかくて大きなおっぱいをむにむに揉みながら、伸びた自分の髪を優しく撫でてキスしてくれるマーサに、ロヴィーノは幸せな溜め息を吐いた。


「そういえば、マーサ」

「んー?」

「母上とクラウディオ殿はまだ結婚しないのか?」

「してほしいの?」

「あぁ。2人が恋人になってもう10年過ぎてるだろう?そろそろいいんじゃないかと思うんだが」

「……そういや聞いたことなかったけど、ロヴィーノ達はクラウディオ分隊長が本当に父親になってもいいの?」

「あぁ。毎年夏休みの度に会っているが、いい男だし、俺達にも優しいしな。何より母上を大切にしてくれてるから不満はないな」

「まぁねー。クラウディオ分隊長、兄さんにベタ惚れだもの」

「だろう?たまに見ているこっちが恥ずかしくなるくらいだ」

「ふふふっ。まぁ、実を言うと少し前にクラウディオ分隊長から頼み事されてさ。そろそろ結婚したいので協力してくださいって」

「おぉ!そうか!」

「もしかしたら今頃プロポーズでもしてんじゃない?」

「だといいなぁ」

「まぁ、クラウディオ分隊長はやる時はやる男だからねー。確実に近いうちに結婚するでしょうよ」

「……俺できたら次は妹がいいな。男所帯だから妹欲しい」

「はははっ!気が早いよ。んー。でも子供はどうだろ?豊穣を司る土の神子は望めばいつでも妊娠できるけど、他の神子は子供ができにくいんだよねー。多分寿命が人間よりずっと長いのが関係してるのだろうけど。宗主国の王族もそんなにポンポン子供できないでしょ?」

「そうなのか?まぁ、言われてみれば、確かにどこの宗主国もそんなに子沢山ではないが」

「そうそう。ていうか、元男の神子が子供を産むこと自体そもそも極々稀だし。普通はさー、いきなり神子になって子供が産める身体になりました。じゃあ男に抱かれて子供産みますってならないでしょ。慣例に則って男の王族と結婚しても、女を囲って子供産ませたりするのが大半よ。男と恋愛関係になって子供を自分で産んでる神子も確かにいたけど、まぁ、私達の元々の世界じゃ男同士の恋愛って少数派だし」

「母上は生物学上の父親と恋愛関係などではないが、俺達を産んだぞ」

「兄さんは思いきりがいいし、あれで中々どうして肝っ玉据わってるもん。自分の子供が、家族が欲しい。恋愛禁止を約束してしまっているから女は孕ませられない。しかし種馬なら一応いる。なら自分で産むか。みたいな。まぁ、そんな思考回路で実際産んじゃったからね。それも3人も。やー。すごいよねー、本当。まぁ、兄さんは200年近くずっと神子1人だったからね。私とマルクが殆ど同時期に召喚されるまで。今みたいに神子同士でもつるめなかったし」

「……母上はやはり孤独だったのだろうか」

「貴方達を産むまではね」

「むぅ……」


神子は同時期に召喚されるわけではない。
母は300年近く前に召喚され、この世界に来た。当時、先代水の神子がいたらしいが、ろくに交流する間もなく死んでしまったそうだ。土の神子と火の神子は2000年以上召喚されていなかった。約70年前にマルク様が召喚され、その数年後にマーサが召喚されるまで、神子は母1人だった。マーサが召喚されて約10年程経った頃に先代火の神子が召喚されたが、色々あってすぐに死んでしまった。それから約40年程してからリー様が召喚された。母は王族とも神官達とも関係がよくなかった。どれだけの孤独を感じていたのだろうか。神子の務めで中々会えないと分かっていながら、愛してもいない男の子供を産むくらいだ。相当なものだったのだろう。


「今はきっと寂しくないよ。1人ぼっちじゃないもの。貴方達もクラウディオ分隊長も私やマルク達もいるもの」

「……ならいいが」

「まぁ、人生ながーいんだから、妹は気長ーに待ちなよ」

「そうする」

「ところでロヴィーノさんや」

「ん?」

「そんなにおっぱい揉まれると、いい加減ムラムラしてくるんですけど。ていうか、ちんこ勃っちゃってるんですけど」

「え」

「もう1回しよー」

「……ベッドでがいい。風呂場ですると暑いし」

「いいよー。あ、次は乗ってよ。ロヴィーノが自分で腰をやらしーく振ってるとこ見るの好きなのよー。エロくていいよねー」

「……まぁ、いいけど」

「よっしゃ!早くベッドに行こう!」

「うん」


マーサが張り切って湯船の中で立ち上がり、ロヴィーノの手を引いて立たせた。ロヴィーノがマーサの下半身を見れば、確かにマーサの体格に似合わぬ大きさのぺニスは完全に臨戦態勢になっている。手を繋いで家の中に戻り、適当にタオルで濡れた身体を拭くと、2人でベッドに寝転がった。マーサが早速……と言わんばかりにロヴィーノの乳首を指でクリクリ弄りながら、キスしてくる。


「ねぇ。今度のローションはさ、発売前の新作試してみていい?じんわり温かくなるやつ」

「んっ。いいけど」

「ふふっ。やーった!」


マーサが楽しそうに、枕の下から先程とは違うローションのボトルを取り出した。一体何本ローションをそこに仕込んでいるんだ。露天風呂に入るまでに、確か小さめのボトルのローションを2本使いきっていた筈だ。ロヴィーノを抱く気満々なのが丸分かりである。……満更ではないので問題ないが。
ロヴィーノはマーサの期待に応えるべく、再びマーサがロヴィーノのアナルを解した後、仰向けに寝転がったマーサに跨がり、要望通りやらしーく腰を振ってやった。
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