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14:4人の神子の会話

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夏休み中にロヴィーノがすっかり落ち着いて、フェリは安心して風の神子の務めに戻れるようになった。今度は次男のフリオもサンガレアに連れていこう。アルジャーノは1年の半分くらいはマーサの元で過ごしているし、家族全員で過ごす機会なんて滅多にないのだ。子供達が小さい頃は中々側にいてやることができなかった。フェリは少しでも家族との時間を持ちたかった。
クラウディオとは正式に恋人になったし、なんだか最近いい感じである。
フェリはご機嫌に鼻歌を歌いながら、風竜に乗って空を駆け回った。






ーーーーーー
季節は秋の終わりがみえ、冬間近である。
フェリは土の宗主国サンガレアのマーサの家の庭へと風竜に乗ったまま降り立った。ちょうど畑から戻ってきたところなのだろう。籠一杯の野菜を抱えたマーサが出迎えてくれた。


「おかえり、兄さん」

「ただいま、マーサ」


マーサとハグがしたいが、マーサが両手で抱えている野菜が邪魔だ。フェリはとりあえずマーサの頬にキスするだけで我慢した。


「変わりはないか?」

「んー、特にはないかな。皆元気よ。今ね、マルクとリーも来てるの。久しぶりに4人でお茶でも飲みましょうよ」

「お、そうか。4人揃うのは久しぶりだな」

「ねー」


マーサが嬉しそうにニッコリ笑った。
居間に行くと、マルクとリーは2人揃って編み物をしていた。


「マルク。リー。久しぶり」

「あ、兄さん!久しぶりー!」

「久しぶり。兄さん」


椅子に並んで座っている彼らに近寄って、軽く抱き締め、頬にキスをした。


「編み物か?」

「うん。最近クラークさんに教えてもらったからさ。マルクと一緒にやってたんだ」

「アーダルベルトに新しいマフラーを作ってやろうと思って。本当はセーターとか作りたいんだけど、役目の最中はできないしな」

「あー……まぁ、それは仕方ないな。俺もマルクも中々1ヵ所には留まれねぇし」

「そうなんだよ……」

「マルクがいるなら、アマーリエとアーダルベルトも来てるのか?」

「あぁ。今はアルジャーノと3人で買い物に行ってる。アーダルベルトのこっちに置いてた服がほぼ全部小さくなって入らないから、買いに行ったんだ」

「成長期だもんなぁ。アーダルベルトはいくつになったんだっけ?」

「もう13歳だよ」

「早いもんだなぁ」

「3人ともー!お茶よー!」


マーサが茶器類をお盆にのせて持ってきてくれた。


「あ!姉さん、もうお茶淹れた?」

「お茶葉を淹れただけよ。お湯は今から」

「じゃあ、俺が淹れるよ。クラークさんに習ったばっかだし……あと姉さんの淹れるお茶、やたら苦いし」

「マーサは何故かお茶淹れるのだけは下手くそだからな」

「俺もリーが淹れたのがいい」

「別に飲めればよくない?」

「よくねぇよ。何でお前は食い物と酒にはこだわるくせにお茶だけは適当なんだよ」

「えー……なんとなく?まぁいいや。リーお願い」

「うん」

「お茶菓子にチー君が作ってくれた芋のケーキ持ってきたよ」

「やったぁ!!」


甘いものが好きなリーがいそいそとお茶を淹れ始めた。フェリも甘いものが好きなので、マーサの三男・チーファが作った芋のケーキは素直に嬉しい。チーファはお菓子作りがとても上手なのだ。
リーが淹れた美味しいお茶と芋のケーキを楽しむ。まったりした空気が流れた。


「あ、そういやさ!ねぇねぇ兄さん!」

「んー?なんだ?リー」

「街で噂聞いたんだけどさ。クラウディオ分隊長と付き合ってるって本当?」

「え、もう噂になってんの?」

「一昨年かしら……?兄さん達がデートしたあたりから既に噂になってたわよ」

「マジか」

「ほら。1年くらいサンガレアに兄さん来なかったじゃない。それで噂もなくなってたんだけど、今年の夏に来たときにクラウディオ分隊長の家に入る兄さんの目撃情報があったのよ。それで、やっぱり付き合ってるんじゃないかって噂になってるわ」

「マジかー」

「で、どうなんだ?兄さん」

「どうなの?どうなの?」


リーとマルクが興味津々といった顔でフェリにじわじわ迫ってくる。フェリはなんとなく身体を後ろに引きながら頭を掻いた。


「……まぁ、付き合ってるけど」

「それって正式にお付き合い?」

「……うん」

「へぇぇぇ!!」

「やるなぁ、兄さん!クラウディオ分隊長ってモテるのに」

「ん!?やっぱそうか!?クラウディオってモテるよなっ!」

「アルジャーノが言ってたけど、めちゃくちゃモテるらしいぞ」

「マジか。ていうか、アルジャーノってクラウディオと仲いいのか?」

「たまに私や親父殿達と一緒に酒を飲むからね」

「あぁ。なるほど」


フェリは納得して頷いた。リーが目をキラキラさせて、フェリの顔を覗きこんでくる。


「ねぇねぇ。兄さん」

「ん?」

「ぶっちゃけヤッた?」

「ごっほっ……」


フェリは飲んでいたお茶にむせた。ごほごほ咳き込むとマーサが背中を擦ってくれる。フェリは顔が熱くなるのを誤魔化すように、平静を装って少しだけお茶を口に含んだ。


「ま、まぁな」

「へぇ!ていうか、そもそも兄さんって女専門じゃなかったか?」

「宗旨代えしたの?」

「……まぁ、そんなとこ」

「ねー。ちんこ入れるのって気持ちいいの?」

「お、おう……」

「めちゃくちゃいいぞ」

「気持ちいいわよー」


リー以外の3人が頷くと、リーが少し考え込むように顎に手をやり、首を傾げた。


「んー……俺指は入れたことあるんだけど……」

「「は?」」

「ん?リー女の方でオナニーしてんの?」

「うん」

「「マジか!?」」

「え、だって。まんこがついたんだよ?とりあえず弄るよね?」

「ちなみに初めてしたのはいつ?」

「神子になった2日目。付き合ってた彼女にやってたみたいに弄ったらさー、めっちゃ気持ちよくてー。毎日してるよ!」

「「マジか」」


リーのぶっちゃけ発言に、フェリとマルクは驚いて目を丸くし、マーサは腹を抱えて笑い転げた。


「やー。リーは大物ねぇ。両性具有の神子の身体に拒否感抱いて、最終的に病んで死ぬ神子もいるってのに」

「俺はそれはないかなー」

「……俺、神子になってまんこついた時かなり悩んだんだけど」

「俺もだ」

「そうなの?姉さんは?」

「ちんこついたぜ!ひゃっほー!!……みたいな?」

「まぁ、マーサはそうだろうな」

「とりあえず1人だけのおしっこ飛距離大会とかやったり、全裸でジャンプするとちんこが回転するって聞いたことがあったから、それ試したわね」

「「マジか」」

「はははっ!」

「ちなみに左回転でした」

「お前、時々本当にアホだよな」

「えー。そう?あ、リー。オナニーに大人の玩具欲しくなったら言いなよ。いいのあげるから」

「んー……玩具かぁ。気持ちいいの?」

「まぁ、それなりに。でも私は生のちんこの方が好きかな」

「じゃあ今はいいや。ていうか、3人ともオナニーとかするの?」

「俺はしたことがないな。役目で海を廻ってる間はやる余裕ないし。それ以外は大概どっちかの旦那が一緒だから普通にセックスしてる」

「そういや俺もないな。溜まったらマーサとヤるし」

「私はオナニーもセックスも基本毎日だぜ!」

「流石姉さん!」

「まぁ、土の神子だしな」

「あぁ。そうだ。なぁ、リー」

「なに?兄さん」

「ちんこ入れてみたいなら、マーサとセックスしてみれば?神子同士じゃ単なる魔力譲渡と性欲解消なだけだし。お前一応火の宗主国の王妃だから人間相手なら問題あるけど、相手が神子ならなんの問題もないぞ」

「なるほど!姉さんっ!」

「いいわよー。早速今夜やる?」

「やるー!」

「ついでにアナルも開発してあげるわね」

「え、そっちもすんの?」

「アナルも気持ちいいぞ。前立腺あるしな 」

「俺アナルはしたことがない」

「アルジャーノ達、アナル弄んないの?ていうか、マルクんとこさー、3人でヤったりしてんの?」

「それはないな」

「へぇ」

「私も複数同時にはないなぁ。ていうかさー、端から見れば腰振ってるとこってかなり間抜けな絵面じゃん?だから見られるの嫌なんだよねぇ、私」

「あー。言われてみれば確かにな」

「それに1人と相手した方がなんか楽しいし」

「そんなもん?」

「そんなもんよ」


その後も変な流れで始まった猥談が盛り上がり、マーサが夕食の支度を始めるまで、ずっと4人で真っ昼間にシモの話をしていた。
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