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18:ロルフの誕生日
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ガルバーンは、ここ数日悩んでいた。ロルフから、誕生日を聞いた。商人から何か買おうかとも思ったが、ロルフの誕生日まで、あと1ヶ月ある。手作りのものを用意しようと思えば、ギリギリ間に合う気もする。
ガルバーンの故郷の村では、夫婦になると、揃いの木の腕輪を着ける。木の腕輪には、その家に伝わる伝統的な模様を彫る。ガルバーンは、ロルフに嫁いだ形になるので、ガルバーンの家の彫り物をした木の腕輪を贈っていいものか、本気で悩んでいる。まだ10代だった頃は、お揃いの木の腕輪に、密かに憧れていた。初恋の少し年上の近所のお姉さんが結婚して、木の腕輪を着けるようになった時は、ガックリ凹んだものだ。
ガルバーンは、数日こっそり悩み、ハンナに話を聞いてもらおうと、ロルフが野菜を売りに行っている間に、ハンナの家を訪ねることにした。
ハンナの家で、ボソボソと悩みを話すと、ハンナが笑って、あっけらかんと言い放った。
「作っておやりよ。いいじゃあないか。ロルフは喜ぶよ」
「だが、俺は嫁だ」
「まぁ確かに、嫁いできたのはガルだけど、別に細かい事は気にしなくていいんじゃないかい? こういうものは、気持ちが大事なんだよ。アンタの故郷では、夫婦は揃いの木の腕輪を着けるんでしょ。それを言って、渡してあげたらいいさね」
「そうか?」
「ロルフなら、大喜びするよ。物を買ってやるより、ガルの手作りのものの方が絶対に喜ぶ」
「……じゃあ、作る」
「頑張りな。材料は、ダラーに少し木を分けてもらえばいいわよ。彫り物をする小刀とかはあるのかい?」
「それはある。俺の故郷では、男が生まれると、親が小刀を作る。お守りでもあるから、ずっと持っていた」
「なるほどね。じゃあ、あとはダラーに材料を分けてもらうだけだね。ほら! さっさと行っておいで! ロルフの誕生日までに間に合わせなきゃ!」
「あぁ。聞いてくれてありがとう。ハンナおばさん」
「なぁに。いいってことよ。また、いつでもおいで」
「あぁ」
ガルバーンは、笑顔のハンナに見送られて、ダラーの家を目指して駆け出した。作ると決めたのなら、急いで取り掛からなければ。ダラーの家に着き、随分とお腹が大きくなったアリアに挨拶をしてから、ガルバーンは、アリアと一緒にダラーの工房に入った。ダラーに事情を話すと、ダラーは笑顔で快諾してくれた。ガルバーンから詳しい腕輪の話を聞いたダラーが、腕輪にちょうどいい大きさに木を切って、手早く成形までしてくれた。あとは、ガルバーンが彫り物をすればいいだけである。
ガルバーンは、ダラーにお礼を言ってから、大急ぎで家に走って帰った。
ロルフの誕生日までに、彫り物を完成させなければいけないし、どうせなら、誕生日当日まで、ロルフには黙っておいて、ロルフをビックリさせたい。ロルフは、本当に喜んでくれるだろうか。少しだけ、思考が後ろ向きになるが、ハンナの言葉を思い出して、ガルバーンはやる気に燃えた。ロルフは、きっと喜んでくれる。その為には、彫り物をちゃんとしなければ。
ガルバーンの、ロルフに秘密のこっそり作業大作戦が始まった。
ーーーーーー
ロルフの誕生日がやってきた。昨日、森に木苺を採りにいき、ハンナの家に持っていった。朝の一仕事を終える頃に、ハンナが訪れ、木苺のケーキをくれた。ガルバーンは、ロルフと一緒にお礼を言って、笑顔で帰るハンナを見送った。
木の腕輪は、なんとか完成している。出来上がったのが一昨日なので、本当にギリギリになったが、間に合ったので、よしとする。ロルフに隠れて、こそこそ彫り物をするのが大変だったが、同時にすごく楽しかった。ロルフが喜ぶ顔を想像しながら、ガルバーンは、頑張って彫り物を完成させた。
昼過ぎから作った鶏肉の丸焼きに、ハンナ手作りの檸檬の砂糖漬けを入れたほんのり甘いパン、いつものスープに、木苺のケーキ。それから、ワイン。居間のテーブルにご馳走を並べて、ロルフの誕生日パーティーの始まりである。
ガルバーンは、緊張しながら、先にロルフに、青いリボンを着けた木の腕輪を渡した。ロルフが驚いた顔をした後で、ぱぁっと顔を輝かせた。
「もしかして、ガルの手作りですか?」
「あぁ……その、俺の故郷では、夫婦は揃いの腕輪を着ける」
「わぁ! ありがとうございます! お揃いってことは、ガルの分もあるんですよね」
「あぁ。作った」
「着けてみていいですか?」
「あぁ。……俺も着ける」
ロルフが嬉しそうな顔で、いそいそと腕輪を左腕に着けた。色んな角度から腕輪を眺めたロルフが、満面の笑顔で問いかけてきた。
「この模様って、何か意味があるんですか?」
「代々、その家に伝わる模様だ。それは俺の家のものだ」
「へぇー。すごいなぁ。彫り物が格好いいです! ありがとうございます! えへへ」
「丈夫な木で作ったから、農作業とかしてる時に着けていても大丈夫だ」
「やった! じゃあ、ずっと着けてます!」
「あぁ」
本当に喜んでくれたロルフに、嬉しくて、胸の奥がむずむずする。ガルバーンも自分の腕輪を左腕に着けた。丈夫だが、軽い木なので、そんなに邪魔にもならない。
ロルフが嬉しそうに顔をゆるませて、自分の腕に着けた木の腕輪を撫でるのを眺めながら、ガルバーンはゆるく口角を上げた。
「乾杯しよう」
「はい!」
「誕生日おめでとう。生まれてきてくれた事に感謝を」
「ありがとうございます!」
揃いのワイングラスを、軽くカチンとぶつけて乾杯すると、ガルバーンはワインを少しだけ飲んだ。
ご馳走がいっぱいある。冷めないうちに食べてやらねば。
ガルバーンは、ロルフと一緒に、美味しいご馳走とワインを楽しんだ。
ハンナ手作りの木苺のケーキまで、美味しく食べきった。ロルフは、木苺のケーキが一番好きらしい。昔は、毎年、母親が誕生日の度に作ってくれたそうだ。木苺が採れる時期のうちに、ハンナにケーキの作り方を習いにいこうか。
ガルバーンがワインを飲みながら、そんな事を考えていると、ロルフがうとうとし始めたことに気がついた。どうやら、ワインを飲ませ過ぎたようである。楽しくて、ついつい、ワインも飲み過ぎてしまった。
ガルバーンはグラスに残っていたワインを飲み干すと、椅子から立ち上がり、酔って半分寝ているロルフの側に近寄った。ロルフを椅子から立たせて、背中に背負う。ロルフをおんぶしたまま、居間から出て階段を上っていると、ロルフがふふっと笑う気配がした。
「ガルー」
「なんだ」
「すきでーす」
「俺もだ」
「えへへへへへ」
ガルバーンは嬉しくて、でも照れくさくて、唇をむにむに動かした。
ガルバーンの部屋のベッドに着く頃には、ロルフは完全に寝落ちていた。風呂に入っていないが、一晩くらいは別に構わないだろう。
ガルバーンは、ロルフの幸せそうにゆるんだ寝顔を眺めて、ちょっと笑った。
ロルフが喜んでくれたのが、一番嬉しい。
ガルバーンは、なんとなく、左右を見回してから、そーっと眠るロルフのおでこにキスをした。いつかのお返しである。
ガルバーンは熱くなった頬を手で扇ぎながら、静かに部屋を出た。キレイに食べきった皿等を台所に運び、洗って、拭いて、片付ける。どうやら、ガルバーンも酔っているらしい。顔がずっと熱くて堪らない。今夜は、ガルバーンも風呂に入るのは、やめておいた方がいいかもしれない。
ガルバーンは、後片付けが終わると、明日のパンの仕込みをしてから、お湯を沸かした。
手拭いを温かいお湯に浸して、ざっと身体を拭いてから、二階の自室に向かう。ロルフを起こさないように、静かに寝間着に着替えると、ガルバーンは、そっとロルフの隣に潜り込んだ。
ゆるくロルフの温かい身体を抱きしめて、もう一度、ロルフのおでこにキスをする。なんだか、むしょうにジタバタしたい気分になるが、ぐっと堪えて、ガルバーンはロルフの柔らかい髪に鼻先を埋めて、静かに目を閉じた。
胸がドキドキと高鳴っていて、眠れる気がしなかったが、ロルフの規則正しい寝息を聞いているうちに、じわじわと眠気が訪れてきた。
ガルバーンは、抱きしめているロルフの頭に頬擦りをして、小さく、幸せな溜め息を吐いた。
ガルバーンの故郷の村では、夫婦になると、揃いの木の腕輪を着ける。木の腕輪には、その家に伝わる伝統的な模様を彫る。ガルバーンは、ロルフに嫁いだ形になるので、ガルバーンの家の彫り物をした木の腕輪を贈っていいものか、本気で悩んでいる。まだ10代だった頃は、お揃いの木の腕輪に、密かに憧れていた。初恋の少し年上の近所のお姉さんが結婚して、木の腕輪を着けるようになった時は、ガックリ凹んだものだ。
ガルバーンは、数日こっそり悩み、ハンナに話を聞いてもらおうと、ロルフが野菜を売りに行っている間に、ハンナの家を訪ねることにした。
ハンナの家で、ボソボソと悩みを話すと、ハンナが笑って、あっけらかんと言い放った。
「作っておやりよ。いいじゃあないか。ロルフは喜ぶよ」
「だが、俺は嫁だ」
「まぁ確かに、嫁いできたのはガルだけど、別に細かい事は気にしなくていいんじゃないかい? こういうものは、気持ちが大事なんだよ。アンタの故郷では、夫婦は揃いの木の腕輪を着けるんでしょ。それを言って、渡してあげたらいいさね」
「そうか?」
「ロルフなら、大喜びするよ。物を買ってやるより、ガルの手作りのものの方が絶対に喜ぶ」
「……じゃあ、作る」
「頑張りな。材料は、ダラーに少し木を分けてもらえばいいわよ。彫り物をする小刀とかはあるのかい?」
「それはある。俺の故郷では、男が生まれると、親が小刀を作る。お守りでもあるから、ずっと持っていた」
「なるほどね。じゃあ、あとはダラーに材料を分けてもらうだけだね。ほら! さっさと行っておいで! ロルフの誕生日までに間に合わせなきゃ!」
「あぁ。聞いてくれてありがとう。ハンナおばさん」
「なぁに。いいってことよ。また、いつでもおいで」
「あぁ」
ガルバーンは、笑顔のハンナに見送られて、ダラーの家を目指して駆け出した。作ると決めたのなら、急いで取り掛からなければ。ダラーの家に着き、随分とお腹が大きくなったアリアに挨拶をしてから、ガルバーンは、アリアと一緒にダラーの工房に入った。ダラーに事情を話すと、ダラーは笑顔で快諾してくれた。ガルバーンから詳しい腕輪の話を聞いたダラーが、腕輪にちょうどいい大きさに木を切って、手早く成形までしてくれた。あとは、ガルバーンが彫り物をすればいいだけである。
ガルバーンは、ダラーにお礼を言ってから、大急ぎで家に走って帰った。
ロルフの誕生日までに、彫り物を完成させなければいけないし、どうせなら、誕生日当日まで、ロルフには黙っておいて、ロルフをビックリさせたい。ロルフは、本当に喜んでくれるだろうか。少しだけ、思考が後ろ向きになるが、ハンナの言葉を思い出して、ガルバーンはやる気に燃えた。ロルフは、きっと喜んでくれる。その為には、彫り物をちゃんとしなければ。
ガルバーンの、ロルフに秘密のこっそり作業大作戦が始まった。
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ロルフの誕生日がやってきた。昨日、森に木苺を採りにいき、ハンナの家に持っていった。朝の一仕事を終える頃に、ハンナが訪れ、木苺のケーキをくれた。ガルバーンは、ロルフと一緒にお礼を言って、笑顔で帰るハンナを見送った。
木の腕輪は、なんとか完成している。出来上がったのが一昨日なので、本当にギリギリになったが、間に合ったので、よしとする。ロルフに隠れて、こそこそ彫り物をするのが大変だったが、同時にすごく楽しかった。ロルフが喜ぶ顔を想像しながら、ガルバーンは、頑張って彫り物を完成させた。
昼過ぎから作った鶏肉の丸焼きに、ハンナ手作りの檸檬の砂糖漬けを入れたほんのり甘いパン、いつものスープに、木苺のケーキ。それから、ワイン。居間のテーブルにご馳走を並べて、ロルフの誕生日パーティーの始まりである。
ガルバーンは、緊張しながら、先にロルフに、青いリボンを着けた木の腕輪を渡した。ロルフが驚いた顔をした後で、ぱぁっと顔を輝かせた。
「もしかして、ガルの手作りですか?」
「あぁ……その、俺の故郷では、夫婦は揃いの腕輪を着ける」
「わぁ! ありがとうございます! お揃いってことは、ガルの分もあるんですよね」
「あぁ。作った」
「着けてみていいですか?」
「あぁ。……俺も着ける」
ロルフが嬉しそうな顔で、いそいそと腕輪を左腕に着けた。色んな角度から腕輪を眺めたロルフが、満面の笑顔で問いかけてきた。
「この模様って、何か意味があるんですか?」
「代々、その家に伝わる模様だ。それは俺の家のものだ」
「へぇー。すごいなぁ。彫り物が格好いいです! ありがとうございます! えへへ」
「丈夫な木で作ったから、農作業とかしてる時に着けていても大丈夫だ」
「やった! じゃあ、ずっと着けてます!」
「あぁ」
本当に喜んでくれたロルフに、嬉しくて、胸の奥がむずむずする。ガルバーンも自分の腕輪を左腕に着けた。丈夫だが、軽い木なので、そんなに邪魔にもならない。
ロルフが嬉しそうに顔をゆるませて、自分の腕に着けた木の腕輪を撫でるのを眺めながら、ガルバーンはゆるく口角を上げた。
「乾杯しよう」
「はい!」
「誕生日おめでとう。生まれてきてくれた事に感謝を」
「ありがとうございます!」
揃いのワイングラスを、軽くカチンとぶつけて乾杯すると、ガルバーンはワインを少しだけ飲んだ。
ご馳走がいっぱいある。冷めないうちに食べてやらねば。
ガルバーンは、ロルフと一緒に、美味しいご馳走とワインを楽しんだ。
ハンナ手作りの木苺のケーキまで、美味しく食べきった。ロルフは、木苺のケーキが一番好きらしい。昔は、毎年、母親が誕生日の度に作ってくれたそうだ。木苺が採れる時期のうちに、ハンナにケーキの作り方を習いにいこうか。
ガルバーンがワインを飲みながら、そんな事を考えていると、ロルフがうとうとし始めたことに気がついた。どうやら、ワインを飲ませ過ぎたようである。楽しくて、ついつい、ワインも飲み過ぎてしまった。
ガルバーンはグラスに残っていたワインを飲み干すと、椅子から立ち上がり、酔って半分寝ているロルフの側に近寄った。ロルフを椅子から立たせて、背中に背負う。ロルフをおんぶしたまま、居間から出て階段を上っていると、ロルフがふふっと笑う気配がした。
「ガルー」
「なんだ」
「すきでーす」
「俺もだ」
「えへへへへへ」
ガルバーンは嬉しくて、でも照れくさくて、唇をむにむに動かした。
ガルバーンの部屋のベッドに着く頃には、ロルフは完全に寝落ちていた。風呂に入っていないが、一晩くらいは別に構わないだろう。
ガルバーンは、ロルフの幸せそうにゆるんだ寝顔を眺めて、ちょっと笑った。
ロルフが喜んでくれたのが、一番嬉しい。
ガルバーンは、なんとなく、左右を見回してから、そーっと眠るロルフのおでこにキスをした。いつかのお返しである。
ガルバーンは熱くなった頬を手で扇ぎながら、静かに部屋を出た。キレイに食べきった皿等を台所に運び、洗って、拭いて、片付ける。どうやら、ガルバーンも酔っているらしい。顔がずっと熱くて堪らない。今夜は、ガルバーンも風呂に入るのは、やめておいた方がいいかもしれない。
ガルバーンは、後片付けが終わると、明日のパンの仕込みをしてから、お湯を沸かした。
手拭いを温かいお湯に浸して、ざっと身体を拭いてから、二階の自室に向かう。ロルフを起こさないように、静かに寝間着に着替えると、ガルバーンは、そっとロルフの隣に潜り込んだ。
ゆるくロルフの温かい身体を抱きしめて、もう一度、ロルフのおでこにキスをする。なんだか、むしょうにジタバタしたい気分になるが、ぐっと堪えて、ガルバーンはロルフの柔らかい髪に鼻先を埋めて、静かに目を閉じた。
胸がドキドキと高鳴っていて、眠れる気がしなかったが、ロルフの規則正しい寝息を聞いているうちに、じわじわと眠気が訪れてきた。
ガルバーンは、抱きしめているロルフの頭に頬擦りをして、小さく、幸せな溜め息を吐いた。
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