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66:結婚式と見送り
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カールはセガールと一緒に教会の控室で軍服の白い礼装に着替えていた。礼装なんて、特別な式典くらいでしか着ない。本当に数えるくらいしか着ていないので、なんとも新鮮である。
胸元に勲章のバッチを着けたセガールは問答無用で格好いい。白い礼装がよく似合っている。カールはセガールに髪を整えてもらうと、控室から出て、隣の部屋に向かった。隣の部屋では、子供達が身支度をしている。
部屋のドアをノックして入れば、礼装を着た可愛らしいリディオと、ドレスを着るのに悪戦苦闘しているシェリーがいた。
「お父さん。背中のジッパー上げて」
「はいはい。髪も結おうな」
「うん。よろしく」
シェリーの淡い水色のドレスの背中のジッパーを上げてやり、スカートに皺が寄らないように気をつけて椅子に座ったシェリーの髪を結い上げてやる。大人っぽいデザインのバレッタを着けてやると、お姫様の完成である。
リディオがシェリーを見て、はしゃいだ声を上げた。
「お姉ちゃん、お姫様みたい!」
「そう?裾が長いから踏んで転ばないか不安だわ」
「うーん。そこは頑張って。ちょー頑張って」
「マジか。パパもお父さんもその服似合ってるわね」
「ありがと」
「なんか緊張してきたわ」
「そう?まぁ、シェリー達が知らない人いっぱい来るしなー。俺達の同僚とか部下とか。あと上官」
「うっかり粗相しないようにしないと」
「まぁまぁ。そう緊張せずに。結婚式が終わった後のパーティーの時は、挨拶回りが終わった後はアンナ先生達のところにいればいいじゃない」
「そうするわ」
「今日のシェリーはとびきり可愛いから、リール君も胸キュンだな」
「そ、そうだといいわ」
リールの名前を出した途端、頬を赤らめて、もじもじそわそわとし始めたシェリーが大変可愛らしい。
リディオを抱っこしたセガールが腕時計を見て、カールに声をかけてきた。
「そろそろだ。行くか」
「はーい。じゃあ、素敵なお嬢さん。お手をどうぞ」
「ありがと」
カールはシェリーと手を繋いで、リディオを抱っこしたセガールと共に控室を出た。
教会の大聖堂で結婚式は行われる。既に参列者達は中にいる筈だ。時間通りに大聖堂に行けば、教会の者が大きな扉を開けてくれた。中央に敷いてある赤い絨毯の上を、シェリーと手を繋いで、セガールと並んで歩き始める。左右には、殆ど海軍関係者ばかりがいて、神父がいる所まで歩いていくカール達を見守っている。
シェリーが緊張しているのか、きゅっと繋いだ手に力を入れた。カールはシェリーを見下ろし、ゆるく笑って、繋いだ手を軽く振った。
大勢の参列者達が見ている前で、神父の言葉を聞き、セガールと誓いのキスを交わす。子供達の頬にもキスをすると、大きな拍手が大聖堂に響いた。
セガールと顔を見合わせて笑う。参列者の席を見れば、カールの家族の姿は無かった。別にだからといって気にならない。カールの家族はもうここにいる。
カールの部下達が絨毯の左右に並んだ。アーバインが張りのある声を出した。
「抜刀!」
アーバインの声で、部下達が腰に下げている剣を引き抜き、向かい側の者と剣先を合わせるようにして、剣のアーチを作った。
アーバインをチラッと見れば、真面目くさった顔をしているが、目が笑っている。
カールはセガールと目を合わせて笑うと、家族皆で剣のアーチを通り抜け、赤い絨毯を歩いて外に出た。外に出ると、沢山の花弁が降り注いだ。口々におめでとうと言いながら、参列者が花弁をカール達に向かって撒いている。風でひらひらと舞う花弁がとてもキレイだ。
カールは沢山の人に祝福されながら、結婚式を終えた。
結婚式が終われば、教会の広い中庭で立食式のパーティーがある。カールは先に上官達に子供達を連れてセガールと挨拶に行き、その後はセガールの姉一家に挨拶をして、次々と招待客に挨拶して回った。流石に人数が多く、相手が厳つい軍人ばかりだからか、挨拶を終える頃には子供達がぐったりしてきたので、会場の隅の方にいたマルクやアンナに子供達をお願いして、カールはセガールと共に、酒好きの野郎共の相手をすべく、既に盛り上がっている同僚や部下達の元へ向かった。
結婚式もパーティーも大いに盛り上がった。こんなに祝福される結婚式ができるなんて、本当に夢のようである。
子供達がいるからと、夕方にはカール達は家に帰った。海軍の野郎共には酒を大量に用意しておいたので、多分夜遅くまで皆で飲んでいるだろう。
家に帰り着くと、なんだかすごくほっとした。そんなに緊張していたつもりはなかったが、思っていたよりも緊張していたらしい。
立食パーティーで沢山食べたので夕食はいいかということになり、順番に風呂に入った。
風呂上がりに居間で全員でホットミルクを飲んで、暫くの間無言でぼーっとしていた。穏やかな空気が流れていて、沈黙が逆に心地よい。
リディオがうとうとし始めたので、早めに寝ることになり、今夜だけセガールとカールの部屋で4人で寝ることになった。
元々夫婦用の大きなベッドだから、ギリギリ4人でも寝れる。カール、シェリー、リディオ、セガールの並びでベッドに上がり、布団に潜り込んだ。すぐに聞こえてきた子供達の穏やかな寝息を聞きながら、カールも幸せな眠りに落ちた。
------
結婚式の数日後の早朝。
カールは鞄を片手に玄関先に立っていた。今日から約半年の航海に出る。セガールと子供達が見送りに出てくれている。
カールは子供達を順番に抱きしめて頬にキスをすると、セガールに向かって、バッと両手を広げた。
セガールが少し照れくさそうな顔でカールに抱きついてきたので、セガールの身体をぎゅっと抱きしめて、セガールの唇に触れるだけのキスをした。
セガールが嬉しそうに目を細めて、くちゅっとカールの下唇を優しく吸った。
身体を離したセガールが、穏やかな笑みを浮かべて、カールの頬にもキスをした。
「無事の航海と武運を祈る」
「ありがとうございます。じゃあ、いってきまーす!」
「「「いってらっしゃい」」」
カールは3人に見送られて、丘を下り始めた。新婚ほやほやだが、仕事は仕事だ。船に乗るのが大好きなので、身体が動かなくなるまでは船を降りるつもりはない。
カールは嬉しくてゆるんでしまう頬をパンパンッと両手で叩いた。
カールの帰りを待ってくれている大事な家族がいる。何がなんでも生きて帰る。
カールは気合を入れて、港へ向かって走り出した。
胸元に勲章のバッチを着けたセガールは問答無用で格好いい。白い礼装がよく似合っている。カールはセガールに髪を整えてもらうと、控室から出て、隣の部屋に向かった。隣の部屋では、子供達が身支度をしている。
部屋のドアをノックして入れば、礼装を着た可愛らしいリディオと、ドレスを着るのに悪戦苦闘しているシェリーがいた。
「お父さん。背中のジッパー上げて」
「はいはい。髪も結おうな」
「うん。よろしく」
シェリーの淡い水色のドレスの背中のジッパーを上げてやり、スカートに皺が寄らないように気をつけて椅子に座ったシェリーの髪を結い上げてやる。大人っぽいデザインのバレッタを着けてやると、お姫様の完成である。
リディオがシェリーを見て、はしゃいだ声を上げた。
「お姉ちゃん、お姫様みたい!」
「そう?裾が長いから踏んで転ばないか不安だわ」
「うーん。そこは頑張って。ちょー頑張って」
「マジか。パパもお父さんもその服似合ってるわね」
「ありがと」
「なんか緊張してきたわ」
「そう?まぁ、シェリー達が知らない人いっぱい来るしなー。俺達の同僚とか部下とか。あと上官」
「うっかり粗相しないようにしないと」
「まぁまぁ。そう緊張せずに。結婚式が終わった後のパーティーの時は、挨拶回りが終わった後はアンナ先生達のところにいればいいじゃない」
「そうするわ」
「今日のシェリーはとびきり可愛いから、リール君も胸キュンだな」
「そ、そうだといいわ」
リールの名前を出した途端、頬を赤らめて、もじもじそわそわとし始めたシェリーが大変可愛らしい。
リディオを抱っこしたセガールが腕時計を見て、カールに声をかけてきた。
「そろそろだ。行くか」
「はーい。じゃあ、素敵なお嬢さん。お手をどうぞ」
「ありがと」
カールはシェリーと手を繋いで、リディオを抱っこしたセガールと共に控室を出た。
教会の大聖堂で結婚式は行われる。既に参列者達は中にいる筈だ。時間通りに大聖堂に行けば、教会の者が大きな扉を開けてくれた。中央に敷いてある赤い絨毯の上を、シェリーと手を繋いで、セガールと並んで歩き始める。左右には、殆ど海軍関係者ばかりがいて、神父がいる所まで歩いていくカール達を見守っている。
シェリーが緊張しているのか、きゅっと繋いだ手に力を入れた。カールはシェリーを見下ろし、ゆるく笑って、繋いだ手を軽く振った。
大勢の参列者達が見ている前で、神父の言葉を聞き、セガールと誓いのキスを交わす。子供達の頬にもキスをすると、大きな拍手が大聖堂に響いた。
セガールと顔を見合わせて笑う。参列者の席を見れば、カールの家族の姿は無かった。別にだからといって気にならない。カールの家族はもうここにいる。
カールの部下達が絨毯の左右に並んだ。アーバインが張りのある声を出した。
「抜刀!」
アーバインの声で、部下達が腰に下げている剣を引き抜き、向かい側の者と剣先を合わせるようにして、剣のアーチを作った。
アーバインをチラッと見れば、真面目くさった顔をしているが、目が笑っている。
カールはセガールと目を合わせて笑うと、家族皆で剣のアーチを通り抜け、赤い絨毯を歩いて外に出た。外に出ると、沢山の花弁が降り注いだ。口々におめでとうと言いながら、参列者が花弁をカール達に向かって撒いている。風でひらひらと舞う花弁がとてもキレイだ。
カールは沢山の人に祝福されながら、結婚式を終えた。
結婚式が終われば、教会の広い中庭で立食式のパーティーがある。カールは先に上官達に子供達を連れてセガールと挨拶に行き、その後はセガールの姉一家に挨拶をして、次々と招待客に挨拶して回った。流石に人数が多く、相手が厳つい軍人ばかりだからか、挨拶を終える頃には子供達がぐったりしてきたので、会場の隅の方にいたマルクやアンナに子供達をお願いして、カールはセガールと共に、酒好きの野郎共の相手をすべく、既に盛り上がっている同僚や部下達の元へ向かった。
結婚式もパーティーも大いに盛り上がった。こんなに祝福される結婚式ができるなんて、本当に夢のようである。
子供達がいるからと、夕方にはカール達は家に帰った。海軍の野郎共には酒を大量に用意しておいたので、多分夜遅くまで皆で飲んでいるだろう。
家に帰り着くと、なんだかすごくほっとした。そんなに緊張していたつもりはなかったが、思っていたよりも緊張していたらしい。
立食パーティーで沢山食べたので夕食はいいかということになり、順番に風呂に入った。
風呂上がりに居間で全員でホットミルクを飲んで、暫くの間無言でぼーっとしていた。穏やかな空気が流れていて、沈黙が逆に心地よい。
リディオがうとうとし始めたので、早めに寝ることになり、今夜だけセガールとカールの部屋で4人で寝ることになった。
元々夫婦用の大きなベッドだから、ギリギリ4人でも寝れる。カール、シェリー、リディオ、セガールの並びでベッドに上がり、布団に潜り込んだ。すぐに聞こえてきた子供達の穏やかな寝息を聞きながら、カールも幸せな眠りに落ちた。
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結婚式の数日後の早朝。
カールは鞄を片手に玄関先に立っていた。今日から約半年の航海に出る。セガールと子供達が見送りに出てくれている。
カールは子供達を順番に抱きしめて頬にキスをすると、セガールに向かって、バッと両手を広げた。
セガールが少し照れくさそうな顔でカールに抱きついてきたので、セガールの身体をぎゅっと抱きしめて、セガールの唇に触れるだけのキスをした。
セガールが嬉しそうに目を細めて、くちゅっとカールの下唇を優しく吸った。
身体を離したセガールが、穏やかな笑みを浮かべて、カールの頬にもキスをした。
「無事の航海と武運を祈る」
「ありがとうございます。じゃあ、いってきまーす!」
「「「いってらっしゃい」」」
カールは3人に見送られて、丘を下り始めた。新婚ほやほやだが、仕事は仕事だ。船に乗るのが大好きなので、身体が動かなくなるまでは船を降りるつもりはない。
カールは嬉しくてゆるんでしまう頬をパンパンッと両手で叩いた。
カールの帰りを待ってくれている大事な家族がいる。何がなんでも生きて帰る。
カールは気合を入れて、港へ向かって走り出した。
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