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8:帰還
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カールは船から地面に降りると、ふぅと小さく息を吐いた。なんとか今回も無事に帰還できた。航海中に三度海賊船と遭遇し、戦闘になった。重傷者は何名か出たが、幸いにも死者は出なかった。全員無傷とはいかなかったし、カールも多少負傷したが、生きて地面に立てたので、よしとする。
カールは上官からの指示を自分の部隊の者達に伝え、海軍の建物目指して歩き始めた。帰還の報告をしたら、今日はすぐに帰れる。海が荒れず、いい風が吹いてくれたので、予定よりも少し早く帰還できた。秋の豊穣祭まで、あと半月程ある。シェリーを秋の豊穣祭に連れて行ってやれるのが嬉しい。
カールは足取り軽く、一緒に航海をした仲間達と共に海軍の建物へと向かった。
帰還の報告と部下達への連絡事項の伝達が終わると、カールはいそいそと帰り支度をして、足早に建物の廊下を歩いた。早くセガールの家に帰って、シェリー達に会いたい。
カールが廊下を早歩きしていると、長い廊下の向こうにセガールの姿が見えた。向こうも気づいたのか、目が合ったので、軽く手を振ると、何故かセガールがこちらに向かって駆け出してきた。片足が義足とは思えない勢いで走ってきたセガールが、カールの前で急停止して、がっとカールの肩を両手で掴んだ。
「おかえり。救世主」
「えーと、ただいまです?セガールさん。どうしたんですか。その顔」
セガールは半年見ない間に、げっそり痩せ、目の下の隈がすごいことになっていた。完全に男前が台無しになっている。
セガールは乾いた笑みを浮かべて、口を開いた。
「お前が航海に出て二週間もしないうちにシェリーがまた荒れて、何度か喧嘩になって、特にここ1ヶ月ちょい、口も聞いてくれなくなった。飯も食わなくなったし、顔も合わせようとしてくれない。シェリーも痩せたし、俺もストレスで胃をやられてこの様だ」
「うわぁ……マジですか……」
「無事の帰還おめでとう。そして、ありがとう。申し訳無いが、俺とシェリーの緩衝材になってくれ。本当に頼む。もう、お前がいないと、シェリーも俺も色々限界なんだ」
「大変でしたね……予定通りなら2ヶ月ちょいは陸にいますから、その間にゆっくり関係改善を目指していきましょう」
「あぁ。ありがとう。本当に助かる。長期の航海で疲れているのに申し訳無いが、よろしく頼む」
「はい。一緒に頑張っていきましょう。俺は今日はもう帰りですから、とりあえずシェリーと少しでも話してみますよ」
「ありがとうっ!多分、反抗期に突入してるのもあるかもしれんが、本当に今どうしようもない感じなんだ」
「今日は世間一般的には休日ですよね。シェリーは家にいますよね?」
「あぁ。多分、自分の部屋に引き籠もってる」
「じゃあ、まずは部屋から出てもらうところからですねー。急いで帰ります」
「本当にすまん。頼んだ」
「はい。セガールさんは病院には行ってます?胃だけじゃなくて、義足のメンテナンスとかも含めて」
「行ってない」
「うん。今日は可能なら早退して病院に行ってください。晩飯は俺が作りますし。雑穀粥なら作れるようになってる筈ですから。本当に顔がヤバいですよ」
「……そんなにか?」
「完全に病人の顔です。色男台無し」
「……早退申請を出してくる」
「そうしてください。帰りは気をつけて帰ってきてくださいね」
「ありがとう。すまんな。帰還したばかりなのに」
「いえいえ。気にしないでください。シェリーとは友達ですし、セガールさんにはいっぱい世話になりましたから、俺ができることはやらせてもらいますよ」
「……ありがとう」
セガールが顔を少し歪めて、なんだか今にも泣きそうな不細工な笑みを浮かべた。これはかなり精神的に追い詰められているようである。セガールがこうなら、シェリーの方も心配になってきた。
カールはセガールと別れて、足早に建物を出て、丘の上の家を目指して駆け出した。
セガールの家に到着して、庭をチラッと見ると、雑草だらけで荒れていた。これは家の中も荒れているだろうなぁと思いながら、カールは玄関の呼び鈴を押した。
少しだけ待っていると、静かに玄関のドアが開いて、シェリーがちょこっと顔を覗かせた。シェリーも痩せて、顔色が悪くなっている。
カールはあえて笑顔で片手を上げて、驚いた顔をしているシェリーに声をかけた。
「やっ!ただいま!シェリー」
「カールだ!!おかえり!!」
シェリーがパァッと顔を輝かせて、ドアを全開にして、勢いよくカールに抱きついてきた。そして、すぐに勢いよく離れていった。
「くっさ!!」
「ひでぇ」
「何でそんなに臭いのーー!!なんかもう異臭じゃない!くっさ!!ほんとにくっさい!!」
「やー。帰還したばっかりでさぁ。まだ風呂に入ってないし。船の上じゃ中々シャワーも浴びれないんだよね」
「今すぐお風呂に行ってきて!今すぐ!!早く!!私の鼻が曲がる前に!!」
「はいはーい」
シェリーが眉間に深い皺を寄せて、鼻を摘んでいる。カールは慣れているし、そもそも自分の匂いに今更頓着しないので、シェリーの反応に若干傷つくが、まぁ臭いのは本当なので仕方あるまい。
カールは2階の自室になっている部屋に行くと、着替えを持って、風呂場に直行した。
潮風ですっかりパリパリパサパサになっている髪や垢が溜まっている身体を2回洗い、ゆっくり湯船に浸かってから、久しぶりの私服を着て風呂場から出た。
居間に行けば、シェリーが警戒するようにジリジリと近づいてきて、すんすんとカールの匂いを嗅いで、真顔で頷いた。
「よし。臭くない」
「ははっ。改めて、ただいま。シェリー」
「おかえり。カール」
「俺の洗濯を仕掛けたら、おやつ時を少し過ぎてるけど、一緒にクッキー食わない?途中で買ってきたんだ。小腹空いててさ」
「……いいわよ」
「ホットミルク作ろうぜ。クッキーにはミルクだよなー」
「うん」
シェリーの匂い判定で合格が出たので、カールは先に2階の自室に戻り、航海中に着た服を全て持って階下に降り、脱衣場の魔導洗濯機に服を突っ込んで、洗剤を少し多めに入れてから、魔導洗濯機のスイッチを押した。ごぅんごぅんと魔導洗濯機が動き出すのを確認してから、台所へと向かう。
台所に行くと、シェリーが小鍋と牛乳を用意してくれていた。シェリーはセガールから1人で火を使うことを禁じられているので、カールはシェリーにお礼を言ってから、ホットミルクを作り始めた。
牛乳を入れた小鍋を火にかけた段階で、戸棚の中に蜂蜜があったのを思い出した。戸棚から蜂蜜の瓶を取り出して、蜂蜜を少し多めに入れた。痩せて顔色も悪いシェリーに、少しでも栄養をとらせたい。
ホットミルクが完成したら、クッキーを皿に盛り、お盆に乗せて居間のテーブルに運んだ。
クッキーは、カールが気に入っている店で買ったジャムクッキーである。色んな種類があって、見た目も可愛い。
カールがクッキーを食べ始めると、シェリーもクッキーを一つ手に取り、少しだけ齧った。
「これ美味しい」
「だろ?俺のお気に入りなんだよ。今度一緒に店に行こうぜ。他にも色んな焼き菓子が売ってるんだ」
「うん」
「セガールさんは多分少し遅くなるから、晩飯は俺が作るな。久しぶりに料理するから、手伝ってよ」
「いいわよ」
「学校はどう?」
「キーキー猿みたいに騒ぐ馬鹿が多くて、マジでうんざり。いっそ1人で授業受けたいわ」
「あらま。そいつはストレス溜まるなぁ」
「そうよ。ほんと学校嫌い。ずっと図書室にいたいくらい」
「毎日、一日中本が読めたら幸せだよなー」
「ねー。カールが借りてた本、ちゃんと図書館に返却しといたわ」
「お。ありがと。助かるよ。また一緒に図書館に行こう。予定通りなら、次の航海は2ヶ月ちょい先だから」
「本当!?その間、ずっといるの!?」
「うん。明後日は仕事に行くけど、その後は一週間まるっと休みで、休みが終わったら暫くは机仕事と訓練三昧かな」
「やったわ!じゃあ秋の豊穣祭も一緒に行けるのね!」
「うん。豊穣祭に行くの楽しみだな。あ、次の休みに服を買いに行こうぜ。俺も秋・冬物の服が欲しいし、数年ぶりの豊穣祭だから、お洒落したい」
「いいわよ。ついでに図書館にも行きたいわ」
「いいね。行こう。俺も久々にゆっくり本が読めるわー」
「ふふっ。楽しみ」
「俺も楽しみ」
シェリーが本当に嬉しそうに笑った。カールも一緒に笑いながら、シェリーが荒れていたのは、セガールや出ていった母親の事だけではなく、学校でのストレスも原因の一つなんじゃないかと思った。
2人でホットミルク片手にクッキーを食べ終えると、ちょうど洗濯が終わったので、シェリーと一緒に干してあった洗濯物を取り込んで、カールの洗濯物を干した。今夜は雨が降らないだろうから、夜通し干したままでも問題ない。
カールはシェリーとお揃いのエプロンを着けて、2人でお喋りしながら、できるだけ胃に優しくて栄養価の高い雑穀粥を作った。
カールは上官からの指示を自分の部隊の者達に伝え、海軍の建物目指して歩き始めた。帰還の報告をしたら、今日はすぐに帰れる。海が荒れず、いい風が吹いてくれたので、予定よりも少し早く帰還できた。秋の豊穣祭まで、あと半月程ある。シェリーを秋の豊穣祭に連れて行ってやれるのが嬉しい。
カールは足取り軽く、一緒に航海をした仲間達と共に海軍の建物へと向かった。
帰還の報告と部下達への連絡事項の伝達が終わると、カールはいそいそと帰り支度をして、足早に建物の廊下を歩いた。早くセガールの家に帰って、シェリー達に会いたい。
カールが廊下を早歩きしていると、長い廊下の向こうにセガールの姿が見えた。向こうも気づいたのか、目が合ったので、軽く手を振ると、何故かセガールがこちらに向かって駆け出してきた。片足が義足とは思えない勢いで走ってきたセガールが、カールの前で急停止して、がっとカールの肩を両手で掴んだ。
「おかえり。救世主」
「えーと、ただいまです?セガールさん。どうしたんですか。その顔」
セガールは半年見ない間に、げっそり痩せ、目の下の隈がすごいことになっていた。完全に男前が台無しになっている。
セガールは乾いた笑みを浮かべて、口を開いた。
「お前が航海に出て二週間もしないうちにシェリーがまた荒れて、何度か喧嘩になって、特にここ1ヶ月ちょい、口も聞いてくれなくなった。飯も食わなくなったし、顔も合わせようとしてくれない。シェリーも痩せたし、俺もストレスで胃をやられてこの様だ」
「うわぁ……マジですか……」
「無事の帰還おめでとう。そして、ありがとう。申し訳無いが、俺とシェリーの緩衝材になってくれ。本当に頼む。もう、お前がいないと、シェリーも俺も色々限界なんだ」
「大変でしたね……予定通りなら2ヶ月ちょいは陸にいますから、その間にゆっくり関係改善を目指していきましょう」
「あぁ。ありがとう。本当に助かる。長期の航海で疲れているのに申し訳無いが、よろしく頼む」
「はい。一緒に頑張っていきましょう。俺は今日はもう帰りですから、とりあえずシェリーと少しでも話してみますよ」
「ありがとうっ!多分、反抗期に突入してるのもあるかもしれんが、本当に今どうしようもない感じなんだ」
「今日は世間一般的には休日ですよね。シェリーは家にいますよね?」
「あぁ。多分、自分の部屋に引き籠もってる」
「じゃあ、まずは部屋から出てもらうところからですねー。急いで帰ります」
「本当にすまん。頼んだ」
「はい。セガールさんは病院には行ってます?胃だけじゃなくて、義足のメンテナンスとかも含めて」
「行ってない」
「うん。今日は可能なら早退して病院に行ってください。晩飯は俺が作りますし。雑穀粥なら作れるようになってる筈ですから。本当に顔がヤバいですよ」
「……そんなにか?」
「完全に病人の顔です。色男台無し」
「……早退申請を出してくる」
「そうしてください。帰りは気をつけて帰ってきてくださいね」
「ありがとう。すまんな。帰還したばかりなのに」
「いえいえ。気にしないでください。シェリーとは友達ですし、セガールさんにはいっぱい世話になりましたから、俺ができることはやらせてもらいますよ」
「……ありがとう」
セガールが顔を少し歪めて、なんだか今にも泣きそうな不細工な笑みを浮かべた。これはかなり精神的に追い詰められているようである。セガールがこうなら、シェリーの方も心配になってきた。
カールはセガールと別れて、足早に建物を出て、丘の上の家を目指して駆け出した。
セガールの家に到着して、庭をチラッと見ると、雑草だらけで荒れていた。これは家の中も荒れているだろうなぁと思いながら、カールは玄関の呼び鈴を押した。
少しだけ待っていると、静かに玄関のドアが開いて、シェリーがちょこっと顔を覗かせた。シェリーも痩せて、顔色が悪くなっている。
カールはあえて笑顔で片手を上げて、驚いた顔をしているシェリーに声をかけた。
「やっ!ただいま!シェリー」
「カールだ!!おかえり!!」
シェリーがパァッと顔を輝かせて、ドアを全開にして、勢いよくカールに抱きついてきた。そして、すぐに勢いよく離れていった。
「くっさ!!」
「ひでぇ」
「何でそんなに臭いのーー!!なんかもう異臭じゃない!くっさ!!ほんとにくっさい!!」
「やー。帰還したばっかりでさぁ。まだ風呂に入ってないし。船の上じゃ中々シャワーも浴びれないんだよね」
「今すぐお風呂に行ってきて!今すぐ!!早く!!私の鼻が曲がる前に!!」
「はいはーい」
シェリーが眉間に深い皺を寄せて、鼻を摘んでいる。カールは慣れているし、そもそも自分の匂いに今更頓着しないので、シェリーの反応に若干傷つくが、まぁ臭いのは本当なので仕方あるまい。
カールは2階の自室になっている部屋に行くと、着替えを持って、風呂場に直行した。
潮風ですっかりパリパリパサパサになっている髪や垢が溜まっている身体を2回洗い、ゆっくり湯船に浸かってから、久しぶりの私服を着て風呂場から出た。
居間に行けば、シェリーが警戒するようにジリジリと近づいてきて、すんすんとカールの匂いを嗅いで、真顔で頷いた。
「よし。臭くない」
「ははっ。改めて、ただいま。シェリー」
「おかえり。カール」
「俺の洗濯を仕掛けたら、おやつ時を少し過ぎてるけど、一緒にクッキー食わない?途中で買ってきたんだ。小腹空いててさ」
「……いいわよ」
「ホットミルク作ろうぜ。クッキーにはミルクだよなー」
「うん」
シェリーの匂い判定で合格が出たので、カールは先に2階の自室に戻り、航海中に着た服を全て持って階下に降り、脱衣場の魔導洗濯機に服を突っ込んで、洗剤を少し多めに入れてから、魔導洗濯機のスイッチを押した。ごぅんごぅんと魔導洗濯機が動き出すのを確認してから、台所へと向かう。
台所に行くと、シェリーが小鍋と牛乳を用意してくれていた。シェリーはセガールから1人で火を使うことを禁じられているので、カールはシェリーにお礼を言ってから、ホットミルクを作り始めた。
牛乳を入れた小鍋を火にかけた段階で、戸棚の中に蜂蜜があったのを思い出した。戸棚から蜂蜜の瓶を取り出して、蜂蜜を少し多めに入れた。痩せて顔色も悪いシェリーに、少しでも栄養をとらせたい。
ホットミルクが完成したら、クッキーを皿に盛り、お盆に乗せて居間のテーブルに運んだ。
クッキーは、カールが気に入っている店で買ったジャムクッキーである。色んな種類があって、見た目も可愛い。
カールがクッキーを食べ始めると、シェリーもクッキーを一つ手に取り、少しだけ齧った。
「これ美味しい」
「だろ?俺のお気に入りなんだよ。今度一緒に店に行こうぜ。他にも色んな焼き菓子が売ってるんだ」
「うん」
「セガールさんは多分少し遅くなるから、晩飯は俺が作るな。久しぶりに料理するから、手伝ってよ」
「いいわよ」
「学校はどう?」
「キーキー猿みたいに騒ぐ馬鹿が多くて、マジでうんざり。いっそ1人で授業受けたいわ」
「あらま。そいつはストレス溜まるなぁ」
「そうよ。ほんと学校嫌い。ずっと図書室にいたいくらい」
「毎日、一日中本が読めたら幸せだよなー」
「ねー。カールが借りてた本、ちゃんと図書館に返却しといたわ」
「お。ありがと。助かるよ。また一緒に図書館に行こう。予定通りなら、次の航海は2ヶ月ちょい先だから」
「本当!?その間、ずっといるの!?」
「うん。明後日は仕事に行くけど、その後は一週間まるっと休みで、休みが終わったら暫くは机仕事と訓練三昧かな」
「やったわ!じゃあ秋の豊穣祭も一緒に行けるのね!」
「うん。豊穣祭に行くの楽しみだな。あ、次の休みに服を買いに行こうぜ。俺も秋・冬物の服が欲しいし、数年ぶりの豊穣祭だから、お洒落したい」
「いいわよ。ついでに図書館にも行きたいわ」
「いいね。行こう。俺も久々にゆっくり本が読めるわー」
「ふふっ。楽しみ」
「俺も楽しみ」
シェリーが本当に嬉しそうに笑った。カールも一緒に笑いながら、シェリーが荒れていたのは、セガールや出ていった母親の事だけではなく、学校でのストレスも原因の一つなんじゃないかと思った。
2人でホットミルク片手にクッキーを食べ終えると、ちょうど洗濯が終わったので、シェリーと一緒に干してあった洗濯物を取り込んで、カールの洗濯物を干した。今夜は雨が降らないだろうから、夜通し干したままでも問題ない。
カールはシェリーとお揃いのエプロンを着けて、2人でお喋りしながら、できるだけ胃に優しくて栄養価の高い雑穀粥を作った。
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