産卵おじさんと大食いおじさんのなんでもない日常

丸井まー(旧:まー)

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2:大食いおじさん

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カインが1日の仕事を終え、買い物をして家に帰ると、大量の魚が魔導冷蔵庫の中にみっちり入っていた。
カインは隣接するリーンデルトの工房に移動して、リーンデルトに声をかけた。若い頃は鮮やかだったリーンデルトの赤毛は、今はちらほら白髪が見える。落ち着いた色合いの深い緑色の瞳がカインを見た。


「ただいま」

「おかえり。客から魚貰った」

「そのようだな。お返しはどうする」

「んーー。いらねぇんじゃね?その分少し安くするし」

「そうか。晩飯を作ってくる」

「おー。もう少しで終わるから、終わったら行くわ」

「あぁ」


カインはリーンデルトの工房を出て、家の中に入り、2階の自分の部屋に行って私服に着替えると、1階に下り、先に脱衣場の籠に制服を突っ込んでから、台所へと向かった。
今日は肉料理のつもりで肉を買ってきたが、魚があるなら新しいうちに食べた方がいい。メニュー変更である。
魚は大きなものが2匹と小さなものが10匹程あった。大きなものはワインで蒸し焼きにして、小さなものは揚げて野菜と一緒に酢漬けにする。そうと決まれば、急いで作る。カインの腹の虫が今にも鳴き出しそうだ。
カインは手早く魚を捌き、黙々と夕食を作った。

出来上がった夕食を居間のテーブルに運ぶと、いつものつなぎ姿のリーンデルトがソファーに座って図面を書いていた。リーンデルトは魔導具の修理を請け負ったりもするが、自分で新しい魔導具を作ったりもする。
カインが声をかけると、リーンデルトが顔を上げ、ソファーから立ち上がった。


「美味そうな匂いがする」

「熱いうちに食うぞ」

「おー。今日の晩飯は魚祭りだな」

「どれも新鮮だったから美味い筈だ」

「いいねいいね。ワイン開けようぜ」

「1本だけだぞ」

「おー」


リーンデルトがニッと笑い、いそいそと台所へ向かった。リーンデルトは酒が好きだ。しかし、そんなに強くないので量は飲まない。カインは割と強い方だが、酒よりも甘いものの方が好きなので、基本的に付き合いでしか酒を飲まない。
リーンデルトはすぐに戻ってきた。カインの分のワイングラスも持ってきたので、2人で乾杯してから、夕食を食べ始める。
ワインで蒸し焼きにした魚は、しっとりほろほろで美味しいし、野菜と一緒に酢漬けにしたものも我ながらよく出来ている。人参とベーコンのスープもいい出来だ。
カインがガツガツと食べながら、チラッと目だけでリーンデルトを見ると、リーンデルトも美味そうに蒸し焼きを食べていた。
リーンデルトに拾われた頃は、お互いにまだ若く、味が濃い肉料理ばかりを食べていたが、最近は肉料理が少し重く感じるようになり、2人とも少しあっさりしたものを好むようになってきた。

リーンデルトがワインを飲みながら、飄々とした笑みを浮かべた。


「明日は休みだろ。どっか行こうぜ」

「どこに行く」

「そろそろ木苺が生ってるだろ。森に採りに行こう」

「構わん。籠と弁当を用意しておく」

「よろしく。夜のデザートは木苺のタルトがいい」

「作れるだけ採れればな」


木苺はリーンデルトの好物だ。毎年、近くの森に自生している木苺を2人で収穫しに行っている。ジャムにしたり、タルトにしたりして、毎年旬の味を楽しんでいる。

夕食を食べ終えると、カインは後片付けを始めた。リーンデルトは先に風呂に入っている。洗濯物はリーンデルトが取り入れて、既に畳んでくれている。
後片付けが終わる頃に、リーンデルトが台所に顔を出した。


「出たぞ」

「あぁ。入ってくる」

「おー。先に飲んでる」

「あぁ」


リーンデルトがいそいそと酒を仕舞っている棚を開け、寝酒用のブランデーを取り出した。
カインは台所から出て、自室に行って着替えを取ると、風呂へと向かった。
温かい湯船に浸かりながら、凝った肩を揉む。今日は魔術演習があったから、いつもより魔力に飢えている。リーンデルトから補給しないと、最悪、明日動けなくなる。
カインはざばぁっと湯船から立ち上がると、腰に手を当てて直腸に浄化魔術をかけた。ほんの少ししか魔力を使っていないのに、飢えが更に増す。
カインはおざなりに濡れた身体を拭くと、パジャマを片手に持ち、全裸のまま居間へと向かった。

居間のソファーで寛いでいたリーンデルトが、カインを見て呆れた顔をした。


「パンツくらい穿けよ」

「どうせすぐ脱ぐ」

「今日、魔力使ったのか?」

「あぁ。魔術演習があった」

「あらま」


カインはリーンデルトの正面に立つと、その場に膝をつき、リーンデルトのパジャマとパンツをずり下ろして、リーンデルトの萎えたペニスを露わにした。リーンデルトのペニスはデカい。今ではすっかり慣れたものだが、最初の頃は少しキツかった。
カインはリーンデルトのペニスに頬擦りをしてから、横からねろーっとリーンデルトのペニスの裏筋を舐めた。唾液を塗りつけるようにリーンデルトのペニス全体を舐めると、リーンデルトのペニスが完全に勃起した。若い頃のような急な角度ではないが、40を超えた今でも硬さは十分過ぎる程だ。
皮がズル剥けの赤い亀頭を舌で円を描くように舐め回しながら、長い竿を手で擦れば、リーンデルトが優しくカインの短く刈っている髪をくしゃくしゃと撫でた。
口を大きく開けてリーンデルトのペニスを咥え、飲み込めるだけ深く飲み込んでいく。ペニスの根元辺りを中心に扱きながら、頭を上下に動かして唇でリーンデルトのペニスを扱く。リーンデルトの熱い吐息が上から降ってくる。カインのペニスも興奮して勃起している。
カインはリーンデルトが精液を吐き出すまで、熱心にリーンデルトのペニスを口と手で可愛がった。

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