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6:意外と優しいのかも?
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ヤニクは、頭も身体もふわふわしていた。酒って初めて飲んだが、美味しくて、なんだか意味もなく楽しい。ヤニクはへらへら笑いながら、お山座りをしたまま、ゆらゆら揺れていた。特に意味はない。なんかしたいからしているだけだ。
ヴィーターが空っぽになった酒の瓶を床に置いた。空っぽになったグラスやマグカップも床に置いてから、ゆらゆらしているヤニクに両手を伸ばしてきた。
「握ってみろ」
「うんー」
「怖いか」
「なんか、へいき」
「そうか。平気そうなら触るぞ。嫌だと思ったら、すぐに言え」
「うんー」
ヤニクはふわふわした頭で、特に何も考えずに頷いた。ふわふわするのが心地いい。身体がぽかぽかしているので、少しひんやりとしたヴィーターの手の感触もちょっと心地いい。
ヤニクの手を握っていたヴィーターの手が離れ、ヤニクの少し伸びた髪に触れた。すりっと頭を撫でられる。不快ではない。頭を撫でられるなんて、すごく幼い頃以来だ。貴族のガキに襲われてから、ヤニクは誰にも触れさせようとしなかった。
髪の毛を梳くように頭を撫でられると、存外心地よくて、じわぁっと眠気が訪れる。ヤニクのぽかぽかしている頬に、ヴィーターの手が触れた。少しひんやりした硬い手の感触が、ちょっと心地いい。
「眠いか」
「うん」
「今日はもう寝る。横になれ」
「うん」
ヤニクはのろのろと寝転がった。すぐ隣に、ヴィーターが寝転がった。ヴィーターがやんわりとした手つきで、ヤニクの身体を抱きしめてきた。ヴィーターの少し低めの体温が、ぽかぽかする身体に心地いい。ヤニクはヴィーターの身体に自分からくっつくと、大きな欠伸をして、目を閉じた。ぽかぽかふわふわしたまま、ヤニクは心地いい夢の中に旅立った。
――――――
ヤニクは、優しく揺さぶられて目が覚めた。デリークは容赦なく鳩尾に肘を叩き込んで起こしてくるので、ヤニクを起こしたのはデリークではない。重い瞼を開けてみれば、目の前に無表情のヴィーターの顔があった。ぎょっとしたヤニクは、あることに気づいて、ずさーっと勢いよく後ろに下がり、ぼとっとベッドから落ちた。
ヤニクは全裸だった。ヴィーターも全裸だった。素足を絡めていたので、それが分かった。ベッドから落ちた時に腰を打ったヤニクは、混乱しながら、痛む腰を擦った。
ベッドの上から、ヴィーターが声をかけてきた。
「何をしている」
「な、な、な……」
「昨夜の記憶はあるか」
「昨日の夜……あ。酒、飲んだ」
「酔っていたから、昨夜はそのまま寝た。何もしていない」
「お、おう……」
「朝稽古の時間だろう。さっさと着替えて行ってこい。そこのドアからお前の部屋に戻れる」
「ドア? あ、あった」
「私の寝室とお前の部屋は繋がっている。気づいていなかったのか?」
「……気にしたことがなかったし」
「そうか。そろそろデリークが来るぞ。部屋に戻れ」
「お、おう」
「待て」
「……なんだよ」
「吐き気や頭痛は?」
「全然ねぇ」
「それならいい。二日酔いにはならなかったようだな」
「ふつかよい?」
「酒を飲み過ぎると頭痛や吐き気が起きたりする」
「へぇ」
「夜の稽古は今日からなくす。騎士達の風呂の時間が終わったら、一緒に風呂に入って、酒を飲むぞ。どうやら、酒が一番緊張をほぐせるらしい」
「わ、分かった」
「デリークが来た」
「なんで分かるんだ」
「気配がする。急いで部屋に戻れ」
「お、おう」
ヤニクは、ヴィーターに言われるがまま、部屋にあったドアを開いた。そこは確かに自分の部屋だった。本当にデリークが来ていた。ヤニクは驚いて、ぽかんと間抜けに口を開けた。
デリークが全裸のヤニクを見て、器用に右眉を上げた。
「早くお着替えを。身体は動かせますか」
「問題ねぇ。すぐに着替える」
「いつも通りの稽古で大丈夫でしょうか」
「……その、昨日は、酒を飲んで寝ただけだから、何もしてない」
「左様でございますか。まだ期限まで時間はございます。お二方のペースでなされるのがよろしいかと」
「あ、うん」
ヤニクは急いで服を着ると、大剣を持って、デリークと一緒に部屋を出た。なんだかよく分からないが、ヴィーターと裸で一緒に寝てしまった。何もされていないのだが、それを許してしまった自分が不思議でならない。ずっと無表情だったが、ヴィーターが意外と優しかったからだろうか。
ヤニクは首を傾げて暫し考えてみたが、訓練場に着くと頭を切り替えた。剣の稽古は本当に楽しい。誰よりも強くなりたい。ヤニクは真剣に、いつも通り剣の素振りから始めた。
夕食が終わると、いつもならまた剣の稽古をするのだが、今夜からはヴィーターと過ごすことになっている。騎士達の風呂の時間が終わるのを待つまでの間、ヤニクは自室で黙々と腕立て伏せをした。背中には、重しとしてデリークが乗っている。デリークは体格がよくて、素直に重く、めちゃくちゃきついが、これも大剣を自由自在に操るのに必要な筋力を身につける為だ。ヤニクは、ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、部屋の中にあるドアからヴィーターが現れるまで、ぼたぼた汗を流しつつ、腕立て伏せを頑張った。
どこか呆れたような空気のヴィーターと一緒に風呂に向かう。脱衣所には誰もいなかった。デリークも一緒にいて、脱衣所の前で見張りをしてくれる。ヤニクは、他人に触られるのが心底嫌いだが、不特定多数に裸を見られるのも好きじゃない。デリークは剣の師匠だから特別だ。ヴィーターも、一応伴侶だし、特別ということにしておく。
洗い場で頭と身体を洗い、広い浴槽のお湯に浸かって、のんびり疲れた身体をほぐす。ヤニクがじわじわ身体がほぐれていく心地よさに、『ほあー』と意味のない声を出していると、ヴィーターが声をかけてきた。
「今夜も酒を飲むか。昨日の半分だけ。話をしよう」
「なんの話?」
「別に特別な話をするわけじゃない。昨日の続きのようなものだ」
「ふぅん」
「酒を飲みながら少し話して、少しだけお前に触れる」
「わ、分かった」
ヴィーターがヤニクに触れると言う言葉に、どきっと心臓が嫌な感じに高鳴った。背中にじわぁと嫌な汗が滲む感じがする。ヤニクは、意識して何度も深呼吸した。昨日は、ヴィーターは酷いことは何もしなかった。ただ、握手をして、少し喋って、一緒に酒を飲んだだけだ。寝る時に抱きしめられたが、吐き気がする程不快ではなかった。酒が入っていたからか、むしろ、少し低めの体温が心地よかった。
ヤニクは、自分自身に大丈夫だと何度も言い聞かせてから、浴槽から出て、脱衣所へ向かった。
身体を拭きながら、ヤニクはチラッとヴィーターを見た。ヴィーターの身体は、バランスよく筋肉がついていて、まるで獣のような美しさがある。よくよく見れば、白い傷痕らしきものもあった。魔獣との戦いでついたものだろうか。魔獣なんて、実際に見たことがない。ヤニクにとっては、おとぎ話の世界の生き物だ。魔獣はとても身体が大きくて、獰猛で、人を食うとは聞いている。
ヤニクはヴィーターの身体から目を逸らすと、服を着始めた。さっさと服を着たヴィーターから声をかけられたので、急いで楽な寝間着を着てしまう。ヴィーターが、ヤニクに手を差し出してきた。
「……なんだよ」
「怖くなければ握れ」
「……別に、怖くねぇし」
嘘だ。ちょっと怖い。だが、ヤニクは思い切ってヴィーターの手を握った。ヴィーターの手は、風呂上がりだからか、昨日触れた時よりも温かかった。ヴィーターの手をにぎにぎしながら、ヤニクは大きく深呼吸した。大丈夫だ。思っていたよりも怖くないし、不快でもない。
ヤニクは、もしかしたら、ヴィーターは意外と優しいのかも? と思った。
ヴィーターが空っぽになった酒の瓶を床に置いた。空っぽになったグラスやマグカップも床に置いてから、ゆらゆらしているヤニクに両手を伸ばしてきた。
「握ってみろ」
「うんー」
「怖いか」
「なんか、へいき」
「そうか。平気そうなら触るぞ。嫌だと思ったら、すぐに言え」
「うんー」
ヤニクはふわふわした頭で、特に何も考えずに頷いた。ふわふわするのが心地いい。身体がぽかぽかしているので、少しひんやりとしたヴィーターの手の感触もちょっと心地いい。
ヤニクの手を握っていたヴィーターの手が離れ、ヤニクの少し伸びた髪に触れた。すりっと頭を撫でられる。不快ではない。頭を撫でられるなんて、すごく幼い頃以来だ。貴族のガキに襲われてから、ヤニクは誰にも触れさせようとしなかった。
髪の毛を梳くように頭を撫でられると、存外心地よくて、じわぁっと眠気が訪れる。ヤニクのぽかぽかしている頬に、ヴィーターの手が触れた。少しひんやりした硬い手の感触が、ちょっと心地いい。
「眠いか」
「うん」
「今日はもう寝る。横になれ」
「うん」
ヤニクはのろのろと寝転がった。すぐ隣に、ヴィーターが寝転がった。ヴィーターがやんわりとした手つきで、ヤニクの身体を抱きしめてきた。ヴィーターの少し低めの体温が、ぽかぽかする身体に心地いい。ヤニクはヴィーターの身体に自分からくっつくと、大きな欠伸をして、目を閉じた。ぽかぽかふわふわしたまま、ヤニクは心地いい夢の中に旅立った。
――――――
ヤニクは、優しく揺さぶられて目が覚めた。デリークは容赦なく鳩尾に肘を叩き込んで起こしてくるので、ヤニクを起こしたのはデリークではない。重い瞼を開けてみれば、目の前に無表情のヴィーターの顔があった。ぎょっとしたヤニクは、あることに気づいて、ずさーっと勢いよく後ろに下がり、ぼとっとベッドから落ちた。
ヤニクは全裸だった。ヴィーターも全裸だった。素足を絡めていたので、それが分かった。ベッドから落ちた時に腰を打ったヤニクは、混乱しながら、痛む腰を擦った。
ベッドの上から、ヴィーターが声をかけてきた。
「何をしている」
「な、な、な……」
「昨夜の記憶はあるか」
「昨日の夜……あ。酒、飲んだ」
「酔っていたから、昨夜はそのまま寝た。何もしていない」
「お、おう……」
「朝稽古の時間だろう。さっさと着替えて行ってこい。そこのドアからお前の部屋に戻れる」
「ドア? あ、あった」
「私の寝室とお前の部屋は繋がっている。気づいていなかったのか?」
「……気にしたことがなかったし」
「そうか。そろそろデリークが来るぞ。部屋に戻れ」
「お、おう」
「待て」
「……なんだよ」
「吐き気や頭痛は?」
「全然ねぇ」
「それならいい。二日酔いにはならなかったようだな」
「ふつかよい?」
「酒を飲み過ぎると頭痛や吐き気が起きたりする」
「へぇ」
「夜の稽古は今日からなくす。騎士達の風呂の時間が終わったら、一緒に風呂に入って、酒を飲むぞ。どうやら、酒が一番緊張をほぐせるらしい」
「わ、分かった」
「デリークが来た」
「なんで分かるんだ」
「気配がする。急いで部屋に戻れ」
「お、おう」
ヤニクは、ヴィーターに言われるがまま、部屋にあったドアを開いた。そこは確かに自分の部屋だった。本当にデリークが来ていた。ヤニクは驚いて、ぽかんと間抜けに口を開けた。
デリークが全裸のヤニクを見て、器用に右眉を上げた。
「早くお着替えを。身体は動かせますか」
「問題ねぇ。すぐに着替える」
「いつも通りの稽古で大丈夫でしょうか」
「……その、昨日は、酒を飲んで寝ただけだから、何もしてない」
「左様でございますか。まだ期限まで時間はございます。お二方のペースでなされるのがよろしいかと」
「あ、うん」
ヤニクは急いで服を着ると、大剣を持って、デリークと一緒に部屋を出た。なんだかよく分からないが、ヴィーターと裸で一緒に寝てしまった。何もされていないのだが、それを許してしまった自分が不思議でならない。ずっと無表情だったが、ヴィーターが意外と優しかったからだろうか。
ヤニクは首を傾げて暫し考えてみたが、訓練場に着くと頭を切り替えた。剣の稽古は本当に楽しい。誰よりも強くなりたい。ヤニクは真剣に、いつも通り剣の素振りから始めた。
夕食が終わると、いつもならまた剣の稽古をするのだが、今夜からはヴィーターと過ごすことになっている。騎士達の風呂の時間が終わるのを待つまでの間、ヤニクは自室で黙々と腕立て伏せをした。背中には、重しとしてデリークが乗っている。デリークは体格がよくて、素直に重く、めちゃくちゃきついが、これも大剣を自由自在に操るのに必要な筋力を身につける為だ。ヤニクは、ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、部屋の中にあるドアからヴィーターが現れるまで、ぼたぼた汗を流しつつ、腕立て伏せを頑張った。
どこか呆れたような空気のヴィーターと一緒に風呂に向かう。脱衣所には誰もいなかった。デリークも一緒にいて、脱衣所の前で見張りをしてくれる。ヤニクは、他人に触られるのが心底嫌いだが、不特定多数に裸を見られるのも好きじゃない。デリークは剣の師匠だから特別だ。ヴィーターも、一応伴侶だし、特別ということにしておく。
洗い場で頭と身体を洗い、広い浴槽のお湯に浸かって、のんびり疲れた身体をほぐす。ヤニクがじわじわ身体がほぐれていく心地よさに、『ほあー』と意味のない声を出していると、ヴィーターが声をかけてきた。
「今夜も酒を飲むか。昨日の半分だけ。話をしよう」
「なんの話?」
「別に特別な話をするわけじゃない。昨日の続きのようなものだ」
「ふぅん」
「酒を飲みながら少し話して、少しだけお前に触れる」
「わ、分かった」
ヴィーターがヤニクに触れると言う言葉に、どきっと心臓が嫌な感じに高鳴った。背中にじわぁと嫌な汗が滲む感じがする。ヤニクは、意識して何度も深呼吸した。昨日は、ヴィーターは酷いことは何もしなかった。ただ、握手をして、少し喋って、一緒に酒を飲んだだけだ。寝る時に抱きしめられたが、吐き気がする程不快ではなかった。酒が入っていたからか、むしろ、少し低めの体温が心地よかった。
ヤニクは、自分自身に大丈夫だと何度も言い聞かせてから、浴槽から出て、脱衣所へ向かった。
身体を拭きながら、ヤニクはチラッとヴィーターを見た。ヴィーターの身体は、バランスよく筋肉がついていて、まるで獣のような美しさがある。よくよく見れば、白い傷痕らしきものもあった。魔獣との戦いでついたものだろうか。魔獣なんて、実際に見たことがない。ヤニクにとっては、おとぎ話の世界の生き物だ。魔獣はとても身体が大きくて、獰猛で、人を食うとは聞いている。
ヤニクはヴィーターの身体から目を逸らすと、服を着始めた。さっさと服を着たヴィーターから声をかけられたので、急いで楽な寝間着を着てしまう。ヴィーターが、ヤニクに手を差し出してきた。
「……なんだよ」
「怖くなければ握れ」
「……別に、怖くねぇし」
嘘だ。ちょっと怖い。だが、ヤニクは思い切ってヴィーターの手を握った。ヴィーターの手は、風呂上がりだからか、昨日触れた時よりも温かかった。ヴィーターの手をにぎにぎしながら、ヤニクは大きく深呼吸した。大丈夫だ。思っていたよりも怖くないし、不快でもない。
ヤニクは、もしかしたら、ヴィーターは意外と優しいのかも? と思った。
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