世界の中心は君

丸井まー(旧:まー)

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世界の中心は君

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 クラウスの世界は、エッカルトを中心に回っている。

 エッカルトとは、国立魔法学園で出会った。
 クラウスは、淡い金髪と濃い緑の瞳をしている。顔立ちが幼くて、背も低く、いつもヘラヘラ笑っていたからだと思うが、クラウスは、イジメすれすれの弄られキャラだった。弄られて嫌だなぁと思っていたが、クラウスを弄ってくる教室の上位の者達には逆らえない。国立魔法学園は全寮制だから、ハブにされたり、本格的にイジメられたら、卒業までの間、完全に学生生活が詰む。嫌でも、我慢して、ヘラヘラ笑っていなきゃいけない。

 そんなクラウスは、ある日、なんだか笑うことに疲れてしまって、図書館に逃げこんだ。流石に図書館では、誰も弄ってこない。騒がしくしたら、とても怖いと評判の司書のおばちゃんに怒られるし、罰課題が与えられるからだ。クラウスは、図書館に入ると、ほっと小さく息を吐き、面白そうな魔法書が無いか、本棚を物色し始めた。

 エッカルトに気がついたのは、本当にたまたまだった。クラウスが、何気なく上の方を見たら、高い脚立の上に座って、少年が本を読んでいた。クラウスは、少年を見上げて、間抜けに口を開けた。少年は、腰まである艷やかな黒髪を背に流しており、下から見ても、まるで人形のように美しく顔立ちが整っているのが分かった。まるで、物語に登場する天使のように美しく、どこか、人間離れした独特の雰囲気があった。

 クラウスが見上げているのに気づいたのか、少年がパタンと本を閉じて、真っ直ぐにクラウスを見下ろした。その深い青色の瞳の輝きに、クラウスの心臓が小さく跳ねた。


「誰だ? お前。じろじろ見てんじゃねぇよ。気持ちわりぃ」

「え、あ、す、すいません……」


 天使、もしくは女神のように美しい少年は、とても口が悪かった。そのギャップに目を白黒させていると、少年が脚立から下りてきた。


「お前、何年?」

「一年だけど……」

「ふぅん。一緒か。あぁ。思い出した。うるせぇ猿共の玩具にされてるチビか」

「ぐはっ……うぅ……いやまぁ、事実だけど……」

「嫌なら嫌って言えば?」

「……ハブられたりしたら、嫌だし……」

「ヘタレ」

「ふぐぅ……はい。ヘタレの根性なしです……」

「お前、名前は?」

「クラウス」

「ふぅん。俺はエッカルト。俺の読書の邪魔をしなけりゃ、此処に逃げ込んでもいいぞ。あの猿共、嫌いだし」

「え、あ、ありがとう」

「別に。俺はそろそろ帰る」

「あ、僕は、読みたい魔法書を見つけてから帰るよ」

「急いだ方がいいぞ。あと小半時で閉館時間だ」

「げっ! エッ、エッカルトのオススメを教えて! 今すぐ!」


 エッカルトは、一瞬きょとんとした後で、再び脚立に上り、一冊の本を手に取って、脚立から下りてきた。


「ん。さっきまで読んでたやつ。割と古いけど、結構面白かった」

「あ、ありがとう」

「じゃあな」

「あ、うん」


 エッカルトが颯爽と去っていった直後、閉館前の鐘が鳴った。クラウスは、慌てて魔法書を借りる手続きをして、閉館時間ギリギリに図書館を出た。

 それから、クラウスは、毎日図書館に行くようになった。エッカルトは、放課後はいつも図書館に居て、1人で本を読んでいた。特に会話をすることも無かったが、エッカルトは、気紛れに、面白かった魔法書を教えてくれたりした。エッカルトに勧められた魔法書は、どれも面白くて、クラウスは、魔法の勉強が捗るようになった。

 教室では、結局、卒業するまで弄られキャラのままだった。ヘラヘラ笑うのが癖になってしまっていて、どうしようもなかった。それでも、成績はいい方だったから、魔法省に就職することができた。

 エッカルトも魔法省に就職して、嬉しいことに、同じ部署に配属された。エッカルトは、成長しても、まるで天使のように美しく、相変わらず口が悪かった。優秀だが口が悪過ぎるエッカルトと先輩達とのよろしくない仲を、まぁまぁと取り持つのが、クラウスの仕事の一つになった。
 クラウス達が所属している部署は、主に騎士団の魔獣討伐の補佐をしている。基本的に、二人組で騎士団に同行するのだが、エッカルトが美し過ぎて血迷う先輩や、口が悪過ぎるエッカルトと喧嘩になる先輩が多く、結局、就職して2年目からは、クラウスがエッカルトとバディを組むことになった。

 クラウスの世界は、エッカルトを中心に回っている。それは、エッカルトがいつもクラウスに新しい世界を見せてくれて、なんだかんだで、いつも助けてくれるからだ。クラウスも、エッカルトを助けられるように、必死で魔法の修行に励んでいる。5年もすれば、お互いに背中を預け合うことができるようになった。

 クラウスの世界は、エッカルトを中心に回っている。エッカルトの存在そのものが、クラウスの動力源になっている。




ーーーーーー
 クラウスは、薄汚れた格好で、エッカルトと共に自宅である古ぼけた一軒家に帰った。この家は、クラウスの伯父が住んでいた家で、3年前に伯父が亡くなってから、家の管理も兼ねて、クラウスが住むようになった。エッカルトは、気づいたら住みついていた。クラウスは、エッカルトが大好きなので、全然問題無い。

 魔法省に就職して、10年が経った。お互いに28歳になったが、どっちも恋人ができたことはない。クラウスは、エッカルト以上に美しくて格好いい人間はいないと思っているし、エッカルトは、恋愛に興味が無いらしい。

 今回の魔獣討伐は、約三ヶ月の長期遠征だった。かなり疲労が溜まっている。一週間も休みが貰えたのが、本当にありがたい。

 腹が減っているが、それよりも先に風呂に入りたい。クラウスは、へろへろな状態で、風呂場に向かい、少し埃っぽくなっている浴槽をシャワーでざっと流してから、お湯を溜め始めた。
 お湯が溜まる頃に、エッカルトが風呂場にやった来た。エッカルトが好きな入浴剤を入れて、先にエッカルトを風呂に入れさせようと、クラウスが風呂場から出ようとしたら、エッカルトに腕を掴まれた。


「エッカルト?」

「入るぞ。お前、くせぇ」

「ひどい。君も……いや、何でだろう。臭くない」

「ふん。とっとと脱げ」

「あ、はい」


 エッカルトと風呂に入るのは初めてだ。クラウスは、無造作に服を脱ぐエッカルトに、ちょっとドキドキしながら、自分も服を脱いだ。
 エッカルトの身体は、肌が白く、細身ながら、靭やかな筋肉がうっすらついていた。乳房は当然無いが、まるで、壁画に描かれる女神様みたいに美しい。ほぁー、と間抜けに口を開けて、エッカルトを見ていると、エッカルトが軽くクラウスの脛を蹴った。


「とっとと入るぞ。チビ」

「あ、うん」

「髪、洗え」

「いいよ」


 クラウスは、成人しても背が低いままだ。童顔なのも変わらない。未だに、飲み屋に行くと、学生に間違われたりする。

 エッカルトと一緒に風呂場に入り、小さな椅子に座ったエッカルトの後ろに立って、エッカルトの腰まである美しい黒髪に、静かにお湯をかける。エッカルトが愛用している洗髪剤を使って、髪を洗っていく。他人の髪なんて洗ったことが無いが、やってみたら、意外と楽しい。エッカルトの髪は、毛が細めで柔らかい。一度、お湯で泡を流してから、今度は、手入れ用の洗髪剤を濡れた長い髪に馴染ませていく。洗髪剤のボトルの後ろに書いてある使い方を読んでから、少し時間を置いて、丁寧に髪を洗い流した。

 お湯で丁寧に流したエッカルトの髪は、艶々になった。一仕事終えた気分のクラウスは、エッカルトの靭やかな背筋が美しい白い背中を洗い始めた。柔らかめの洗いタオルに石鹸を擦りつけて、もこもこに泡立て、できるだけ優しくエッカルトの背中を洗っていく。自分で身体の前面を洗っていたエッカルトが、声をかけてきた。


「擽ってぇ。もっとガシガシ擦れ」 

「えー。赤くならない?」

「問題ねぇよ」

「うーん。このくらい?」

「そうそう。ついでに、肩揉め」

「うん」

「あーー。そこ、もうちょい強めにゴリゴリしろよ」

「はいはーい」


 背中をガシガシ洗ってから、エッカルトの肩を揉んでいく。エッカルトの肩は、かなり凝っていた。昔、亡くなった祖父の肩をよく揉んでいたので、肩揉みは割と得意だ。エッカルトは、肩凝りしやすい方なので、書類仕事が続いた時などに、たまに、エッカルトにねだられて肩揉みしている。

 肩揉みに満足したエッカルトが、身体の泡をお湯で流して、小さな椅子から立ち上がった。


「交代」

「あ、うん」


 クラウスが小さな椅子に座ると、ばしゃあっと豪快に頭からお湯をかけられた。エッカルトは、魔法を使う時はとても繊細なコントロールをするが、それ以外は結構大雑把だ。まぁ、こうなるな、と思いながら、クラウスは、ガシガシとエッカルトに頭を洗ってもらった。
 背中もガシガシ洗われながら、自分で他の部分を洗っていると、ばしゃあっと、また頭からお湯をかけられた。目を閉じていなかったので、目にお湯が入って、地味に痛い。

 クラウスが、濡れた顔を手で拭っていると、エッカルトがクラウスの正面に回ってきた。
 エッカルトがクラウスを見下ろし、ニヤッと笑った。


「ちんこ洗ったか?」

「洗ったけど?」

「よし。立て」

「あ、うん」


 今度は何だろうかと不思議に思いながら、クラウスが小さな椅子から立ち上がると、エッカルトがその場に膝をついた。エッカルトに、無造作に萎えたペニスを握られて、クラウスは、尻尾を踏んづけられた猫みたいな声を上げた。


「エエエエエエエッカルトッ!?」

「エが多い。……思ってたよりでけぇな。まぁいい」

「わーー!? エッカルトさーん!? 何してんの!? 何してんのーー!?」

「んー。お前のちんこ舐めてる」

「は、はぅっ、あっ、ちょっ、まっ、う、ぁ……」


 何故か知らないが、エッカルトがクラウスのペニスに顔を寄せ、ペロペロと竿を舐め始めた。初めての快感に、堪らず腰が引けてしまう。クラウスのペニスは、溜まっていたこともあって、すぐにガチガチに勃起した。クラウスのペニスは、割と大きい方だ。『チビなのにデカちんかよ』と、よく揶揄われていた。仮性包茎で、普段は半分くらい亀頭が皮で隠れている。自然と皮が剥けて露出した亀頭を、べろーっと舌で円を描くように、エッカルトが舐めてきた。気持ちよ過ぎて、ガチで出ちゃうかと思った。
 クラウスは、いきなりのエッカルトの謎の行動にあわあわしながら、亀頭を熱くぬるついた舌で舐め回しているエッカルトの頭をやんわりと掴んだ。


「エ、エッカルト……そ、それ以上されると……」

「出る?」

「あ、はい」

「出せ」

「ええっ!? って、ちょっ、あっ、それっ、だめっ、ふっ、うぁ……」


 エッカルトが目だけでクラウスを見上げながら、大きく口を開け、パクンとクラウスの先走りだらだらの亀頭を口に咥えた。熱くぬるついたエッカルトの口内の感触が気持ちよくて堪らない。射精を促すように、エッカルトがクラウスのペニスの亀頭を吸いながら、ペニスの根元あたりを手で扱き始めた。もう我慢の限界である。


「エ、エッカルトッ! でるっ! でちゃうからっ!」

「ん」

「え?」


 いよいよ射精しちゃうってなった瞬間、唐突に、エッカルトがクラウスのペニスから口を離した。今にも射精しそうな、ちょっと痛い程張り詰めているクラウスのペニスをつんつんと指先で突き、エッカルトがクラウスを見上げて、にやぁーと笑った。


「気が変わった。別のとこに出せよ」

「はい?」


 エッカルトが立ち上がり、自分の腰に手を当てて、何故か浄化魔法の呪文を唱えた。クラウスが、頭を疑問符だらけにしている前で、エッカルトが風呂場の壁に手をつき、白くて肉付きが薄い尻を突き出してきた。エッカルトが、片手で、自分の尻肉を掴み、ぐいっと広げた。反射的に、そこを見れば、赤みの強いアナルが丸見えになっていた。アナルは排泄孔なのに、エッカルトのアナルは、いっそ拍手でもしたい程、美しかった。エッカルトの呼吸に合わせて、皺が細かくなったり、微かに広がったり様子すら、どこか美しい。

 クラウスが、じーっとエッカルトのアナルをガン見していると、エッカルトが顔だけで振り返って、ニヤッと笑った。


「舐めろよ」

「あ、うん」


 クラウスは、エッカルトに言われるがままに、中腰になり、エッカルトの尻を両手で掴んで、べろーっとエッカルトの美しいアナルの表面を舐めた。特に味はしない。熱いアナルの皺の感触が、地味に舌に楽しい。クラウスが、エッカルトのアナルをベロベロ舐めて、大きくて収縮し始めたアナルの皺の隙間を伸ばすように、一枚一枚丁寧にアナルの皺を舐めていると、エッカルトが気持ちよさそうに大きな溜め息を吐いた。


「はぁっ……も、いい。……ちょっと離れろ」

「あ、うん」

「……暫く大人しく見とけよ。てめぇでシコるんじゃねぇぞ」

「はい?」


 エッカルトは、何をする気なのだろうか。ていうか、エッカルトのアナルをめちゃくちゃ舐めちゃった。これは、どうなんだろう。なんだか現実味がなくて、頭がふわふわする。

 エッカルトが、水魔法の呪文を唱えると、右手で自分のアナルに触れ、そのまま、自分の指をアナルに突っ込んだ。クラウスが驚きながらも目を離せない状態のまま、エッカルトがアナルに自分の指を抜き差ししている。なんだか、いやらしい光景の筈なのに、どこか美しさを感じる。エッカルトだからだろうか。

 エッカルトが時折低く唸りながら、荒い息を吐きつつ、自分でアナルを弄っている。射精寸前で寸止めされたペニスに、更に血液が集まって、若干痛い程ペニスが張り詰めている。クラウスは、じっと自分のアナルを弄るエッカルトを凝視しながら、ごくっと口の中に溜まった唾を飲み込んだ。

 エッカルトが、ずるぅっと自分の指を引き抜いた。エッカルトのアナルには、エッカルトの美しい指が三本も入っていた。すぐに閉じ切らないアナルが、微かに口を開け、くぽくぽといやらしく収縮している。濡れててらてらに鈍く光る濃い赤色のアナルが、酷くいやらしくて、酷く美しい。

 エッカルトが顔だけで振り返って、右手で自分の尻肉をぐにぃっと広げた。


「突っ込めよ」

「え」

「早く」

「あ、う、うん」


 本当に現実味が無い。クラウスは、頭がふわふわした状態のまま、今にも射精しそうな程、涎のように先走りが溢れている自分のペニスの竿を掴み、エッカルトの尻に触れた。
 エッカルトが膝を曲げてくれたのか、エッカルトの尻の高さがペニスを挿れやすそうな高さになった。クラウスは、ひくひくしている熱いエッカルトのアナルにペニスの先っぽを押しつけ、ゆっくりと腰を動かして、エッカルトのアナルの中にペニスを押し込み始めた。キツい括約筋でペニスの皮が自然と剥かれ、完全に剥き出しになった敏感な亀頭が、熱くて柔らかいぬるついたものに包まれていく。気持ちがいいなんてもんじゃない。亀頭がずっぽりエッカルトのアナルの中に入ると、クラウスは、荒い息を吐きながら、エッカルトのほっそりとした腰を掴み、一気にペニスを根元近くまで押し込んだ。


「はっ、あぁ……エッカルトッ……すごい、きもちいいっ……」

「は、あ、くそっ、でけぇっ……チビのくせにっ……動けっ!」

「う、あ、はっ、はっ、エッカルト、エッカルト、すごい、すごいっ」

「ぅあっ! あっあっあっあっ! あーーっ! くっそ! いいっ! もっと! もっと突けっ!」

「エッカルトッ!!」


 エッカルトの腹の奥深くの行き止まりの肉の壁を突き上げる度に、エッカルトが裏返った声を上げ、きゅっとキツく括約筋でペニスが締めつけられる。クラウスは、無我夢中で腰を激しく振って、エッカルトの腹の奥深くの肉の壁をペニスの先っぽで突きまくった。パンパンパンパンッと肌同士がぶつかり合う音と、エッカルトのいつもより高い意味のない声が、狭い風呂場に響いている。エッカルトの声は、こんな時でも耳に心地いい。エッカルトの白い尻に下腹部を強く打ちつけていると、そのうち、じわじわとエッカルトの尻が赤く染まり始めた。いやらしくて、可愛くて、酷く興奮する。エッカルトの中が気持ちよ過ぎて、もういい加減限界である。

 クラウスは、一際強くエッカルトの腹の奥深くの肉の壁を突き上げて、そのまま、ペニスの先っぽで肉の壁をぐりぐりするようにしながら、精液をぶち撒けた。

 はぁー、はぁー、と2人分の荒い息遣いが、風呂場に響いている。エッカルトが、真っ赤に染まった顔で振り返り、口を開いた。


「抜け」

「……抜きたくない」

「抜け。続きはベッドでヤるぞ。この体勢、地味にキツい」

「あ、そっか。ごめん」


 エッカルトは、中途半端に膝を曲げた状態だった。それは確かに地味にキツいだろう。クラウスは、慌てて、射精した筈なのに、まだ萎えていないペニスを引き抜いた。ずるぅっとペニスを引き抜くと、エッカルトのアナルから、こぽぉっと白い精液が溢れ出て、会陰を伝って、ぽたっと風呂場の床に落ちていった。

 エッカルトが身体ごと振り返り、無造作に右手を伸ばして、クラウスの首を掴んで、自分の方に引き寄せた。エッカルトが、じっとクラウスの瞳を見つめながら、クラウスの下唇に噛みついた。驚いて口を開けたクラウスの口内に、エッカルトの熱い舌が入ってくる。口内をねっとりと舐め回されて、腰のあたりがぞわぞわする。ついでに、まだ勃起しているペニスが、またエッカルトの中に入りたくて、うずうずする。

 ぬるぬると舌を絡めた後、エッカルトが口を離し、少し屈んでいた身体を真っ直ぐにした。エッカルトは、クラウスよりも頭半分以上、背が高い。エッカルトが特別背が高いのではなく、クラウスがチビなだけだ。
 エッカルトが、勃起したままのクラウスのペニスをチラッと見て、楽しそうに、にぃっと笑った。
 クラウスは、エッカルトに肩に担ぎ上げられて、そのまま、エッカルトの部屋へと移動した。エッカルトは細身なのに、意外と力持ちなのである。

 エッカルトのベッドに落とされた後は、まるで快感の嵐の中にいるようだった。エッカルトがクラウスに跨がって、いやらしく腰を振り、クラウスを快感の海へと叩き落とした。クラウスも、四つん這いになったエッカルトのアナルにペニスを突っ込んで、めちゃくちゃに腰を振った。貪り合うようなキスをしながらもして、クラウスは、疲れ果てて寝落ちるまで、楽しそうなエッカルトの身体と快感に溺れた。

 クラウスが目覚め、しぱしぱする目を開けると、目の前に、美しいエッカルトの寝顔があった。エッカルトは、寝ていても半端なく美しい。クラウスが、ほぁーとエッカルトの寝顔に見とれていると、エッカルトの長い睫毛が微かに震え、エッカルトが目を開けた。クラウスは、眠そうな欠伸をしているエッカルトに問いかけた。


「どうして、僕とセックスしたの?」

「あ? 理由はてめぇで考えろ。鈍ちんヘタレ野郎」

「え、えぇ……うーんと、もしかして、エッカルトは僕が好きなの?」

「さぁな」

「僕以外とセックスしたことある?」

「ねぇよ。ばーか。ばーか。俺がそう簡単に股を開くと思うな」


 エッカルトが、もぞもぞと寝返りをうって、こちらに背を向けた。エッカルトの耳を見れば、じんわりと赤く染まっている。クラウスは、これは自分に都合がいい方に解釈してもいいのかなぁと思いながら、後ろからエッカルトの身体を抱きしめた。

 クラウスの世界は、エッカルトを中心に回っている。
 エッカルトは、『好き』とは絶対に口に出さないが、何気ない行動で、クラウスに『好き』だと伝えてくれる。『恋人』だと明言していないが、クラウスは、エッカルトの恋人のつもりである。エッカルトが恋人になってから、クラウスの世界は、より色鮮やかになった。

 クラウスは、今日もエッカルトの隣で、へらへら笑って、楽しい刺激に溢れた1日を送った。



(おしまい)
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