6 / 27
6
しおりを挟む
私はずっと上にあるはずの地上へ向かって大穴を上昇し続けました。浮遊魔法より翼で飛んだ方が明らかに速いので、地上に出てから姿を変えた方がよかったと少し後悔し始めた頃、ようやく最終試練の祭壇があった場所に辿り着きました。
私はフードの人物に崩された地面の辺りに着地すると、索敵魔法を発動しました。
索敵には何もかからず、洞窟の入り口付近に至るまでこの辺りに人はいないようです。
私が思っているより時間が経過していて、もう一通り探し回ったあとなのかもしれませんが、私を探索する部隊などは残されなかったようです。
次に追跡魔法を発動しました。
今日ここに来た人間は私を除くと、一緒に来た二人の兵士とフードの人物だけです。
そこまで絞ると3人分の足跡が地面に映し出されました。
兵士の大きな足跡と違う小柄な足跡を追跡します。
足跡は入り口に向かって続いています。入り口は兵士が見張っているはずでしたから、何処かに潜んでいたような道取りになるはずです。
しかし、小さな足跡は真っ直ぐ入り口まで続き、そのまま追跡すると、私達が拠点にしたほったて小屋とは別の方向に進んでから私達が王都から来た道へと続いていました。
ここに来るまでに兵士と争った痕跡は見つかりませんでした。兵士達が入り口の見張りをサボっていたか、フードの人物が気配を消す事に長けていたか、或いはその両方ですね。
私はもう一度大穴まで戻ると、崩れてしまった祭壇の辺りの地面に解析魔法をかけました。魔法によって崩された地面には、その魔力の残渣が残されていました。これでフードの人物を見つけたら分かるはずです。
謎は深まるばかりでしたが、ここで出来ることはこのくらいでしょう。私は王都に帰る事にしました。
再び浮遊魔法を使い大空に舞い上がります。
空高くから地上に広がる世界を久しぶりに見ました。緑の山、澄んだ小川、所々に人の集落が散見され、人間が繁栄していることがよく分かります。
前回目覚めた時は、凄まじい威力だけど環境への汚染度の高い危険な兵器を持った国が世界の半分を制圧し、汚染と人間の怨嗟で世界は汚れきっていました。
私がその国を滅ぼして兵器を全て塵になるまで破壊したのですが、相手の抵抗もあって世界は焦土と化していました。よくここまで復興したものだと、人間には関心するばかりです。
そうしているうちに王都が見えてきたので私は近くに着地して歩いて王都に向かいました。
私はフードの人物に崩された地面の辺りに着地すると、索敵魔法を発動しました。
索敵には何もかからず、洞窟の入り口付近に至るまでこの辺りに人はいないようです。
私が思っているより時間が経過していて、もう一通り探し回ったあとなのかもしれませんが、私を探索する部隊などは残されなかったようです。
次に追跡魔法を発動しました。
今日ここに来た人間は私を除くと、一緒に来た二人の兵士とフードの人物だけです。
そこまで絞ると3人分の足跡が地面に映し出されました。
兵士の大きな足跡と違う小柄な足跡を追跡します。
足跡は入り口に向かって続いています。入り口は兵士が見張っているはずでしたから、何処かに潜んでいたような道取りになるはずです。
しかし、小さな足跡は真っ直ぐ入り口まで続き、そのまま追跡すると、私達が拠点にしたほったて小屋とは別の方向に進んでから私達が王都から来た道へと続いていました。
ここに来るまでに兵士と争った痕跡は見つかりませんでした。兵士達が入り口の見張りをサボっていたか、フードの人物が気配を消す事に長けていたか、或いはその両方ですね。
私はもう一度大穴まで戻ると、崩れてしまった祭壇の辺りの地面に解析魔法をかけました。魔法によって崩された地面には、その魔力の残渣が残されていました。これでフードの人物を見つけたら分かるはずです。
謎は深まるばかりでしたが、ここで出来ることはこのくらいでしょう。私は王都に帰る事にしました。
再び浮遊魔法を使い大空に舞い上がります。
空高くから地上に広がる世界を久しぶりに見ました。緑の山、澄んだ小川、所々に人の集落が散見され、人間が繁栄していることがよく分かります。
前回目覚めた時は、凄まじい威力だけど環境への汚染度の高い危険な兵器を持った国が世界の半分を制圧し、汚染と人間の怨嗟で世界は汚れきっていました。
私がその国を滅ぼして兵器を全て塵になるまで破壊したのですが、相手の抵抗もあって世界は焦土と化していました。よくここまで復興したものだと、人間には関心するばかりです。
そうしているうちに王都が見えてきたので私は近くに着地して歩いて王都に向かいました。
0
お気に入りに追加
1,581
あなたにおすすめの小説
転生令嬢だと打ち明けたら、婚約破棄されました。なので復讐しようと思います。
柚木ゆず
恋愛
前世の記憶と膨大な魔力を持つサーシャ・ミラノは、ある日婚約者である王太子ハルク・ニースに、全てを打ち明ける。
だが――。サーシャを待っていたのは、婚約破棄を始めとした手酷い裏切り。サーシャが持つ力を恐れたハルクは、サーシャから全てを奪って投獄してしまう。
信用していたのに……。
酷い……。
許せない……!。
サーシャの復讐が、今幕を開ける――。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
【完結】「異世界に召喚されたら聖女を名乗る女に冤罪をかけられ森に捨てられました。特殊スキルで育てたリンゴを食べて生き抜きます」
まほりろ
恋愛
※小説家になろう「異世界転生ジャンル」日間ランキング9位!2022/09/05
仕事からの帰り道、近所に住むセレブ女子大生と一緒に異世界に召喚された。
私たちを呼び出したのは中世ヨーロッパ風の世界に住むイケメン王子。
王子は美人女子大生に夢中になり彼女を本物の聖女と認定した。
冴えない見た目の私は、故郷で女子大生を脅迫していた冤罪をかけられ追放されてしまう。
本物の聖女は私だったのに……。この国が困ったことになっても助けてあげないんだから。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろう先行投稿。カクヨム、エブリスタにも投稿予定。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
【完結】両親が亡くなったら、婚約破棄されて追放されました。他国に亡命します。
西東友一
恋愛
両親が亡くなった途端、私の家の資産を奪った挙句、婚約破棄をしたエドワード王子。
路頭に迷う中、以前から懇意にしていた隣国のリチャード王子に拾われた私。
実はリチャード王子は私のことが好きだったらしく―――
※※
皆様に助けられ、応援され、読んでいただき、令和3年7月17日に完結することができました。
本当にありがとうございました。
さあ、お嬢様。断罪の時間です ~ある婚約破棄事件のその後~
オレンジ方解石
ファンタジー
サングィス王国の王太子エルドレッドは、ソールズベリー公爵令嬢ベアトリスとの婚約を破棄。タリス男爵令嬢を王妃に迎えようとして、愚行をサングィス国王に断罪される。
ベアトリスは新しい王太子ウィルフレッドの妃となり、世間からは「物語のような婚約破棄事件」と称賛された。
しかし現実は物語のようには終わらず、三年後…………。
※グロなどはありませんが、一応、死体や死亡展開があるので、R15 設定にしています。
※ファンタジー要素は薄めですが、婚約破棄や悪役令嬢要素があるので、カテゴリを『ファンタジー』にしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる