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『三田園子』という人
178話 ……ささみはあげてもだいじょうぶだよね?
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「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「すげえええええええ!」
はい! わたしは今! 愛ちゃんといっしょに! あこがれのマリスタで! 中村奨吾選手の八回裏特大アーチを見上げています!!!! ぎゃあああああああああ!!!! 取った人おめでとおおおおおおおおおおおお!!!!
はい。満員御礼だそうです。どうしてこうなった。はい。いろいろありまして。あのですね、今まさにわたしの荷物、すべて勇二さんが手配してくださった業者さんが例のマンションへ運んでくださっています。はい。午前中にトラックが来て、荷物が積み込まれるのを確認して。箱詰めとかは触られたくないものだけ自分でやっちゃって、あとはぜんぶおまかせコースです。それでなのか、室内での作業は女性スタッフさんがやってくれました。気遣いサービスすごい。
はい。で、なんで野球観戦かというとですね。大家さんの娘さんが「あの、おとんが前にマリーンズファンて聞いたって言ってたんですけど……チケあるんですが、よかったら……」と連絡いただきまして。そんなちょうどよくチケットあるわけないだろうし、どうにか都合してくれたんじゃないかな。すんごいいい席なの。内野一塁側一階席。ちょう近い。その名もフィールドウイングシート! すごい! VIP感! ……とか言ってたらぎゃあああああああああ!!!!
「すっごおおおおおおおおおい!!!!」
二者連続ホーーーーーーームラン!!!! 岡選手きたああああああ!!!!
「まじで今日の試合おもしろいな!」
愛ちゃんがエビスビールのお姉さんに合図を送りながら言いました。たぶんそれ六杯目だけどだいじょうぶなの。
「やっぱスズケン! スズケンから得点できたところでもう幸先よかった! 角中グッジョブ!」
「スズケンさんってだれ?」
「ハムの先発だよ。下手投げの」
「あー、すっごいかっこよかったね!」
「あー? どっち応援してんだ?」
「もちろんマリーンズだよ!」
一回の裏。下手投げのスズケンさんを見ていて、ティミー・ロージェル選手を思い出してしまいました。アウスリゼの友好国ラキルソンセンのチームの、オリヴィエ様そっくりな黒髪のエース投手。
試合を見ていても、あっ、そういえば四アウト制じゃなかったとか、七回で終わらなくていっしゅんなんで? と思ったり。ファピーを観ている感覚になってしまって。どうしても、アウスリゼの記憶がちらついてしまって。
試合は接戦になりました。最後の最後までどちらが勝つかわからなかった。すっごいハラハラ。九回表、益田投手がセーブしゲームセット。愛ちゃんがビールを煽りつつ「まりほー」と言いました。ヒーローインタビュー、中村奨吾選手も澤村拓一投手もちょっとだけ塩対応だったのがおもしろかったです。はい。
「なんかさ、乗れてなかったじゃん」
人がはけて行くのを待って出口へと向かうと、歩きながら愛ちゃんがそう言いました。わたしは「そんなこと、ないけど」と返します。初めてのマリスタで、しかもめちゃくちゃいいゲームで。たのしかったです。ただどうしても、心にかかっている事柄が、見え隠れしただけで。
海浜幕張駅まで歩きました。マリスタからの帰宅民がぞろぞろと同じ方へ向かっています。今日は昨日と打って変わって暑くて、ざわざわした喧騒とまだ高い陽が、のぼせたような気持ちにさせてきました。愛ちゃんは、それ以上なにも言わなくて、わたしもなにも言えなくて、二人で人波に流されて列車に乗り込みました。
八丁堀で降りました。勇二さんのマンションの最寄り駅がそこなので。そこで勇二さんに連絡をし「今八丁堀です」と伝えました。鍵はさすがに業者さんに預けられないので、勇二さんが荷物の搬入とかを見守ってくれたんですよね。日曜なのでお休みなんですって。ちょうどよかった。なので、近くに待機してくれていて、鍵を持ってきてくれます。
マンションの駐車場を見たら、愛ちゃんの車がありました。ノリタケさんは、愛ちゃんの車といっしょに勇二さんが派遣してくれた運転手さんが連れてきてくれて、めんどうをみてくれているはずです。至れり尽くせりですね。ありがとうございます。と思ったら、勇二さんがノリタケさんカートを押してやってきました。半袖パーカーにデニムという普段着。髪下ろしてるの初めて見た。
「あ、ありがとうございます。もろもろ助かりました」
「いえ、いえ。だいじょうぶです、だいじょうぶです」
「ノリタケさんのことみてくださってたんですね、お手数おかけしました」
「いえ、いえ。近くに、ドッグカフェがあって……行ってみたかったので……」
愛ちゃんが「おひさしぶりです」と頭を下げました。勇二さんも「いつもお世話になっております」と応じました。ノリタケさんはごきげんで、しっぽふりふりしていました。かわいい。
とりあえず、荷物が全部あるかどうかの確認をしてほしいとのことだったので、いっしょにマンションへ入りました。ちなみにノリタケさんもOKな物件です。
指定した場所にベッドが組み立てられてありました。助かる。今日は愛ちゃんとノリタケさんが泊まるので、寝袋とペットシートもわかりやすく置いてありました。ダンボールを数えたら、行きと同じ九個。結局そんなに荷物にはなりませんでした。
「だいじょうぶです、ぜんぶあります」
「よかったです。もしなにかあったら連絡ください」
「はい、ありがとうございます」
「では……」
「よーし、じゃあメシ食いに行きましょう」
勇二さんがあきらかに辞そうとした瞬間、愛ちゃんがそう言いました。わたしたちが注目すると、なんでもないことのようにスマホをフリックしてコールします。耳に当てて「あー、食べログ見たんですけど。ペット可なんですよね? はい。カートに乗せた感じで。中型犬です。三人なんですが。すぐ行けます。あー、はい。じゃあそういう感じで。飲み放はOKです?」と。
「いやいやいやいや」
「なにが」
「愛ちゃん、あんだけ飲んだじゃん」
「ビールとかチェイサーだし」
「わたし飲めないし」
「ノンアルでよかろ。引っ越しモツ鍋だよ。行こうや」
なんか愛ちゃん国にはモツ鍋に関するふしぎな文化があるようですね。しかもこんな暑い日に。「調べてあったの。歩いてすぐ。ノリタケも行けるとか最高じゃん」とさっさと玄関へ向かうので、わたしも勇二さんもあわてて着いて行きました。部屋に二人きりにされるのは困る。たぶん勇二さんも同じ理由。
愛ちゃんナビで連れて行かれたのは、入り口のところにタバコを吸うコーナーとベンチ席がある居酒屋さんでした。ほんと歩いてすぐだった。愛ちゃんがお店の中に「すみませーん、さっき電話した中川ですけどー」と声をかけます。お店の方とやりとりがあって、わたしと勇二さんは愛ちゃんの指示にしたがってベンチに並んで座りました。そしてノリタケさんが対面側。
「……え? 愛ちゃんは?」
「あたしはカウンター。ぜったい一番飲むし。お店の方に申し訳ないから」
「はっ……?」
……おかしいと思ったおかしいと思った! そもそもベンチ、二人用なの! しかもモツ鍋置けるくらい広いテーブルじゃなくて、ちょっと飲んだら帰る感じの席なの! はめられたー!
お店の方が注文を取りに来られたので、とりあえずわたしはオレンジジュースを。勇二さんはコーラでした。そういや一希さんが、勇二さんも飲めないって言ってたな。
――静まり返りました。いや、駅チカだから音はいろいろするんですけど。
「……なに、たのみますか」
観念したのか、勇二さんが店員さんに渡されたラミネート加工のメニューを見てそうおっしゃいました。わたしが「あー、なんでも」と言うと、「じゃあ、とりあえず串盛りでも」とのこと。それで。帰りますとか言わないの、義理堅いよね。店員さんがドリンクを持ってきてくださったので、冷やしトマトもいっしょにたのみました。すぐ出て来そうなので。
オレンジジュースとコーラで、お通しを無言で食べる兄と妹。なにこの空間。ノリタケさんが癒やし。かわいい。とりあえず「なにからなにまで、ありがとうございます」と言いました。勇二さんは「いえ、当然のことなので」とおっしゃいました。
「……俺の自己満足なのは、わかってますので」
わたしはそれに返す言葉がなかったです。ご夫婦らしきお二人連れがやって来て、ノリタケさんに「おー、わんこー!」とちょっとかまってくださってから入店しました。冷やしトマトが来ました。
無言でもぐもぐしていたら、お店の方が「カウンターの方から持っていくように言われたのでー」と大きいジョッキでオレンジジュースがふたつ来ました。手元のドリンクを二人であわてて飲み干して交換します。あれ、なんかちょっとさっきのより甘い。違う種類かな。おいしい。焼き串のセットも来ました。ちょっとテーブルが狭いので、トマトをベンチに置きました。
無言で串をもぐもぐして。ノリタケさんがじっと見ていたので、ささみ串をほぐして内側のところをあげました。はふはふしながらいっしょうけんめい食べてます。かわいい。
勇二さんが、ジョッキをぐいっとして。意を決した感じで、言いました。ちょっと声が裏返ってました。
「あの――あの。……言い訳、してもいいですか」
なんの。ノリタケさんがしっぽをふっておかわりをおねだりしてきました。かわいい。
「すげえええええええ!」
はい! わたしは今! 愛ちゃんといっしょに! あこがれのマリスタで! 中村奨吾選手の八回裏特大アーチを見上げています!!!! ぎゃあああああああああ!!!! 取った人おめでとおおおおおおおおおおおお!!!!
はい。満員御礼だそうです。どうしてこうなった。はい。いろいろありまして。あのですね、今まさにわたしの荷物、すべて勇二さんが手配してくださった業者さんが例のマンションへ運んでくださっています。はい。午前中にトラックが来て、荷物が積み込まれるのを確認して。箱詰めとかは触られたくないものだけ自分でやっちゃって、あとはぜんぶおまかせコースです。それでなのか、室内での作業は女性スタッフさんがやってくれました。気遣いサービスすごい。
はい。で、なんで野球観戦かというとですね。大家さんの娘さんが「あの、おとんが前にマリーンズファンて聞いたって言ってたんですけど……チケあるんですが、よかったら……」と連絡いただきまして。そんなちょうどよくチケットあるわけないだろうし、どうにか都合してくれたんじゃないかな。すんごいいい席なの。内野一塁側一階席。ちょう近い。その名もフィールドウイングシート! すごい! VIP感! ……とか言ってたらぎゃあああああああああ!!!!
「すっごおおおおおおおおおい!!!!」
二者連続ホーーーーーーームラン!!!! 岡選手きたああああああ!!!!
「まじで今日の試合おもしろいな!」
愛ちゃんがエビスビールのお姉さんに合図を送りながら言いました。たぶんそれ六杯目だけどだいじょうぶなの。
「やっぱスズケン! スズケンから得点できたところでもう幸先よかった! 角中グッジョブ!」
「スズケンさんってだれ?」
「ハムの先発だよ。下手投げの」
「あー、すっごいかっこよかったね!」
「あー? どっち応援してんだ?」
「もちろんマリーンズだよ!」
一回の裏。下手投げのスズケンさんを見ていて、ティミー・ロージェル選手を思い出してしまいました。アウスリゼの友好国ラキルソンセンのチームの、オリヴィエ様そっくりな黒髪のエース投手。
試合を見ていても、あっ、そういえば四アウト制じゃなかったとか、七回で終わらなくていっしゅんなんで? と思ったり。ファピーを観ている感覚になってしまって。どうしても、アウスリゼの記憶がちらついてしまって。
試合は接戦になりました。最後の最後までどちらが勝つかわからなかった。すっごいハラハラ。九回表、益田投手がセーブしゲームセット。愛ちゃんがビールを煽りつつ「まりほー」と言いました。ヒーローインタビュー、中村奨吾選手も澤村拓一投手もちょっとだけ塩対応だったのがおもしろかったです。はい。
「なんかさ、乗れてなかったじゃん」
人がはけて行くのを待って出口へと向かうと、歩きながら愛ちゃんがそう言いました。わたしは「そんなこと、ないけど」と返します。初めてのマリスタで、しかもめちゃくちゃいいゲームで。たのしかったです。ただどうしても、心にかかっている事柄が、見え隠れしただけで。
海浜幕張駅まで歩きました。マリスタからの帰宅民がぞろぞろと同じ方へ向かっています。今日は昨日と打って変わって暑くて、ざわざわした喧騒とまだ高い陽が、のぼせたような気持ちにさせてきました。愛ちゃんは、それ以上なにも言わなくて、わたしもなにも言えなくて、二人で人波に流されて列車に乗り込みました。
八丁堀で降りました。勇二さんのマンションの最寄り駅がそこなので。そこで勇二さんに連絡をし「今八丁堀です」と伝えました。鍵はさすがに業者さんに預けられないので、勇二さんが荷物の搬入とかを見守ってくれたんですよね。日曜なのでお休みなんですって。ちょうどよかった。なので、近くに待機してくれていて、鍵を持ってきてくれます。
マンションの駐車場を見たら、愛ちゃんの車がありました。ノリタケさんは、愛ちゃんの車といっしょに勇二さんが派遣してくれた運転手さんが連れてきてくれて、めんどうをみてくれているはずです。至れり尽くせりですね。ありがとうございます。と思ったら、勇二さんがノリタケさんカートを押してやってきました。半袖パーカーにデニムという普段着。髪下ろしてるの初めて見た。
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「いえ、いえ。だいじょうぶです、だいじょうぶです」
「ノリタケさんのことみてくださってたんですね、お手数おかけしました」
「いえ、いえ。近くに、ドッグカフェがあって……行ってみたかったので……」
愛ちゃんが「おひさしぶりです」と頭を下げました。勇二さんも「いつもお世話になっております」と応じました。ノリタケさんはごきげんで、しっぽふりふりしていました。かわいい。
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指定した場所にベッドが組み立てられてありました。助かる。今日は愛ちゃんとノリタケさんが泊まるので、寝袋とペットシートもわかりやすく置いてありました。ダンボールを数えたら、行きと同じ九個。結局そんなに荷物にはなりませんでした。
「だいじょうぶです、ぜんぶあります」
「よかったです。もしなにかあったら連絡ください」
「はい、ありがとうございます」
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勇二さんがあきらかに辞そうとした瞬間、愛ちゃんがそう言いました。わたしたちが注目すると、なんでもないことのようにスマホをフリックしてコールします。耳に当てて「あー、食べログ見たんですけど。ペット可なんですよね? はい。カートに乗せた感じで。中型犬です。三人なんですが。すぐ行けます。あー、はい。じゃあそういう感じで。飲み放はOKです?」と。
「いやいやいやいや」
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愛ちゃんナビで連れて行かれたのは、入り口のところにタバコを吸うコーナーとベンチ席がある居酒屋さんでした。ほんと歩いてすぐだった。愛ちゃんがお店の中に「すみませーん、さっき電話した中川ですけどー」と声をかけます。お店の方とやりとりがあって、わたしと勇二さんは愛ちゃんの指示にしたがってベンチに並んで座りました。そしてノリタケさんが対面側。
「……え? 愛ちゃんは?」
「あたしはカウンター。ぜったい一番飲むし。お店の方に申し訳ないから」
「はっ……?」
……おかしいと思ったおかしいと思った! そもそもベンチ、二人用なの! しかもモツ鍋置けるくらい広いテーブルじゃなくて、ちょっと飲んだら帰る感じの席なの! はめられたー!
お店の方が注文を取りに来られたので、とりあえずわたしはオレンジジュースを。勇二さんはコーラでした。そういや一希さんが、勇二さんも飲めないって言ってたな。
――静まり返りました。いや、駅チカだから音はいろいろするんですけど。
「……なに、たのみますか」
観念したのか、勇二さんが店員さんに渡されたラミネート加工のメニューを見てそうおっしゃいました。わたしが「あー、なんでも」と言うと、「じゃあ、とりあえず串盛りでも」とのこと。それで。帰りますとか言わないの、義理堅いよね。店員さんがドリンクを持ってきてくださったので、冷やしトマトもいっしょにたのみました。すぐ出て来そうなので。
オレンジジュースとコーラで、お通しを無言で食べる兄と妹。なにこの空間。ノリタケさんが癒やし。かわいい。とりあえず「なにからなにまで、ありがとうございます」と言いました。勇二さんは「いえ、当然のことなので」とおっしゃいました。
「……俺の自己満足なのは、わかってますので」
わたしはそれに返す言葉がなかったです。ご夫婦らしきお二人連れがやって来て、ノリタケさんに「おー、わんこー!」とちょっとかまってくださってから入店しました。冷やしトマトが来ました。
無言でもぐもぐしていたら、お店の方が「カウンターの方から持っていくように言われたのでー」と大きいジョッキでオレンジジュースがふたつ来ました。手元のドリンクを二人であわてて飲み干して交換します。あれ、なんかちょっとさっきのより甘い。違う種類かな。おいしい。焼き串のセットも来ました。ちょっとテーブルが狭いので、トマトをベンチに置きました。
無言で串をもぐもぐして。ノリタケさんがじっと見ていたので、ささみ串をほぐして内側のところをあげました。はふはふしながらいっしょうけんめい食べてます。かわいい。
勇二さんが、ジョッキをぐいっとして。意を決した感じで、言いました。ちょっと声が裏返ってました。
「あの――あの。……言い訳、してもいいですか」
なんの。ノリタケさんがしっぽをふっておかわりをおねだりしてきました。かわいい。
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