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『三田園子』という人
153話 私の名を呼んで
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「……アンナが遅い」
自動車の入領検査を終えた、一般人に擬態している騎士のダミアンが、自身の審査を受けた後に王国直轄領側の控室にて待機している私の元へ来た。遅い。アンナ、もといソノコは、私が審査を終えるころに審査室へ入ったはずなのに。ダミアンは「えっ、まだ来てないんすか?」と言いながら、通過してきた入領審査の間を振り返った。
「――僕の妻が、どうやら審査に手間取っているようだ。審査室まで戻って、様子を見てきても?」
「こちらで見て参ります、少々お待ちください」
越境審査官のひとりに尋ねるとそのような回答があった。目立たぬよう黙って従う。こんなに時間がかかるのは、ソノコが『アンナ・バルビエ』に関する情報を誤記し時間がかかっているか、あまりにもかわいらしくて引き留められているかだろう。なんにせよ、夫という立場で行動を共にしている私が向かうべきだとは思うが、事を言い立てて騒ぐのは得策ではない。
時間もかからずに審査官は戻ってきた。そして「もう入領審査室にはどなたもいらっしゃいません」と述べる。
「そんなわけはない、僕の妻は、まだこちらに来ていない」
「と、言われましても。今は自動車の検査結果待ちの方があちらの控室に待機している状況です。審査室は空ですよ」
「いや、たしかに一番奥の審査室に入ったのを見た」
私が言い募ると、審査官は「では、ご覧になりますか」と面倒くさそうに言った。
たしかに、人影も気配もなかった。私は早足でまっすぐに最奥の個室に向かう。自分の審査を終えて席を立つとき、たしかにアンナが小走りでその部屋に入ったのを見たのだ。もしや倒れているのでは、と急いた気持ちで中を覗くと、だれも居なかった。
――けれど。
「ダミアン‼」
私は自分でも驚くほどの声量で付き添いの騎士を呼んだ。すぐさま走って来る。そして彼は私が手にしている物を目にして絶句した。
審査室の空間に残っていたのはソノコが身に着けていた……かつらだった。寝るときですら頭に載せようとしていたくらいに彼女は慎重に行動していたし、自分だけ髪を染めないのは申し訳ないからかつらをやめて脱色しようとまで言ったほどだ。私が止めたが。こんなところで自ら脱ぐはずがなく、そしてここに姿はない。
「――越境審査局を封鎖しろ」
私はそう命じた。なにかが、あったのだ。ダミアンは旋風のように身を翻して私の命を伝えに走った。今、この地域には私を警護するための人員が二桁の人数いる。問題なく封鎖は完了するだろう。
私はその間、まずマディア公爵領側の入境審査控室と手洗いを女性騎士のカミーユとともに確認した。後発隊の幾人かが待機していたが、『アンナ』は来なかったと言う。それから実務に当たっていた越境審査官たちのいる控室を訪問し、『アンナ・バルビエ』を担当した者を問うた。
だれも名乗り出なかった。だれも。
私は詰問する。しかしだれも彼もただ怯えたり反発するばかりだった。私が「そんなはずはない、彼女が一番奥に入る姿を、私は見たのだ」と述べたところ、管理者が進み出てはっきりと私へ述べた。
「であれば――間違いなく。わたくしたちどもで、奥様の担当をした者はないと断言できます。窓口は二十ありますが、本日はわたくし含め、審査官の資格を持つものは十六名しか出勤しておりません。ですので――開いていたのは一から十三までの窓口のみでした」
私が入ったのは、休憩から戻った審査官三人が入った後半の窓口のひとつ。十一番だった。そのときにアンナの……ソノコの手を放した。
ソノコは――見つからなかった。
マディア公爵領側へと戻ろうとしかけた私を留めたのはダミアンとカミーユ。私も理性ではそれが適わぬことはわかっていた。なので、「俺たちは、戻ります。あなたの奥さんをみつけるために」と言った彼らに握手を求め、託した。私は王国直轄領側の街、ダルブに数日だけ逗留し、捜索の報告を待つことにした。
まずは無事に領境を越えたという報告を、ラファエル陛下とリシャール殿下へ。そして、マディア領レテソルに残っているミュラへ、ソノコが消えたことをすぐさま連絡した。ミュラからは『体を整えすぐに向かう』との一報が。もうすでに、マディア領、王国直轄領、双方の領境警備隊が捜索に動いている。なのでミュラになにかができるわけではないのだが、この事態にまんじりともせずただ公使館にいることもできないだろう。そして、数時間後。もう一度ミュラからの緊急通信が舞い込んだ。
『内M地点、B嬢負傷との報あり。緊急搬送。同行者は無事。下からL入り。こちら今日中にD地点へ合流する』
……ソノコが恐れていたことが、現実になってしまった。――レアが。『オリヴィエ・ボーヴォワール』と行動を共にしていたレアが。なぜ、私に成りすました工作員ではなく、彼女が負傷したのだろう。狙われる理由があるのは私だというのに。
そして、私は先日関係者の間で行われた密かな会議を思い起こしぞわりとした。『オリヴィエ・ボーヴォワール』とソノコが共にルミエラへという案もあったのだ。私的なわがままで私が反対した。しかし、こうしてソノコが姿を消してしまった以上、どちらの行程をたどっても危険であることには変わりなかった。共にルミヘラへ戻る警備兵のうち二人を、レアが搬送されたとされるマケトスへ向かわせる。まずは、状況を把握しなくてはならない。
――こちらへ向かっているミュラの気持ちが痛いほどにわかる。そして、ミュラも私についてそう感じているに違いない。二人の親しい友人の安否が、確認できない。なのに……なにもできない。
しばらくして、リッカー=ポルカ側からの調査報告が来た。聞き込み調査をしたところ、多くの町民たちが同じ反応をしたという。「『シキイ』様に連れていかれたんだ」と。
なんでも領境には『シキイ』と呼ばれる主のような者が住んでいると信じられているらしい。なのでみだりに境をまたいではいけないという教えとのことだ。町では行方不明者が出たという話がすぐに広がり、外出を控える様子すら見えるようになったと。こんなときに、笑えない冗談はやめてくれ。しかも、捜索に参加した領境警備の人間の中にも、いくらかその考え方に同調する者があったらしい。ルミエラに戻ったら人員の教育を見直すべきとの旨をマディア公へしたためようと思った。
ミュラが私の元に到着したのは、日付が変わる二時間ほど前。第二報の時間を考えると、自動車で片道十時間かかるところをわずか六時間程度でやってきたことになる。越境管理局は閉まっている時間だが、外交官特権で無審査なのをいいことに突破したらしい。宿の窓の外に響いた自動車の警音に、私は部屋を飛び出した。
「アシモフとイネスは明日の汽車で帰還するように手配しました。乗ってください、行きましょう」
「どこへ?」
「ルミエラへ。ああ、頭になにか布を巻いてください。腰の下にも厚手の布を。保護帯もしっかり身に着けてくださいね。たぶん助手席の方が安定すると思います」
「――まて、警備の者がいる」
「ついてこれるならどうぞ。必要ないと思います。――最初からこうすればよかったんだ」
淡々とした口調ながら、底には口惜しさが滲んでいた。ミュラは降りたばかりの自動車の運転席にもう一度乗り込み、「早くしてください」と私に言った。
「これ以上……時間をかけて、あなた自身が喪われたらどうするおつもりです」
その通りだ。もうすでに、二人の大切な人たちを……我々は失いかけている。
うなずいて、私はそのまま乗り込んだ。停戦議定書は肌身離さず懐にある。必要なのはそれと、私だけだ。私の警備担当の者たちは慌てて撤収準備へと走ったが、それを待たずにミュラは「奥歯を噛んでいてください」と自動車を発進させた。
結論から言うと、ミュラに言われた通り頭と腰へ布を巻かなかったことをすぐに後悔した。人気のない市街地を抜けて、街灯のない暗闇の国道を走る。北へ、北へ。ルミエラへ。空気抵抗によるものか、体全体に圧を感じながらじっと前を見て、考えていたのはソノコのことだった。
――ソノコ。私の愛しい人。あのときあなたの手を放したことを、私は生涯後悔することだろう。どうか無事でいて。……そしてもう一度。私の名を呼んでくれないか。あなたの声で。あの笑顔で。
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「――僕の妻が、どうやら審査に手間取っているようだ。審査室まで戻って、様子を見てきても?」
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時間もかからずに審査官は戻ってきた。そして「もう入領審査室にはどなたもいらっしゃいません」と述べる。
「そんなわけはない、僕の妻は、まだこちらに来ていない」
「と、言われましても。今は自動車の検査結果待ちの方があちらの控室に待機している状況です。審査室は空ですよ」
「いや、たしかに一番奥の審査室に入ったのを見た」
私が言い募ると、審査官は「では、ご覧になりますか」と面倒くさそうに言った。
たしかに、人影も気配もなかった。私は早足でまっすぐに最奥の個室に向かう。自分の審査を終えて席を立つとき、たしかにアンナが小走りでその部屋に入ったのを見たのだ。もしや倒れているのでは、と急いた気持ちで中を覗くと、だれも居なかった。
――けれど。
「ダミアン‼」
私は自分でも驚くほどの声量で付き添いの騎士を呼んだ。すぐさま走って来る。そして彼は私が手にしている物を目にして絶句した。
審査室の空間に残っていたのはソノコが身に着けていた……かつらだった。寝るときですら頭に載せようとしていたくらいに彼女は慎重に行動していたし、自分だけ髪を染めないのは申し訳ないからかつらをやめて脱色しようとまで言ったほどだ。私が止めたが。こんなところで自ら脱ぐはずがなく、そしてここに姿はない。
「――越境審査局を封鎖しろ」
私はそう命じた。なにかが、あったのだ。ダミアンは旋風のように身を翻して私の命を伝えに走った。今、この地域には私を警護するための人員が二桁の人数いる。問題なく封鎖は完了するだろう。
私はその間、まずマディア公爵領側の入境審査控室と手洗いを女性騎士のカミーユとともに確認した。後発隊の幾人かが待機していたが、『アンナ』は来なかったと言う。それから実務に当たっていた越境審査官たちのいる控室を訪問し、『アンナ・バルビエ』を担当した者を問うた。
だれも名乗り出なかった。だれも。
私は詰問する。しかしだれも彼もただ怯えたり反発するばかりだった。私が「そんなはずはない、彼女が一番奥に入る姿を、私は見たのだ」と述べたところ、管理者が進み出てはっきりと私へ述べた。
「であれば――間違いなく。わたくしたちどもで、奥様の担当をした者はないと断言できます。窓口は二十ありますが、本日はわたくし含め、審査官の資格を持つものは十六名しか出勤しておりません。ですので――開いていたのは一から十三までの窓口のみでした」
私が入ったのは、休憩から戻った審査官三人が入った後半の窓口のひとつ。十一番だった。そのときにアンナの……ソノコの手を放した。
ソノコは――見つからなかった。
マディア公爵領側へと戻ろうとしかけた私を留めたのはダミアンとカミーユ。私も理性ではそれが適わぬことはわかっていた。なので、「俺たちは、戻ります。あなたの奥さんをみつけるために」と言った彼らに握手を求め、託した。私は王国直轄領側の街、ダルブに数日だけ逗留し、捜索の報告を待つことにした。
まずは無事に領境を越えたという報告を、ラファエル陛下とリシャール殿下へ。そして、マディア領レテソルに残っているミュラへ、ソノコが消えたことをすぐさま連絡した。ミュラからは『体を整えすぐに向かう』との一報が。もうすでに、マディア領、王国直轄領、双方の領境警備隊が捜索に動いている。なのでミュラになにかができるわけではないのだが、この事態にまんじりともせずただ公使館にいることもできないだろう。そして、数時間後。もう一度ミュラからの緊急通信が舞い込んだ。
『内M地点、B嬢負傷との報あり。緊急搬送。同行者は無事。下からL入り。こちら今日中にD地点へ合流する』
……ソノコが恐れていたことが、現実になってしまった。――レアが。『オリヴィエ・ボーヴォワール』と行動を共にしていたレアが。なぜ、私に成りすました工作員ではなく、彼女が負傷したのだろう。狙われる理由があるのは私だというのに。
そして、私は先日関係者の間で行われた密かな会議を思い起こしぞわりとした。『オリヴィエ・ボーヴォワール』とソノコが共にルミエラへという案もあったのだ。私的なわがままで私が反対した。しかし、こうしてソノコが姿を消してしまった以上、どちらの行程をたどっても危険であることには変わりなかった。共にルミヘラへ戻る警備兵のうち二人を、レアが搬送されたとされるマケトスへ向かわせる。まずは、状況を把握しなくてはならない。
――こちらへ向かっているミュラの気持ちが痛いほどにわかる。そして、ミュラも私についてそう感じているに違いない。二人の親しい友人の安否が、確認できない。なのに……なにもできない。
しばらくして、リッカー=ポルカ側からの調査報告が来た。聞き込み調査をしたところ、多くの町民たちが同じ反応をしたという。「『シキイ』様に連れていかれたんだ」と。
なんでも領境には『シキイ』と呼ばれる主のような者が住んでいると信じられているらしい。なのでみだりに境をまたいではいけないという教えとのことだ。町では行方不明者が出たという話がすぐに広がり、外出を控える様子すら見えるようになったと。こんなときに、笑えない冗談はやめてくれ。しかも、捜索に参加した領境警備の人間の中にも、いくらかその考え方に同調する者があったらしい。ルミエラに戻ったら人員の教育を見直すべきとの旨をマディア公へしたためようと思った。
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「ルミエラへ。ああ、頭になにか布を巻いてください。腰の下にも厚手の布を。保護帯もしっかり身に着けてくださいね。たぶん助手席の方が安定すると思います」
「――まて、警備の者がいる」
「ついてこれるならどうぞ。必要ないと思います。――最初からこうすればよかったんだ」
淡々とした口調ながら、底には口惜しさが滲んでいた。ミュラは降りたばかりの自動車の運転席にもう一度乗り込み、「早くしてください」と私に言った。
「これ以上……時間をかけて、あなた自身が喪われたらどうするおつもりです」
その通りだ。もうすでに、二人の大切な人たちを……我々は失いかけている。
うなずいて、私はそのまま乗り込んだ。停戦議定書は肌身離さず懐にある。必要なのはそれと、私だけだ。私の警備担当の者たちは慌てて撤収準備へと走ったが、それを待たずにミュラは「奥歯を噛んでいてください」と自動車を発進させた。
結論から言うと、ミュラに言われた通り頭と腰へ布を巻かなかったことをすぐに後悔した。人気のない市街地を抜けて、街灯のない暗闇の国道を走る。北へ、北へ。ルミエラへ。空気抵抗によるものか、体全体に圧を感じながらじっと前を見て、考えていたのはソノコのことだった。
――ソノコ。私の愛しい人。あのときあなたの手を放したことを、私は生涯後悔することだろう。どうか無事でいて。……そしてもう一度。私の名を呼んでくれないか。あなたの声で。あの笑顔で。
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