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そして、和平協議へ
142話 なにそれ初めて見た
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「自重って言葉知ってる?」
「難しい言葉を使うようになったな。兄はうれしいよ」
三回裏、いろいろあって、「お手洗い行ってきます!」と宣言し、カヤお嬢様が「おともします!」と立ち上がったため、女性の警備員さんといっしょに三人でお手洗いへ行きました。戻ってきたらそんな会話が聞こえたわけです。はい。ちょっと不穏でした。はい。
あのですね。はい。いろいろありまして。はい。とってもいろいろありまして。それで逃げ…………いえいえめっそうもない。はい。ちょっと気分を変えるためにですね。はい。お手洗いに立ったわけです。はい。一番近くの、たぶんスタッフさん用お手洗いを、わたしたちのための専用にしてくださっています。申し訳なさがすごい。ありがとうございます。
そして、お手洗いに立っている時間があんまり長くてもね! ちょっとね! 乙女的にいやなのでね! それはきっとカヤお嬢様もそうなのでね! でもだからといってあんまり早すぎてもね! 「手洗ってないだろおまえ」って思われたりしたら、すりおろしりんご並みにこの身を細かくしても生まれてきたことに悔いしか残らないからね! いい感じに、いい感じに戻りました。その点でカヤお嬢様とはかなり以心伝心できていたと思います。ええ。
そんないろいろな気持ちで戻った席、なにやら重い陰が。なんでしょう、この兄弟お互いにブラコンだったはずなんですが。その事実をかち割るような重々しさ。ちょっと中に踏み入る勇気を見失ったついでになにかグッズでも買いに行こうかと心が逃避行しかけたところで美ショタ様が「おかえり」とこちらを向いておっしゃりました。はい、ただいまです。
あの、ちょっとだけ。ちょっとだけですね、席替え的ななにかを提案しようかなーとか、思っていたんです。はい。でもそんな空気じゃありません。はい。
わたしは、有無を言わせぬオリヴィエ様の笑顔に従い、一番奥の、オリヴィエ様の左隣へ。カヤお嬢様は、消去法でそれまでと同じく一番戸口側の席へ座りました。その移動の際に美ショタ様からすっと視線を外されました。ものすごく意識的に外されました。えっ、なにそれ。なんでスルーされたのわたし。
ところでですね。ただお手洗いに行って帰ってきただけではないんですよわたし。ちゃんと脳内シミュレーションをしてきたわけです。――わたしは……わたし、三田園子は! 今ここで! ノーと言える大人になる! 「ソノコ――さっきみたいに、食べさせて?」「はいっ」
あのですね。いろいろあるんですよ。それはもういろいろな事情があるんですよ。大人ってそうそう割り切れるものじゃない。そうやっていろんなものを飲み込んで、みんな生きている。OK? わかったね?
あのですね。お好み焼きピザ。あれ。あれですね。サイズはまあ、お好み焼きくらいなんです。チーズもりもり。それをね、自分でくるっと巻いて、こう、あちちってなりながら食べるものっぽいんです。はい。
それね、あの。試合始まるときにね。その。オリヴィエ様は自分で巻けないってことで。右手使えないので。あの。わたしが巻いて、そして食べさせて、みたいな、ね? あの、わたし隣の席だしね? 同じシートだしね? ね? で、熱いわけですよ。なので、こう、冷まさなきゃいけなくて。あの、こう、悩まし気なお顔でね、「熱いな。ソノコ、冷まして?」とか。とか。言われちゃったわけですよ。はい。えっ? はい。えっ?
うちわかなにか。探そうとしたわけですよ。もちろんね。ええ。でもあの、動こうとしたらこう、ガッと。……ガッと。こ……こし。こしを。あの。具体的に言うとあの、腰を。ガッと。ひき…………ぎゃああああああああああああああ!!!!
なんてことを思い起こさせるんですか‼ せっかくの心頭滅却お手洗いが水の泡じゃないですか! これはもう、もう、もう一度席を立つしか「ソノコ? 必要なものはここにすべてあるよ」はいそうですおっしゃるとおり承知しました申し訳ありません。
「なにか飲み物をもらおうか」
「ハイソウデスネー」
「私はアイスコーヒーを。ソノコは、オレンジジュースでいい?」
「ハイオネガイシマスー」
口に上らせただけで届けられるんですよ。もうすごいですよね。おかげさまでドリンクカッテキマースができないわけですよ。前のテーブルに置かれたコップを手に取りました。ちなみに使い捨てじゃないです。リユースです。ストローも曲がらないエコなやつです。はい。きっとわたしたちのところに来たものはぜんぶ新品なんでしょうけども。
試合の状況とかまったく追えていません。とりあえず場内アナウンスで先ほど四回表になったことはわかりました。どっちがどっちだったけ。もうそれすらもわかりません。
たぶん数十秒だけだと思うんですけど意識が飛んでて。オレンジジュースおいしいしか考えられなくて。なので「私にも少し味見させて?」と言われてアッハイってなったわけです。
「ん。おいしいね」
涼し気な笑顔でそう言われてストローを戻されて。そこで気づきました。ぎゃあああああああああああああああああああかんせつきっすじゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
いやそんなの! そんなの! これまで! いろんな人と! してきたけど! ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!! 「そこのバカアベック。まじで自重しろ」と鋭い美ショタ声がわたしたちへ向けられて発せられました。アベック? なにその古めかしい言葉。昔のマンガで使ってるのしか知らないぞ。美ショタ様じつは年齢詐称してる? アウスリゼではカップルのことアベックって言うの? てゆーかアベック? ――アベック? えっ? あっ? えっ??? ちょっ、ちょっと待って? えっ????
「怒られてしまったね、ソノコ」
オリヴィエ様がわたしに困ったようなぜんぜん困っていない笑顔でそうおっしゃいました。えっ。えっ。えっ。あの。あの。やっぱりあの。アベックって。思考停止した瞬間にオリヴィエ様の左腕が背中に回ってぎゅっとぎゃああああああああああああああ。
あの。助けてください。
最後まで見ていたら帰りに渋滞に巻き込まれるので、という判断から、六回終了時に帰るとのことです。まだ四回。あと二回。存える自信がない。わたしはきっとここで潰えるだろう。それもまた人生。しかし。見苦しい姿をさらして晩節を汚すわけにはいかない……! わたしは、人として、しんでいくのだ……!
そう思って立ち上がりました。ら、おもいっきりオレンジジュースのコップを倒して自分にかけました。晩節が汚れた。無念。いえ、シャツの胸元が汚れました。オリヴィエ様がすぐに反応して「たいへんだ、ソノコ」とハンカチをすっと出してくださったんですけど、ぎゃってなって。ぎゃってなって。さすがに胸元。ないのバレる。もうバレてる。いやそういうことではなく。むり。
「あの! わたしユニフォーム持ってきたので! 着替えてきます!」
宣言して、バッグをさっと手に取ってすぐさま立ち上がりました。「おともします!」とカヤお嬢様が着いてきました。わかる。
で、シャツ。白シャツなのでけっこうわかりやすく汚れてしまいました。カーディガンはだいじょうぶでした。とりあえずお手洗いの個室で両方脱いで、二十四番のユニフォームを着ました。個室から出たら女性の警備さんが「お預かりしますね」と汚れた服を引き取ってくれました。なにからなにまですみません。
それでですね。席に戻る途中。ちょっとだけ。ちょっとだけ寄り道というか。脇道逸れたんです。あのですね。心頭滅却のために。そしたらなかなかいいロケーションの通路がありまして。ベンチの真上あたり。うわいいねえと思ってちょっとそこから眺めたんですね、グラウンドを。そしたら、次バッターの選手がこちらを見ているのに気づいたんです。
リュシアン・ポミエ選手でした。二十四番の。
目が合った気もします。気のせいかもしれませんが、にこっとされました。そして。
試合はお互いにまだ得点がありませんでした。四回裏。得点板を確認したら、ポミエ選手がこの回の最後の打者になりそうでした。ゆっくりとした足取りでバッターボックスへ。
そして彼はそのまま。バットで遠くを指し――ホームラン宣言をしました。
「難しい言葉を使うようになったな。兄はうれしいよ」
三回裏、いろいろあって、「お手洗い行ってきます!」と宣言し、カヤお嬢様が「おともします!」と立ち上がったため、女性の警備員さんといっしょに三人でお手洗いへ行きました。戻ってきたらそんな会話が聞こえたわけです。はい。ちょっと不穏でした。はい。
あのですね。はい。いろいろありまして。はい。とってもいろいろありまして。それで逃げ…………いえいえめっそうもない。はい。ちょっと気分を変えるためにですね。はい。お手洗いに立ったわけです。はい。一番近くの、たぶんスタッフさん用お手洗いを、わたしたちのための専用にしてくださっています。申し訳なさがすごい。ありがとうございます。
そして、お手洗いに立っている時間があんまり長くてもね! ちょっとね! 乙女的にいやなのでね! それはきっとカヤお嬢様もそうなのでね! でもだからといってあんまり早すぎてもね! 「手洗ってないだろおまえ」って思われたりしたら、すりおろしりんご並みにこの身を細かくしても生まれてきたことに悔いしか残らないからね! いい感じに、いい感じに戻りました。その点でカヤお嬢様とはかなり以心伝心できていたと思います。ええ。
そんないろいろな気持ちで戻った席、なにやら重い陰が。なんでしょう、この兄弟お互いにブラコンだったはずなんですが。その事実をかち割るような重々しさ。ちょっと中に踏み入る勇気を見失ったついでになにかグッズでも買いに行こうかと心が逃避行しかけたところで美ショタ様が「おかえり」とこちらを向いておっしゃりました。はい、ただいまです。
あの、ちょっとだけ。ちょっとだけですね、席替え的ななにかを提案しようかなーとか、思っていたんです。はい。でもそんな空気じゃありません。はい。
わたしは、有無を言わせぬオリヴィエ様の笑顔に従い、一番奥の、オリヴィエ様の左隣へ。カヤお嬢様は、消去法でそれまでと同じく一番戸口側の席へ座りました。その移動の際に美ショタ様からすっと視線を外されました。ものすごく意識的に外されました。えっ、なにそれ。なんでスルーされたのわたし。
ところでですね。ただお手洗いに行って帰ってきただけではないんですよわたし。ちゃんと脳内シミュレーションをしてきたわけです。――わたしは……わたし、三田園子は! 今ここで! ノーと言える大人になる! 「ソノコ――さっきみたいに、食べさせて?」「はいっ」
あのですね。いろいろあるんですよ。それはもういろいろな事情があるんですよ。大人ってそうそう割り切れるものじゃない。そうやっていろんなものを飲み込んで、みんな生きている。OK? わかったね?
あのですね。お好み焼きピザ。あれ。あれですね。サイズはまあ、お好み焼きくらいなんです。チーズもりもり。それをね、自分でくるっと巻いて、こう、あちちってなりながら食べるものっぽいんです。はい。
それね、あの。試合始まるときにね。その。オリヴィエ様は自分で巻けないってことで。右手使えないので。あの。わたしが巻いて、そして食べさせて、みたいな、ね? あの、わたし隣の席だしね? 同じシートだしね? ね? で、熱いわけですよ。なので、こう、冷まさなきゃいけなくて。あの、こう、悩まし気なお顔でね、「熱いな。ソノコ、冷まして?」とか。とか。言われちゃったわけですよ。はい。えっ? はい。えっ?
うちわかなにか。探そうとしたわけですよ。もちろんね。ええ。でもあの、動こうとしたらこう、ガッと。……ガッと。こ……こし。こしを。あの。具体的に言うとあの、腰を。ガッと。ひき…………ぎゃああああああああああああああ!!!!
なんてことを思い起こさせるんですか‼ せっかくの心頭滅却お手洗いが水の泡じゃないですか! これはもう、もう、もう一度席を立つしか「ソノコ? 必要なものはここにすべてあるよ」はいそうですおっしゃるとおり承知しました申し訳ありません。
「なにか飲み物をもらおうか」
「ハイソウデスネー」
「私はアイスコーヒーを。ソノコは、オレンジジュースでいい?」
「ハイオネガイシマスー」
口に上らせただけで届けられるんですよ。もうすごいですよね。おかげさまでドリンクカッテキマースができないわけですよ。前のテーブルに置かれたコップを手に取りました。ちなみに使い捨てじゃないです。リユースです。ストローも曲がらないエコなやつです。はい。きっとわたしたちのところに来たものはぜんぶ新品なんでしょうけども。
試合の状況とかまったく追えていません。とりあえず場内アナウンスで先ほど四回表になったことはわかりました。どっちがどっちだったけ。もうそれすらもわかりません。
たぶん数十秒だけだと思うんですけど意識が飛んでて。オレンジジュースおいしいしか考えられなくて。なので「私にも少し味見させて?」と言われてアッハイってなったわけです。
「ん。おいしいね」
涼し気な笑顔でそう言われてストローを戻されて。そこで気づきました。ぎゃあああああああああああああああああああかんせつきっすじゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
いやそんなの! そんなの! これまで! いろんな人と! してきたけど! ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!! 「そこのバカアベック。まじで自重しろ」と鋭い美ショタ声がわたしたちへ向けられて発せられました。アベック? なにその古めかしい言葉。昔のマンガで使ってるのしか知らないぞ。美ショタ様じつは年齢詐称してる? アウスリゼではカップルのことアベックって言うの? てゆーかアベック? ――アベック? えっ? あっ? えっ??? ちょっ、ちょっと待って? えっ????
「怒られてしまったね、ソノコ」
オリヴィエ様がわたしに困ったようなぜんぜん困っていない笑顔でそうおっしゃいました。えっ。えっ。えっ。あの。あの。やっぱりあの。アベックって。思考停止した瞬間にオリヴィエ様の左腕が背中に回ってぎゅっとぎゃああああああああああああああ。
あの。助けてください。
最後まで見ていたら帰りに渋滞に巻き込まれるので、という判断から、六回終了時に帰るとのことです。まだ四回。あと二回。存える自信がない。わたしはきっとここで潰えるだろう。それもまた人生。しかし。見苦しい姿をさらして晩節を汚すわけにはいかない……! わたしは、人として、しんでいくのだ……!
そう思って立ち上がりました。ら、おもいっきりオレンジジュースのコップを倒して自分にかけました。晩節が汚れた。無念。いえ、シャツの胸元が汚れました。オリヴィエ様がすぐに反応して「たいへんだ、ソノコ」とハンカチをすっと出してくださったんですけど、ぎゃってなって。ぎゃってなって。さすがに胸元。ないのバレる。もうバレてる。いやそういうことではなく。むり。
「あの! わたしユニフォーム持ってきたので! 着替えてきます!」
宣言して、バッグをさっと手に取ってすぐさま立ち上がりました。「おともします!」とカヤお嬢様が着いてきました。わかる。
で、シャツ。白シャツなのでけっこうわかりやすく汚れてしまいました。カーディガンはだいじょうぶでした。とりあえずお手洗いの個室で両方脱いで、二十四番のユニフォームを着ました。個室から出たら女性の警備さんが「お預かりしますね」と汚れた服を引き取ってくれました。なにからなにまですみません。
それでですね。席に戻る途中。ちょっとだけ。ちょっとだけ寄り道というか。脇道逸れたんです。あのですね。心頭滅却のために。そしたらなかなかいいロケーションの通路がありまして。ベンチの真上あたり。うわいいねえと思ってちょっとそこから眺めたんですね、グラウンドを。そしたら、次バッターの選手がこちらを見ているのに気づいたんです。
リュシアン・ポミエ選手でした。二十四番の。
目が合った気もします。気のせいかもしれませんが、にこっとされました。そして。
試合はお互いにまだ得点がありませんでした。四回裏。得点板を確認したら、ポミエ選手がこの回の最後の打者になりそうでした。ゆっくりとした足取りでバッターボックスへ。
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